2018年3月30日に行われた、広島対中日の公式戦1回戦の試合結果
中日 010 002 000|3
広島 101 003 10×|6
勝 野村 1勝0敗
負 小笠原 0勝1敗
S 中崎 0勝0敗1S
【本塁打】エルドレッド1号
ついに始まった2018年のペナントレース。
開幕投手の野村は、比較的落ち着いた様子で、中日打線のバットの芯を外していく。
2回表のピッチングでは、ランナーを背負ってからは、いつも通りの時間をじっくりかけていく投球スタイル。
ややリズムは悪くなったものの、何とか下位打線に向かっていく打順ということもあり、松井雅の犠牲フライによる1失点に留めた。
ただ、6回表は、先頭の大島に、初球の真ん中低めのカーブを上手く捉えられて、ライトオーバーの二塁打を打たれる。
続く、京田は送りバントを2球失敗させるも、2ストライク後の甘く入ったシュートをセンター前タイムリーヒット。
同点に追い付かれることとなったが、ここでは大島の初球攻撃でリズムが崩れ、そこを引き摺ってしまった印象。
アルモンテの打席で京田が二盗を決め、アルモンテは真ん中付近のツーシームをライト前ヒット。
ノーアウト1、3塁となり、打席にビシエドを迎えると、中間守備を敷く。
いけいけで強振してくるビシエドを、上手く併殺で打ち取ることができれば、1点のリードを許したとしても試合の流れを完全に渡さないことが出来る。
そしてインコースのシュートでショートゴロ併殺打に打ち取り、1点リードを奪われるが、ここはまだ想定内。
要は次の1点をカープが奪って、すぐさま同点に追い付くというのが、勝利に必要な流れとなる。
となると、エルドレッド、安部、會澤という打順で、1人ランナーが出れば、野村への代打も考えられる。
そして、先頭のエルドレッドは、初球アウトコースのボールになるストレートを見極め、同じ球種を続けた2球目のアウトコースのストレートを逆方向へ打ち返し、高い弾道でライトスタンドに飛び込む同点ホームランを放った。
安部は追い込まれながらもライト前ヒットを放ち、會澤が送りバントを決め、同点に追い付いた状態で代打メヒアを起用できるという良い流れ。
そのメヒアは初球のアウトコースのチェンジアップを捉えてレフト前ヒットを放ち、送球間にメヒアは二塁を陥れて1アウト2、3塁。
そして田中は高めのストレートを、最低限犠牲フライで良いという感じの打ち方でレフト後方へ打球を打ち上げると、前進守備のアルモンテのグラブも届かず、レフトオーバーの2点タイムリー二塁打で勝ち越し成功。
開幕時の勝利の方程式は、今村、ジャクソン、中崎というのは決定している。
ただ、ジャクソンに関しては、オープン戦の不調もあり、投げてみないと試合の流れを一変させるという不安も残っている。
まずは勝ち越し直後の7回表のマウンドには今村が上がり、抜群のコントロールで危なげなく、僅か10球で三者凡退に打ち取った。
問題は8回表に登板するだろうジャクソンの、それも上位打線に繋がっていく打順でのピッチング。
そのジャクソンの登板前に、1点の追加点を奪い、レフト野間、ファースト美間と守備も固め、8回表を迎える。
先頭の代打亀澤、1番の大島という昨年の2番、3番という塁に出るとうるさい並びでもストライク先行で抑え切り、京田も2球で追い込んだ。
ただ、追い込んでからのボテボテの投ゴロを処理したジャクソンは、ボールを握り損ねて一塁悪送球。
2アウト2塁となったが、ここで慌てることなく投球できれば、試合展開に影響を与えることはない。
続くアルモンテをインコース低めのスライダーでファーストゴロに打ち取り、無失点。
ベンチに引き上げてくるジャクソンへの球場の拍手は、不安要素をとりあえずは払拭させるような内容だったことへの、安堵の表れとも言えるだろう。
9回にマウンドに上がった中崎は、ストライク先行で2アウトを簡単に奪った後、高橋周に粘られた末に四球を与えてしまい、そこからランナーを溜めてしまった。
ただ、そこで踏ん張れるか、踏ん張れないかというのは大きな違いで、今日の投球内容でも今後に不安を抱かせないのが、信頼と実績を積み重ねてきた証拠でもある。
2アウト満塁のピンチを凌ぎ切って、開幕戦を勝利で飾った。
昨年までのような戦い方が出来たなという印象に加え、メヒア、美間といった昨年の開幕メンバーではなかった選手も加わっての勝利は、今後の選手起用についても方向性が広がるという意味のある試合だったように思う。
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