運動

精神疾患を克服するために運動せよ その2


ANDY GORAM

(前回の続きである)

双極性障害
Bipolar disorder

 双極性障害の患者は健常の対照者よりも中等度の有酸素エクササイズで速く消耗してしまうようだ(すなわち、元々、心肺機能が弱い。心肺機能が弱いことも双極性障害の病状に影響をしているのかもしれない。従って運動で心肺機能を鍛えておくことは双極性障害への抵抗力を高めることになる)。

 定期的な有酸素運動の双極性障害への効果を調べた2つの研究がある。身体活動は双極性障害(BD)患者では十分に実施可能な運動であり、ストレス、うつ症状、不安症状を軽減することが示された。

 しかし、引用された全ての研究がサンプル数の少なさや対照群との比較の仕方など適切ではない点が多いためさらなる調査が必要である。Wrightらの研究者は、構造化されたインタビューを使用して、双極性障害における主観的な利点、潜在的な有害作用、エクササイズへの障壁などを抽出したが、その結果、エクササイズは気分の不安定さを管理する上では役に立つが、その反面、躁症状が重症化する一定のリスクを有すると結論付けた。双極性障害の場合はエクササイズは「両刃の剣 a double edged sword」であるという表現が用いられている(躁状態では元々多動となるため、激しい運動はしない方がいいのかもしれない。運動を継続したいのならば、軽めにゆっくり歩く程度にしておくのが良いのだろう)。

 他のレビューでは、エクササイズにて双極性障害における神経伝達の変化が誘導され、有酸素運動はは双極性障害の神経認知機能障害の治療法となり得ることや、アロスタティック負荷(allostatic load)が軽減されることが述べられている。
(アロスタティック負荷について)

摂食障害
Eating Disorders

 双極性障害の場合と同様に、摂食障害における身体活動やエクササイズの役割は両価性がある。例えば、むちゃ食い摂食障害(binge eating disorder 、BED)の患者の体重減少、神経性無食欲症(AN)での骨量減少の予防、など負の側面を持つ患者にこのような体重減少などのプラスの側面がある反面、強迫的な傾向を持つ摂食障害患者での過度の身体活動や治療転帰の悪化というマイナスの側面もある。
むちゃ食い摂食障害
Binge eating disorder

 むちゃ食い摂食障害(BED)では、殆どの患者が運動をしない傾向があることを考えると、エクササイズを推奨することが必要不可欠である(特に、BED患者の肥満の程度と運動不足が相関しており、BEDでは運動をする必要性が高いと言える)。
 注; なお、女性の大食い{むちゃ食い}を売りにしているTV番組があるが、TVで大食いを披露している女性タレントは皆、摂食障害らしい。食べた後で指を喉に突っ込み嘔吐しているとのことが下のサイトに書かれてあった。普通は激太りするはずだが、確かに皆スリムである。あれだけ食べて太らないなんて絶対にあり得ない。TVで騙されて、むちゃ食いしても太らないと誤解しないことが重要である(この疾患については次回のブログで触れる予定である)。

 むちゃ食い摂食障害へのエクササイズの治療効果に関する2つの研究がある。1つは、対照群と比較して、6ヶ月間のエクササイズ(ウォーキング)にて中等度の体重減少とうつ症状のスコアの改善を示した。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8932555
 
 もう1つの研究では、認知行動療法(CBT) + エクササイズ治療にて、12か月後での、BMI(body mass index)のかなりの減少、抑うつスコアの改善、むちゃ食いエピソードが減少したことが報告された(さらに禁煙率も向上した)。
 興味深いことに、2番目の研究では、患者の活動レベルは治療の終了直後に即座にベースラインに戻ってしまい、エクササイズのコンプライアンスも適切とは言えなかったが、それでも正の効果があることが明らかになった。この所見は、実際にフィットネスから得られるものよりも、活発でいることを自覚する方がより適切な効果が得られることを示唆している(運動によって健康な体に戻ったのだと自覚できるようになることに大きな意味があるようだ)。
神経性過食症
Bulimia nervosa

 過食症の研究が1つだけあるが、CBTとエクササイズを比較した研究である。退院後18ヶ月の時点で、エクササイズは、過食と摂食障害の「ボディ不満尺度(body dissatisfaction scale)」の下位尺度を軽減させる効果はCBTと同等であり、 「痩せることへの過剰な駆動(drive for thinness)」や過食行動に関してはエクササイズがCBTを凌駕していることが見出された(むちゃ食いの頻度や指を使っての強制的な嘔吐や下剤の乱用が、CBTよりも運動群の方が減少した)。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11828224
(body dissatisfaction scaleについて)

