CLANNAD AFTER STORY 第18話
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[CLANNAD -AFTER STORY-]
『大地の果て』
汐と共に旅行に出た朋也。早苗の計画のまま行きついた大地の果てで待っていたのは、思いがけない肉親との再会。
そして、語られる真実は全ての解決と和解への始まり―――。
<あらすじ>
※今回のみ、詳細あらすじ+筆者独自の加筆で行きます。長文になりますので、あらすじの続きおよび感想は続きからどうぞ。
汐を連れて早苗さんが計画した旅行へと出かけた朋也。ほぼ一日遅れの出発となったため、丸一日分の予定を変更し、さらには当日券だった列車の乗車券も朋也が自費で買い直すこととなった。
本来なら急行で静かにいくはずだったが、朋也の持ち合わせが多くなかったことから急行を乗り継ぐことに。しかし、そのせいで周囲は同じように夏休みの旅行中の家族で混雑していた。
想わぬ形での親子の旅行。早苗の思惑を掴み切れない苛立ちも募って、思わず朋也は隣の席で騒いでいた家族を一喝してしまう。その影響で静まり返る車内だったが、気がつけば汐がそこにはいなかった。
汐は黙ってトイレに行っていた。泣いていいのはおトイレだけ―――。そう言い訳した汐は、そこから“先”を濁した。そこから先に続く、もう一つの泣いていい場所を……。
途中、男の子向けのロボットの玩具を朋也が強引に選んで買い与えながら、二人は早苗に渡された計画通りに道を進む。その先にあったのは一面の花畑。五年もの間、育児放棄していた父親との旅行をどこまで汐が楽しんでいるか不安だった朋也も、この壮大な光景を前にはしゃぐ汐を見て、少なからず来て良かったのだと実感していた。
朋也は汐を肩車して花畑へと向かう。気がつけば、初日のような空気は二人の間になく、まるで溝を埋めるかのように接していた。
だが、陽も暮れ始めた頃、一つの事件が起きる―――。
あらすじの続き・感想・考察はOPENからどうぞ。
<あらすじ・続き>
陽が暮れ始めたころ、汐がロボットの玩具をなくしてしまった。花畑で走り回った途中で落としてしまったようだった。朋也も一緒になって探すが、ただでさえ身体が小さい汐が縦横無尽に駆け回ったのだ。広大な面積もあって、探し出すのは絶望的だった。
―――結局、最後の最後まで楽しい思い出なんて出来なかった。
そう暗い影を落とす朋也とは対照的に、汐はどういうわけかあのロボットを諦めようとはしなかった。
ふと、朋也の脳裏にかつての自分と父親の姿がフラッシュバックする。早苗の計画にも、朋也は日暮れまでにこの先にある岬へ行かなければいけなかった。
汐を残し、岬へ向かう朋也。そこで待っていたのは、岡崎史乃(おかざき・しの)。朋也の父親・直幸の母親だった。
想わぬ形で祖母と再会を果たした朋也。ますます早苗の意図が掴めない内に、史乃は昔話を始める。それは、直幸の過去だった。
直幸が愛したのは敦子(あつこ)と言う女性だった。当時、二人ともまだ高校生だったが、直幸は周囲の猛反対を押し切って結婚。高校も中退し、働き始めた。
それでも、直幸は幸せだった。
母親である史乃が今まで見たこともないと表現するほど幸せそうな笑顔を浮かべ、狭いアパートで安い給料をやりくりして苦労しながらする生活でさえ、直幸は敦子と一緒だから幸せだったのだ。
やがて二人の間に子供が生まれる。
そう、名を朋也と付けられた。岡崎朋也の誕生だった。二人だけの生活は、家族の生活に代わり、直幸は一層働いた。どんな苦労も家族のためならばと身を粉にして働き続け、その中でささやかな幸せを手にしていた。
しかし、幸せは長く続かなかった。
突然の事故で敦子が他界してしまったのだ。それでも直幸は絶望するわけにはいかなかった。
幼い朋也がそこには遺されていたから。
―――コイツだけは、俺の手で育てるから
そう母に誓い、直幸はあの岬から仕事を求め旅立ったのだ。仕事と育児の両立は並大抵ではなかった。自分が出世する機会も、自分に合った職を見つけた時でさえも、朋也を優先して次の職を探すことは決して珍しいことではなかった。
少ない給料をやりくりして朋也に玩具を与え、自分の生活を切りつめてでもお菓子を買ってあげ、忙しい合間をやりくりしてご飯を作って一緒に食べた。
―――コイツだけは、俺の手で育てるから
その想いが空回りしたこともあった。時に乱暴で、時に暴力的で。それでも直幸の根底にあったのは、朋也を育てることだけ。
「私は誇りに思いたいんです。人間としてはダメな人だったかもしれないけれど、父親としては立派だった、と」
その言葉に朋也は頷くことしか出来なかった。
どんな想いで父が自分を育ててきてくれたのかを知り、そして今の自分の境遇と似ていることも知ってしまった。
愛する人に先立たれても残された子供のために決して崩れなかった直幸。
では、今の自分は?
