以下は2022/06/03の
President Putin’s Interview with Rossiya TV の要点。「ロシアが食糧危機を引き起こしている」と云う西側の主張に対する反論を行なっている。ロシアに責任を負わせようとする主張は単なる責任転嫁である。
1)世界の食料市場の状況が悪化したのは昨日ではなく、COVID-19「対策」に於てから。人々や特定の企業や経済部門を支援する点に於いてロシアは上手くやったが、米国は前代未聞の過剰なマネーサプライを行なった(「どうも米国の金融当局はドルが世界の通貨であると信じていた様で」と云う言い方が辛辣)。
2)欧州諸国の近視眼的な政策、特に無謀なグリーンアジェンダが原因だ。現在の代替エネルギー技術ではエネルギー需要を満たせないのは明らかだが、これにより欧州の経済が停止し、世界のエネルギー部門への投資不足とその結果としての値上げに繋がった。
また欧州はロシアからの天然ガスの供給を断ったが、これが肥料の高騰に繋がった。ロシアは警告したが無視された。因みにロシアは世界の肥料市場の25%を占めており、カリ肥料はロシアとベラルーシで(確認が必要だが)全世界の45%を占めている。制裁の結果として当然肥料価格は高騰した。これらはロシアの軍事作戦とは全く何の関係も無く、行き詰まるだけの単に愚かな選択だ。
ウクライナの港からの穀物の輸出をロシアが妨害したと云う主張に関しては、先ず前提として、
1)国連のデータに拠ると、全世界では年間約8億トンの穀物、小麦を生産しており、ウクライナは2,000万トン(つまり2.5%)を輸出する用意が有る。だが小麦は世界の食料の20%に過ぎないので、ウクライナの小麦は全体の0.5%に過ぎない。
2)米農業省の数字では、ウクライナが輸出出来る小麦は実際には500〜600万トンに過ぎない。
因みにロシアの輸出量は2021〜22年には3,700万トンだが、次年度にはこれを5,000万トンを増やす予定だ。
ウクライナが穀物を輸出する方法は幾つも有る。
1)ウクライナが管理する港を経由して輸出出来る。ロシア軍は該当箇所に水雷を設置していないが、キエフが設置した水雷と沈めた船を撤去する用意が有る。
2)ロシアの管理下に在るベルジャンシクとマリウポリの港から問題無く出港出来る。
3)〜6)ウクライナからドナウ川を経由してルーマニアかハンガリーかポーランド、ベラルーシを経由して輸出することが出来る。
従って「ウクライナから穀物を輸出出来ない」と云う問題は実際には存在しない。ロシア軍は平和な航路を提供しており、外国船も安全に通過出来ることを保証する。因みに現在外国船が数十隻ウクライナの港に閉じ込められており、乗組員が人質にされている。