世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●憲法擁護義務と改憲推進安倍の憲法違反 新天皇は署名せず

2018å¹´12月30æ—¥ | æ—¥è¨˜
新自由主義の帰結――なぜ世界経済は停滞するのか (岩波新書)
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2019年 世界同時バブル崩壊: 株・為替・マネーの動きはこう変わる!
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崩れる政治を立て直す 21世紀の日本行政改革論 (講談社現代新書)
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●憲法擁護義務と改憲推進安倍の憲法違反 新天皇は署名せず

まあ、見出しのような大事件が起きる前に、おそらく安倍政権は崩壊するとは思うのだが、予想は未定、決定にあらずとも言うので、最近の国内外の政治状況を鑑みるに、何が起きても驚かない状況になっている。以下の池上のコラムは、憲法99条に関する問題提起と考えて良い。新天皇が、この99条を楯に、必死の安倍の改憲と国民投票の結果に準ぜずに、承認しないこともあり得るという話なのだ。

このことは、既に、安倍自民党政権、或いは内閣が、憲法を擁護せず、破壊に向かわせていると云う、憲法擁護義務違反が行われているので、これを、新天皇が政治的であるかと云う問題以前に、承認のしようがないと、突っぱねることこそが、天皇の憲法尊重護憲義務に当たると云う、複雑怪奇な問題を孕んでいる。この問題は、憲法論議を聞いていても拉致のあかない問題であるし、安倍政権に金●を握られている最高裁も、流石に簡単に安倍政権の味方をするのはむずかしいと思われる。

素直に99条を読めば、与党がみずからクーデタを企てるなど、憲法草稿時に考えていないことであり、一般的にはあり得ないことが、現在進行中ということだ。憲法99条は「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」と定めている。と云うことは、憲法の規定に則して考えれば、憲法を尊重し、擁護する範囲内で憲法の改正(尊憲改憲)はあり得るが、現行憲法の意図と異なる不純物(例えば、緊急事態条項)は相いれないようにすると言っている。

つまり、この規定は「内閣が、憲法を批判し、憲法を検討して、そして憲法を変えるような提案をすることを禁止している」と言える。まあ、異端の憲法学者の中には安倍に忖度し、「公務員は職務を遂行するにあたり、憲法に問題点があると認識した場合にその問題点を広く国民に問いかけることを禁止していない」等と主張するものもいるが、憲法学会全体は素直に、99条を読み解く。

日本国憲法においては、最後の砦ではないが、新天皇の判断で、国事行為を無作為と云う行為で、阻止することが出来る可能性がある。正直なはなし、日本の天皇は、国民の象徴と云う地位をおしつけられ、個人的自由をはく奪された日本人と云う特殊な立場なのである。これはアンフェアーだと、個人的には考える。安倍政権などと云う奇妙な政権が生まれたから考えたわけではなく、そもそも、もう少し、自由を束縛しているのと同等の権限を与えるべきと考えている。

無論、政治的に青天井の権限ではなく、抑制された権限があっても良いのではないかと。ひとつの例えだが、法律等への拒否権(米国の大統領にあるような)があり、法案を議会に差し戻す権利。その権限の代りに、7年に一度くらい、天皇の信任投票のようなものを開設するとか、詳細にまで考えは及んでいないが、天皇の責務・義務・不自由に見合う、権限なり自由を与える感覚は、日本において必要だ。

実際問題、安倍政権が崩壊すれば、またしばらく、天皇の人権のような問題を話す機会もないだろうから、敢えて書いておいた。出来ることなら、新天皇には、政争に巻き込まれて欲しくないので、改憲の発議や国民投票が行われる前に、安倍内閣が崩壊することを望む。丁度ありがたいことに、その崩壊の予兆は限りなく高鳴っている。先ずは、年初の株式市場の按配だ。リーマンショック並みの大暴落、そして消費増税凍結。次に統一地方選や沖縄3区衆議院補欠選挙、そして参議院選挙。軒並み、安倍政権への逆風の要素が強い。2019年は最低限、右巻き政治の終焉が見物できそうだ。


