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2008/07/11

arret:知財高裁の判決が上告審で破棄された事例

最判平成20年7月10日PDF判決全文

以前のゼミで、ゼミ生が「知財高裁の判決は上告審でひっくり返ったことがない」といっていたので、敢えて取り上げてみた。

判旨部分は「特許異議申立事件の係属中に複数の請求項に係る訂正請求がされた場合,特許異議の申立てがされている請求項についての特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正については,訂正の対象となっている請求項ごとに個別にその許否を判断すべきであり,一部の請求項に係る訂正事項が訂正の要件に適合しないことのみを理由として,他の請求項に係る訂正事項を含む訂正の全部を認めないとすることは許されないというべきである。」

特許の実体関係に関する判断ではなく、手続的な判断だから、知財高裁のような専門性ある裁判所の判断を特別扱いすることはないのかもしれない。

なお、以下の文献参照

この36頁以下を見ると、訴訟の進行を遅延させることになる訴訟中の訂正請求に、下級審裁判官が手を焼いていることが読み取れる。これに対して、本件は正面からかみ合った事例ではないが、最高裁としては防御権尊重を優先している傾向にあるというべきか。

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