いいこいいこ
父の転院から早や五ヶ月半経ちました。
自宅の近くにいるということ、地元にいるということだけで、父の体調は良くなった。
頻繁に出していた熱をまったく出さないのだ。
病院の衛生に関しての意識も高いこともあるだろう。
ただ、どこに行っても目の前の患者を看ることが出来ない人はいるのだ。心ない発言で父が傷つけられることは相変わらずある。
転院直後はまだ時々熱を出した。
そういう時は決まって何かイヤな思いをしたあとだった。怒りや悲しみを吐き出すことが出来ない父には大変なストレスなのだろう。
ほんの少し愚痴を言えたら楽だろうに。
イヤなことがあった時の父の表情は、
家族にはよくわかる。
そういう時は「なにかイヤなことがあったの?」と尋ねるとマバタキでパチリと返事をする。
それから、イヤなことを言う人はだいたいわかっているから細かく状況を尋ねてマバタキのイエス、ノーで聞き出して行く。
うんうん、おとうさん辛かったね。悲しかったね。
でもその人にはわからなくても、お父さんのことは家族がちゃんとわかってるよ。お父さんは意識はあるし、色々感じたり考えたり、家族の心配もしてくれてる。今までも一生懸命生きて来たことは、私も小さい時からずっと見てたよ。今も一生懸命頑張ってるのも知ってるよ。お父さんはわたしの尊敬する大事な大好きなお父さんだよ。患者のことをちゃんと看ることが出来ないダメダメ看護師に、何を言われても気にしなくていいんだよ。おの人たちの言うことに怒ってエネルギーを使うのは勿体無いよ。
変なことや遭われても、お父さんと比べたら鼻垂れ小僧みたいなもんだからね。
そんなやりとり何回かするうちに、
父はイヤなことを言われても熱を出さなくなった。
ただ、イヤなことがあったのは顔でわかる。
なので、それのガス抜きはしないといけない。
最後には鼻垂れ小僧のいうことだからね〜、ふふ〜んと鼻で笑っちゃうよねとかで終わる。
今日、父に甘えて見た。寝ている父に抱きついて
「甘えさせて〜」と。それから父の右手を私の頭の上に置いて「いいこ、いいこってして〜」と父に言った。しばらくそのままでいたら、指がこそりと動いた。「おとう、いいこいいこしてくれたでしょ?」父はパチリと、返事をした。
欲張りな私は、もう一回せがんだ。
また父の右手を頭の上において暫く待った。
今度は腕がすっと5.6センチくらい動いた。
「おとう、.今いいこいいこしてくれたよね。腕が動いたよね」父にいうとウンウンと返事をしながら、
父の目は真っ赤にうるんでいた。
動いたね!動いたね!と大喜びした。
「おとうは、私を励まそうとしてくれたんだね。
おとうからものすごいパワーがきたよおとうの愛が詰まってるいいこいいこだねやっぱりおとうは私のスーパーマンだね」
腕が動いた父も、いいこいいこされた私も
お目々を赤くしていた。
父のいいこいいこは、私にはすごい癒やしになった。
おとう、一緒に宗教法人でも作る?
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
お父様の表情が変わりましたね。
穏やかな優しいお顔です(*^^*)
少しでも前に前進!
投稿: クー坊ちゃん | 2014年4月20日 (日) 19時05分
クー坊ちゃんさん
父の写真は、この前自宅に一時帰宅したとき物です。
数時間しかいられませんでしたが、家に帰ったとたんに
身体の硬直がゆるんで、安心しきった顔になりました。
やっぱりおうちが一番なんだよね〜。
投稿: EKKA | 2014年4月21日 (月) 03時47分