神経性食欲不振症
Anorexia nervosa

 神経性食欲不振症(AN)への運動の効果を調べた研究は6つあるが、Zunkerらは、軽度から中等度の強度のエクササイズプログラムは、エクササイズをしなければいけないといった強迫的な態度や思い込みを軽減させ、感情的なストレスを軽減し、骨量を保護し、体重増加を増加させる可能性があると結論付けた。

 最近行われた研究では、十代のAN患者での12週間のレジスタンス(筋肉)トレーニングプログラムでは何の有益は効果は見出されなかった。しかし、この研究はRCTとしての基準を満たしてはいなかった。さらなる研究がこの患者群では必要であろう。

物質使用障害
Substance Use Disorders

ニコチン依存
Nicotine dependence

 CBTやニコチン置換療法と組み合わせたニコチン依存へのエクササイズの効果を調べた大規模なRCTがあるが、運動は禁煙達成という治療上の転帰への相補的な効果がを持っていることが示された(喫煙欲求の軽減、ニコチン離脱症状の軽減、禁煙のやり甲斐感の増加、高い禁煙率、タバコをやめたことによる体重増加の防止、など)。
 
 運動はタバコへの渇望を防ぎ、再喫煙を防止する手助けとなる。禁煙患者を支援するための運動プログラムは、禁煙開始前から始めるべきであり、かつ、かなり高い強度の運動で、最低でも約10週間持続できれば、禁煙による気分の変化やタバコへの渇望を軽減するための対処戦略となり得るであろう。

アルコールや薬物依存
Alcohol and drug dependence

 禁煙への効果とは対照的に、アルコール依存や薬物依存への運動の効果に関しては非常に小さいようだ(それでもアルコールや薬物への渇望を抑える効果はあるようである)。

 発表された研究の殆どが、対照群は適切であるとは言えず、サンプルサイズも非常に小さく、ホームレスや臨床診断されていないヘビードリンカーの学生や強制的に治療を受けているような患者が参加していたり、ドロップアウトの数が多いために参考にはならない。しかし、前臨床試験では、断酒(断薬)の維持、うつ症状や不安症状などへの有酸素運動の付加的な効果が示されている。
 
 注; 補足しておくと、上の論文では、運動によって動物モデルでの薬物の自己投与が減少する。運動は報酬となり、報酬回路に作用し、報酬回路をハイジャックしていたアルコールや薬物の影響を追い払ってくれるのだろう。

 十分なサンプルサイズでの適切なRTCにて、これらの調査結果を確認する必要がある。運動の具体的な効果以外にも、運動の異なる作用メカニズム(イベントの社会構造化、ライフスタイルの変化、依存性物質を使用しない社会環境)が議論されており、さらに調査する必要がある。

統合失調症/精神病
Schizophrenia/Psychosis

 統合失調症の患者へのトレッドミルトレーニング(16週間)によって、標準的な治療と比較して、体脂肪やBMIの大きな減少、陽性症状や陰性症状の大きな改善、(ただし統計学的には有意ではない)、が見出された研究がある。

 統合失調症の患者への有酸素と筋力トレーニングを12週間行った他の研究では、標準治療と比較して、運動群での精神衛生インベントリスコアの大幅な改善が示され、機能や能力の向上と相関していた。

 さらに別の研究では、標準的な治療と比べて、統合失調症の患者への中等度の有酸素運動(10週間)によって陽性症状、陰性症状の大幅な改善が見出された(さらに、QOLスコアも改善した)。
 
 最近の研究では、運動の統合失調症への作用の1つとして、エクササイズにて神経保護作用や神経発生作用が誘導されることが示されている。本研究では、好気性エクササイズ(3ヶ月間、サイクリング)にて陽性症状や陰性症状の改善だけでなく、海馬の容積の増加が見出された。海馬の容積の増加は、有酸素フィットネス能力の上昇と相関していた。

 さらに、ヨガの統合失調症に関する3つのRCTがあるが、陽性症状や陰性症状を軽減させる効果に関してはエクササイズよりもヨガの方が有効であると結論付けられた。別の研究では、20分間の有酸素運動や30分間のヨガの急性効果によって、不安や苦痛が減少することが見出された(この効果は有酸素運動とヨガの間では差はなかった)。

 注; イタリアでは統合失調症の治療としてのサッカーが取り入れられている。イタリア全土では現在50もの精神疾患患者だけで編成されたサッカーチームがある。精神障害者専用のサッカー協会がある程である。サッカーを始めた患者の多くが統合失調症の症状も改善し、減薬が可能となり、半数の患者が仕事へ復帰できたらしい。サッカーは薬物療法以上の効果を秘めている可能性があると言えよう。日本でもサッカーではないが、精神疾患の患者さんだけのフットサル大会が行われている。


 注; そして、あのFIFAも統合失調症などの精神疾患の患者さん達へのサッカー療法を応援しているのである。サッカーをすることで、サッカーをするために、就労にまで結びついたケースが紹介されている。統合失調症やうつ病の諸君。サッカーなどのスポーツをどんどんしようではないか。社会復帰の道がスポーツをすることで開けるかもしれないのだ
football therapy

