※画像出典:首相官邸ホームページ
2024年11月29日(金)。石破茂首相は衆参両議院で「所信表明演説」を行いました。部分(パーシャル)連合を模索する「国民民主党」の主張に沿って「年収103万円の壁」について「2025年度(令和7年度)の税制改正の中で議論して引き上げる」と表明しました。これに伴って、見込まれる「税収減」などの諸課題に関しては後に検討を進めて解決策を出す方針です。
■石破首相、幅広い合意形成に全力「103万円の壁」見直し―政治改革に意欲・所信表明
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024112900741&g=pol
時事ドットコム 時事通信 政治部 2024年11月29日 19時04分配信
石破茂首相は29日の衆参両院本会議で所信表明演説を行った。少数与党として臨む国会運営について「可能な限り幅広い合意形成」に努めると表明。所得税の負担が生じる「年収103万円の壁」見直しを宣言し、自民党派閥裏金事件を踏まえた政治改革に意欲を示した。
■「低姿勢」前面、野党に秋波 少数与党の不安拭えず―石破首相、2回目の所信表明
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024112901077&g=cyr
時事ドットコム 時事通信 政治部 2024年11月29日 20時45分配信
石破茂首相は29日、衆院選の大敗で少数与党に転落後、初の所信表明演説を行った。野党との幅広い合意形成に努める考えを強調。特に国民民主党との連携に期待感をにじませた。ただ、自民、公明両党だけでは予算案や法案が1本も通らない状況は変わらず、臨時国会は低姿勢で臨まざるを得ない。
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また、暫定税率の廃止を含めた「ガソリン減税」に関しては「自動車関係諸税全体の見直し」に向けて検討して結論を出します。トリガー条項の凍結解除や消費税率の引き上げには具体的に言及しませんでした。
衆議院選挙の大敗を招いた政治とカネに関しては「政治資金規正法の年内再改正」に取り組む決意を見せました。しかし、立憲民主党などの求める「企業・団体献金の禁止」には慎重な姿勢を示しています。
衆議院選挙で過半数割れして初の所信表明演説です。石破茂首相は「年収103万円の壁」の見直しの他に「防災庁の設置」「地方創生の推進」「闇バイト対策」などに触れました。一方で、持論の「日米地位協定改定」には触れず独自色は抑えた形です。
少数与党に転落したことを踏まえて「他党にも丁寧に意見を聞き、可能な限り幅広い合意形成が図られるよう真摯に、そして謙虚に取り組む」と低姿勢をアピールしました。幅広い合意形成を図る姿勢を強調して「総額13.9兆円」の2024年度(令和6年度)補正予算案の早期成立に協力を呼び掛けています。
財務省は「国民民主党潰し」を画策?
管理人後記!
2024年11月19日(火)。自公両党は国民民主党の求める「年収103万円の壁」について「所得税の非課税枠である『基礎控除』などを引き上げる方針を政府の『総合経済対策』に明記」する考えを同党に伝えました。引き上げ幅など今後の協議を前提に国民民主党は補正予算案に賛成する見通しです。石破政権は事実上の「部分連合」を初めて成功させました。
2024年11月20日(水)。自民党、公明党、国民民主党の3党は「年収103万円を超えた場合に所得税を課す『103万円の壁』を引き上げることで合意」しました。翌々日に閣議決定した「総合経済対策に明記」しました。与党は国民民主党に大幅譲歩した形です。
2024年11月27日(水)。臨時国会の召集に先立って、首相官邸を訪れた国民民主党の玉木雄一郎代表は石破茂首相に「政府で策定する『次期エネルギー基本計画』に『原発新増設』を盛り込むように求める要望書」を手渡しました。首相官邸で野党党首に個別政策の要望を受けるのは異例の厚遇です。
自公両党は少数与党に転落。石破政権は「部分連合」に強い期待感を滲ませました。良くも悪くもキャスティング・ボートを握るのは「国民民主党」です。今後の動向に要注視です。