アニメ・漫画規制反対派の今後のとるべき戦術とは
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n142697
さきに行われた衆院選は規制推進派の急先鋒・自民党が300議席に迫る圧勝、一方、規制に慎重寄りだった民主が60議席を割る惨敗という結果に終わりました。がっくり肩を落とされた方も多いと思います。
しかし、いくら議席があろうと、論理破綻した支離滅裂な、法案提出者自身がきちんと説明できないような法案は通すことはできませんし、こちらが適切な戦術をとれば規制阻止は可能です。
まず敵(規制推進派)がどのようにこの問題を認識していて、どのような戦術でもって規制を推し進めようとしているのか知る必要があります。
彼らの改正法案の特異な点は、なんといってもアニメや漫画の“キャラクター”に、児童ポルノ規制法を適用しようというものであり、本来の法の趣旨からいってもかなり飛躍があります。
日本で発展した独自の“キャラクター文化”、“萌え文化”はすでに社会的にも認知されており、それらは児童ポルノと不可逆的なものであり元々何の接点もないのは明白で、スウェーデンの最高裁もそうした考えを支持しました。
自民党自身がそのことは十分承知しています。彼らの規制推進の理由は別のところにありますが、それが規制を正当化するだけの大義名分とはなりえないので、児童ポルノ法を利用しようとしているのです。
とはいえ、アニメや漫画の“キャラクター”に、児童ポルノ規制法をかぶせようというのにも相当な不自然さが伴います。
そこで彼らが目をつけたのが、現行の児童ポルノ法でまだ規制の対象になっていない“(リアルの児童ポルノの)単純所持規制”でした。単純所持規制を隠れ蓑に、それを通すどさくさにまぎれてアニメや漫画規制をも通してしまおうということを思いついたのです。
規制の本命はあくまで2D創作物であり、児童ポルノの単純所持規制のほうはダミーにすぎません。
創作物規制に関する自民党案は以下のようなものです。
児童ポルノ改正法(所持規制)の附則として、次のような項目を設けています。
附 則
(施行期日等)
(検討)
第二条 政府は、漫画、アニメーション、コンピュータを利用して作成された映像、外見上児童の姿態であると認められる児童以外の者の姿態を描写した写真等であって児童ポルノに類するもの(次項において「児童ポルノに類する漫画等」という。)と児童の権利を侵害する行為との関連性に関する調査研究を推進するとともに、インターネットを利用した児童ポルノに係る情報の閲覧等を制限するための措置(次項において「インターネットによる閲覧の制限」という。)に関する技術の開発の促進について十分な配慮をするものとする。
2 児童ポルノに類する漫画等の規制及びインターネットによる閲覧の制限については、この法律の施行後三年を目途として、前項に規定する調査研究及び技術の開発の状況等を勘案しつつ検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。
これを文言のとおりに受け取って、調査で漫画アニメの有害性(犯罪との関連等)は見出せず規制は回避されるとする方を少なからず見受けるのですがその認識は誤りです。
彼らには調査研究をおこなう気などハナからなく、適当にそれらしいデータなどをでっち上げて規制を強行する腹積もりです。
調査研究など都合のいいようにいくらでも捏造できます。
たとえば以前話題になりましたが、自民党は内閣府の調査と称し、「漫画イラストも児童ポルノ規制対象とすることに賛成約9割」という世論調査をでっち上げて規制を正当化しようとしました。彼らの考えている“調査”なんてその程度のものです。
この附則の意味するところは「我々に白紙委任せよ」ということなのです。要は全権委任法と同じ手法ですね。
前述のように、アニメや漫画の“キャラクター”に、児童ポルノ規制法を適用しようというのには相当な不自然さが伴います。
法案を作ろうにも矛盾が噴出しまともにつくれません。
また、彼らは東京都の条例のときのように騒ぎが広がってはまずいと考えています。
だからこうした禁じ手ともいえるような手法をとらざるをえないのです。
言い換えればここが彼らの弱点でもあります。
つまり、反対派はこの「立法のプロセス」こそを追及すべきなのです。
このような形でアニメ漫画等の規制をこっそりねじ込むことは立法の手続き上問題があり断じて認められない、
まずはきちんと具体的に法案として取りまとめてから提出しろと。どういう根拠、目的でもって、何を規制するのか?それを明示させることです。その過程で必ずボロが出ますから。