認知症/軽度認知障害
Dementia/Mild Cognitive Impairment

 いくつかのプロスペクティブスタディにて、身体活動が高いレベルの人は認知症(アルツハイマー病)や神経変性疾患(パーキンソン病)の発症が遅くなることが見出された。
 
 トレーニングによる筋力や持久力の改良が健常対照群と同様に認知障害の患者で見出されており、身体活動(運動トレーニング)は認知症患者でも実行可能な方法である。

軽度認知障害
Mild cognitive impairment

 軽度認知障害(MCI)と高齢者への運動の効果に関する研究は、結果が異なっている。最近の研究では、全てのタイプの運動が認知機能の低下を遅くする上で有益であると結論されており、最高の効果が得られた運動は、週5日で少なくとも30分間、中程度の強度のエクササイズ(例えば、早歩き)で見出された。
 
 ある研究では、メモリーや注意力の部分的な改善は、エクササイズ(ウォーキング)を遵守している被験者のみで認められた。

アルツハイマー病
Alzheimer's disease

 アルツハイマー病(AD)のための運動の効果のいくつかの予備的な研究がある。ウォーキングはコミュニケーションパフォーマンスを向上させ、音楽運動プログラムはMMSE検査での点数や言語流暢性を改善し、インタラクティブな身体活動は破壊的な行動を防ぐことが示されている。

 運動によって、日常生活におけるパフォーマンスの低下や認知症に関連した認知症状の発症を遅くさせ、かつ、部分的に逆転させることが4つの研究にて見出されたが、機能的能力(functional ability)の改善までは見出されなかった。

 運動の認知機能低下やアルツハイマー病に対する神経生理学的メカニズムやターゲットなる神経伝達システムに関しては、最近のレビュー(下)に要約されている。(神経可塑性の増強、BDNFなどの神経成長因子などの産生増加、アミロイドβのクリアランスの向上、脳血流の改善、神経変性プロセスの停止などが推測されている。)

 注; 昨年度に出された論文では、有酸素運動と心肺フィットネスの高齢者の脳への効果(神経可塑性の増大)がfMRIにて直接確認されている。運動することによって、高齢になってからでも、海馬や海馬傍回の容積の増大、白質の整合性の増加、前帯状皮質・前頭前皮質・頭頂葉の活性化などが確認されている。

 注; 東京都健康長寿医療センター(旧東京都老人総合研究所)などが中心となって認知症予防プログラムの1つとしての有酸素運動(ウォーキング)の啓蒙がなされ、現在では多くの市町村で認知症予防プログラムの中に有酸素運動が取り入れられている。
有酸素運動をしよう

結論および将来の方向
CONCLUSIONS AND FUTURE DIRECTIONS

 多くの研究は、補助的な治療としての運動の有効性に関する肯定的な結果が得られているが、エビデンスとしては殆どの精神疾患で限定された内容となっている。未介入の対照群と比べた場合と異なり、介入された対照群を用いた比較では、運動の効果は一般的に小さいという結果であった。これは、治療としてのコンタクト、社会的支援、気晴らしといった非特異的な効果の小ささは運動の強度の低さに由来しており、特に、疫学的な調査結果でその傾向が認められる。コスト効率に関しては、まだどの精神疾患でも推定できていない。今後の研究では、リスクや悪影響の他に、運動の利点(コスト比較など)を考慮する必要がある。条件、標準化された介入、評価戦略の検証、ランダム化は適切か、コントロールの状態、効果の評価、などが正しく記述されることで初めて意味のある結果を得ることができ、メタ分析での効果の大きさを算出可能にするためには研究内容を適正に設定することが必要不可欠である。

 しかし、いくつかの結論では、運動は精神障害への有望な介入になる得ることができることを示唆している。公衆衛生的な観点からの研究では、運動の強度や持続時間と、臨床改善度の大きさとの関連性が見出された。実際のフィットネスの向上よりも治療成績の向上のためには、運動プログラムのコンプライアンスや運動の継続性が大切であった。運動のアドヘランスの向上や運動のプラス効果を生じさせる上で、社会的なサポートが重要であると思われる。重要な社会的なサポートとは、運動時間の構成であるかもしれないし、治療としてのコンタクトであるかもしれないし、正の強化であるかもしれない。
 
 屋内/屋外での運動の効果の差は、気分状態への効果が異なるということが示されている。トレーニングのプロのスタッフによるスーパービジョンやトレーニング管理が、特に、トレーニング開始時に、心理療法と統合されたような形で提供されるべきである(例えば、トレーニング+気分日記を使うなど)。最近の研究では、トレーニングの効果や気分の改善は、インターネットや通信アイテムによるサポートを用いれば達成することができることが示されている。運動対象者のトレーニング経験度や実際の適応度に依存して、運動の急性効果が異なってくることに運動を提供する介護者は注意する必要がある。訓練された被験者では、訓練されていない被験者よりも、活力の向上、ポジティブな感情の向上、疲労感の回復を経験し易い。

