2015年10月4日に行われた、広島対阪神の公式戦25回戦の試合結果
広島 000 402 000|6
阪神 000 000 000|0
勝 黒田 11勝8敗
負 藤浪 14勝7敗
S -
【本塁打】松山7号、田中8号
CS進出のためには、残り2試合を連勝するしかなくなったカープ。
とにかく勝つことだけを考えて臨む試合となり、ある意味今日の相手が阪神とか、他のチームとか分けて考える必要はない。
黒田対藤浪の投げ合いは、プレッシャーのかかる場面でどちらが実力通りのピッチングを再現できるか、とも言える。
もっともカープの野手陣も、昨日はエラーを多く出してしまっており、昨日の反省を活かせれば締まった試合にもなり得る。
そしてカープのスタメンには、やはり3番松山の文字が。
最後に藤浪に当たることを見越して、松山の復調にかけてきた部分があるだけに、昨日の内野安打で流れが変わって欲しい。
藤浪も今日勝てば最多勝に並ぶだけに、当たり前だが勝ちにこだわってくる。
簡単に攻略できる相手でもなく、1球1球を大事にしていきたい。
そして初回の攻撃で、2アウトから松山にライト前ヒットが出た。
出来ればランナーを貯めたところで打順がまわって欲しかったなと思えるほど、しっかり捉えた打球だった。
エルドレッドは、藤浪のストレートに振り遅れていたが、追い込まれてからはコンパクトなスイングに変わってセカンドゴロ。
右方向への意識はありそうな打席だった。
黒田の立ち上がりは、いつも通りという感じで、時折高めに抜ける球が心配なくらいで、コーナーへの投げ分けは出来ている。
後はランナーを貯めて、その甘い抜け球が行かないことを願うのみ。
初回は問題なく切り抜けたが、2回には先頭のゴメスに四球を与えてしまい、マートンは狙い通りにセカンドゴロを打たせた。
しかし、菊池が足を滑らせてセカンド封殺のみでランナーが残り、今成にはセンター前ヒットで1アウト1、2塁。
ピンチを迎えたところで、心配していた高めに抜けるボールが行ってしまった。
江越がインハイへの抜け球を腕をたたんでレフト線へ弾き返す。
この打球をエルドレッドがスライディングキャッチを見せ、抜けていれば間違いなく先制打になっていたという打球を捕球した。
このプレーで救われた黒田は後続を抑え、2回も無失点。
3回表の自身の打席では、10球以上粘る姿勢を見せ、これは野手陣への無言の檄になる。
4回表の攻撃で、先頭の菊池がセンター前ヒットで出塁し、松山の打席でエンドランを仕掛ける。
これはファールとなるが、同じスライダーを続けたことで松山のタイミングは合った。
インコースへのスライダーをフルスイングし、打った瞬間新井ばりにバットを放り投げる快心のツーランで先制。
打てなくても使い続けてきた起用がようやく実った瞬間だった。
そしてこれだけで終わらなかったのが大きい。
エルドレッド、新井が倒れて2アウトとなったが、田中が四球を選び、安部のレフト前ヒットをマートンがファンブルする間に、田中、安部がそれぞれ先の塁を陥れ、2アウト2、3塁とチャンスを広げ、石原がライト前タイムリーを放ち、さらに2点追加できた。
昨日はエラーが多く出てしまっていたが、今日の試合はファインプレーが2つに加え、黒田の打席での粘り、相手のエラーに付け込む隙のない野球ができており、試合の流れとしては悪くない。
黒田の投球も失投がなければ大崩れの心配はない内容で、リードを奪ったことで真骨頂の投球を見せ始める。
6回は田中のツーランで追加点を奪い、直後の1アウト1、3塁のピンチでは併殺打で無失点が続く。
あれよあれよという間に9回を迎え、完封が見えてきた。
しかし、さすがに簡単に完封というのはさせてくれない。
先頭の福留にセンター前ヒットを打たれ、4番のゴメスにもレフト前に抜けようかという当たりを打たれる。
ここは安部が飛び付いて捕球し、セカンド封殺で黒田を助けた。
ただ、マートンにもライト前ヒットを打たれ、野間の三塁への好返球も一瞬及ばず1アウト1、3塁となってしまった。
3人続けて芯で捉えられたことに加え、投球数が126球と増えてしまったことで完投を諦め、中崎を投入。
昨日2イニングを投げているとは言え、ボールの勢いは全く衰えを見せず、150キロ超のストレートとカットボールの組み合わせで、2者を打ち取り完封リレーの完成。
今日の勝利は、黒田と藤浪の経験の差、くぐってきた修羅場の数の違いがもたらした勝利と言える。
あと1勝。
ファンはその結果がもたらす意味を十分理解している。
応援することしかできないが、微力でも力になればと信じて祈っています。
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