2016年8月16日に行われた、広島対阪神の公式戦22回戦の試合結果
広島 011 012 000|5
阪神 000 000 000|0
勝 ジョンソン 12勝6敗
負 能見 7勝10敗
S -
【本塁打】新井14号
阪神先発の能見とは、前回対戦時には、ボークによる1点しか奪えず、そのリードを引き出した坂本とのバッテリーで臨んできた。
また、甲子園球場が使用できない関係で、京セラドームでの試合となるが、8月の京セラドームでの阪神の成績は驚異的。
2011年から2015年の5年間の成績は、19勝10敗で、特に2014年から、同一カード3連勝を4回継続中で、現在まで12連勝している。
ただし、カープの8月の京セラドームでの阪神戦の成績も負けていない。
過去5年間で8勝4敗となっており、相性面で不安に感じる要素はない。
ジョンソン、能見ともにキラーぶりを発揮しているだけに、一方的な展開と言うのは考えにくく、粘って勝利を掴み取ることになるだろうか。
さて、初回のカープの攻撃は、田中は初球を打ってファーストゴロ、菊池はフルカウントから低めのスライダーで空振り三振、丸も低めのスライダーで空振り三振となった。
甘いコースは1球もなく、インコースに投げてきたのも菊池への1球だけ。
ほぼアウトコースのみ、という投球に見えたが、手が出なかった。
また、ジョンソンの立ち上がりは、先頭の北條に対しボール先行となったものの、カウントを整え、最後は今日一軍復帰のサード堂林へのゴロに打ち取る。
2番の大和には、アウトコースのチェンジアップを上手く体を残され、センター前ヒットとなると、江越をインコースのカットボールでショートゴロ二塁封殺。
2アウト1塁で福留を迎え、1球でファーストゴロに打ち取った。
やはり投手戦かという両投手の立ち上がりを受けて、どう攻めていこうかというカープの2回の攻撃は、先頭の新井が初球の真ん中付近へのストレートを捉えた。
右中間へ弾き返した打球は、高い弾道でそのまま右中間スタンドへ飛び込む先制本塁打。
この一発の後にエルドレッドがいるだけで、連発という期待もしてしまうが、力んだスイングで内野フライ。
鈴木はストレートに振り遅れ、追い込まれてしまうが、決め球のアウトコースのチェンジアップが、やや高めに来たことでバットの先で拾って、左中間への二塁打でチャンスを作る。
そして堂林の打席を迎えるが、外のスライダーに体の開きが止められず、ひっかけてのサードゴロ。
2アウト2塁となり、石原は敬遠で、阪神バッテリーはジョンソン勝負を選択し、セカンドゴロで1点どまり。
対するジョンソンの2回のピッチングは、ゴメスをインコースで見逃し三振、狩野、新井良も芯で捉えさせず、三者凡退で抑え、これで試合の主導権を握れた。
3回のカープの攻撃は、先頭の田中がセンター前ヒットで出塁すると、新井の前に得点圏にランナーを進める意味で菊池の送りバントも考えられたが、田中が単独スチールを決めてきた。
これは前回の能見坂本バッテリーの前に、やろうとしても出来なかった攻撃。
菊池はストレートの四球となり、丸も四球でノーアウト満塁。
1週間で2度も左投手(能見、今永)に低めのボール球を振らされている、という投球を続けられているだけに、3度目はそうはいかないぞという、打撃の意図は感じられる。
新井は、インコースへ食い込んでくるストレートを右方向へ打ち返すと、またもや高い弾道で舞い上がる。
ただ低めだったことでもうひと伸びを欠いたが、それでもライトへの犠牲フライとなり、1点追加。
1アウト1、2塁とチャンスは続いたが、エルドレッドは低めのストレートで、5-4-3の併殺打に倒れ、このイニングも1点どまり。
ただ、3回裏もジョンソンが三者凡退に抑え、良い流れで試合が進められている。
4回表には、先頭の鈴木がインコース攻めをファールで凌ぎ、四球を選ぶと、1アウト後、石原の打席で二盗を決める。
こうなってくると、石原の打席で得点が入るかどうかの分かれ目となるが、少なくともチャンスは迎えており、相手にはプレッシャーをかけながらの攻撃が続けられている。
低めでストライクを取られるケースが極端に減っており、石原、ジョンソンと倒れてしまったが、上手く繋がれば追加点が可能な状況に近付いてきた。
そして5回表には、新井にこの日3打点目となるレフト前タイムリーヒットが飛び出し、試合を有利に運ぶ。
6回からは、能見に代わってサターホワイトがマウンドに上がり、捕手も代打からそのまま守備に就いた原口が守るが、先頭の鈴木はアウトコース低めのフォークが、あまり落ちないところを上から叩いてレフト前ヒット。
あの高さのボールをレフト前にライナー性の打球を放てるのは、下半身の粘りがないと打てない。
堂林に代わり代打安部の打席中に、鈴木が二盗を決め、原口の送球が逸れる間に三塁まで進んだ。
安部は中途半端なスイングで三振になってしまうが、石原は真ん中高めのストレートを右方向へ打ち返し、ライト前にポトリと落ちるタイムリーヒットで1点追加。
さらに、ジョンソンの送りバントで2塁に進んだ石原を、田中のセンター前タイムリーヒットで本塁に迎え入れる。
思い描いた通りの点の取り方で、流れが悪かろうはずがない。
ジョンソンのピッチングも、7回を投げて、得点圏にランナーを背負ったのが5回裏の1度だけ。
文句のつけようがない投球で、完全に試合の流れをコントロールできた。
8回は今村、9回は一岡が締めて、完封リレー達成。
前回、能見坂本バッテリーに実質完封リレーをやられていた、借りを返せた1勝となった。
本塁打あり、盗塁あり、犠牲フライあり、タイムリーあり。
新井の3打点はお見事には違いないが、それをお膳立てしたのは、全員で能見を攻略するために、あらゆる攻撃パターンを駆使した野手陣、それと攻撃に集中できるよう、リズムの良いピッチングを崩さなかったジョンソン石原のバッテリー。
結果も内容も伴った勝利だった。
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