arret:着物の次々販売断罪
肝炎に起因して精神的にもおかしくなっていた高齢者を相手に、高額の着物を次々販売したことが不法行為に当たるとされた。
取引上の信義則から適合性の原則について、以下のように判示したところが注目できる。
「本件取引に係る商品の多くは高額な着物等であるところ,顧客の年齢や職業,収入や資産状況,これらからうかがわれる顧客の生活状況及び顧客とのこれまでの取引状況並びにこれらから看取される顧客の取引についての知識経験や取引対象商品の必要性等の諸事情にかんがみて,このような高額の商品を販売する販売店においては顧客に対する不当な過量販売その他適合性の原則から著しく逸脱した取引をしてはならず,これと提携するクレジット会社においても,これに応じて不当に過大な与信をしてはならない信義則上の義務を負っている」
販売業者は臆面もなく代金支払い請求をしているが、これは棄却された。
しかし、その訴え提起や、その前の仮差押えについては、違法性を認めなかった。
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コメント
毎日にも出ています。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080229k0000e040090000c.html
投稿: kisslegg | 2008/03/13 09:13