今週もやって参りましたアウトラン股旅コーナー。関東1都6県制覇も残すところあと3都県、折り返し地点を過ぎた第五回目は、“メトロポリス”東京都。ゲーセン業界は近年かつてない苦境の中にありますが、それでも街中至るところに無数のゲーセンを抱える都市は他にあらず。「ゲーム」というものがストリートのカルチャーとして存在し得える国の中では、間違いなくこの街が世界一。
◆1店目:高田馬場ゲーセン・ミカド
-初代アウトラン(海外版)1台
--100円
--新宿区高田馬場4-5-10オアシスプラザビル1階、2階、高田馬場駅戸山口より徒歩約5分。
--10時~24時
そんな希少価値な街だからこそ、成立するであろうお店がこちら。かつてあった西武新宿駅前から、高田馬場駅前に居を移した「レトロゲームの殿堂」ことミカド。地方にありがちな、時代が止まっているおかげでゲームも取り残されたようなお店とは明確に異なり、最新のゲームもしっかりと置かれた上で、価値のあるレトロゲームだけを厳選し、素晴らしいメンテナンスでプレイ可能にした夢のような環境があります。
そして、ここにあるのが都内唯一の初代アウトラン筺体。画面は美しく、音も鮮明、もちろんバリバリ動きます。新宿に置いてあった頃から、歴戦のアウトランナー諸氏と幾度か訪れてはいましたが、皆さんのプレイがあまりに凄すぎて全く参考にならなかった&とても手を出せるような空気ではなかったことから、今回が初プレイ。新作ゲームのような素晴らしい状態に感涙していると、生涯二度目の完走達成。特別なことはしなくても、ノーミスで走ればクリアできるのね。今さらながら…
(;^_^A
お隣には、レトロゲームというにはまだ新しい「アフターバーナークライマックス」が置いてあり、「アフターバーナーⅡ」とシリーズ作品を揃って楽しめるようなラインナップになっていますが、いずれ「OutRun2」も初代と並んで置かれるようになるといいなあ。色々と噂は聞きますが。いずれにせよ、アウトランナーならば一度は足を運ぶべきお店ですね。
◆2店目:新宿スポーツランド本館
-SP1台
--100円(15連200円)
--新宿区新宿3-22-12、新宿駅東口より徒歩3分、地下鉄B12出口、アルタ真裏の三平ビル1F
--10時~24時
ミカドが初代の聖地とするのならば、SPの聖地はこちら。靖国通りに聳え立つ新宿スポーツランド本館、通称「三平」。新宿駅東口と歌舞伎町の中間という繁華街のど真ん中に、いまも堂々と筺体が鎮座しています。スポランという店名ながら、セガの準直営店のような位置付けですが、かつて「大人の事情」からSP筺体が一斉にセガ直営店から姿を消した頃、「聖地」であることを背景に撤去を踏み留めたという逸話もありました。
タイムアタックが最も盛り上がっていた頃は、毎週のようにオフ会が行なわれ、中部からも、関西からも、北陸からも、東北からも、九州からも、文字通り日本全国から名うてのランカー達が押し寄せて、ハイレベルな交流が常に行なわれてきました。あそこへ行けば誰かいるだろう、そんな思いで集えるスポットはまさにアーケードの醍醐味。今でもふと立ち寄るたび、ひょっこり知り合いに逢えそうな予感がします。
◆3店目:カラーワールド
-SP2台
--100円(15連200円)
--江東区青海1丁目、ヴィーナスフォート1F。ゆりかもめ青海駅直結、りんかい線東京テレポート駅より徒歩3分
--11時~23時
聖地、聖地と来たところで、ひと休み的な隠れ家スポットがこちら。臨海副都心、ヴィーナスフォート内にあるレジャラン系列のカラーワールド。すぐお隣にはレジャランの旗艦店とも言えるパレットタウン店がありますが、今ではゲームの数もめっきり減って、SDXも撤去済み。しかし、なぜかこちらにはまだSPが残っている不思議。大体、ここいらの客層はカップルだらけなので、インカムがあるとも思えませんが。店員さんが好きなのかなあ。
某コミケの際などには是非お立ち寄りを。行ったことないけど。
◆4店目:トライアミューズメントタワー
-SP1台
--100円(15連100円)
--千代田区外神田4-4-7 MTビル3~9階
--10時~24時
そして最後は“萌える趣都”アキハバラから、「トラタワ」ことトライアミューズメントタワー。今でこそ家電屋の空き店舗がゲーセンになるケースが増えましたが、まだ「電気街」が健在でゲーセンが少なかった時代からある老舗のひとつです。かつてはそれこそ裏通りにひっそりと佇む怪しげな外見もあって、マニアックなゲームの多いニッチ向けの店でしたが、再開発が進んで人通りが増えた頃からライト化が加速、現在の場所に移転して雰囲気はだいぶ変わりました。
そんな中で、戦場の絆フロアの片隅に佇む1台のSPの姿は、場違い以外の何物でも無いですが、一度は撤去されてから復活した事情は、いくつもの要素が絡み合った偶然の産物のような気がしないでもありません。個人的には、乗換駅であったり、寄り道であったりと訪れる機会の多い街なので、ほぼホームのようにプレイし続けていますが、ある日突然無くなってもおかしくない。毎回、エレベーターから降りるたび、今日もあって良かったとほっとしています。
以上、東京都は23区内に初代1店舗、SP3店舗を確認。これを多いと見るか、少ないと見るかは微妙なところですが、まもなく5周年となるゲームを都心部でプレイできる環境があるのは十二分に幸せだと思います。特にトラタワ。ゲーム好きが多数集うであろうこの街で、いつもプレイしているのが自分だけというのはちょっと残念。無くなってから後悔する前に、いや後悔しないために、遊べるうちに遊べるだけ遊んでおきましょう。
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