日本のスパイはベラルーシで何をしていたのか?(抄訳)
2024/09/24のアンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。少しだけ補足した。2024/09/06に逮捕が報じられた、ベラルーシで逮捕された日本人スパイについてのまとめ。
因みに日本では当然の様に、この逮捕は独裁政権がでっち上げた冤罪事件であるかの様な印象操作記事が連発されているが、ベラルーシがそんなことをせねばならない理由など無いだろう。ベラルーシのメディアは 「日本は今も米国の占領下だ」、「日本は独立した政策を取れる主権国家ではない」などと報じているらしいが、これらの世論誘導記事自体が、そうした指摘がズバリ当たっていることを証明している。
What Was A Japanese Spy Doing In Belarus?
2024/09/06、ベラルーシのメディアは治安当局が日本のスパイ、中西雅敏を逮捕したと報じた。
それに拠るとこのスパイはベラルーシ国籍の女性と偽装結婚して合法的にベラルーシに滞在し、ベラルーシ入りの理由を説明する為にゴメリでダミー会社を立ち上げ、ゴメリ国立大学で日本語も教えていた(但し日本の口座から毎月1,500~2,000ブル相当を受け取っていた為、講師として働く必要は全く無かった)。
彼はまた道路、橋、軍事施設の写真を9,000枚以上所持しており(衛星ではなく地上からでしか撮影出来ない種類のもの)、日本大使館と積極的に連絡を取っていた。
日本がベラルーシをスパイしているとは予想外だったので、これらの報道は多くの人々を驚かせた。
彼が拠点にしていたゴメリはウクライナの標的になっていたので、治安当局は当然、予防措置の一環として、そこでの全ての活動を更に精査していたことだろう。これがひょっとしたら彼の逮捕に繋がった可能性が有る。
尋問の結果、彼が2020年の失敗に終わったカラー革命に関与し、商品の入手可能性や価格、地元住民の反応等、社会経済状況も監視していたことも明らかになった。
彼の活動の重要性を考えれば、特にロシアの特別軍事作戦が展開中であることを考慮すると、誰かが以前に彼の行動に気が付いていたら、彼が作戦を続行することは許されなかっただったろう。従って彼はスパイと知って泳がされていた訳ではなく、最近になって初めて当局のレーダーに引っかかったものと思われる。
彼は過去2年間半の新冷戦の最大の代理戦争の間中、非常に機密性の高い情報を送信していた訳だが、ではそもそも何故日本がこんなことをしたかったのかとと云う疑問が生じる。
恐らく日本は自分達でこれを利用するのではなく、全て西洋のパートナー諸国に手渡そうとしていたのだろう。見返りに彼等の支援を得られることを期待してのことだ。
また彼の最近の活動は、ウクライナが最近ベラルーシ国内でドローンによる挑発を行っていることにも関係していたかも知れない。
実際、西洋がウクライナの為にもっと多くの情報を要求した為、彼は通常よりも多くのリスクを取るよう、ハンドラーから圧力を掛けられたのかも知れない(そしてそれが最終的に彼が捕まった一因となったのかも知れない)。日本が独自に行動したと考えるより、西洋から渡された情報に基付いて行動していたと考える方がずっと論理的だ。
彼は2008年以来、中国の一帯一路構想の投資先もスパイしていたと報じられているが、ベラルーシでの主な目標は「グレートストーン」工業団地だった。彼がこうしたビジネス情報の情報収集でもっと早くに捕まっていたなら、もっと悪質な活動(軍事情報の収集)の方は偽装出来たかも知れず、罪も軽くて済んだかも知れない。
後から振り返れば、治安当局は出来るだけのことはしていた。何しろ彼は合法的にベラルーシに滞在し、自分の企業を持ち、地元の大学で日本語を教えていた、模範的な移民だった。彼が悪事を企んでいるなどと疑う人は誰も居なかった筈だ。
この事件に明るい側面が有るとすれば、スパイが遂に捕まり、彼のハンドラーに情報を渡すことも、そのハンドラーが西洋やウクライナのその代理人達に情報を渡すことも到頭出来なくなったと云うことだ。
因みに日本では当然の様に、この逮捕は独裁政権がでっち上げた冤罪事件であるかの様な印象操作記事が連発されているが、ベラルーシがそんなことをせねばならない理由など無いだろう。ベラルーシのメディアは 「日本は今も米国の占領下だ」、「日本は独立した政策を取れる主権国家ではない」などと報じているらしいが、これらの世論誘導記事自体が、そうした指摘がズバリ当たっていることを証明している。
What Was A Japanese Spy Doing In Belarus?