≪池上彰氏が解説 新天皇と安倍首相の不思議な緊張関係
 改憲を訴える安倍晋三首相と、ことあるごとに憲法を守る主旨の発言をする現在の天皇や皇太子、秋篠宮は意見に対立があるようにも見える。「天皇」について解説した著書『池上彰の「天皇とは何ですか?」』(PHP研究所)もあり、NHK時代に宮内庁も担当したジャーナリストの池上彰氏が、皇室と安倍首相の不思議な緊張関係について解説する。
 * * *
 この先、注目されるのは憲法をめぐる新天皇と安倍首相の関係です。
 安倍首相が「今の憲法には問題がある」と改憲を打ち出してから、天皇は護憲派の象徴になりました。  両者の関係は不思議です。憲法の中には憲法擁護義務があり、公務員は憲法を守らなければなりません。
天皇もこの義務を負い、今上天皇や皇太子、秋篠宮は折に触れて「憲法に則って~」と発言します。これは憲法の規程に則ったまっとうな発言ですが、憲法を変えたい安倍首相としては面白くないでしょう。
 しかも次の天皇となる皇太子は、戦後70年にあたる2015年の誕生日の会見でこう述べています。 「私は、常々、過去の天皇が歩んでこられた道と、天皇は日本国、そして国民統合の象徴であるとの日本国憲法の規定に思いを致すよう心掛けております」
 通常、世界各国で与党は憲法を守り、野党は政権交代して憲法を改正することをめざします。ところが日本は与党が憲法改正、野党が護憲とねじれている。ゆえに結果として、憲法を守ろうとする天皇と、憲法を変えたい首相の間に緊張関係が生じます。
 即位後、新天皇がどれくらい護憲のニュアンスを打ち出すのか。それに対して安倍首相はどのような姿勢を示すのか。新しく即位される天皇の「お言葉」が注目されます。

●いけがみ・あきら/1950年、長野県生まれ。慶應義塾大学卒業後、1973年NHK入局。報道局記者や番組キャスターなどを務め、2005年にNHKを退職。ジャーナリスト、名城大学教授、東京工業大学特命教授。著書に『池上彰の世界の見方 ロシア』『考える力がつく本』(小学館刊)、『池上彰の「天皇とは何ですか?」』(PHP研究所)などがある。
 â‰«ï¼ˆâ€»é€±åˆŠãƒã‚¹ãƒˆ2019å¹´1月1・4日号)

天皇陛下の味方です[単行本]
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自民党本流と保守本流 保守二党ふたたび
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新天皇と日本人 ―友が見た素顔、論じ合った日本論
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●意味深い天皇誕生日のおことば 「象徴」の諦観を明示した

2018å¹´12月28æ—¥ | æ—¥è¨˜
新天皇と日本人 ―友が見た素顔、論じ合った日本論
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御即位30年 御成婚60年 国民とともに歩まれた平成の30年
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日本の国会――審議する立法府へ (岩波新書)
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●意味深い天皇誕生日のおことば 「象徴」の諦観を明示した

まず、今上天皇として最後の誕生日、2018å¹´12月23日における“おことば”を読んでみたい。明治以降の大日本主義が、第二次大戦で頓挫し、時代錯誤の国家観は終わったに思えたが、どっこい生きていたと驚く時代だと思う。無論、彼らの声は、明らかに電通仕込みの“広告手法”がふんだんに盛り込まれ、1を100の声として、ネット活用と相まって、如何にも強大な力(ビックブラザース)が存在するように仕掛けられている。

戦後憲法(民主主義)を重視する、通称リベラル勢力は、デモクラシーや人権を守ると云う、或る意味で、象徴的と云うか、価値観(見えないもの)を主張する勢力なので、その主張を拡散させるのに手間取り、無知も加わり、安倍首相に代表される、いじけた大日本主義勢力の後塵を排している。通称リベラル勢力は、大日本主義勢力の主張に対局的な「小日本主義」の概念を旗印にところまで割り切れていないので、大日本主義と小日本主義の真ん中あたりを目指そうとしている。実は、この中庸の主張が一番広報的に難しい概念なのだ。ゆえに、ネット時代の縮尺文言文化に乗ることが出来ない。

天皇皇后両陛下が、中途半端でもがいているリベラル勢力に加勢している。今上天皇にしてみれば、大日本主義には絶対に戻ってはいけない。日本国憲法の国民主権や人権と云うコアな部分と、みずからに課せられた「象徴」に準ずる生き様を強く訴えかけていた。全体に流れる意思は、安倍政権を含む歴史修正主義的性格を帯びた復古勢力の抬頭に強い危惧を抱いている心証を強く語る内容だった。また、この日本の象徴としての天皇は、主権在民、国民主権と云う基盤の上にあって生まれた地位であることを敢えて明示して。天皇は譲位するにあたり、この「象徴」の意味を次の天皇や皇太子に向けて発したことを、主権者である国民に約したとも言える。


