2016年6月19日に行われた、広島対オリックスの交流戦3回戦の試合結果
オリックス 220 000 000|4
広 島 000 022 01×|5
勝 ジャクソン 2勝3敗
負 山崎福 1勝1敗
S 中崎 1勝3敗14S
【本塁打】モレル6号、下水流1号、鈴木10号
交流戦の最終戦を迎え、2試合連続サヨナラ勝ち、5連勝中、交流戦でセ・リーグの中では最上位確定など、上昇ムードには違いない。
中村恭にとっては交流戦後も先発ローテに残るために、この最終戦で1勝を挙げることも必要となってくる。
ただ、1番2番に対しては、ストライク先行で、田中の好守備もあり打ち取れていたが、糸井に四球を与えて、直後のモレルには初球のストレートをレフトスタンドに放り込まれ、先制を許した。
連勝中は初回に先制を許したケースはなく、いくら打撃の調子が上向きと言っても、初回から2点を追いかける展開は試合の流れが良くない。
カープの攻撃も、先頭の田中が高く弾む内野安打で出塁するも、菊池の右打ちはセカンド守備範囲で二塁封殺。
一塁ランナーとして残った菊池は、丸の打席で牽制死。
脚で揺さぶる攻撃をするどころか、逆にその武器である足でミスが出てしまうとなると、流れを手放す序盤になるのは間違いない。
嫌な流れでも、中村恭が何とか立ち直って、2回以降はスイスイとまではいかなくても、粘って得点を与えないピッチングができないと、終盤でひっくり返すには無理がある。
しかし、先頭の奥浪にはコントロールが定まらず四球を与えると、今度もストレートを捉えられ、武田にレフト線へのツーベースでノーアウト2、3塁。
スライダーがほとんどストライクが入らなくなってきたことで、ストレートを狙われている感じが強い。
ようやく山崎勝に対しては低めのスライダーが決まって内野ゴロを打たせることが出来たが、それも持続できない。
ディクソンにタイムリーを打たれて序盤で4点のビハインドとなり、四球からの失点が2イニング連続、そしてピッチャーにタイムリーを打たれるという失点の仕方は、相手を乗せるだけ。
スライダーでストライクを取れず、どの打者にも打たれるストレートを軸にするしかない時点で今日の中村恭の立ち直りを期待するのは難しい。
3回からは九里のロングリリーフが現実的な起用に思えるが、2回裏の攻撃でチャンスを作ったものの、8番の磯村で攻撃が終わったことでもう1イニングの猶予が与えられることになる。
しかし、先頭の安達がやはり高めのストレートをレフト前ヒットを放つ。
糸井には低めのスライダーを、良い当たりのライトライナーを放たれ、ちょっと通用するボールがなくなってきた。
モレルはショートゴロに打ち取ったが、その間には安達に楽々二盗を決められており、ピンチは拡大している。
そしてT-岡田には低めのストレートを捉えられセンター前にライナーで抜けていくヒットを打たれ、5点目を奪われる、そう覚悟した打球は菊池が飛びあがって掴みとり、ファインプレーでピンチをしのいだ。
結果的に3回は無失点で切り抜け、3回裏の中村恭の打順で代打庄司を起用した。
今シーズン初打席、プロ入り2度目の打席ということもあったと思うが、まったく自分のスイングをさせてもらえず空振り三振。
後続も倒れ、3回を終えて0-4というビハインドの展開は変わらない。
4回表のマウンドに上がったのは、予想通り九里だったが、やや逆球が多い印象。
それでもストレートを狙い打っている印象のあったオリックス打線を、フォーク、スライダー、カットボールなどの変化球でタイミングを外し、無失点で抑えてようやく試合が落ち着いた。
5回の九里はさらに投球内容、リズムが良化し、この試合初めて三者凡退で抑えた。
そして5回裏のカープの攻撃は、先頭の松山が低めのボールを叩き付けてセカンドへの内野安打で出塁すると、磯村に代打安部を送り、安部がレフト前ヒットで繋ぐ。
九里にも代打天谷を送るが、ここはナックルカーブの連投で三振となり、1アウト1、2塁で田中に打順が回る。
その田中にもナックルカーブを連投してくるが、見極めて四球を選んで満塁とチャンスが広がる。
菊池はナックルカーブを引っ掛けて、サード前への緩い打球となり、この打球をサード奥浪が後逸。
後逸したボールが安部に当たったことで、守備妨害ではないかという抗議もあったが、奥浪のグラブをかすめた後に安部にボールが当たったということで、そのままプレー続行で1点を返す。
このプレーも、奥浪が少なくとも一つはアウトを取るというつもりで捕球していればおきないプレーだけに、実質的にはタイムリーエラーということになる。
動揺があるのは間違いないが、このイニングのディクソンに対しては、序盤は振らされてた低めのナックルカーブを見極めることができており、投球は苦しくなっている。