身体的なエクササイズとは異なり、ヨガなどのマインドフルエクササイズ、例えば、ヨガは、うつ病や不安の対する補助治療として大きな注目を集めている。さらに、ヨガは、統合失調症、摂食障害、禁煙にも効果がある。さらに、うつ病患者においては武道が良好な急性効果を有することが示された。

今後の研究への課題
Implications for Future Research

運動を研究する上で、患者を盲検化することが問題となる:運動を知っている患者は、潜在的なバイアス(ローゼンタール効果、Rosenthal effect)に影響されて、気分が良くなることもあるであろう。そのため、適切かつ信頼性の高いコントロールされた介入が必要である。用量反応関係(dose-response relationship)に関しては殆どの精神疾患では不明なままであり(大うつ病や不安障害のある種の病態を除く)、疾患ごとの運動が最も効果的であるタイプも不明である。コスト、有効性、リスク、有害事象、運動が禁忌のケースを特定する必要がある。最後に、プログラム終了後の患者のモチベーションを向上させるための戦略がプログラムの実行中に必要であることが指摘されている。
(ローゼンタール効果、ピグマリオン効果について)
(論文終わり)

 身体活動が抗不安効果などを発揮する生物学的なメカニズムに関しては以下のレビューに詳しく書かれている。

 要約すると、運動によってHPA系の変化が誘導されてストレス反応性や不安を調節する。ノルアドレナリンやセロトニンのレベルが上げるβエンドリフィンが上昇し抗不安効果が発揮される。BDNFが増加する。海馬での神経新生が起こる。曝露への慣れが生じる。自己効力感が高まる。気晴らし効果がある。などが推測されている。

運動の効果


 運動は、統合失調症というプロセスによって萎縮した海馬などの脳の容積も運動にて回復する。運動は精神疾患の発症をも予防し、精神疾患からの回復をも促進してくれる。さらに、運動はテロメアの短縮をも防ぎ老化の防止にもなる関連ブログ2013年10月14日 テロメアの短縮を防ぐもの
 
 運動すれば健康には必ず良いはずなのだ。
 
 ウォーキングならば、やや早足で30分以上歩くのが良いだろう。1時間くらい歩けば有酸素運動としては十分だと思える。
 
 しかし、運動(ウォーキング)を勧めてみても運動をしない患者さんが多い。理由を聞くと、近くに歩く場所がないから、近所の人目が気になるから、と言い訳をする患者が多いのだが、もし、そうであるならば、自転車で少し遠くの大きな公園や河川まで出かけて行って、そこで歩けばいいのである(しかし、そういった場所すらないのが今の日本の姿なのかもしれないが)。
 
 特に、木立の中を歩く森林浴は、木々からのマイナスイオンの効果も加わりさらに効果が倍増することであろう。家の中にいたらマイナスイオンは70しか浴びれない。森林ならば2500である。外に出ただけでも200である。とにかく外に出て歩くべきである。
森林のマイナスイオン
 
 私は国家官僚や政治家に言いたい。国民の健康を本当に増進したいのならば、国家予算で変な箱ものばかり作らないで、木々が生い茂った森林浴ができるような公園をどんどん整備していってほしいと願う。

ウォーキング



 
 

精神疾患を克服するために運動せよ その1


運動1

  ソチ・オリンピックは終了したが、今年はワールドカップサッカーがブラジルで開催される。さらに、6年後には東京でオリンピックが開催される。日本ではスポーツがますます盛んになっていくことであろう。これは日本人のメンタルヘルスに関しては非常に好ましいことのように思える。中学時代から大学時代までサッカー部だった私は、ブラジルワールドカップサッカーが早く始まらないかと今からうずうずしているのだが、確かに若い頃はサッカーをして汗をかくことで気持ちがすっきりし勉強にも集中できた。運動は精神に良い効果を及ぼすことは間違いないと思える。
 
 今回は精神疾患への運動の有益性についてをレビューした論文があったのでその論文を紹介したい。
 
 私は患者さんには運動をすることを積極的に勧めている。特にウォーキングをするように指導をしている。そして、運動をしている患者さんの方が確かに病状は軽減し、経過も安定しているように思える。肥満の予防にもなる。精神疾患では部屋にこもってしまい外に出なくなることが多い。運動不足になっているケースが多いのだが、逆に、運動不足が病状に悪影響を及ぼしているようにも思える。ウォーキングで十分である。精神疾患を克服するために、外に出て歩いて運動をしようではないか。

