青少年net規制法成立
6月6日に衆議院に提出された「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律案」は、本日の参議院本会議で、一人の反対を除くほぼ全会一致で、可決成立した。
その反対をした一人の勇気ある参議院議員は、だれあろう、川田龍平氏である。
なかなかやるな、川田龍平議員!
この議員立法では、ホスティングプロバイダに特定サーバー管理者というネーミングが生み出されたが、この特定サーバー管理者には掲示板管理者も入るのかもしれない。
また、この法律で注目されていた有害情報の定義は、以下のようになっている(第2条)。
「3 この法律において「青少年有害情報」とは、インターネットを利用して公衆の閲覧(視聴を含む。以下同じ。)に供されている情報であって青少年の健全な成長を著しく阻害するものをいう。
4 前項の青少年有害情報を例示すると、次のとおりである。
一 犯罪若しくは刑罰法令に触れる行為を直接的かつ明示的に請け負い、仲介し、若しくは誘引し、又は自殺を直接的かつ明示的に誘引する情報
二 人の性行為又は性器等のわいせつな描写その他の著しく性欲を興奮させ又は刺激する情報
三 殺人、処刑、虐待等の場面の陰惨な描写その他の著しく残虐な内容の情報」
2条4項の三つは「例示」ということなので、やはり「青少年の健全な成長を著しく阻害するもの」という要件はオープンな、外延の定まらない要件ということになる。
ここで問題。
1.ミャンマー軍事政権の兵士により撃ち殺されたカメラマンの射殺の瞬間の写真は、「青少年の健全な成長を著しく阻害するもの」に該当するか?
2.ラストフレンズなどDVを扱ったドラマでの家庭内暴力シーンは同じく該当するか?
3.アウシュビッツやこれに相当する虐殺場面を描いたドキュメンタリー映画や、被害者の遺体や生存者の悲惨な情景を描いた記録映像は上記の有害情報に該当するか? 原爆被害者の映像や絵はどうか?
4.実写ではなくアニメで上記の例示に該当するものは、やはり上記の有害情報に該当するか?
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コメント
なんか「この法律はだれでも分かる」と行ったのりでロクロク検討されないで成立した法律には後になってから問題になるものが多いですね。
ところで、ネット関連の法律や行政の動きの前提は「プロバイダーなどがなんとか管理できるはずだ」という考え方が強く出ているように感じるのですが、パソコン通信時代ならいざ知らず、誰でもブログを作れるような状況で「管理者」とはどの範囲を指しているのでしょうかね?
「管理者が・・・」と主張する議員さんなどは、ネットの実態をまったく知らないで言っているだけではないのか?
投稿: 酔うぞ | 2008/06/12 08:52
ただ、「民間に任せておけばよい」「親に判断させればよい」ですますのもネットの実態を知らないで言っているか、知った上で別の思惑があって言っているかでしょうね。
投稿: 小倉秀夫 | 2008/06/12 10:21
本当にあっという間に出来た気がします。
インターネット規制の必要性はわかりますが、せめてもう少し煮詰めて欲しかった感じがします。
先生の問題1~4ですが、
1は、3号「殺人」の場面に該当し、「陰惨な描写」か、または「著しく残虐な内容の情報」に該当するので、青少年有害情報に該当するのではないでしょうか。
2は、家庭内暴力は、3号「虐待」にあたるのではないでしょうか。ただ、ラストフレンズを見ていないので、描写の内容が分からないのですが、該当可能性はあると思います。
3は、「殺人、処刑」にあたるでしょう、また描写もおそらく行為の残虐さや陰惨さをドキュメンタリー等によって伝えようとしているのでしょうから、「陰惨な描写その他残虐な内容の情報」に該当すると思います。
4は、先生の引用を見る限り、法はアニメと実写を区別していないようですので、アニメでも青少年有害情報該当性は当然認められると思います。
こう見ると、かなり有害情報の範囲は広い気がしますね。ニュース映像や映画、ドラマのネット配信も規制されるのでしょうか。
まあ映画の年齢規制を考えると全て規制をするという考えもありえるのかもしれませんね。
投稿: K | 2008/06/12 11:53
表現の自由に対する規制だから「拙速な議員立法」は避けて慎重に審議して欲しかったです。必要性そのものは分かりますが、範疇化(過度の広範性ゆえに無効)、必要最小限(前同)、明確性(漠然性ゆえに無効)、LRAなどの観点から事後的でも吟味が必要かも知れません。
投稿: ハスカップ | 2008/06/12 19:08
横やりですみません。
小倉先生のおっしゃるネットの実態ですが、どのような実態調査の結果なんでしょうか?
