courts:新潟地裁傍聴
バスの索引で新潟地裁を引くと、競技場前でおりろというのだが、圧倒的に市役所前で降りた方が近い。
特に目的もなく傍聴だけにきたが、先物取引で損害が出た原告と先物取引業者との白熱した裁判を見ることができた。
原告本人尋問は残念ながら聞き逃したが、その後の被告側証人尋問によれば、原告は先物取引経験が豊富な方のようで、被告以外にも二社の先物取引業者と取引がある。それらの方は儲かったようなのだが、手数料が安いと言うことで被告に乗り換えたところ、損失が出たという、そういうことのようだ。
被告担当者の証言によれば、原告は20年前にも先物取引を行い、随分と損が出て、日本刀を持って支店に文句をつけに言ったことがあったという。これは被告担当者の証言で原告が取引開始の頃に話していた話である。
また、原告は先物取引業者の担当者の名刺と免許証のコピーをとり、保管しているとのこと。
そして今回の取引でも当然ながら損失が出て、被告担当者の証言によれば、「おまえの実家に灯油撒いて火をつけてやるぞ、免許証のコピーがあるんだからな」といったり、脅迫的言辞をしているようである。
法廷でも、原告は人の言うことを全く聞かないらしく、裁判官が注意しても、被告担当者の証言に直接反駁したりして、また原告代理人に紙を渡して「これ聞け」というような仕草をしたり、なかなか大変そうな人であった。
おまけに証人尋問の最後に質問させてくれと言って許可されると、5分近く自分の言い分を述べて、質問をするんですよと裁判官からも原告代理人からも注意されているのにいっこうに質問にならない。
それでも裁判官は、原告の発言を質問の形に置き換えて証人に尋ねていた。「原告は・・・といっているけれども、それはそうなんですか」
親切に質問にしてくれたはいいが、証言としてはノーというしかないわけで、聞くだけ原告の不利にこそなれ有利にはならない。その他、原告代理人も証人に録音テープ反訳の発言趣旨を繰り返し訪ね、被告代理人がそんな聞き方はやめてくれといったりして、双方とも熱くなっていた。
証人尋問が終わって廊下に出て、まだ法廷で大声がするなとのぞいてみると、原告本人が立ち上がって裁判官に証言のウソをとうとうと主張しているところだった。要するに証人は原告宅を訪問したのに家に上げてもらえず、雨や雹が降る中をびしょ濡れになりながら20分も話したと言うが、そんなはずはない、録音テープに雨や雹の音が入っていないではないかという主張である。
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コメント
そのころ私は、新潟地検の被疑者用の待合室で待たされていました。悪いことはしてないのに。
投稿: 奥村徹(大阪弁護士会) | 2007/11/09 20:22