☆天皇誕生日のおことば(全文)
 

≪この1年を振り返るとき、例年にも増して多かった災害のことは忘れられません。集中豪雨、地震、そして台風などによって多くの人の命が落とされ、また、それまでの生活の基盤を失いました。新聞やテレビを通して災害の様子を知り、また、後日幾つかの被災地を訪れて災害の状況を実際に見ましたが、自然の力は想像を絶するものでした。命を失った人々に追悼の意を表するとともに、被害を受けた人々が1日も早く元の生活を取り戻せるよう願っています。
 ちなみに私が初めて被災地を訪問したのは、昭和34年、昭和天皇の名代として、伊勢湾台風の被害を受けた地域を訪れた時のことでした。

 今年も暮れようとしており、来年春の私の譲位の日も近づいてきています。
 私は即位以来、日本国憲法の下で象徴と位置付けられた天皇の望ましい在り方を求めながらその務めを行い、今日までを過ごしてきました。譲位の日を迎えるまで、引き続きその在り方を求めながら、日々の務めを行っていきたいと思います。

 第二次世界大戦後の国際社会は、東西の冷戦構造の下にありましたが、平成元年の秋にベルリンの壁が崩れ、冷戦は終焉を迎え、これからの国際社会は平和な時を迎えるのではないかと希望を持ちました。*しかしその後の世界の動きは、必ずしも望んだ方向には進みませんでした。世界各地で民族紛争や宗教による対立が発生し、また、テロにより多くの犠牲者が生まれ、さらには、多数の難民が苦難の日々を送っていることに、心が痛みます。

 以上のような世界情勢の中で日本は戦後の道のりを歩んできました。終戦を11歳で迎え、昭和27年、18歳の時に成年式、次いで立太子礼を挙げました。その年にサンフランシスコ平和条約が発効し、日本は国際社会への復帰を遂げ、次々と我が国に着任する各国大公使を迎えたことを覚えています。そしてその翌年、英国のエリザベス二世女王陛下の戴冠式に参列し、その前後、半年余りにわたり諸外国を訪問しました。それから65年の歳月が流れ、国民皆の努力によって、我が国は国際社会の中で一歩一歩と歩みを進め、平和と繁栄を築いてきました。昭和28年に奄美群島の復帰が、昭和43年に小笠原諸島の復帰が、そして昭和47年に沖縄の復帰が成し遂げられました。沖縄は、先の大戦を含め実に長い苦難の歴史をたどってきました。皇太子時代を含め、私は皇后と共に11回訪問を重ね、その歴史や文化を理解するよう努めてきました。沖縄の人々が耐え続けた犠牲に心を寄せていくとの私どもの思いは、これからも変わることはありません。

 そうした中で平成の時代に入り、戦後50年、60年、70年の節目の年を迎えました。先の大戦で多くの人命が失われ、また、*我が国の戦後の平和と繁栄が、このような多くの犠牲と国民のたゆみない努力によって築かれたものであることを忘れず、戦後生まれの人々にもこのことを正しく伝えていくことが大切であると思ってきました。平成が戦争のない時代として終わろうとしていることに、心から安堵しています。

 そして、戦後60年にサイパン島を、戦後70年にパラオのペリリュー島を、更にその翌年フィリピンのカリラヤを慰霊のため訪問したことは忘れられません。皇后と私の訪問を温かく受け入れてくれた各国に感謝します。

  次に心に残るのは災害のことです。平成3年の雲仙・普賢岳の噴火、平成5年の北海道南西沖地震と奥尻島の津波被害に始まり、平成7年の阪神・淡路大震災、平成23年の東日本大震災など数多くの災害が起こり、多くの人命が失われ、数知れぬ人々が被害を受けたことに言葉に尽くせぬ悲しみを覚えます。ただ、その中で、人々の間にボランティア活動を始め様々な助け合いの気持ちが育まれ、防災に対する意識と対応が高まってきたことには勇気付けられます。また、災害が発生した時に規律正しく対応する人々の姿には、いつも心を打たれています。