私が見る限り、この手の実態調査でまともなのを目にしたことがないので教えていただければ幸いです。
投稿: Toshimitsu Dan | 2008/06/12 19:22
インターネットや携帯電話が如何に児童売買春に活用されているかは,奥村先生のブログを見るのが一番わかりやすいのではないかという気がします。
あとは,「まともな実態調査」といえるための条件としてどのような要素をクリアしていることを求めるかによるということになろうかと思いますが,あまり厳格な要素を求めますと,生身の人間で実験することがなかなか難しいので,それはそれで難儀なことになってしまいそうです。
投稿: 小倉秀夫 | 2008/06/12 20:51
広島県では、真面目な性教育のサイトが、「有害」として学校のパソコンから見られなくなっているそうです。「花王」が著名な医師の監修の下に、思春期のこどもの教育用に作ったものです。
http://www.kao.co.jp/laurier/karada/index.html
今後、ネット規制によって、このようなことが全国的に広がっていくことが危惧されます。それも、仕方がないことなのでしょうか?
投稿: 法学部出身 | 2008/06/12 21:04
現在の公立学校は基本的に教育委員会のドメインと理解して良いので、フィルタリングも教育委員会が管理しているようです。(東京都など)
ところが、学校の方の事情は一様ではないし、さらに学校内でも一様ではなかったりました。
その結果、2ちゃんねるが見えた高校もありました。
その一方で、公立図書館も教育委員会傘下なので、同じフィルタリングが働いてるために「悪徳商法」で引っかかってしまった。
学校では、実はフィルタリングのチューニングも出来るようで、同じ都立高校でも、学校によって結果が違います。
広範囲にフィルタリングすると授業にも使えないのは、現実に起こっています。
だから「難しい」と言っているつもりなんですがね、どうやって効果ある規制をするのでしょうか?
投稿: 酔うぞ | 2008/06/12 22:12
もう、お父さんお母さんのいない場所でネットを行ってはいけませんてすべきだと思うんだ(´・ω・`)
個人的には子供のネット規制にやり方次第では賛成ですがそれはおかしい。
>、「民間に任せておけばよい」「親に判断させればよい」ですますのもネットの実態を知らない
↓
>小倉先生のおっしゃるネットの実態ですが、どのような実態調査の結果なんでしょうか?
