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標準レンズなるもの

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f1.4クラスの135サイズ一眼レフ標準レンズは,楽に最高画質がたたき出せるメーカー一眼レフレンズシステムの基本ともなる最高画質レンズなのだけれど、APSサイズデジイチが主流となり,高倍率ズームの性能が上がり,一方でコンデジがこれだけ普及して高画質になると,その「標準」レンズの意味は,多くの人にはあんまり理解されなくても全然おかしくないという状況。




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 で,自分自身でも,実際のこのレンズ出番を考えると,よほど精神的余裕があって、気合い入れて趣味の撮影が出来るシチュエーションに限られるようになってきて、かなり出番が減った。
 たまに,自分の画像を見直して,わー困難撮ってたら駄目だ、どんどん下手になって行く、どうしようもないなという思いがぶり返すと、初心に戻ろうと引っ張り出す。
 自分が撮った画が,初めて満足できて好きになれたのもその時のレンズは、やっぱりPlanar 1,7/50 T*,標準レンズ。
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 高感度ISOが使えるデジイチにあって,水族館で有利かなと思ったりするけど、CCDサイズが小さくて被写界深度が厚いコンデジで,高感度ノイズがどんどん下がっている状況で,下手な使い方をすれば、実際のラチュードの深さやぼけの綺麗さなどの能書き以外の画の印象勝負になると,結果はコンデジに負ける、みたいな逆転現象は容易に生じたりする。
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で,末っ子と水族館に行ったおり、久しぶりにプレッシャーも良いかなと、マニュアルフォーカスを駆使しながら、ちょっと頑張ってみた。
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結果はご覧の通り。α700の高感度ノイズは,低照度ではISO800〜1600辺りからもかなり目立つのだが、レンズ性能に助けられて、あんまり気にならない。
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コンデジみたいに深い被写界深度でごまかせない分,フォーカスの芯を食ったあたり時の画質は圧倒的だし、その意味では撮り甲斐がある。
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薄い像面を合わせるような職人技は特に得意ではないし、一方で、撮影対象動物に合わせてそれなりに絞り込んでいる。今のレンズは,勿論開放からそれなりに高画質をたたき出すのが珍しくもなくなったけれど、それでもレンズの回折現象からf5.6前後で最高画質になるように作られているから、そのセオリー通り。
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どの画も,暗い水族館の中では,高速シャッターとは言えないレベルのシャッタースピードだけれど、イワシの画は,かなりの低速で一種の流し撮りをしてみた。
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動きに合わせて同じ速度でカメラを移動させても,体軸方向のブレは消せても,うねるような鉛直のブレが発生しないように切るのは無理なので、タイミング頼みの博打。で,デジタルになって、フィルム代,現像代に跳ね返らないので、博打のハードルは低くなった。
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というわけで、如何にへばらずにシャッターを切り続けられるかという部分での勝負まで持っていけたら、後は頑張るだけ。
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とりあえず、動物は目に焦点を持って来るというセオリーは小学生のときに、父に習った。教わったという事実自体をいつまでも覚えている。
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日本の動物写真も,田中光常さんから,宮崎学さんや岩合さんや,きらびやかな才能が開花していく時代にあって,ずいぶん影響された。生物屋になったのはそのことと無縁ではない。
 教官の何人かにも,お前,そっち方面やるなら,○○紹介するぞみたいな話を言われたし,西表島で数秒間の宮崎さんとの邂逅もあった(ご本人は絶対に覚えておられない自信がある)。今でもワイフ共々,岩合さんの猫写真は見つけたら手にしている。けれど,そっち方面の才能が満たない私は,そっち方面にはいけなかった。
 今は,webでナショジオを誰でも野生動物の見事な画像を見られる時代になったけれど,それでも,凄い動物写真を見れば,やっぱり心が踊る。
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α一眼用のf1.4標準レンズは,ボディ側フォーカス駆動を基本とするレンズということもあってMINOLTA Rokkorの系譜のまま,小型で他社のf1.8〜2.0クラスの小型の標準レンズよりも小さい。
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標準マクロは,私の病気みたいなもので、MF時代のもので二束三文になっているレンズから手元にあるが、それらと比べても本当に小さい。で,ご覧のような写り。
 残念ながら、小型のコンデジや,4/3以下のミラーレス一眼が結構な高画質をたたき出しつつ台頭する中,小型軽量などとは言えなくなった。
 でも,その写りにおける余裕の或る画質は,とても安心感があってボケ表現も含めて、私自身は役目が終わったなと思うことはまだない。
 ミラーレス一眼が基本となり、また,高画質のアドバンテイジは疑いないと言えども、135フルサイズの意味が変質しようとする状況にあって、各社,この標準レンズ自体を,今後どう意味付けて行くのだろうか。少なくとも廉価版のf1.8-2.0クラスの標準レンズは,最初の入門レンズ的な機能は,カメラ店でも伝えることはほとんど無くなったろう。
Commented by ayrton_7 at 2011-09-22 18:03
パナソニックのG1を手にしたとき、ミラーレスの将来性を実感したとおり、市場への浸透は大きなものとなりました。
ただ『135フルサイズの意味が変質しようとする状況』というのはどうかな?と思います。
綺麗に背景をぼかしたいという願望がある限り、大きな撮像素子を使用したいという潜在的な需要はあると思います。
障害になっているのは価格で、それさえクリアーできれば状況は変化するのではないでしょうか。
たとえば、フルサイズ撮像素子を持ったコンタックスのT2みたいな機種があったら、相当売れるのではないでしょうか?
Commented by arak_okano at 2011-09-22 22:30
アラックです。
写っいますね、フィルムカメラ、バグース!!
今、義父の形見のNF-1
義兄の形見のF2
その他、防湿庫です。
フィルムは、陸上の出番が減りましたが、
水中は、未だにD300と同じくらいに、
F801Sが活躍しています。
これからもです。

フィルムカメラ、永遠なれ!!!!
Commented by complex_cat at 2011-09-23 10:35
ayrton_7さん,おっしゃるとおり「綺麗に背景をぼかしたい」というのと一定の大きさを持ったCCD需要は,絶対なくならないと思うのですが,プロ用ではなく,一般市場として考えた場合,映像表現のためだけに135サイズにこだわる度合いというのはかなり変わってくるのではという意味です。
 今度のFujifilmのX10か,SigmaのDPシリーズなどのイメージで,フルサイズなら売れると思いますが,かなり高額になりそうですね。
Commented by complex_cat at 2011-09-23 10:37
arak_okanoさん,水中でフィルムを使っている方は多いですね。どうしてもデジタルだと上手く撮れないというのがあると,知り合いの海洋生物の専門家が言っていました。後,活躍中のフィルムカメラのハウジング資産は大きく,フルサイズデジを沈める場合,ものすごく大きくなるのも考えどころですね。
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by complex_cat | 2011-09-20 21:16 | My Tool | Trackback | Comments(4)

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