 障害者を始め困難を抱えている人に心を寄せていくことも、私どもの大切な務めと思い、過ごしてきました。障害者のスポーツは、ヨーロッパでリハビリテーションのために始まったものでしたが、それを越えて、障害者自身がスポーツを楽しみ、さらに、それを見る人も楽しむスポーツとなることを私どもは願ってきました。パラリンピックを始め、国内で毎年行われる全国障害者スポーツ大会を、皆が楽しんでいることを感慨深く思います。

 今年、我が国から海外への移住が始まって150年を迎えました。この間、多くの日本人は、赴いた地の人々の助けを受けながら努力を重ね、その社会の一員として活躍するようになりました。こうした日系の人たちの努力を思いながら、各国を訪れた際には、できる限り会う機会を持ってきました。そして近年、多くの外国人が我が国で働くようになりました。私どもがフィリピンやベトナムを訪問した際も、将来日本で職業に就くことを目指してその準備に励んでいる人たちと会いました。日系の人たちが各国で助けを受けながら、それぞれの社会の一員として活躍していることに思いを致しつつ、各国から我が国に来て仕事をする人々を、社会の一員として私ども皆が温かく迎えることができるよう願っています。また、外国からの訪問者も年々増えています。この訪問者が我が国を自らの目で見て理解を深め、各国との親善友好関係が進むことを願っています。

 明年4月に結婚60年を迎えます。結婚以来皇后は、常に私と歩みを共にし、私の考えを理解し、私の立場と務めを支えてきてくれました。 また、昭和天皇を始め私とつながる人々を大切にし、愛情深く3人の子供を育てました。振り返れば、私は成年皇族として人生の旅を歩み始めて程なく、現在の皇后と出会い、深い信頼の下、同伴を求め、爾来この伴侶と共に、これまでの旅を続けてきました。天皇としての旅を終えようとしている今、私はこれまで、象徴としての私の立場を受け入れ、私を支え続けてくれた多くの国民に衷心より感謝するとともに、自らも国民の一人であった皇后が、私の人生の旅に加わり、60年という長い年月、皇室と国民の双方への献身を、真心を持って果たしてきたことを、心から労いたく思います。

  そして、来年春に私は譲位し、新しい時代が始まります。多くの関係者がこのための準備に当たってくれていることに感謝しています。新しい時代において、天皇となる皇太子とそれを支える秋篠宮は共に多くの経験を積み重ねてきており、皇室の伝統を引き継ぎながら、日々変わりゆく社会に応じつつ道を歩んでいくことと思います。

 今年もあと僅かとなりました。国民の皆が良い年となるよう願っています。

≫おわり


天皇誕生日のおことばとしては、相当意味深い内容の濃い言葉になっている。政治性があるか無いかと言えば、あきらかに、政治性は存在する。「象徴」という存在はかくあるべしという事柄を示しながら、平和が如何に重要なものか、そして、多くの犠牲を払った先の大戦の歴史を正確に後世に伝える必要性に強く言及している。かなり強いカウンターパンチを、大日本主義、歴史修正主義に向けて発している。

具体的事例として、「……沖縄の人々が耐え続けた犠牲に心を寄せていくとの私どもの思いは、これからも変わることはありません。」というくだりは、沖縄への深い思いは永遠であり、彼らの思いに充分に配慮した「政」が望ましいと暗に示している。もっと、有り体に言えば、沖縄県民の民意と云うものを充分に尊重した政治をおこなって欲しいと要望しているようにも聞こえる。無論、天皇が平易な言葉で、「象徴」でありながら、政治的発言は控えつつも、いざとなれば、時には暗示的に発言することは許されると、今上天皇は「象徴」を解釈している可能性もある。

ここで言う可能性とは、旗幟を鮮明にすると云うことはなく、今までの貴重な経緯や、経緯の結果、そして、現在の歴史状況などを踏まえつつ、“ファイナルアンサー”は国民の皆さまが、考え答えを導いて貰いたいと、語っているようだ。苦難の歴史を辿って得た平和と云うものは、非常に貴重なものだというニアンスも含まれている。つまりは、天皇は、戦後の歴史全体を支持していると言えるわけだ。これは、戦前の全体主義国家を目指そうとしている自民党の一群にとっては不快な暗示だと言えるだろう。

また、更なる具体的事例として、日本人の移住の歴史が150年を向え、赴いた国の友好的受入れと努力によって、今がある。また、各国から我が国に来て仕事に従事する人々も、日本社会の一員として、迎える必要性を訴えている。また、観光客などが見聞する我が国も、見聞に値する国であることを望み、各国との親善有効に寄与して欲しい。つまり、他国からの訪問者も、日本は好い国だと評価されるだけの国柄であって欲しいと求めている。