↓
>インターネットや携帯電話が如何に児童売買春に
実態調査の内容に異論を唱えるようなまねはしませんが、その以前に売春なんてわかりやすいものなら誰でも判断できるでしょう。
しかも今回の規制範囲外ですよね。
「公衆の閲覧に供されている情報」
メールや携帯電話は対象外です。情報の流入を制限する効果はないわけではないでしょうが。
資料の内容は疑わなくとも、今回の件に意味のある資料のタイトルには思えません。
なんにせよ親が判断して対処できない理由にはなってこないでしょう。
【「出会い系サイトを閲覧禁止とする」以上】でしかありません。
親がこれは出会い系か否かわからないで素通しにする実態」というのなら、確かに小倉さんの言うとおりだったのですが。
なに、お父さんはそんなのチェックしきれない?そういうお父さんは子供にネットさせない選択肢が与えられます。
投稿: サスケット | 2008/06/13 00:05
「○○に参加できないと、仲間はずれにされちゃうよ」と子供にせがまれたCGM系にアクセスすることを許したら、そこで売買春の誘い等にあい、それに乗ってしまうという自体は普通に想像可能ですね(って、奥村ブログを見ればですけど)。
投稿: 小倉秀夫 | 2008/06/13 00:43
>「○○に参加できないと、仲間はずれにされちゃうよ」と子供にせがまれたCGM系にアクセスすることを許したら、そこで売買春の誘い等にあい、それに乗ってしまうという
そうですねー。ありえますねー。
でも、想像可能なレベルでいいのであれば、ネット以外の媒体から情報を仕入れて、メールや電話は素通しというパターンも普通に想像できますからねー。
「総合的」に親が子供に関心を持つというやり方の方が好ましいのですよ。
はい。前提がもうここでおかしい。
そんな簡単に自分の子供の嘘に騙されて売春を見逃す無能な親は正直そのままでは不味すぎです。
規制解除されるのが、「ネット」じゃなくて、夜間外出でも外泊でも同じ言い訳が通じますね。
ですから仮にそれが「一般的」だとすれば問題は「ネットの実態」以前の話です。
「一般的な親の実態」がそこまで無能なんだということであれば、ことはネット規制の問題じゃありません。
ネットだけお国に頼って何とかしてもらっただけのことにしか見えません。それは「ネット規制」で対処できる問題じゃありません。
もしそれだけでクリア出来ると思ったら
>「○○に参加できないと、仲間はずれにされちゃうよ」と子供にせがまれたCGM系にアクセスすることを許したら、そこで売買春の誘い等にあい、それに乗ってしまう
という「実態」を知らないで言っているか、知った上で別の思惑があって言っているかでしょうね。
投稿: サスケット | 2008/06/13 00:56
奥村先生のブログは、インターネットや携帯電話が児童売買春に活用されている事例しか紹介していないのでは?
児童買春の実体を、誰にでもわかりやすく、赤裸々に表現したHPなどは、「有害情報」に該当するのですかね。
投稿: 佐藤 | 2008/06/13 01:11
全国高等学校PTA連合会会長は、「被害防ぐ教育が重要」「ネットの責任ではなく使う人の責任」と、ネット規制に反対の意見です。
確かに児童買春などは許せない犯罪ですが、18才までは保護し、19才になったら自己責任でどうぞ、というやり方では、こういった犯罪は防げないと思います。
真剣に犯罪防止に取り組もうとするならば、出会い系サイトなどは、全面的に禁止し、買春に使われたことが判明すれば、運営事業者に重い責任を負わせるなどの厳しい規制が必要でしょう。
投稿: 法学部出身 | 2008/06/13 10:46
規制の必要性は同感ですが、ただちに全面禁止では過度の広範性を有する規制として憲法上の疑義が生ずるのでは?
投稿: ハスカップ | 2008/06/13 11:32
サスケットさん
その以前に売春なんてわかりやすいものなら
誰でも判断できるでしょう。
なんにせよ親が判断して対処できない
理由にはなってこないでしょう。
【「出会い系サイトを閲覧禁止とする」以上】
でしかありません。
これ、無理だと思うんですよ。
最初に「出会い系」という言葉が出てきたときには、現在のように売春の温床になると判断できた人はごく少数じゃないでしょうか?
