設計製図 超入門 木造部材のサイズ
設計製図 超入門
5.木造 材料サイズ(在来木造軸組み工法)
①柱の太さ(d/h)(建築基準法施行令第43条)
(イ)はり間方向又はけた行方向が10m以上の場合
(ロ)学校・保育所・劇場・映画館・演芸場・観覧場・公会堂・集会場・店舗(10>m2)・公衆浴場
の場合とその他の場合、及び壁及び屋根の仕上げ材料により異なる。
※
(1)柱の太さ(小径d)は、原則として主要横架材間の距離に上表中の数字を乗じた寸法以上とする。(ただし、柱の座屈を考慮した構造計算(H12建告1349)により安全を確かめた場合はこの限りではない。
(2)3階以上の1階の柱の小径は、上表以上で、かつ、13.5cm以上とする。(ただし、柱と土台又は基礎、及び柱とはり・けた等とをボルト等で緊結し、かつ、構造計算(H12建告1349)等で安全を確かめた場合は13.5cm未満にできる。)
(3)柱の必要断面積の1/3以上を欠きとった場合は、添え木及び金物等により補強する。
(4)階数が2以上の場合、すみ柱又はこれに準ずる柱は原則として通し柱とする。(ただし、接合部を補強した場合は、この限りでない)。
(5)構造耐力上主要な柱の有効細長比(断面の最小二次率半径に対する座屈長さに比)は、150以下をしなければならない。
令和4年の設計課題は、保育所であるので左記の規定が適用される。
表中(2)の屋根仕上げ材を採用すると想定し、一般に利用される柱材(120 × 120)を利用するとすれば、
最上階又は平家建ての柱の長さは
120 / h = 1 /30
より、h = 120 × 30 =3.600 mmまで
その他の階の柱の長さは
120/h = 1/25
より、h = 120 × 25 =3,000 mmまで
となる。
よって、2階建ての場合、階高(1FL〜2FL)を3,000mmと設定すれば、適用できる。
胴差のはり成を引くと、さらに3,000mm以下になる。
建築基準法施行令第四十三条(柱の小径)
構造耐力上主要な部分である柱の張り間方向及びけた行方向の小径は、それぞれの方向でその柱に接着する土台、足固め、胴差、はり、けたその他の構造耐力上主要な部分である横架材の相互間の垂直距離に対して、次の表に掲げる割合以上のものでなければならない。ただし、国土交通大臣が定める基準に従つた構造計算によつて構造耐力上安全であることが確かめられた場合においては、この限りでない。
構造耐力上主要な部分である柱の張り間方向及びけた行方向の小径は、それぞれの方向でその柱に接着する土台、足固め、胴差、はり、けたその他の構造耐力上主要な部分である横架材の相互間の垂直距離に対して、次の表に掲げる割合以上のものでなければならない。ただし、国土交通大臣が定める基準に従つた構造計算によつて構造耐力上安全であることが確かめられた場合においては、この限りでない。
②2階はりのサイズ
はり幅は、一般的には柱サイズに合わせるのが納まりがよい。
柱 120 × 120 の場合、はり幅 → 120mm
はり成は、基本的には原則として柱間の寸法の1/10とする。
(その間に小梁、陸建柱などがかかってない場合)
1階の柱 120 × 120 スパン 910mmの場合
梁 120 × 120(←91mm)
1階の柱 120 × 120 スパン 1820mmの場合
梁 120 × 210(←18.2mm) ・・・・(A)
1階の柱 120 × 120 スパン 2730mmの場合
梁 120 × 300(←27.3mm)・・・・(B)
1階の柱 120 × 120 スパン 3640mmの場合
梁 120 × 390(←36.4mm)・・・・(C)
1階の柱 120 × 120 スパン 4550mmの場合
梁 120 × 480(←45.5mm)・・・・(D)
その梁が小梁を受けてる場合、柱を受けてる場合は
1ランクアップさせる。+30mm
実際の設計では、1階の柱は、1階に1間もしくは1.5間の開口部がある場所以外は、910mmで柱が配置し、特記なき限りはりサイズは、120 × 120 とし、(A)以上の場合は特記する。
