2015年7月21日に行われた、広島対中日の公式戦15回戦の試合結果
中日 301 100 000|5
広島 020 200 13×|8
勝 大瀬良 2勝6敗
負 田島 3勝5敗1S
S 中崎 0勝5敗13S
【本塁打】和田3号、エルドレッド8号、平田9号
今季の山井に対しては、比較的打てている方で、昨日はランナーを出しながらあと一本が出ずという状況だったこともあり、チャンスを作ってタイムリーというのも期待してみたい。
また、野村は今季中日戦は初登板となる。
前回登板では、とにかく追い込んでから甘い球が多く、またピンチを背負うと途端に逃げの投球になってしまい、際どいコースを狙ったボールがことごとく外れるという悪循環のピッチングだった。
先発ローテに入る投手が防御率5点台というのは、正直今後の先発は厳しいと言わざるを得ない。
ヤクルト戦の対山田の打席での投球のように、ストレートでファールが取れるのだから、ストレートを活かす投球を取り戻してもらいたい。
しかし、初回に田中のエラーでランナーを出してしまうと、やはりカウントを悪くする前回と同じようなピッチングで、ルナにボール先行となり、レフト前ヒットを打たれると、和田にもアウトローに外れるスライダーという相手が全く怖がらない初球の入りで、結果和田にスリーランを浴び、初回で3点のビハインド。
ボール先行のピッチングで球数も嵩み、3回まで持つかどうかもあやしくなってしまった。
今井、戸田、飯田、永川、ヒースなどで継投していくというプランが早くも出来上がり、山井攻略するためにも、野村には早々にマウンドを降りて頂く他ないかなという試合となってしまったのは残念。
エルドレッドのツーランで1点差になっても、野村が続投している間は決して安心できる点差でもなく、勝つためには早めの交代しかないのだが、本来なら3回に追加点を奪われたのが交代のタイミングだった。
それでも続投し、4回には真ん中高めにカットボールが抜けた失投を、平田にソロホームランを浴びて点差が3点に広がり、さらにヒットと送りバントでピンチを背負ってようやく投手交代となった。
対大島用のワンポイントで登板の飯田がこのピンチを断ち切り、ここから試合を立て直しにかかる。
4回に山井のフィルダースチョイスが絡み、ノーアウト満塁と攻め立てると、梵、會澤の連続犠牲フライで2点を返し1点差に迫ると、リリーフ2番手の戸田が5回表の中日の攻撃を無失点で抑える。
ただ、リリーフが試合を落ち着かせると、相手投手も落ち着きを取り戻すもので、一気に試合の流れが落ち着いた。
問題なのは、リリーフ勝負となってからの試合展開。
カープが飯田、戸田の好投で試合を引き締め直したのに対し、中日は又吉、田島、福谷と勝利の方程式を継ぎ込んでくる。
1点ビハインドでこの3人の投手から逆転し、さらに戸田以降の投手が追加点を許さない投球も必要になる。
だからこそ、野村の交代時期は早ければ早いほど良かったのだが、野村のラストチャンスとしての登板と位置付けられていたのであれば、内容の見極めも必要だったということなのだろう。
そしてこの試合の最大のポイントは、戸田の3イニング無失点投球に尽きる。
スライダーも切れていたが、何といっても低めに制球された149キロのストレートが最大の武器だった。
低めに投げ込んで、まったくお辞儀することなくミットに収まるボールは、よほど狙い打たない限り外野の頭を超えることはなく、序盤は乱れていた守備も集中力が増してくる。
リリーフが無失点リレーを見せ、守備の集中力も高まってくるとなれば、打線にも徐々に雰囲気が出てくるもの。
6回の又吉にはまともにスイングすらさせてもらえなかったが、先日プロ入り初セーブを献上した田島に対して、代打の野間がライト前ヒットで出塁する。
田中の打席で盗塁の構えで揺さぶり、3-2というカウントまで持ち込むとエンドランを仕掛け、これがレフト線を破り、野間は一塁から一気に生還し同点に追い付いた。
この頃から雨が降り始め、新井の打席ではかなり雨脚が強まっていた。
田島もコントロールが定まらなくなり始め、逆転のチャンスではあったが、巧く合わせた新井の打球はライト前には落ちなかった。
雨脚が強く、マウンドの状態が悪くなりかけている中で、8回表からは大瀬良が登板。
ここも戸田の好リリーフの流れを引き継ぎ、三者凡退で8回裏の攻撃に繋げる。
回跨ぎの田島は、先頭のシアーホルツに四球、エルドレッドに死球を与え、雨中の投球ですっかりリズムを崩してしまっていた。
前にイニングの新井に対してもコントロールが定まらないシーンがあり、これ以上の投球は危険という意味合いもあり、試合が中断する。
4月19日の中日戦では、中断明けに小窪がタイムリーを放つ場面があったが、チャンスの状態で再開する場合は攻撃側が精神的に有利なイメージがある。
1時間近く中断があったため、田島がそのままマウンドに上がるにしても一旦気持ちの整理は付いている。
そこを再び追い込んでいくためにも、梵がきっちりと送りバントを決め、1アウト2、3塁の場面を作りたいところ。
そして、初球で送りバントを決め、いい形を作り上げた。
ここで打席に向かう會澤は、2球連続で低めのボールをファールにするが、2球ともに犠牲フライでもいいという意識と、引っ張りの意識が喧嘩している雰囲気があった。
ただ追い込まれてからは、右方向への狙いの意識が強まり、難しい低めのボールにも対応できたように思える。
見事に右中間を突破する2点タイムリースリーベースで8回裏に勝ち越しに成功した。
さらに野間がライト前タイムリーで続き、3点差でかなり余裕をもって最終回を迎えることができる。
9回に抑えの中崎がマウンドに上がる展開にまで持ってこれたのは、打線の状態が底を脱しつつあるタイミングが重なったことと、リリーフ陣の好投に尽きる。
また、大瀬良にリリーフとしての初勝利が記録され、今季のカープのリリーフでの勝利は、今村、永川、中田、戸田に続き5人目。
自力で勝ち負けはコントロールできるものではないが、リリーフの通算成績も5勝15敗16Sと負け越しの1ケタ台への減少も見えてきた。
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