丸もしっかりと見極めて押し出し四球をもぎ取る。
ルナに対してもボール先行となっていたが、ナックルカーブの連投を諦め、ストレート中心に投球を変えてきた。
インローへストレートが決まり、詰まらされてのサードゴロ併殺打に打ち取られ、2点どまりとなった。
5回を終えて2点ビハインドの展開で、6回からはカープは一岡がマウンドに上がる。
復帰後初登板となった前回登板では、ストレートの球速は140キロそこそこで、結果オーライのピッチングに見えただけに、この回の頭からの登板で、どういう投球を見せてくれるかに注目が集まる。
モレルに対し、変化球2つで追い込み、最後は決めに行ったストレートが高めに浮いたが、当てただけのセカンドゴロに打ち取る。
T-岡田に対しても決め球はストレートで、142キロの高めのストレートを振らせて三振を奪った。
奥浪に対しては、140キロのストレートで空振りを奪い、スライダーでライトフライに打ち取り、球速以上のキレが出ていたのだなと実感した。
疲れ、連投などの状況下では、同じように切れで勝負できるかは見極める必要はあるが、今日のところは役割を十分に果たしてくれた。
また、先発が早めにマウンドを降りても、その後は九里、一岡が無失点リレーで試合を作り直し、徐々に打線が反撃している展開は、少なくともまだ試合は分からないという雰囲気にはなっている。
そしてオリックスも6回から継投策。
2日前にサヨナラホームランを打っている比嘉がマウンドに上がり、その時対戦した鈴木が打席に向かう。
オリックスとしては、流れを自分たちに留めておくための投手起用にも思える。
鈴木はアウトコースのスライダーに泳がされてセカンドフライとなり、まずはオリックスの狙いが当たった。
ここで三者凡退に抑えられると、オリックス側に今日はいけるという雰囲気も出てくる。
そうはさせじと新井が左中間へエンタイトルツーベースを放ち、チャンスを作ると、松山の打席で左の海田にスイッチ。
松山は外に逃げていくボールを捉えきれず、こすったような当たりのレフトフライとなる。
一岡の打順で代打下水流を送るが、オリックスは白仁田にスイッチし、執念の継投を見せてきた。
しかし、この継投策を打ち破った。
ボール先行となり、3-1というカウントから投じた真ん中高めのストレートを振り抜くと、左中間へ打球が上がり、滞空時間の長い本塁打となる。
下水流はこれがプロ入り初本塁打で、貴重な代打同点ツーランとなった。
同点に追い付き、交流戦最終戦で明日からしばらく試合がないということもあり、7回からは勝ちパターンの投手起用が可能となる。
7回はヘーゲンズがマウンドに上がる。
楽天戦で手痛い失点をした會澤とのバッテリーとなったが、この試合では左打者に対し、カットボールを使うように戻している。
そしてしっかり3人で抑えきったことで、一段階上がった投球が出来たように思う。
7回裏は山崎福がマウンドに上がり、先頭の田中が四球を選び、菊池が送りバントを決める。
1アウト2塁で丸がセンター前ヒットを打つが、打球が早く、本塁突入は自重。
1アウト1、3塁でルナが打席に向かい、2球で追い込まれてしまう。
粘りを見せてセンターフライを打ち上げ、やや浅かったが田中は勝負をかけてタッチアップで本塁を狙う。
しかし、センターからのストライク返球で本塁タッチアウトとなり、勝ち越しならず。
8回表はジャクソンがマウンドに上がり、先頭の西野にはややコントロールを乱したが、結果的に三者凡退で好リズムを保ったまま8回裏の攻撃に向かう。
先頭打者として打席に向かうのは鈴木。
2球で追い込まれるが、決め球は高めに入ってきた。
3試合連続本塁打をレフトスタンド上段に放り込み、今日はサヨナラではなく勝ち越し本塁打ではあるが、いずれにしても貴重な一発が飛び出した。
実のところ、8回裏に得点が入らなかったとしたら、9回表は誰がマウンドに上がるのかを気にしていたが、杞憂に終わる展開となり、リードした9回表は中崎がマウンドに上がり、石原を抑え捕手として起用する万全の態勢。
正直なところ、こういう展開で追い付かれたり、逆転されるというムードは考えにくく、勢いに任せてどんどん追い込んでいけば良いところ。
まず先頭のモレルをスライダーでライトフライに打ち取り、代打のクラークはカットボールでセンターフライ、奥浪をフォークで空振り三振を奪って逃げ切った。
長打力のある3人の打者をきっちりと仕留めて、見事交流戦6連勝で締めくくった。
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