ダリア・ドゥギナの暗殺に関する西側のインフルエンサー達の陰謀論の脱構築(要点と補足)
ダリア・ドゥギナ暗殺の容疑をキエフから逸らそうとする西側のインフルエンサー達の様々な陰謀論についての地政学アナリスト、アンドリュー・コリブコ氏の解説の要点。多少補足した。
Deconstructing Western Influencers’ Conspiracy Theories About Darya Dugina’s Assassination
ロシアの専門家であるカミル・ガレーエフはTwitterで、ドゥギナ暗殺の真犯人は、「クレムリンまたは欧州の極右」か、「ロシアの利権団体」であると(具体的な論拠を明示せずに)主張している(理由は前者なら経済的理由、後者なら政治的理由だと書いているけど、こりゃ逆じゃないのかな?)。彼は「「独立した研究者兼ジャーナリスト」を自称しているが、実際には米国政府から資金提供を受けている。彼は元「人権と紛争解決に関するガリナ・スタロボイトワ・フェロー」だが、このフェローシップは米国国務省の教育文化局とモスクワの米国大使館の広報事務所と協力して資金提供・管理されている。また彼は2021/09/15〜12/15まで助成金を受けてウィルソン・センターのケナン研究所に在籍しているが、この間、米国政府が資金提供した「月額3,500ドルの奨学金、研究設備、ワープロ支援、研究援助」を受け取っていた。
ロシアの反体制派であるガレーエフは当然ロシア軍のウクライナでの特別軍事作戦にも反対している訳だが、これに関連して「ウクライナ人へのアドヴァイス」なる発言も行なっている。その内容は:
・鉄道のサボタージュ。
・軍人に軍務から手を引くことを奨励する。
・ロシア国内で攻撃を実行する為に少数の捕虜を訓練する。
ロシアには他の国々と同じく「反逆罪」が刑法第275条によって定められているが、これら3つの提案は全て反逆罪を構成することは明らかだ(逆の場合を考えてみれば良い。セルビア/アフガニスタン/イラク/リビア/シリア/ロシア人に対して同じ様なアドヴァイスを行った場合、米軍は黙っていないだろう。)
A US-Funded Russian Expert Just Shared A Treasonous & Pro-Terrorist Thread On Twitter
米ヘルシンキ委員会顧問のアーサー・ポール・マサロ3世は、敵対的なロビー活動の所為でロシアから禁止された人物だが、「証拠はFSB(ロシア連邦保安庁)の犯行であることを示している」と(これも論拠は一切不明の儘)主張している。
ニューズウィークに至っては、今はウクライナで活動している元ロシアの政治家イリヤ・ポノマレフの説を持ち出して来て「国民共和国軍」なるロシア国内の「レジスタンス・グループ」の犯行であるなどと書いてあるが、彼の説の裏付けは取れていないことを同記事の中で白状している。
最も馬鹿馬鹿しいのはBBCで、2022/04/15にロシア司法省によって「外国のエージェント」に指定されてロシアから追放されたエカテリーナ・シュルマンの発言を引いて、「(暗殺は)国家側のより積極的な抑圧的行動を正当化する為に、国内で国民の怒りを増幅させるのに利用される可能性が有る」などと、まるでロシア政府こそが暗殺の黒幕であるかの様に仄めかしているが、同じ記事の中で、ドゥギン氏が「プーチンに近い」「プーチンの頭脳」であると云う説は誤りであり、彼が政府の「意思決定プロセスに直接的な影響を与えたことは一度も」無いことを認めており、更にマイナーな人物であったダリヤ・ドゥギナ氏の殺害は、一般市民には殆ど影響を与えないとも言っている。
これらに共通するのは、ダリア・ドゥギナ暗殺の容疑をキエフから逸らそうとしていることだ。キエフは公式には暗殺への関与を否定しているが、同時期にカザフスタンのウクライナ大使が「我々は可能な限り多くのロシア人を殺そうとしています」と発言していることは、キエフの関与を仄めかすものだ。ブリンケン米国務長官はロシアを「テロ支援国家」に指定することを拒否しているが、FSBの調査はキエフこそがテロ支援を行なっていることを明らかにしている。プーチン大統領がドゥギン氏に送ったお悔やみの電報からも、モスクワはその調査結果をより広く世界と共有する準備をしていることが窺える。そうなればウクライナ紛争に関する公式の物語はまた損なわれ、西側のキエフのスポンサー達の信用もガタ落ちするだろう。実際にはロシアのディープステートは曾て無い程団結しているので、ロシアが内部分裂しているかの様な彼等の主張は、西側のインフルエンサーが益々絶望的なパニックに陥っていることを示しているに過ぎない。