渚に先立たれ、そのショックから汐を手放し、見ないようにし、つい数日前まで関心さえ抱かなかった。
守らなければいけない。
そして今度こそ手放してはいけない。
父親の過去を知って、朋也の目に光が戻った―――。
花畑に戻ると、まだ汐はロボットを探していた。
そっと近寄る朋也は、また新しいのを買ってあげると言うのだが・・・・・・。
―――あれ一つだけだから
売店に山積みされていた安売りおもちゃである。全く同じものとはいかなうても類似品は山ほどあった。
―――選んでくれて買ってくれたものだから・・・。初めてパパが・・・
絶句するしかなかった。
旅の始め、こんな自分との旅行を汐が楽しんでいるのか疑問だった。どうしてあんなロボットで楽しく遊んでいたのか疑問だった。どうして、古河家でもう使えない亀の玩具を捨てないと固執したのか分からなかった。
それは愚問だったのだ。
彼女はずっと待っていたのだ。
そしてその小さな思い出さえ刻もうとしていた。安物の玩具でも、もう二度と遊べない玩具でも、そこには朋也とのふれあいがあったから彼女は固執した。
そう、汐は待っていた……五年もの間、誰にも代用が効かないたった一人の父親を―――。
朋也は意を決して汐に語りかける。
―――傍にいてもいかな?
汐はその言葉にうなずく。父親が還ってきた嬉しい一日だが、それでも彼女はその父親から初めて買ってもらったプレゼントをなくしたから悲しい、と。
そこで初めて明かされる真実。
「早苗さんが、泣いていいのは、おトイレの中か―――パパの胸だけだって」
なんて酷いことをしていたのだろう。
朋也がいなかったばっかりに、汐は今の今まで誰の胸でも泣けなかった。早苗も、きっと秋生も自分の胸でなくことだけは許さなかったのだ。それは自分たちの場所ではない、と。
涙が止まらなかった、汐も、朋也も―――。
帰りの列車。
朋也は渚の話を始める。最初に訊かれた時は辛くて目を背け投げ出した。でも、汐と一緒に生きると決めた今、逃げるわけにはいかなかった。
そうして話すうちに、自然と朋也の目から涙が溢れる。
色褪せた世界。涙などとうに枯れ果てたと思っていたのに。
それでも泣けたのは、他でもない。
それだけ、朋也は渚を愛していた……いや、今でも愛しているから。
五年の回り道をしてようやく見つけた、朋也の守るモノ。
今度こそ、それを守るのだと、朋也は渚に誓った――――。
<感想・考察>
あらすじで燃え尽きた感があるため、感想は短めに(マテ
ただ、久々にアニメ見て涙腺を刺激されました・゚・(ノд`)・゚・
全会の終わり方からある程度、予想が出来たので実は渚死亡からアフタールートのラストまで再プレイしました。それを経ての18話。正直、いろいろと思うところはありますが、30分で納めると言う前提ならばよく纏まっていたと思います。
本音を言えば、もう少しカットしないでほしい部分はありました。朋也が岬に行くところが早苗の計画だと言うこと、汐の「独りで出来た」に対する父親としての朋也の回答、直幸の努力の部分など。アニメーションとして作るために、特に直幸の過去はちょっとファンタジックに作られ過ぎてしまったようにも感じます。あと、原作と対比して朋也がだいぶスレてるな、とw
ただ、それらを差し引いても纏まった方ではないかな、と。
当然、原作をそのまま再現するわけにもいかず、カットして繋ぎ合わせて作り直している部分は多々ありました。特に史乃とのやり取りはやや原作の文を前後させているところがあったので、若干の解りづらさと言うか伝えたいことにモヤがかかってしまったようにも感じますが。
それでも、最後の列車の中で朋也が渚を思い返して涙するシーンは、非常に良かったと思います。
原作では渚の話をする時にはすでに朋也が立ち直っている状態なので涙する描写は確かなかったかと思います。でも、朋也の渚への愛情を考えれば涙する方が自然だと思いますし、それに共感してくれる汐と言う存在が相まってとても良いシーンになっていたと思います。
あくまで原作再現度ではなくアニメーションとしての完成度として評価するならば、最高クラスでしょう。風子ルートほどの感動ではありませんでしたが、それでも涙腺を刺激されるシーンもありました。
もし、アニメを見て感動不完全燃焼の方がいるならば原作をプレイすることをお勧めします。PC、PS2、PSPで出ているはずですし、アフターまで行くのはちょっと長いですが、その分そこに辿り着いた時の感動は素晴らしいものがあると思います。ああ、ですのでPSP持って屋外でやらない方が良いと思います。家でじっくりプレイして下さいw
次回『家路』。手をつないで仲良く古河家へと帰ってきた朋也と汐。しかし、朋也にはもう一か所、帰らなければいけない場所があった―――。
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ほんとに感動的な回でしたね。
>朋也が岬に行くところ
ここで祖母と会話のところですけど、それより汐ほったらかしなのが気になってしょうがなかったです。目を離してる間に何か起きてしまいそうで怖かったですw