以上、今上天皇及び皇后の心意気が表されたわけだが、このような言葉は“保守本流、リベラル、左翼”にとっては、普通に聞き流せる“おことば”であるが、安倍自民党本流や、そのバックボーンにとっては、聞き捨てならない言質だと言えるだろう。あきらかに安倍政権への箴言であり、歴史修正主義を批判している。戦後、定められた「象徴天皇」は、戦後の歴史で定められているので、そのことを明確に、後世に伝承していかなければならない。元首などはもっての外で、日本国憲法の中で、天皇制は存在している、と警鐘を鳴らす。

忌まわしいとさえ思える現政権のことを、田中秀征は“自民党本流”と揶揄的に表現し、保守本流と明確に分けている。自民党本流と云うのは、新自由主義の鬼子のようなもので、本来の自民党には存在しなかった勢力だと分析している。たしかに、小泉・竹中・安倍・菅と云う勢力に、保守と云う名前は似合わない。革命的と云えば聞こえは良いが、自民党をぶっ壊すを通り越し、日本や象徴天皇をぶっ壊すと、明言しているようだ。

昭和天皇は、靖国神社を計8回親拝しているが、靖国が独断でA級戦犯を合祀したことで、親拝をとりやめた。その後、今上天皇も、それに倣った。おそらく、現在の皇太子も、天皇になっても靖国神社を親拝することはないだろう。それに引きかえ、歴史修正主義的色彩の強い、中曽根康弘、小泉純一郎、安倍晋三は、現職総理として、現職中に一度だけ靖国神社に詣でている。この靖国神社の持つ神社の性格に、自民党本流の流れが温存され、国粋的大日本主義が生き残ってしまったようだ。靖国が中心となる神社本庁も同じと云うことだ。

*次に、天皇の政治的発言の是非や天皇の権限等を様々に検証してみた。ただ、少々疲れ気味なので、明日に譲ることにする。


日米安保体制史 (岩波新書)
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聞き書 野中広務回顧録 (岩波現代文庫)
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民意のつくられかた (岩波現代文庫)
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●安倍の幸福劇場閉幕 競争の場から離れ孤高に生きる

2018å¹´12月27æ—¥ | æ—¥è¨˜
日銀バブルが日本を蝕む (文春新書)
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文藝春秋

 

アメリカ(河出新書)
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経済ジェノサイド: フリードマンと世界経済の半世紀 (平凡社新書)
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平凡社


●安倍の幸福劇場閉幕 競争の場から離れ孤高に生きる

日刊ゲンダイが、楽しそうに『株価2万円割れは序章だ 新元号不況と強欲資本主義の終焉』と云う見出しが踊っていた。“エライヤッチャ、エライヤッチャ、ヨイヨイヨイヨイ”この掛け声は阿波踊りで有名だが、まさに、安倍様ご自慢の株価が、かなりひどい状態になってきた。外国人は売り越し専門になり、日銀信託と年金基金GPIFが専ら買いに回っている。一昨日のマイナス1000円以上は、本来マイナス1500円と見込めるし、昨日のプラス170円も、実質マイナス500円と見るのが冷静な判断だろう。

ただし、本日の株価を見ると、NYダウが1000ドル強プラスに転じたことで、東京市場も大幅プラスに転じ、2万円台を回復している。このような国際市場全体の株価の乱高下は、上昇の為の乱高下と云うよりは、下落に向かう乱高下と考える方が妥当だ。金融資本主義のマネーは、雲を掴む要因でも、買い材料に動く相場内の上下であり、実体資本主義における、PERやROEが根拠の相場ではなくなっていると理解しておく必要がある。概して、国際情勢のリスクを読みあう相場になっている。ただし、日本の東京市場においては、日銀と日本政府による官製相場と云う、特殊材料が加味されている。

だいたいが、『日銀ファンド』が横行し、かなりの企業の国有化が固定化されそうな状況だ。筆者は、“規制改革”を打ち出の小づち言説には、容易に与する積りはないが、一定範囲、肯かざるを得ないだろう。退場すべき産業構造を生き残らせるために、国民はどこまで食いものにされれば良いのかと云う問題だ。所得税の累進率を上げたら金持ちが逃げてゆくとか、馬鹿も休み休みにして貰いたい。日本語もろくすっぽ離せない中高年の金持ち等が、日本語の通じない海外で病気になることは、死ぬより恐怖だ。