規制推進派が東京都の青少年健全育成条例で早々と白旗掲げたのも、それが示せないとわかってたからです。
さて、冒頭で自民党と民主党で議席数に大きな差が生じたと書きましたが、おそらく今後児童ポルノ法審議の主戦場となるであろう法務委員会の構成メンバーはそれが如実に反映された格好となりました。
民主党は委員3人という絶望的な状況です(以前 児童ポルノ法で反対派に協力してくださった枝野議員が新たに加わったようです)。またこの方々(枝野議員以外)がどのようなスタンスかわかりませんが、よほど慎重にことを運ばなければ、彼らも自民案をあっさり受け入れ、自民主導で彼らの法案がすんなり通ってしまうことになりかねません。
まず民主党が反対派に協力してくれる前提で話しますと、彼らが児童ポルノを擁護しているという形にならないようくれぐれも十分に配慮する必要があるということです。
これまでのようにこれも反対あれも反対というわけにはいかない差し迫った状況にあるという自覚が必要です。原則論にとらわれず、柔軟に対処する必要があります。
私は、所持規制に関してはある程度譲歩はやむなしと考えます。
冤罪を危惧する声がありますが、間に廃棄命令を挟んだ京都の児童ポルノ所持規制のような形であれば、それ自体が過剰な捜査への歯止めともなり、冤罪もほぼ防げるのではないかと思います。
「意図的な所持」という文言も加えれば、警察はそれを証明しなければならなくなるので、摘発のハードルは相当高くなります。
また、遠隔ウィルス事件があり取調べの可視化も通りやすい状況にあると思います。
規制推進派はリアルの児童ポルノ単純所持規制とアニメ漫画規制とを意図的に混同し、すべて子供の人権に絡めて、アニメ漫画規制反対の動きを封じ込めるというやり方もとっています。
とにかくリアルの児童ポルノ単純所持規制とアニメ漫画規制を引き離すことこそが肝要です。
自民党は党を挙げて漫画やアニメの抹殺に血道をあげていますので話し合いは難しいですが、公明とは歩み寄れるのではないかと見ています。規制を強力に推進してきた公明党議員も相次いで引退します。
公明は委員の数は少なくても現時点では改憲を至上命題とする自民の首根っこを押さえていますので、自民もさすがに公明の意向を無視することはできません。
また、みんなの党も自民党とはベースとなるイデオロギーが異なりますので話は通じやすいかと思います。あと社民党も1人法務委員会に送り込んでいますね。
これらの会派で「京都方式での単純所持」と、「アニメ漫画等に言及した附則の削除」(規制を考えるならあらためて自分らで法案を取りまとめてから提出しろ)で合意を目指していただくべきです。
附則の削除で自民党がごねるでしょうが、アニメ漫画規制に固執し児童ポルノ所持規制を遅らせ子供の人権を侵害する自民党ということで逆に叩けますし。
京都、あるいは奈良で所持の規制が通ったあと、漫画やアニメの規制の動きは出ていません。
彼らの立場からすると、やはりそれらを単独では出しづらいのです。
対象が明確になれば業界も動きやすくなります。
「京都方式での単純所持」の法案を成立させることは、規制推進派のその後の動きを封じ込めることにもつながります。
最後に一言。
とにかく反対のための反対であってはならないということ。活動に意義があるのでなく、結果がすべてということ。何もかも詰め込もうとするのでなくプライオリティを明確にすること。
ベストを目指すのでなく、ベターを目指すということです。
反対派の皆様方のご協力お願いします。
あめふらしのしっぽ氏の提案。概同意いたしましたので御紹介します。状況としては法改正そのものを阻止する事は難しいのでBestではなくBetterを目指すというのは現実的。立法のプロセスを攻めるのも効果的だと思います。ただし「論理破綻した支離滅裂な法案」を通された例はあるのでその点だけは要注意。違法DL刑罰化の件を忘れてはいけません。自公(+石原慎太郎)は無理が通れば道理が引っ込む政党なので常に先手で攻める事が重要となります。
創作物規制阻止のポイントとしては「二次元は対象外にすべき」ではなく「個人法益保護法という前提を変えれば被害者救済法として機能しない」と前置きした上で「表現の自由と切り離すべき」と訴えていく事。理由は真っ先に影響を受ける「グラビア」や「AV」といった三次元を同時に守る為です。
■情報源:兎園氏(http://twitter.com/fr_toen)
兎園 @fr_toen