また、(C)や(D)のケースをできるだけ発生しないように計画する。
尚、上記はり成寸法は、製材の寸法であり、集成材を使用する場合は強度は1.5倍とされるので、一般的には、その成は2/3とできる。(※樹種、構造計算の考え方により違う場合がある。)
※凡例に特記する。
1階の柱 120 × 120 スパン 1820mmの場合
集成材梁 120 × 150(←18.2mm)
1階の柱 120 × 120 スパン 2730mmの場合
集成材梁 120 × 210(←27.3mm)
1階の柱 120 × 120 スパン 3640mmの場合
集成材梁 120 × 270(←36.4mm)
※ただし、上階に陸立ちの管柱がくるので、
→ 300mm とする。
1階の柱 120 × 120 スパン 4550mmの場合
集成材梁 120 × 330(←45.5mm)
※ただし、上階に陸立ちの管柱がくるので、
→ 360mm とする。
③土台のサイズ
土台の断面寸法は、柱と同じ寸法かつ、105mm×105mm以上、120mm×120mmを標準とする。(住宅金融支援機構仕様)
④筋かいのサイズ(建築基準法施行令第45条)
(イ)引張力を負担する筋かい
厚さ1.5cm以上 × 幅 9cm以上の木材若しくは 径9mm以上の鉄筋を使用したものとする。
(ロ)圧縮力を負担する筋かい
厚さ3.0cm以上 × 幅 9cm以上の木材を使用したものとする。
(ハ)筋かいの端部
その端部を柱とはり等の横架材との仕口に接近して、ボルト・かすがい・くぎ・その他の金物で緊結すること。
(ニ)筋かいの欠込み
禁 止
ただし、筋かいをたすき掛けにするためにやむを得ない場合で、必要な補強をした場合は、この限りでない。
建築基準法施行令
第四十五条(筋かい)
引張り力を負担する筋かいは、厚さ一・五センチメートル以上で幅九センチメートル以上の木材又は径九ミリメートル以上の鉄筋を使用したものとしなければならない。
2 圧縮力を負担する筋かいは、厚さ三センチメートル以上で幅九センチメートル以上の木材を使用したものとしなければならない。
3 筋かいは、その端部を、柱とはりその他の横架材との仕口に接近して、ボルト、かすがい、くぎその他の金物で緊結しなければならない。
4 筋かいには、欠込みをしてはならない。ただし、筋かいをたすき掛けにするためにやむを得ない場合において、必要な補強を行なつたときは、この限りでない。
第四十五条(筋かい)
引張り力を負担する筋かいは、厚さ一・五センチメートル以上で幅九センチメートル以上の木材又は径九ミリメートル以上の鉄筋を使用したものとしなければならない。
2 圧縮力を負担する筋かいは、厚さ三センチメートル以上で幅九センチメートル以上の木材を使用したものとしなければならない。
3 筋かいは、その端部を、柱とはりその他の横架材との仕口に接近して、ボルト、かすがい、くぎその他の金物で緊結しなければならない。
4 筋かいには、欠込みをしてはならない。ただし、筋かいをたすき掛けにするためにやむを得ない場合において、必要な補強を行なつたときは、この限りでない。
⑤火打ち梁
火打ち梁は、木造で床組みや小屋組みで、水平力による変形を、防止するために設ける斜材で、1階の床に設けるものを火打土台、2階などの床や小屋組に設けるものを火打ち梁とう。一般的には、90 ka× 90 、105 × 105、若しくは 120 ×120 の材料を用いる。最近では鋼製でできた既製の火打金物を使うこともある。
また、床組みを剛床とする場合は火打材を省くことができる。
建築士の試験では、105 × 105 の材料が用いられる。
令和2年度の「2階床伏図兼小屋伏図の凡例」
問題用紙と解答例
【問題用紙】
【解答例】
令和元年度の「2階床伏図兼小屋伏図の凡例」
問題用紙と解答例
【問題用紙】
【解答例】
上記のように、二級建築士の設計製図で用いられる材料は、図中に特記するサイズを除いて決まっているので、この凡例はこの通りでよいので、記入できるようにしておく。