jury:陪審裁判に列す
asahi.com:「厄介なこと」「心意気見せてやる」戦前の陪審員体験記
宮崎のある人の回想録にあったという。
面接を経て選ばれた陪審員12人は豆腐屋や織物問屋、会社員などさまざま。男女関係のもつれで女性を刺した男性の行為が「殺人罪」に当たるかを争点に審理が進んだが、発言する人はいなかった。 1日目が終わると、陪審団は宿泊施設に「缶詰め」にされた。〈設備は温泉旅館の一等くらい。酒は夕食だけひとり2合となに不自由はないが、外部との交渉は絶たれておるのと、その事件に関する新聞記事は切り抜いてある。〉
裁判は3日間の予定だったが、仕事を持つ陪審員たちは裁判所にある要望をする。〈2日間で片づけて返してもらいたいと申請して、2日目の公判の時間を延長した。〉 陪審員12人が話し合った結果、被告は多数決で有罪に。すべてが終了したのは午後10時。裁判所が被告に懲役8年の判決を出したところで、体験記は終わる。
やはり三日なのかと、また三日でも長すぎて短くして欲しい、そのため審理を詰め込んで夜10時までやると、この環境では、仮に有罪であることに疑問を抱いた人がいたとしても、議論を十分にすることは難しいであろう。
いわゆる自白事件なら犯人性は明らかかというと、最近の冤罪例2件がどちらも自白事件だったことを思い出すべきである。
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