精神疾患における運動や身体活動の効果: 臨床知見や研究によるエビデンス
「Exercise and Physical Activity in Mental Disorders: Clinical and Experimental Evidence」

要旨
Abstract

 いくつかの疫学的研究では、エクササイズ(EX、exercise)身体的な活動(PA、physical activity)は、精神疾患を予防し、発症を遅らせることができ、単独でも、あるいは、補完的な方法しても、治療への有益性を発揮することが示されている。このレビューは不安障害、感情障害、摂食障害、物質使用障害、統合失調症、認知症/軽度の認知障害を有する患者におけるエクササイズの効果をまとめたものである。運動(エクササイズ)が臨床的な効果を有するという証拠が数十年前から存在するにも係らず、殆どの精神疾患において対照試験はなされていない。予備試験での証拠からは、身体活動 / エクササイズは、身体的にも、主観的にも、そして、疾患特有の臨床転帰をも改善することが示唆されている。精神医学を研究し実践していく上で、運動が有する潜在的なメカニズムは何かが議論されている。

はじめに
INTRODUCTION

 現在の精神疾患の治療システムは、世界中で社会的、経済的な巨大な負担を強いており、効果的で持続的な治療システムは何かという疑問が強くなってきている。そのため、身体活動や運動(エクササイズ)が、様々な精神心理疾患の予防や治療に役に立つのではと研究者の間で注目を集めている。

疫学/相関研究
Epidemiology/Correlational Studies

 いくつかの疫学的研究にて、一般集団における精神的な健康度と身体活動・運動の程度との間に有意な相関が見い出された。米国の成人においては、定期的な運動は、大うつ病、パニック障害、広場恐怖症、対人恐怖症、特定の恐怖症の有病率の有意な減少と関連している。

 ノルウェーの研究では、うつ病と余暇での身体活動の程度(仕事とは無関係の身体活動)と間には負の関連があることが確認されたが、そのような身体活動という社会的な要因は、生物学的なマーカーよりも重要な役割を果たしていることが指摘された。
 
 この所見は最近のオランダにおける研究でも見出された。線形の相関関係は示されなかったが、少なくとも1時間/週にエクササイズをした被験者は、感情障害、不安障害、物質使用障害の有病率は低かった。

 12ヶ月間のプロスペクティブな研究では、身体活動によって、全ての精神疾患だけでなく、不安障害、身体化表現障害、気分変調症といった併存精神疾患の発生率が低下した(青年や若い成人でのデータ)。

 さらに、4年間のプロスペクティブな研究では、習慣的な身体活動によって高齢者(60歳以上)のうつ病や不安障害の発症率が低下することが明らかになった。

 最後に、3年間の追跡調査研究にて、定期的に身体活動に従事する患者は、精神疾患から回復する可能性が高いことが見出された(運動も同様であろう)。

作用メカニズム
Mechanisms of Action

 精神疾患に対する身体活動やエクササイズの作用メカニズムが議論されている。神経化学や生理学的なレベルでは、一定期間の運動の後に急性変化が生じ、定期的にエクササイズを行うことで長期的な適応変化が生じる。例えば、エクササイズは、低下した脳由来神経栄養因子(BDNF)を正常化することが分かり、エクササイズには神経保護効果、神経栄養効果があると考えられている(運動のBDNFへの効果はうつ病、双極性障害、パニック障害などで確認されている)。
exercise BDNF

 動物実験では、エクササイズは、気分に関連するようなセロトニン、エンドルフィンなどの様々な神経伝達物質を変化させ、ストレス反応へのプラスの効果(視床下部-下垂体-副腎軸への作用など)も有していることが示された 。

 他にも、心房性ナトリウム利尿ペプチドによるエクササイズの抗不安作用がなどが報告されている。運動の心理面への作用やそのメカニズムとしては、学習や消去、身体スキームの変化、健康への態度や行動の変化、社会性の強化、熟練者としての経験、外部からより内部の制御へのシフト、コーピング戦略の改善、気晴らしの簡素化、などが含まれる。

物理的な併存疾患
Physical Comorbidity

 精神疾患の患者は、呼吸器系、代謝、血管、心臓、神経疾患などの身体疾患の合併率が高い。これらの身体合併症の多くは、肥満、喫煙、不健康なライフスタイルとリンクしている。それ故、身体合併症を減少させるアプローチとしては、栄養や運動指導による生活習慣への介入が適切である。さらに、横断的研究にて、定期的に運動をしている精神疾患の患者は健康に関する生活の質(QOL)が高いことが報告されている(逆に、運動をしない患者ではQOLが低かった)。

