arret:すばらしい判決:お手盛り議決権の濫用
毎日jp:神戸公金返還訴訟:請求放棄条例は無効 大阪高裁判決
控訴審で市長側は、1審判決が命じた返還請求権を放棄する条例(今年2月成立)を根拠に「請求権は消滅した」と請求棄却を求めた。この条例について、大谷裁判長は「請求権放棄には、公益上の必要性や合理的理由が必要」と指摘。その上で、「放棄する合理的理由はない。住民訴訟を無にしてしまうものだ」と結論付けた。
追記:酔うぞさんのブログ「神戸市・補助金返還判決の帳消し条例の是非」に条例文がある。
住民訴訟で違法な行為の是正と損害の回復を図っているのにも関わらず、損害の回復をしてもらう立場にある市が、その努力を無にする請求権の放棄を条例で定めるなど、市民に対する背任行為といってもよいくらいである。
この種の訴訟に匹敵するものとして、株主代表訴訟による取締役の責任追及がある。そこでも、株主が会社の利益のため損害を回復する訴訟を提起しているのに、恩知らずな会社が取締役側に補助参加したりする。訴訟被担当者が担当者ではなく相手方に付こうというのだから、矛盾そのものである。
要は、会社ぐるみの不正をやっている取締役に会社が肩入れするのも、市ぐるみで不正をやっている市長に市が肩入れするのも、よく似た構図というわけだ。
大阪高裁がこの馴れ合いの構図に鉄槌を下したのはすばらしい。
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コメント
こういう出鱈目な行政を放置していて地方分権はありえないと思っていました。ようやくまともな司法判断が出て安心しました。
同時に、こういう出鱈目な行政の共犯である地方議会の共産党を除くオール与党体制にも司法の鉄槌が下ったものと思っています。
自公民他のオール与党の議員には猛省を促す昨日の大阪高裁判決です。
投稿: かおる姫 | 2009/11/28 01:46
問題の条例を掘り出してきて、ブログに載せましたが、すご過ぎます。
そもそも条例として、違法なんじゃないかと思うのです。
投稿: 酔うぞ | 2009/11/28 11:21
町村様
この権利放棄議決は、東京高裁で3回も有効とされ、最高裁で不受理となっていたものを、私が代理して、大阪高裁で初めて、住民訴訟を助けたもので素。論文として、阿部泰隆、判時1955号、自治研究今年の8,9,11月号があります。裁判の資源とは、弁護士がしっかり主張するかどうかにもかかわり、法社会学者は、その点を分析するべきです
投稿: 阿部大龍 | 2009/11/30 23:14