今だから「自明」であっても自明になった理由が犯罪として摘発された実績があるからでしょう。
子供と親に限らず、情報のポテンシャルといったものを考えてみると、ポテンシャルの高い人のそばにいる人のポテンシャルは上がらず、ポテンシャルの低い人のそばにいる人のポテンシャルは上がる、という傾向があるようです。
親がインターネットに興味がないと、子供は詳しくなる。
親がインターネットでなんでも調べてくると、子供はインターネットにのめり込まない。
なんて傾向があります。
どっちにしても、子供がインターネットに興味を示すことに親が先行して調べていくなんてのは、一般的には無理だろうと思います。
なんか事件(家庭内でも)になってから親が慌てて調べる、事になるのでしょう。
一方で、例えば「出会い系」という言葉が出てきたら、誰かが「売春の温床になるぞ」とか言えば「そんなことは(まだ)起きていない」と当然反論されるでしょう。
仮定としては現在でも出会い系が売春とは無関係に存在していたかもしれない。
要するに、将来を悲観的に予測するのか、楽観的に予測するのか、という違い以上にはなりません。
つまりは、起きていないことを予測して、予測した方向に誘導するなんてことは現実には出来ない。
個々のサイトを親も含めて、規制するとかアクセスさせない、というのは事後的対処にしかならず、事後であるとはすでに被害が発生していることです。
だから「被害があるから禁止」のような対応は当然だとしても、それはイタチごっこにしかならないですから、事前に子どもたちが被害に会わないようにする仕組みは別に考える必要があると思っています。
投稿: 酔うぞ | 2008/06/13 11:34
>小倉先生
ご教示ありがとうございます。
具体的なネットの実態調査については、小倉先生もご存じないのですね。
とすると「ネットの実態」という言葉はではなくて、「ネットの悪用事案の存在」と記載した方が議論が錯綜せずに良いと思います。
投稿: Toshimitsu Dan | 2008/06/13 11:45
「一般的な親の実態」がそこまで無能なんだ
ということであれば、
ことはネット規制の問題じゃありません。
わたしはそのように考えていますし、さらに「親も先生を含めた大人社会」にもかなり問題があると思います。
確かに子供が売春に関わってしまうことを防止できなかったら親としては「無能」と言われても仕方ないようにも思うのですが、
もうちょっと範囲を広げて考えてみると、どうも考えの幅が狭い人が若い人の中に極めて多くなってきています。
わたしは高校生のキャリア教育で高校には数多く行っていて、大勢の生徒と話をしていますが、成績の良い子供ほど「何をすれば良いのか」といった方向に考えが集中しています。
これが成績の悪い高校生と話していると「色々なことが必要だ」ということを納得する生徒が多いのです。
私の想像では、今の高校生にとって成績の向上はムダの切り捨てであるようです。
この通りだとすると、新たな情報に接したときに「怪しい」と考える必要があることを知らない子供が出来ます。
実際に「友人を信用していたから」は各種の事件に共通して出てきます。
事件になると「なんでそんな事が分からないのだ」となるのですが、「わからないでやってしまった」という傾向は年を追って増えているようです。
つまり、正に「ネット規制の問題ではない」と思ってます。
投稿: 酔うぞ | 2008/06/13 11:55
やってはいけないこと、これを中学まで少なくとも高校までには教えておかないと。親も教師も。
投稿: ハスカップ | 2008/06/13 13:09
これで問題なのは一律規制って部分もあるんですよね
映画とかおもちゃでも推奨年齢何歳以上とか、R15,R18とかは普通にあるわけですし
フィルタリングに階層が全くなければ親でもどこまで規制解除してよいのか判断出来ないと思います
その辺の判断は非常に難しく、親も専門外の事は知らないから議員立法した人達には基準となるフォーマットを出して欲しい物です
例ですが、硫化水素の発生させる方法は高校で化学を習っていれば知ってしまう事なのにそれを規制できるんでしょうか?
投稿: sakami | 2008/06/13 14:33
そういう意味では,ネットの全てを知っているわけではありませんので,そういう言い方もできますね>壇先生。
投稿: 小倉秀夫 | 2008/06/13 15:47
「混ぜると危険!有毒ガスが発生します!」という某洗剤や某洗浄液の注意書きも、裏から読めば、「こうやれば毒ガス発生可能」とも読めるので、この手の規制の難しいところだと思います。
投稿: ハスカップ | 2008/06/13 18:27
>酔うぞさん
>最初に「出会い系」という言葉が出てきたときには、現在のように売春の温床になると判断できた人はごく少数じゃないでしょうか?