Deconstructing Western Influencers’ Conspiracy Theories About Darya Dugina’s Assassination
ロシアの専門家であるカミル・ガレーエフはTwitterで、ドゥギナ暗殺の真犯人は、「クレムリンまたは欧州の極右」か、「ロシアの利権団体」であると(具体的な論拠を明示せずに)主張している(理由は前者なら経済的理由、後者なら政治的理由だと書いているけど、こりゃ逆じゃないのかな?)。彼は「「独立した研究者兼ジャーナリスト」を自称しているが、実際には米国政府から資金提供を受けている。彼は元「人権と紛争解決に関するガリナ・スタロボイトワ・フェロー」だが、このフェローシップは米国国務省の教育文化局とモスクワの米国大使館の広報事務所と協力して資金提供・管理されている。また彼は2021/09/15〜12/15まで助成金を受けてウィルソン・センターのケナン研究所に在籍しているが、この間、米国政府が資金提供した「月額3,500ドルの奨学金、研究設備、ワープロ支援、研究援助」を受け取っていた。
ロシアの反体制派であるガレーエフは当然ロシア軍のウクライナでの特別軍事作戦にも反対している訳だが、これに関連して「ウクライナ人へのアドヴァイス」なる発言も行なっている。その内容は:
・鉄道のサボタージュ。
・軍人に軍務から手を引くことを奨励する。
・ロシア国内で攻撃を実行する為に少数の捕虜を訓練する。
ロシアには他の国々と同じく「反逆罪」が刑法第275条によって定められているが、これら3つの提案は全て反逆罪を構成することは明らかだ(逆の場合を考えてみれば良い。セルビア/アフガニスタン/イラク/リビア/シリア/ロシア人に対して同じ様なアドヴァイスを行った場合、米軍は黙っていないだろう。)
A US-Funded Russian Expert Just Shared A Treasonous & Pro-Terrorist Thread On Twitter
米ヘルシンキ委員会顧問のアーサー・ポール・マサロ3世は、敵対的なロビー活動の所為でロシアから禁止された人物だが、「証拠はFSB(ロシア連邦保安庁)の犯行であることを示している」と(これも論拠は一切不明の儘)主張している。
ニューズウィークに至っては、今はウクライナで活動している元ロシアの政治家イリヤ・ポノマレフの説を持ち出して来て「国民共和国軍」なるロシア国内の「レジスタンス・グループ」の犯行であるなどと書いてあるが、彼の説の裏付けは取れていないことを同記事の中で白状している。
最も馬鹿馬鹿しいのはBBCで、2022/04/15にロシア司法省によって「外国のエージェント」に指定されてロシアから追放されたエカテリーナ・シュルマンの発言を引いて、「(暗殺は)国家側のより積極的な抑圧的行動を正当化する為に、国内で国民の怒りを増幅させるのに利用される可能性が有る」などと、まるでロシア政府こそが暗殺の黒幕であるかの様に仄めかしているが、同じ記事の中で、ドゥギン氏が「プーチンに近い」「プーチンの頭脳」であると云う説は誤りであり、彼が政府の「意思決定プロセスに直接的な影響を与えたことは一度も」無いことを認めており、更にマイナーな人物であったダリヤ・ドゥギナ氏の殺害は、一般市民には殆ど影響を与えないとも言っている。
これらに共通するのは、ダリア・ドゥギナ暗殺の容疑をキエフから逸らそうとしていることだ。キエフは公式には暗殺への関与を否定しているが、同時期にカザフスタンのウクライナ大使が「我々は可能な限り多くのロシア人を殺そうとしています」と発言していることは、キエフの関与を仄めかすものだ。ブリンケン米国務長官はロシアを「テロ支援国家」に指定することを拒否しているが、FSBの調査はキエフこそがテロ支援を行なっていることを明らかにしている。プーチン大統領がドゥギン氏に送ったお悔やみの電報からも、モスクワはその調査結果をより広く世界と共有する準備をしていることが窺える。そうなればウクライナ紛争に関する公式の物語はまた損なわれ、西側のキエフのスポンサー達の信用もガタ落ちするだろう。実際にはロシアのディープステートは曾て無い程団結しているので、ロシアが内部分裂しているかの様な彼等の主張は、西側のインフルエンサーが益々絶望的なパニックに陥っていることを示しているに過ぎない。
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