France刑事和解調書は民法上の和解に相当する
ダローズの学生向け紹介記事に取り上げられていた破毀院判決では、刑事和解調書が民法典2044条の和解に相当すると判断された。
Civ. 1re, 10 avr. 2013, n 12-13672
フランス刑事訴訟法41-1条6項は、公訴提起に先立ち、検察官が相当と認めるときは刑事調停を開始することができると規定している。そして2004年の法改正で、刑事調停での合意は調停人が調書にまとめる事になった。しかし、それが民事上の和解となるのかどうか法律は明らかにしておらず、上記判決はそれを初めて認めたということで意義がある。
ただし、和解が成立しても、公訴提起が完全に否定されるわけではない。民法典2046条は、「和解は検察官による訴追を妨げない」と規定しており、検察官の訴追代替措置(une mesure alternative aux poursuites)を定めた刑事訴訟法典41-1条からも、公訴権がなくなるわけではないことが明らかだという。このことは、既に破毀院刑事部2011年6月21日判決(pdf)でも明らかにされていた。
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