ああ、そういうことですか。
単純に言えば、それは小倉さんに回答したものと同じ回答を返すことになります。
言葉だけで騙されてしまうならそれが問題でしょうと。
例えば「友達の家に遊びに行きます」と言ってそれで終わっていたら、本当にそうなのか、無断外泊して危険なことをやってるのかわからないでしょう。
でも普通、単に「友達の家に遊びに行きます」といわれていきなり危険を想定することができる人も少数でしょう。「慣習」で駄目だという人はいるかもしれませんが(それはそれで正しい)。
結局のところネットは情報取得ツールの一つでしかなく、情報交換ツールの一つでしかありません。
ネットは難しい?
ええ、そうかもしれません。
当初、【「出会い系サイトを閲覧禁止とする」以上】でいいといいましたが、フィルタリングソフトの導入。実際のネットの子供の利用実態のチェック。そういうことができないという人もいるでしょう。
じゃあこれらの親は、子供たちが他の、例えば携帯電話のやり取りなら、ネットと違って簡単に「チェックできる」と考えているのでしょうか。
子供が体売りに出て行くにあたって、子供の情報収集元がネットだと察知できなくて、口コミだと察知できるとか?
そうは思えない。「見破るための難易度」がネットを規制するだけであがる根拠はまったくもって見えてきません。
結局のところ「こんぴゅーた」に対する苦手意識ができないと思い込んでいる原因じゃないのかなあ。
必要なのはコンピュータの知識じゃないと思いますよ。
「どうしても自分は機械は苦手でこれだけは見ていけないんだ」「ネットの利用状況だけはどうしてもチェックできないんだ」という人ならば、先に上げたように「子供にネットさせない選択肢が与えられます」「あなたの家のPCはがっちがちにフィルタリング固めていいです」でいいと思うんですよ。どうせ規制するくらいなんだから。
ん?家の外で使うかもしれない?そんな抜け道があるんだったら、規制してても同じ抜け道使います。でなければ子供どころか全国民規制することになってしまう。
イタチごっこであるからこそ、いきなり対症療法で始めるよりは根本から治療すべきだと思います。
小倉さんもネット規制したらそれでOKとは言わないでしょうが、「仲間はずれにされちゃうよ」で簡単に騙されて、いかなるチェックも何もしないで素通しの親が、ネット規制をするだけで問題解決できるとは思わないですね。
よって「情報の入り口一個つぶして終わり、後の規制によるデメリットは知らん」ということなら私は反対することになるでしょう。デメリットなしだというなら、「駄目元でもやるだけマシだしいいんじゃないですか」と言うでしょうけど。
#実のところ今回の規制は特に売春防止等を狙うものとは読み取れなかったのですが
#→(”前項の青少年有害情報を例示すると、次のとおりである”)。
#それから「売春がわかりやすい」といったのは『売春は犯罪だけど「陰惨な描写を見る」それだけでは犯罪じゃないですよね』という意味合いでのわかりやすさ
#体売りますというやりとりをみて、意味がわからないからとノーを出さない親はいないでしょう。
#「わかりにくい」としたらそもそも見てないからだ、ということが言いたかったのです。
投稿: サスケット | 2008/06/15 00:42
何故か知りませんが、日本語は直接表現では無くて「隠語」的な言葉に置き換えてしまう部分も問題なのでしょう
日本人の内心的に悪い言葉を使わないって言霊的な部分もあるのかもしれませんが、それらは、一旦差別用語も含めて公開すべきだし
マスコミでは直接的な言葉で報道させる必要もあるのかもしれません
「万引き」は「窃盗」、「援助交際」は「売春」とか
逆説的な意味での言葉狩りなのかもしれませんが、隠語表現を知らない人間にはこの方が意味が伝わって、なにが問題か判り易くなるでしょうから
