Bankruptcy:出会い系経営者の破産で財産隠し
朝日新聞サイトの記事:破産前に売上金2億円隠した疑い 東京地検特捜部逮捕
これは朗報というべきであろうか?
特捜部によると、東京地裁は2009年10月、容疑者の破産手続きの開始を決定。容疑者はそれ以前の08年1月~09年10月に、自ら経営する出会い系サイト運営会社の売り上げ約2億3400万円を、債権者らから隠した疑いがある。金はサイトの会員が払った利用代金で、決済代行業者らを経由し、容疑者が管理する借名口座に振り込まれていたという。
朗報というのは、2億円が暴力団などに上納されて消え失せてしまったのではなく、容疑者の管理する講座に隠されていたということらしいので、ひょっとすれば出会い系サイトの被害者が取り戻せるかもしれないという点が一つ。
もう一つは、決済代行業者らを経由したとあるので、ひょっとするとこの決済代行も共犯で検挙されるのではないか、出会い系サイトを成り立たせている決済代行会社にメスが入るのではないかと期待できる点である。
ちなみに、破産法は以下の様な規定をもっている。
(詐欺破産罪)第二百六十五条 破産手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、債務者(相続財産の破産にあっては相続財産、信託財産の破産にあっては信託財産。次項において同じ。)について破産手続開始の決定が確定したときは、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。情を知って、第四号に掲げる行為の相手方となった者も、破産手続開始の決定が確定したときは、同様とする。
一 債務者の財産(相続財産の破産にあっては相続財産に属する財産、信託財産の破産にあっては信託財産に属する財産。以下この条において同じ。)を隠匿し、又は損壊する行為
二 債務者の財産の譲渡又は債務の負担を仮装する行為
三 債務者の財産の現状を改変して、その価格を減損する行為
四 債務者の財産を債権者の不利益に処分し、又は債権者に不利益な債務を債務者が負担する行為
2 前項に規定するもののほか、債務者について破産手続開始の決定がされ、又は保全管理命令が発せられたことを認識しながら、債権者を害する目的で、破産管財人の承諾その他の正当な理由がなく、その債務者の財産を取得し、又は第三者に取得させた者も、同項と同様とする。
罰せられるのは破産者だけではないのである。
| 固定リンク
「法律・裁判」カテゴリの記事
- Arret:欧州人権裁判所がフランスに対し、破毀院判事3名の利益相反で公正な裁判を受ける権利を侵害したと有責判決(2024.01.17)
- 民事裁判IT化:“ウェブ上でやり取り” 民事裁判デジタル化への取り組み公開(2023.11.09)
- BOOK:弁論の世紀〜古代ギリシアのもう一つの戦場(2023.02.11)
- court:裁判官弾劾裁判の傍聴(2023.02.10)
- Book:平成司法制度改革の研究:理論なき改革はいかに挫折したのか(2023.02.02)
コメント