今日hermerが、
膨らんだ810SHのバッテリーのクレームをつけにSoftBankショップへ行ったそうですが、なんかチョコレートでごまかされてしまったようなので、折れがかわりに書きます。
携帯電話の電池パックが膨張したときに、日本の携帯電話ショップでは定型文のように、
「充電しながら使うのと、電池を使いきってないのに充電することが原因で(ry」
と言われるそうですが、それは
真っ赤な嘘です。
そんなわけありません。
リチウムイオン電池は
もともと継ぎ足し充電ができる(=メモリー効果が無い)バッテリーなので、使いきらないまま充電できて当たり前なんです。
実際、ノートパソコンの多くがそんな感じで運用されていると思います。
これは、どこぞのeneloopのように企業努力で実現されたことではなく、リチウムイオン電池の極材料が、
もともとそういう化学的性質をもっているからです。
これは逆に言えば、継ぎ足し充電をすることは発熱や膨張することとは関連性が薄いということです。
ちなみに、リチウムイオン電池は低温や放置にも強いので、バッテリーとしてはニッケル水素や鉛蓄電池よりも優れていると言えます。
しかし、
1)過充電
2)過放流
3)過電流この3つには大変弱いという弱点をもっています。
鉛蓄電池のようにそのまま電源繋ぐと
爆発します。
リチウムイオン電池の充電は過充電、過放電、過電流が起こらないように完璧に制御された定電流・定電圧充電を行わなければいけません。
これは抵抗1個とか、トランジスタ1個とかの簡単な回路では実現するのが難しいので、通常は電流制御用のICが使われます。
また、放電時に過電流が流れないような制限回路も必要です。
だから、正常なバッテリーを使っていて膨張したり発熱したり不具合が出たりした場合、
機器側の充放電制御回路に問題があるとしか言いようがありません。
客の使い方なんて関係ありません。
実際には、
バッテリー自体もかなり無理な設計がされているのだと思います。
電池はガスと金属の電子のやりとりを利用して電気を取り出す装置ですから、多少の電解液の体積の変化は、正常なバッテリーパックでもあり得るはずです。
だから、本来その変化分を考慮して設計されていて当たり前なのです。
もっと言うと、先ほどの充電回路に少しくらい不具合があっても簡単に膨張したり発熱したりするものであってはなりません。
充電回路にしても、電池パックそのものにしても、
設計がいい加減だとしか言いようがありません。
こんなずさんな設計の製品が製造される理由は、メーカーが製品の設計・テストにかけられる費用も時間も少ないからです。
その理由は、
1)新機種投入のサイクルが短いこと
2)1機種あたりの販売台数がNokiaやMotorolaに比べて1桁も2桁も少ないこと
やはりこの2つではないでしょうか。
Nokiaは1年に4億台近い携帯電話を出荷していますが、電池が爆発したなんて話は滅多に聞きません。
松下製のBL-5Cくらいでしょうか。
これはやはり1機種あたりに割けるコストの違いからきているものだと思います。
以上のことを総合すると、
客に落ち度は全くありません。カッターで傷つけたとか爪でかきむしったとかでも無い限り。
それでも、禿と中村は客が悪いようなことを言います。
あの人たちは中学校の理科の時間寝ていたのでしょうか。
それとも、庶民には理解できないだろうと思ってタカをくくっているのでしょうか。
だとしたら、ちょっとした恐怖です。
もう日本製のケータイは使えません。キャリアが、ベンダーに無理をさせないビジネスモデルが出来上がるまで、海外の信頼のあるメーカーの端末(Nokia、SonyEricsson、HTC、Motorolaなど)を使うのが身のためだと言えるでしょう。
日本のメーカーは、Nokiaすらもしのぐような技術をいくつも持っていると思います。
しかし、技術者の方々が「政治的な」理由で十分に腕をふるえないのは、本当に気の毒でなりません。
[2/18追記]
この件に関して
教えて!gooでもトピックがあったのですが、やはり勘違いされている方が多いようです。
ちゃんとわかっている方が何度も説明しているようですが、質問者の方はあまりよく理解していないようです。
>ドコモの人によると繋ぎながら操作するのは良くないとの事でした。
とありますが、これがホントなら、その店員はバカヤロウ日本代表か、「当社の携帯電話には充電制御回路が搭載されていません」と言っているようなものです。
子供に嘘つくのだけはやめてほしいですね。
或いはほんとに搭載されてないのかな?笑
※この記事を見た方で興味をもった方は、自由にコピペしていただいて結構です。
参考サイト:
Li-ion電池の話
- 2008/02/14(木) 23:30:52|
- その他Cell
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3.5インチフルワイドVGA+QWERTYキーの“インターネットマシン”──「922SH」N95の発表が衝撃的すぎてまったく目に入ってなかったようなのですが、こんなの出てたんですね。
普通のケータイにQWERTYキーボード。
「禿コミュニケーター」とでも言うべきでしょうか。
そもそも僕がQWERTYキーボード搭載端末をつかいはじめたのは、授業中にも「辞書です」と言い張って堂々と使うためでした。
高校入ってから1台目のQWERTY端末はシャープのSL-C860。
エアエッジと組み合わせて使ってました。
今思えば、SL-C860には思い出がいっぱい詰まっています。
大学に入って、そういう言い訳をする必要もなくなったわけですが、3年間のQWERTY生活でテンキーの使えない体になっていたので、今でも携帯電話を選ぶときは、「QWERTYキーボード搭載」が第一条件です。
僕やhermerは「授業中堂々とWeb」のパイオニアだったわけですが、これからは似たようなことする高校生が増えるんじゃないでしょか。
いや、真面目に辞書機能使う学生も中にはいるかもしれないけど。
簡便さと安定性って点では、WindowsMobileよりいいかも。
- 2008/02/03(日) 04:03:05|
- その他Cell
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