投稿: sakimi | 2008/06/15 02:33
直接的な表現を言い換えてしまうのは、他の言語でも広く見られる現象ですね。
差別語を言い換えて差別しなくなったつもりになるというのも、Political correctという言葉が象徴するように、もともと洋ものの対策でしたが、日本人の心性にはひときわ強く受け入れられたように思います。
隠語も、古今東西の現象でしょうが、「氏ね」みたいなのは誤変換が広く流行限となったデジタルネットコミュニケーションに特有の現象かな。
投稿: 町村 | 2008/06/15 09:47
米国フィルタリング会社で最初に問題になったのも、ハッカースラングの言い換えで、フィッシングのfをphと置き換えたり、o(オー)を0(ゼロ)に置き換えたりというシャレへの対応だった。
そして置き換えスラングは日々進歩するのでウイルス対策ソフト並みに頻繁に辞書更新をしないと実用に堪えないという問題がある。日本でも「(笑」>「(藁」>「(w」と進化した。
フィルタリングソフトの導入にはこの限界を知ってないといけないと思う。もちろん最強のフィルタリング(セレクション)は、エシュロンか旧カーニボー内蔵型だが、日本でも民生用に使えない(苦笑。
投稿: キメイラ | 2008/06/15 10:45
サスケットさん
>酔うぞさん
>最初に「出会い系」という言葉が出てきたときには、
>現在のように売春の温床になると判断できた人は
>ごく少数じゃないでしょうか?
ああ、そういうことですか。
言葉だけで騙されてしまうならそれが問題でしょうと。
今の規制論を主張している人たちが「言葉だけで騙されてしまう」
と理解していれば「欺される事がある」と教育するのでしょうが、
「ネットは特別だから」として「欺される事がある」という話に言及していない
と考えているのです。
ネットは難しい?
ええ、そうかもしれません。
当初、【「出会い系サイトを閲覧禁止とする」以上】でい
いといいましたが、フィルタリングソフトの導入。実際の
ネットの子供の利用実態のチェック。そういうことができ
ないという人もいるでしょう。
じゃあこれらの親は、子供たちが他の、例えば携帯電話の
やり取りなら、ネットと違って簡単に「チェックできる」
と考えているのでしょうか。
子供が体売りに出て行くにあたって、子供の情報収集元が
ネットだと察知できなくて、口コミだと察知できるとか?
そうは思えない。「見破るための難易度」がネットを規制
するだけであがる根拠はまったくもって見えてきません。
まったくその通りだと思います。
だから法律を作っても意味が通じない、よって効果がない。
だろうと思っているのです。
投稿: 酔うぞ | 2008/06/15 13:37
町村さん
隠語も、古今東西の現象でしょうが、
「氏ね」みたいなのは誤変換が・・・・・
「あっ、誤変換で意図しないでも言い換えが作れるのか」
と気づきました。(^_^;)
で、元々文章を作るのは、定型的な手紙などについては落語などにも出てくる、
無筆の人も書けるものと、ある種の研ぎ澄まされたところがあるのでしょうね。
それが、人が読んでくれる文章を作るとなると、色々なハードルがあって、
日本だから漢字を知らないといけない、というところから始まって
まして、読み替えとか皮肉といったものは極めて高級な文章創作だったのでしょう。
それが、ワープロ以来とりあえず漢字は読めれば何とかなる(わたしだ(^_^;)
などとずいぶんハードルが低くなって、多くの人が以前に比べると高級な文章を
作る事が出来るようになりました。
さらに、誤変換で自動的に隠語も出来ちゃうわけだ。
正に文化の両側面そのものの話ですね。
投稿: 酔うぞ | 2008/06/15 13:48