2024/09/06、ベラルーシのメディアは治安当局が日本のスパイ、中西雅敏を逮捕したと報じた。
それに拠るとこのスパイはベラルーシ国籍の女性と偽装結婚して合法的にベラルーシに滞在し、ベラルーシ入りの理由を説明する為にゴメリでダミー会社を立ち上げ、ゴメリ国立大学で日本語も教えていた(但し日本の口座から毎月1,500~2,000ブル相当を受け取っていた為、講師として働く必要は全く無かった)。
彼はまた道路、橋、軍事施設の写真を9,000枚以上所持しており(衛星ではなく地上からでしか撮影出来ない種類のもの)、日本大使館と積極的に連絡を取っていた。
日本がベラルーシをスパイしているとは予想外だったので、これらの報道は多くの人々を驚かせた。
彼が拠点にしていたゴメリはウクライナの標的になっていたので、治安当局は当然、予防措置の一環として、そこでの全ての活動を更に精査していたことだろう。これがひょっとしたら彼の逮捕に繋がった可能性が有る。
尋問の結果、彼が2020年の失敗に終わったカラー革命に関与し、商品の入手可能性や価格、地元住民の反応等、社会経済状況も監視していたことも明らかになった。
彼の活動の重要性を考えれば、特にロシアの特別軍事作戦が展開中であることを考慮すると、誰かが以前に彼の行動に気が付いていたら、彼が作戦を続行することは許されなかっただったろう。従って彼はスパイと知って泳がされていた訳ではなく、最近になって初めて当局のレーダーに引っかかったものと思われる。
彼は過去2年間半の新冷戦の最大の代理戦争の間中、非常に機密性の高い情報を送信していた訳だが、ではそもそも何故日本がこんなことをしたかったのかとと云う疑問が生じる。
恐らく日本は自分達でこれを利用するのではなく、全て西洋のパートナー諸国に手渡そうとしていたのだろう。見返りに彼等の支援を得られることを期待してのことだ。
また彼の最近の活動は、ウクライナが最近ベラルーシ国内でドローンによる挑発を行っていることにも関係していたかも知れない。
実際、西洋がウクライナの為にもっと多くの情報を要求した為、彼は通常よりも多くのリスクを取るよう、ハンドラーから圧力を掛けられたのかも知れない(そしてそれが最終的に彼が捕まった一因となったのかも知れない)。日本が独自に行動したと考えるより、西洋から渡された情報に基付いて行動していたと考える方がずっと論理的だ。
彼は2008年以来、中国の一帯一路構想の投資先もスパイしていたと報じられているが、ベラルーシでの主な目標は「グレートストーン」工業団地だった。彼がこうしたビジネス情報の情報収集でもっと早くに捕まっていたなら、もっと悪質な活動(軍事情報の収集)の方は偽装出来たかも知れず、罪も軽くて済んだかも知れない。
後から振り返れば、治安当局は出来るだけのことはしていた。何しろ彼は合法的にベラルーシに滞在し、自分の企業を持ち、地元の大学で日本語を教えていた、模範的な移民だった。彼が悪事を企んでいるなどと疑う人は誰も居なかった筈だ。
この事件に明るい側面が有るとすれば、スパイが遂に捕まり、彼のハンドラーに情報を渡すことも、そのハンドラーが西洋やウクライナのその代理人達に情報を渡すことも到頭出来なくなったと云うことだ。
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