 注; 生活指導の柱は食事と運動である。しかし、精神科の指導は食事指導ばかりに偏っているのが現状である。特に精神科病院は運動や散歩をする場所もないような病院も多い。田舎にある病院では運動や散歩をするような場所があろうが(当院には、大きなグランドや散歩をする庭園があり、入院中の患者さんに散歩やウォーキングをするように勧めている)、都市部や住宅地にあるような病院では運動ができるような環境は整えられていないように思える。運動不足になるような療養環境の中での入院生活となるため、その結果、高脂血症や肥満となり、食事指導と称して食べたくもないであろう治療食を食べることになるという皮肉な結果となっているように思える。
精神科の生活指導の現状

 注; しかし、これでいいのであろうか。食事指導の前に運動指導をすべきであろう。そして、運動ができる環境を病院内に整えるべきであろう。もし、運動にて肥満や高脂血症が改善するのであれば、食事は普通食で良いはずである。しかし、運動指導をしたところで診療報酬には一切反映されないため、運動指導はなおざりにされている。そのため運動ができるような環境作りも放置されている。運動指導が積極的に行われていくような診療報酬体系の見直しが我が国では必要である。

運動の効果に関する論文検索の方法
METHODS

(詳細は省略する)。1970年~2012年の間に出版された、研究論文、レビュー、などを検索エンジン(PubMed、MEDLINE、等)で検索した(ドイツ語やフランス語を含む。検索に使用した用語は省略)。検索した結果のエビデンスのレベルは精神疾患ごとに不均一ではあったが(下表)、不安障害、強迫性障害、感情障害、摂食障害、物質使用障害、統合失調症/精神病、認知症/軽度認知障害へのエクササイズ/身体活動の効果のエビデンスを以下のセクションにて要約した。

結果:精神疾患における運動介入
RESULTS: EXERCISE INTERVENTIONS IN MENTAL DISORDERS

(なお、本文中によく出てくる有酸素運動・好気性運動Aerobic exerciseについてはwikipediaに詳しく解説されているので参照してほしい。)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%89%E9%85%B8%E7%B4%A0%E9%81%8B%E5%8B%95

不安障害
Anxiety Disorders

 不安障害では、運動の効果としての可能性のある1つのメカニズムとしては、EXによって誘発させる不安への感受性の低下、不安障害の発展や経過に関連するような性格傾向の低下である。

 不安の感受性が低い被験者に比べて、不安への感受性が高い被験者では、身体活動のレベルが低く、運動をする際の障壁(barriers、バリアー)が強く、身体活動による利益の低さが報告された(本文が見れないため障壁の詳細については不明だが、運動することへの恐怖感や不安感が強く、運動をすることを避けてしまっているのだろうか。不安感が運動を遠ざけ、運動しないことが不安の軽減を阻害しているという悪循環に陥っている可能性がある)。

 運動によって、不安状態、不安傾向、不安と心理生理学的な相関関係の減少につながり、この効果は急性的な効果だけでなく慢性的な効果もあることが、2つのメタアナリシスによって示されている。具体的には、好気性エクササイズ、嫌気性エクササイズは伴に、不安を軽減させる効果があるとされ、他の活動よりも効果が高く、認知/行動療法と同等の効果があることが見出された。また、最近の研究では(知的障害のある成人での所見だが)、エクササイズにて不安傾向や不安状態を減少させることが見出された。

パニック障害

 パニック障害を有する患者の運動の効果に関する最初の研究として、ジョギングやウォーキングによって、8週間後に両群伴に症状が軽減し、トレーニングが増すごとに不安に関するスコアが減少するという負の相関が見出された研究がある(この研究では運動にてうつ症状の軽減も見出されている)。

 持久力トレーニング(有酸素運動)、クロミプラミン、プラセーボとの比較では、クロミプラミンの効果発現の方がトレーニングよりも早く、脱落率もトレーニングの方が多かったが、10週間後では、トレーニング、クロミプラミンの両群伴にプラセーボよりも著明に高かった。

 他の研究では、プラセーボORパロキセチン+リラクゼーションORランニング(有酸素運動)、各々の組み合わせの比較では、プラセーボと比較してパロキセチン群の有意な効果が報告されたが、ランニングとの組み合わせはリラクゼーションとの組み合わせよりも改善傾向が優れていた。

 最近行われたRCTでは、エクササイズは認知行動療法(CBT)と比べて、12カ月後の時点でのパニック発作と広場(外出)恐怖症状の軽減ではCBTに劣ってはいたものの、ベースラインからの大幅な症状の軽減がエクササイズ群でも認められた。

 エクササイズの急性効果にて、二酸化炭素やCCK-4で誘発されるパニック発作が防止されることが研究で示されている(エクササイズにてパニック発作の頻度や強度を縮小できることを意味する)。

 注; パニック発作も運動で克服できるかもしれない。運動はパニック発作へのセルフケアになる。カーディオエクササイズ(Cardio exercises)は、楽しみながらストレスを解消するための優れた方法である。カーディオトレーニングの一般的な形態には、マウンテンバイク、ダンス、ハイキング、水泳、などがある。
http://panicdisorder.about.com/od/livingwithpd/a/Physical-Exercise-For-Panic-And-Anxiety.htm
panic attack free