rtl.de(ドイツ語)。ドイツ警察庁と情報セキュリティ庁、児童ポルノを使って脅す新手のウィルスについて注意喚起。http://www.rtl.de/cms/news/rtl-aktuell/behoerden-warnen-vor-digitaler-erpressungswelle-mit-kinderpornographie-im-internet-2b2c7-51ca-16-1398739.html
兎園 @fr_toen
日本でもこの手のウィルスはそのうち増えるんじゃないかな。今でも法律を全力で無視して児童ポルノを理由に人を脅すタチの悪いウィルスのような連中はリアルでいるしね。
兎園 @fr_toen
いくら現実に問題があっても自民党と公明党は児童ポルノの今の定義を変えたがらない気がする。前回の審議でも何故かそこはスルーだったしね、この両党は。
兎園 @fr_toen
現行法で既に生じている問題・課題は全てスルーして判で押したように同じ論旨でひたすら児童ポルノの単純所持規制を求めるあたりいつもの日本ユニセフだね。平常運転で危険なことこの上ない。
兎園 @fr_toen
今のまま単純所持規制を追加したら、サンタフェや手ブラ騒動写真レベルの所持・ダウンロードで犯罪になり、それこそ犯罪者を量産しかねず、逮捕・摘発が恣意的にしか行われ得ない法律になるのは分かっているのに、何故かそこは必ずスルーするんだよな、この連中は。
兎園 @fr_toen
児童ポルノの単純所持規制導入も著作権法でのダウンロード犯罪化と同じくらいの効果はあるかも知れないが。ロビー団体の成功プロパガンダがどうあれ、要するに、まともなビジネスあるいは実際の人権保護にとってマイナスの効果なら。
■情報源:奥村徹弁護士(http://twitter.com/okumuraosaka/)
弁護士奥村徹 @okumuraosaka
今言い出すと「ヤングマガジン持ってる奴を逮捕しろ」と聞こえて逆効果では?。。。緊急声明 児童ポルノは児童の性的虐待の記録 単純所持の規制を含めた http://t.co/rnyY6qJq @UNICEFinJapanさんから
弁護士奥村徹 @okumuraosaka
手ぶら写真の単純所持の処罰というのは、過度に広汎な規制ではないかという憲法上の話もある。
弁護士奥村徹 @okumuraosaka
「児童は実在することを要する」というのは確定判例です。http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20130205#1109754922
弁護士奥村徹 @okumuraosaka
新聞社から、単純所持の予習の取材がチラホラ。今回は通るかもね
弁護士奥村徹 @okumuraosaka
漫画、CGは、条例の有害図書でやるしかないんじゃないかと述べた。アイデア浮かばない。わいせつ図画にもかからないのは、たいていそこに落ち着いている
■情報源:clow(闇ドッター)DL罰則化に反対氏(https://twitter.com/clow)
clow(闇ドッター)DL罰則化に反対 @clow
シンクキッズの声明には相も変わらず「G8の中で単純規制していないのは日露だけ」とのレトリックが用いられているのだけど、世界には193もの国があり、規制をしていない国のほうが多い。また、CAMの発信やアクセスの大半はG8に加盟している(規制をしている)国からのもの、というのが現実。
clow(闇ドッター)DL罰則化に反対 @clow
遠隔操作による冤罪事件があったばかりというのに、単純所持の事実をもって検挙が可能になるというのは非常に恐ろしいこと。しかもネットに流れたデータを消し去ることは物理的に不可能で、所持禁止には実質的な効果は期待できません。現実的に問題とすべきは発信のほうです。
clow(闇ドッター)DL罰則化に反対 @clow
確か海外では児童ポルノとみなされた映像が実際には30代の女優のもので、女優本人が証言したことで男性の無実が証明されたという報道があったはず。単純所持が違法となれば同様のことが日本でも起こりうるし、出演した人が証言してくれるなんていうのはよほどの幸運です。
兎園氏のツイート。違法DL刑罰化でも似た様な詐欺事件がありました。単純所持禁止が通ればPCウイルスの被害は甚大。インターネット利用者の安全を考えれば最悪でも定義の明確化はすべきです。氏の仰る様に自公は絶対に認めないでしょうが・・・。奥村弁護士のツイート。中央のリンク先は必読。規制派議員に突き付けるべき内容。clow(闇ドッター)氏のツイート。遠隔操作ウイルスの事件は武器になるので利用すべきです。