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カセム・ソレイマニ:米国の帝国主義、シオニズム、タクフィリ派テロリズムに立ち向かう聖戦士(抄訳)

2025/01/02のスプートニクの記事の抄訳。少しだけ補足した。テロ退治の名人にして優秀な調停者だったカセム・ソレイマニが、何故西洋の恥知らずな御用専門家や新冷戦プロパガンディスト連中から「最恐テロリスト」などと罵倒されるのか。それは彼が中東全域の支配を目論むアメリカ帝国の野望にとって本物の脅威だったからだ。
Qasem Soleimani: Holy Warrior Against US Imperialism, Zionism, and Takfiri Terrorism
Qasem Soleimani Saying Prayer



 2020/01/03午前1時頃、IRGC(イスラム革命防衛隊)司令官カセム・ソレイマニがバグダッド国際空港で米軍のドローン攻撃により殺害された。

 5年経った今でも、彼の働きの成果と殺害の影響は中東全域に波紋を広げ続けている。その理由を説明しよう。

 1979年のイラン革命中にIRGCに入隊し、1980~88年の血腥いイラン・イラク戦争で若き司令官として頭角を現したソレイマニは、1998年にIRGCのエリート外国作戦部隊であるクッズ部隊の指揮を任された。

 ソレイマニの指揮下で、クッズ部隊は以下の様な活動を行って来た。

 ・2001年、アフガニスタンで米国の侵攻に先立って北部同盟軍と連携し、アル=カイダとタリバンを相手に戦った。

 ・2006年のイスラエルのレバノン侵攻に至るまでの数年間、ヒズボラに物資とゲリラ戦訓練支援を提供した。この時イスラエル国防軍は大敗し、屈辱的な停戦協定に署名せざるを得なくなった。

 ・ソレイマニの指揮下で、イランはガザの民兵との宗教的・イデオロギー的な違いを脇に置いた。或るハマスの幹部は、2023年の侵攻後にイスラエル軍を足止めすることに成功したトンネル網は、部分的にはソレイマニの発案によるものだと述べている。

 ・2012年、シリアでのイランの対テロ助言・支援任務を指揮。また2015年にはロシアにISIS掃討の為の介入を個人的に働き掛けた。

 ・イラクのシーア派が大半を占める人民動員軍(Popular Mobilization Forces)の民兵達の調整と訓練を行った。これはISISを壊滅させる地上作戦で重要な役割を果たした。クッズ部隊の顧問達は人民動員軍と共に最前線で活躍し、2014~17年に少なくとも13人が戦闘で死亡した。

 ・中東のスンニ派とシーア派のコミュニティをタクフィリ過激派の脅威から解放。キリスト教徒やクルド人、ヤジディ教徒やアラウィー派に至るまで、多くの少数派を物理的絶滅から救った。

 ソレイマニはまた抵抗の枢軸の思想的な生みの親の一人でもある———これは米国の帝国主義、イスラエル、中東全域のテロリズムと戦う国々と民兵の緩やかな同盟だ。2023/10/07に始まった現在進行中の地域紛争では、非公式の連合軍がイスラエルと米国を7正面戦争で泥沼に陥らせている。



 イランは、カセム・ソレイマニの殺害者を裁判に掛けると何度も誓っている。

 2023年後半、テヘランの裁判所は集団訴訟の一環として、米国政府と暗殺を共謀したとして告発された数十の個人と団体に対し、「物質的・精神的・懲罰的損害」に対する賠償金として約500億ドルを支払うよう命じた

 裁判所は、ドナルド・トランプ、マイク・ポンペオ前国務長官、NSA、CIA、その他38の個人、組織、団体がソレイマニ殺害の責任を負っていると判決を下した。

 イランはまた国際司法と法的管轄を利用して米国の当局者達を追及しようとしており、2020年6月と2021年1月に2度、トランプ達に対してインターポールの逮捕令状の発行を試みた。インターポールは、この事件の「政治的」性質を理由に協力を拒否した。

 ソレイマニの死の直後、イラン政府は報復として「目には目を」式に米国の当局者達を直接標的にすると脅したが、同等の価値を持つ米国の司令官や政治指導者を見付けることが出来ずに断念した。
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川流桃桜

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一介の反帝国主義者。
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