12月21日の林道晴コート
上告代理人と被上告代理人とのそれぞれの弁論が終わると、再度上告代理人に再反論はないかと尋ねたが、上告代理人は特にありませんとこたえ、それで終わり。
残念ながら、その場での上告代理人による即興反論はなかった。予想していなければできないよね。また、アメリカの最高裁みたいに裁判官が補充質問を代理人にするシーンも無し。もっとツッコミをいれたら面白いのだが。
そうした例が最高裁でなかったわけではなく、ある弁護士さんによると宮崎裕子裁判官は質問をしたそうだ。その時は開廷前に裁判官から質問があるかもと書記官から予告を受けていたようだ。
両代理人とも、自己の立場が正当であることが「明らか」だと弁論していたが、実益論では法定重利を主張する上告人側が債権者の保護に必要だとしつつ、法定重利によっても額は大きくないと、矛盾したようなことを言っていたし、被上告人側も不法行為を争っているのに損害賠償を支払わないと不利になるのはおかしいと、全ての遅延利息を否定するようなことを言っていた。
ツッコミどころは色々ある。ただ、弁論期日に口頭で述べたことは、趣旨説明とか補足説明でわかってもらうためにやるわけで、新たな主張とか観点とかを持ち出しても、それは記録に取られないので、空気中に消えてしまう。それでも念を押しておきたい点というのはあるかもしれない。
結論は、弁論期日を入れたのだから、定石どおりなら破棄自判だろうが。
なお、今日も傍聴席は半分の22席しか開放せず、しかも両代理人の関係者が多数来ていたので、神奈川大学の学生さんたちが入れなかった。
残念至極で、最高裁も両サイドのスペースに傍聴人を入れるくらいの対応をしてもよいのではないか。
黙っていろと言われている席だし、マスクもしているし、しつこいくらいに消毒もさせられて、感染リスクは限りなく低いと思う。
それがどうしても嫌なら、せめて最高裁の弁論だけでもストリーミング中継してはどうか。
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