とらドラ! 第3話「君の歌」
2008/10/16/Thu
「9巻のお話読んじゃったあとだと、もうみのりんのこと何げなしに見ることできなくて、もうだめ私!みたいな状態かな。うー、このみのりんの明るさをかわいいととるか、それとも痛々しいと見ちゃうかは、原作の内容をどれだけ知ってるかにかかってくるのだろなって思う。少なくとも、私はもう彼女のふるまいは直視できないくらい、傷が透けて感じられちゃうよな、拙い心の働きを示してるようにしか思えない。それがとても痛々しくて、見るのに、つらいや。」
「実乃梨は、いわゆるポジティブシンキングが実際は傷を深めるだけの抑圧にすぎない心理であることを、まざまざと見せつけてくれるのよね。どんな人間にもネガティブな感情というものはあるのでしょうけど、実乃梨はなんというか、それが度を越えて強いというか、逆にいえばあまりに弱すぎるのでしょうね。だからそれを抑圧するために過剰に明るく振舞うようになってしまう。本当、繊細すぎる子よ。」
「バイトをいっぱいしちゃってるのも、たぶん余暇を上手につかえないからなんだよね。少し間が空いちゃうと、たぶん彼女は考えすぎちゃって、そのため否定性の感情にずぶずぶになっちゃうのだろなって気がする。弱さや苦しみを見つめないため、それを忘れているために、みのりんはああまで自分を忙しい状態においちゃってるのだと思う。‥そういう人は、つまりポジティブシンキング系の無駄に明るくなっちゃってる人は、世間には少なくないけれど、ね。ただみのりんの場合、これから竜児と大河っていう二人に対して、とても濃い性的な関係に挟まれるわけで、そして実質的に、みのりんは二人からふられることになっちゃう。その挫折が、たぶんみのりんを極限まで追いこんじゃう要因だったのかなって私は思うけど、それをアニメの今、この時点なら、まだみのりんを救えるチャンスはあるなって思えちゃって、それがまた、ひどく私を憂鬱にさせちゃう。竜児は、今回大河がいみじくもいってくれたけど、あまりに自分の幻想に酔っちゃうのだよね。彼は自分が好きなみのりんしか見えてなくて、ほんとの生きてるリアルのみのりんの姿は、さいごまでたぶん気づけなかった。‥みのりんをなんとかするのは、アニメでもやっぱり無理なのかな。この作品の登場人物で、みのりんの心情の機微に感づけるのはひとりしかないから、原作では破綻しちゃったけど、アニメではそこを取り繕ってくれると、私としてはうれしいかな。でもみのりん頑なだから、とてもむずかしい演出が求められるのは必至なのが、ちょっときついかな。そこまで期待するのは、行きすぎかなって思っちゃうし。」
「実乃梨をなんとかできる器量のあるのは亜美だけではたしかにある、か。ただアニメの活発な実乃梨の状態を見てしまうと、やはり重度な娘なのねと思わざるをえないのがはてさてといったところかしら。実乃梨の問題の核心は、実は自尊心の処理なのよ。そしてそれは竜児にもつながる問題である。さて、どうなるのでしょうね。」
→竹宮ゆゆこ「とらドラ6!」
→竹宮ゆゆこ「とらドラ9!」
→「とらドラ!」雑感 嘘の囚われ人としての実乃梨
「実乃梨は、いわゆるポジティブシンキングが実際は傷を深めるだけの抑圧にすぎない心理であることを、まざまざと見せつけてくれるのよね。どんな人間にもネガティブな感情というものはあるのでしょうけど、実乃梨はなんというか、それが度を越えて強いというか、逆にいえばあまりに弱すぎるのでしょうね。だからそれを抑圧するために過剰に明るく振舞うようになってしまう。本当、繊細すぎる子よ。」
「バイトをいっぱいしちゃってるのも、たぶん余暇を上手につかえないからなんだよね。少し間が空いちゃうと、たぶん彼女は考えすぎちゃって、そのため否定性の感情にずぶずぶになっちゃうのだろなって気がする。弱さや苦しみを見つめないため、それを忘れているために、みのりんはああまで自分を忙しい状態においちゃってるのだと思う。‥そういう人は、つまりポジティブシンキング系の無駄に明るくなっちゃってる人は、世間には少なくないけれど、ね。ただみのりんの場合、これから竜児と大河っていう二人に対して、とても濃い性的な関係に挟まれるわけで、そして実質的に、みのりんは二人からふられることになっちゃう。その挫折が、たぶんみのりんを極限まで追いこんじゃう要因だったのかなって私は思うけど、それをアニメの今、この時点なら、まだみのりんを救えるチャンスはあるなって思えちゃって、それがまた、ひどく私を憂鬱にさせちゃう。竜児は、今回大河がいみじくもいってくれたけど、あまりに自分の幻想に酔っちゃうのだよね。彼は自分が好きなみのりんしか見えてなくて、ほんとの生きてるリアルのみのりんの姿は、さいごまでたぶん気づけなかった。‥みのりんをなんとかするのは、アニメでもやっぱり無理なのかな。この作品の登場人物で、みのりんの心情の機微に感づけるのはひとりしかないから、原作では破綻しちゃったけど、アニメではそこを取り繕ってくれると、私としてはうれしいかな。でもみのりん頑なだから、とてもむずかしい演出が求められるのは必至なのが、ちょっときついかな。そこまで期待するのは、行きすぎかなって思っちゃうし。」
「実乃梨をなんとかできる器量のあるのは亜美だけではたしかにある、か。ただアニメの活発な実乃梨の状態を見てしまうと、やはり重度な娘なのねと思わざるをえないのがはてさてといったところかしら。実乃梨の問題の核心は、実は自尊心の処理なのよ。そしてそれは竜児にもつながる問題である。さて、どうなるのでしょうね。」
→竹宮ゆゆこ「とらドラ6!」
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