「新しい3つの輪」の構築:完全なデカップリングの可能性に直面した中国の選択(要点)
以下は上海外国語大学国際学部の Cheng Yawen 教授の論説 Building the “New Three Rings”: China’s Choice in the Face of Possible Complete Decoupling の要点。何かもう日本人は、自由と民主主義を詐称する西側植民地主義ナチ勢力が本当に非西側諸国から愛想を尽かされつつあると云う現実をきちんと直視しないと、これからの国際情勢は何ひとつ理解出来なくなると思う(既に出来ていないけれども)。「俺達こそが国際社会」などと云う驕りはさっさと捨てて、西側大手メディアでは光を当てられない領域にもっと目を向けないと、今世界でどんな大変動が起きているのかは見えなくなる。
第二次大戦後、西洋の植民地主義は一旦後退し、国連と国際法が国際秩序の中心を占めるかに見えたが、現実には階層的秩序は温存され、「共通だが差別的」な国際秩序が取って代わった(西側が主張する「ルールに基付く秩序」)。NATOの東方拡大は安全保障問題ではなく実は経済的な市場拡大の動きの帰結であって、西側は秩序の中核に留まり続ける為にソ連=ロシアを周辺化しようとした。だが米国主導のグローバリゼーションの動きは、中核諸国が勝手に作った不平等で不公正な国際秩序に対する非西側諸国の抵抗によって今や逆転している。ウクライナに対するロシアの「特別軍事作戦」はこの一連のグローバリゼーションの結果であって、帝国主義的なグローバリゼーションには終止符が打たれた。
中国の外交方針は建国以来何度も変更を経てきたが、中国と西側中核諸国との関係を考える上では、次の2点を前提として押さえておく必要が有る。
1)中国は独立、平等、互恵を前提として外交関係を発展させることを主張し、国際関係に於ける権力のヒエラルキーに反対している。
2)中核諸国は中国との協力には常に上限を設けており、西側諸国を中心とした世界的な権力構造を揺るがすことを望んでいない。
中国が自国の安全保障と発展を確保する為に目指すべきなのは新しい「3つの輪(Three Rings)」国際システムであり、それは次の3つの輪から構成される。
1)隣接する東アジア、中央アジア、中東諸国。
2)アジア、アフリカ、ラテンアメリカの開発途上諸国。
3)主にヨーロッパと米国の伝統的な工業諸国。
中でも重要なのは南南関係(旧第三世界との関係)であり、特にロシア、イラン、インドと協力しながら、帝国主義的グローバリゼーションの下では周辺化されていた諸国の脱西洋依存を促進し、貿易と相互投資によって更なる経済的・政治的統一を目指すべきである。
西側諸国は中国が強力な経済成長によって(ロシア同様)国際秩序に於ける「田舎」から「都市」に格上げされることに耐えられない。但し西側が完全に中国の敵となることを選択しない限り、西側との協力は諦めるべきではない。
第二次大戦後、西洋の植民地主義は一旦後退し、国連と国際法が国際秩序の中心を占めるかに見えたが、現実には階層的秩序は温存され、「共通だが差別的」な国際秩序が取って代わった(西側が主張する「ルールに基付く秩序」)。NATOの東方拡大は安全保障問題ではなく実は経済的な市場拡大の動きの帰結であって、西側は秩序の中核に留まり続ける為にソ連=ロシアを周辺化しようとした。だが米国主導のグローバリゼーションの動きは、中核諸国が勝手に作った不平等で不公正な国際秩序に対する非西側諸国の抵抗によって今や逆転している。ウクライナに対するロシアの「特別軍事作戦」はこの一連のグローバリゼーションの結果であって、帝国主義的なグローバリゼーションには終止符が打たれた。
中国の外交方針は建国以来何度も変更を経てきたが、中国と西側中核諸国との関係を考える上では、次の2点を前提として押さえておく必要が有る。
1)中国は独立、平等、互恵を前提として外交関係を発展させることを主張し、国際関係に於ける権力のヒエラルキーに反対している。
2)中核諸国は中国との協力には常に上限を設けており、西側諸国を中心とした世界的な権力構造を揺るがすことを望んでいない。
中国が自国の安全保障と発展を確保する為に目指すべきなのは新しい「3つの輪(Three Rings)」国際システムであり、それは次の3つの輪から構成される。
1)隣接する東アジア、中央アジア、中東諸国。
2)アジア、アフリカ、ラテンアメリカの開発途上諸国。
3)主にヨーロッパと米国の伝統的な工業諸国。
中でも重要なのは南南関係(旧第三世界との関係)であり、特にロシア、イラン、インドと協力しながら、帝国主義的グローバリゼーションの下では周辺化されていた諸国の脱西洋依存を促進し、貿易と相互投資によって更なる経済的・政治的統一を目指すべきである。
西側諸国は中国が強力な経済成長によって(ロシア同様)国際秩序に於ける「田舎」から「都市」に格上げされることに耐えられない。但し西側が完全に中国の敵となることを選択しない限り、西側との協力は諦めるべきではない。
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