心的外傷後ストレス障害(PTSD)
Post-traumatic stress disorder

 心的外傷後ストレス障害(PTSD)への運動の効果を調査した研究はわずかしかない。3つのパイロットスタディにて、好気性エクササイズのPTSDへのプラスの効果や、適度なウォーキングがPTSDの症状の重症度を緩和し、子供、青年、成人のPTSDと関連する抑うつ症状や不安症状が軽減されたと報告されている。しかし、これらの研究は全て非常に小さなサンプルサイズであり、PTSDという臨床診断がなされていない被験者が含まれていたり、対照群との比較が欠如しているなどの限界がある。

 心的外傷を負った難民の心の痛みに焦点を当てたRCTでは、エクササイズはバイオフィードバックに基づくCBTの治療効果をさらに改善させたことを示した。しかし、このグループにおけるエクササイズの補助治療としての正の効果、リスク、有害事象を判断するためには、さらに多くのサンプルサイズや多くのランダム化比較試験が必要である。

全般性不安障害
Generalized anxiety disorder

 最近行われたRCTにて、週2回のの抵抗運動(resistance exercise、スクワットや腕立て伏せなど)や好気性エクササイズ(エアロビクス)が、座ってばかりいる女性の全般性不安障害(GAD)患者に6週間のプログラで行われた。対照群と比較して、抵抗運動のグループで不安・緊張症状や神経過敏(irritability)症状の改善が認められたが、さらに、エクササイズを組み合わせたグループでは心配症状?(worry symptoms)の中等度の低下が認められた。

 注; ドイツの学者は筋トレをすれば自己効力感が増しGADの不安も吹き飛ばすことであろうと述べている。手を使わずに椅子から立ってまた座るという動作(スクワットを楽にしたような動作)を10~15回、一日に2回繰り返すだけでも効果があると述べている。

社会恐怖症(社会不安障害)
Social phobia

 社会恐怖症(社会不安障害)へのエクササイズの効果を調べた唯一研究では、マインドフルネスとエクササイズを比較したところ、双方伴に社会不安や抑うつの消失と関連しており、健康であるという実感が3ヵ月後に増していた(マインドフルネスもエクササイズもSocial phobiaの代替・補完療法となり得る)。
 
他の不安障害や不安との共存精神疾患
Other anxiety disorders/mixed samples

 2つの臨床試験では、異なる不安障害の患者が(うつ病が含まれている)、エクササイズ(ウォーキングなど)の訓練を通して身体活動や機能的能力の高いレベルを獲得したことが見出されたが、CBT単独の場合と比べて、CBTとエクササイズが組み合わされたケースでは、不安、うつ病、自覚されたストレスが有意に減少していた(ウォーキングは不安に効果がある)。社会恐怖(社会不安障害)では、他の不安障害と比べて、運動の効果が見込める可能性が高いと言える。

強迫性障害
Obsessive Compulsive Disorder

 強迫性障害(OCD)と不安や抑うつ症状が共存する患者へのエクササイズの有益な効果を認めた2のパイロットスタディがある。6週間のウォーキングにて、SSRIで治療を受けているOCDの入院患者のセルフレポートにおける強迫性症状やうつ症状は軽減し、さらに、その1ヶ月後には不安スコアも軽減していた。さらに、12週間の適度な有酸素エクササイズと行動療法や薬物療法を組み合わせた研究では、6ヶ月後にOCD症状の重症度が軽減していた。

 20~40分の中程度の有酸素トレーニング後に、OCDの患者は、不安や否定的な気分が軽減したことを報告したが、この効果は、トレーニング開始時から12週間にわたって著明であり、OCD症状のベースラインレベルが減少するにつれてトレーニングの効果は減少した(運動はOCDの急性症状を軽減する効果が期待できる)。

 しかし、上で示された結果は、対照群の欠如やサンプルサイズが小さいため、大規模な対照試験での検証が必要である。

感情障害
Affective Disorders

大うつ病
Major depression

 多くの臨床研究にて、エクササイズによって、うつ症状、マイナスな感情、睡眠障害、といった症状が軽減するが、これらの知見に関してはいくつかのレビューで要約されている。

 最近のコクランレビューでは、メタアナリシスは30のRCTに達しており、エクササイズのみ(投薬なしやプラセーボ)、あるいは、他の治療との併用(心理療法、薬物療法、代替療法)、あるいは、エクササイズ補完療法VS治療単独(エクササイズなし)などで比較が成されている。

 無治療や対照治療と比較された場合、エクササイズはうつ病への中等度の臨床効果が認められた。認知療法(6試験)や抗うつ薬(3試験)とエクササイズでの比較では、試験終了時での抑うつ症状の改善度には有意な差はなく、エクササイズは標準的な治療(CBTや薬物療法)と同程度に有効であることが示された。しかし、割付けの仕方が適切であったか、盲検の分析方法が適切であったかなどの妥当性がある研究だけに絞った場合、エクササイズが他よりも有利であるという所見は小さいものしか見出せなかった(=他の治療と同等)。7つのフォローアップデータでも、長期的な面でのエクササイズの有益性は小さいことが示された(=他の治療と同等)。混合エクササイズや抵抗運動では、好気性エクササイズよりも効果は大きいことが示された。
 
運動の感情への効果
 
 注; 上の論文は2012年度の論文であるが、2013年度のうつ病と運動に関する論文(下)でもほぼ同様の結果であった(他の治療よりも運動の方が少しは優れているような結果である)。しかし、コクランのデータベースでも多くのバイアスがかかっており運動と他の治療を比較するのは困難であり、他の治療との優劣を付けることに異議を唱えているようだ(=薬物療法やCBTと同等とみなすべきである)。ただし、残念なことに、運動+薬物療法+CBTの3つを組み合わせた場合のデータはないようだ。私は、薬物療法だけでなく、薬物療法+運動療法というように、薬物療法単独よりも運動をも組み合わせた方が効果が勝るように思っている。

 認知症や軽度の認知障害に関する研究結果とは対照的に(軽度認知障害の項を参照)、エクササイズは、中年や高齢者の大うつ病の認知機能の改善においてはセルトラリンやプラセボよりも劣っていた。しかし、いくつかの研究では、エクササイズの急性効果によって大うつ病患者のBDNFレベルが正常化されたことが報告されている。

 注; 治療抵抗性うつ病における運動療法の効果も多くの論文で報告されている。なかなか寛解状態にまですっきり改善しないうつ病も運動をすれば寛解状態にまで改善する可能性があるのであった。
30~45分/日のウォーキング、5週間で治療抵抗性のうつ病の26%が寛解状態まで改善した)

 注; さらに、2013年度に出されたトロント大学の研究では、軽度のうつ病であれば運動(20~30分のウォーキング)で十分に追い払うことができるというデータが示されている。運動はうつ病の予防になるのである。社会問題になっている新型うつ病も、勤務時間内に運動タイムをもうけて、運動をどんどんしてもらえば予防できるのである。さあ、ウォーキングタイムです。皆さん、デスクから離れて会社の外に出て30分間ウォーキングをしてきて下さい。って、そんな会社がどんどん増えていってほしいと願う。
歩こう 歩こう 私は元気

 注; 有酸素運動はバーンアウト(燃え尽き)まで防いでくれることが示されている。残業ばかりしないで、仕事なんかはさっさと切り上げてスポーツジムに行こうではないか。
(スポーツジムでの燃え尽き防止の実験データ。具体的な運動処方は、1週間につき17.5 kcal/kgのエネルギー消費量での設定)

(次回に続く)

 このように運動はメンタルヘルスへ多大な効果を発揮するのであった。特に、うつや不安には効果が大きいようである。

 しかし、運動を勧めても、何もする気にならないんですとか、僕は不安で部屋から出れないから運動はできません、怖くて外に出れないから運動はできません、といったいろんな言い訳をして全く運動をしない患者さんも多い。

 精神科の患者さんには運動が嫌いな人が多いのである。 それは改めねばならない。医師の立場から言えば、とにかく運動をしてほしいのである。薬に頼る前にまずは運動をすべきではなかろうか。

 もし、家からどうしても外へ出れないのであれば、部屋の中や家の中で腕立て伏せやヒンズースクワットをすれば良いのである。やる気が出ないのならば、最初は腕立て伏せを1回や2回でもいい。ヒンズースクワットを1回でも2回でもいい。とくにかく、運動をやってみるのである。最初の1歩を踏み出さなければ、あなたはいつまでたっても運動をしないであろう。

アントニオ猪木もこう言っている。


https://www.youtube.com/watch?v=64kdUTFhvMY

人は歩みを止めたときに、 
そして、挑戦を諦めたときに年老いていくのだと思います。
この道を行けばどうなるものか。
危ぶむなかれ。
危ぶめば道はなし。
踏み出せばその一足が道となる。
その一足が道となる。
迷わず行けよ。
行けば分かるさ。
ありがとう!!


精神疾患は運動を止めたときに、 
そして、運動を諦めたときに慢性化しいていくのだと思います。
運動をするればどうなるものか。
危ぶむなかれ。
危ぶめば道はなし。
踏み出せばその一足が道となる。
その一足が道となる。
迷わず運動しろよ。
運動をすれば分かるさ。
ありがとう!!

さあ、明日から毎日運動するぞ!!
 
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