安倍政権が選択し、強行しようとする移民政策も、低賃金を欲する産業への対策である。低賃金を欲する産業群は労働集約的で、デジタル産業時代には生き残れない産業の為のものだ。つまり、退場が時代の要請なのに、その意味のない生き残りをかけている。たしかに個別的に見れば、痛みを伴うわけだが、大胆に経済の構造をデジタル革命に合わせて言おうと云うのであれば、誰かを犠牲にするかを決めるのが、金融資本主義だ。無論、その時には、被害者になる国民への最低限のセーフティーネットの網を準備しなければならない。

このセーフティーネットの基礎は、生活保護制度になるだろう。そう云う意味で、ネトウヨが大好きの生活保護制度の徹底が急務だ。生活保護受給の資格者の8割を見失っている国家では、その不安定に引きずられて、社会的大改革が出来ないという事実に、目を向けるべきだ。おそらくこのような意見に対し、「財源はどうする?」と云う決まり文句が出てくるが、上述の所得税の累進率の是正と、法人税減税の廃止によって、愚にもつかない産業を強制終了させることが出来る。

日米同盟や日米地位協定の大幅な見直し。その時に起きる、徹底的なアメリカによる日本バッシングや陰謀工作に堪えるためにも、国民のセーフティーネット(ベーシックインカム的)は必要だ。米軍施設全体を再開発するだけで、数回連続で、オリンピックや万博を開催した同様の効果が得られる。起業支援や職業転職、再教育と再チャレンジ、基礎研究に没頭する、IT技術に特化した産業誕生に取り組む等々のイノベーションが起きるのである。たしかに、モラルハザード低下を危惧する人々がいるが、日米同盟で国が喰いつくされるよりマシだ。

今の日本社会の制度の中で、何とか手直しして、生き残れるような世界の状況ではない。未来予想図では、最悪の状況に置かれている国家のトップが日本だ。つまり、他の国々は米国を先頭に、まだ、周回遅れで最悪の国競争に後れをとっているから、彼らの需要で息をしている。しかし、早晩、彼らは日本同様の最悪に接近してくるのだから、彼らから得られていた需要もなくなる。つまり、衣食住と云う根本的生き物・人間が生き残るものを構築している制度国家が生き残れるのだ。

具体的に、衣食住プラスアルファに真っ先に手をつけられるのが日本だ。そのような場合、日本という国土を、ゼロから俯瞰し、そのメリット、デメリットを冷静に観察し、省エネでも国家運営は可能であることを、自然科学者、哲学者や社会学者、宗教学者+AI技術者らの知恵を最大限生かせる国家像を夢みたい。競争社会のキャパは超えている。いち早く、共存社会を再構築した国が、何を基準にするかは別にして、幸福な国の実現に寄与するに違いない。競争は、人間を研ぎ澄ますメリットはあるが、いがみ合うという争いを生む元凶だ。第三次大戦に突入する前に、孤高の国家像を提供出来る国は、日本だと思う。


ジャポニスム 流行としての「日本」 (講談社現代新書)
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平成史への証言 政治はなぜ劣化したか (朝日選書)
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日本人の勝算: 人口減少×高齢化×資本主義
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●中立国家の構築は可能か “米中のケツ”からの脱皮

2018å¹´12月26æ—¥ | æ—¥è¨˜
ゴーン・ショック! 事件の背後にある国家戦略と世界経済の行方
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●中立国家の構築は可能か “米中のケツ”からの脱皮 

無論、まだ日本は中国のケツは舐めていない。しかし、このままのアメリカであれば、30~50年後には中国がアメリカを凌ぐ国家になる可能性は濃厚だ。GDPと云う経済規模だけではなく、地上の軍事力も宇宙の支配力も中国が握る可能性が高いと見ている。政治への無関心層が増大した日本は、日和見的で、“空気”ã‚„“功利主義”に生き方を支配された人々に溢れることが、この流れだと想像できる。安倍首相の大の親友下村氏などが、教育勅語など持ちだしても、鼻で笑われるのがおちだろう。

いずれにしても、安倍政権は早晩終わるわけで、右へのネジまきも中途半端に終わるのだろうが、桜井よしこさんもご苦労なことである。日本社会を右巻きにも、左巻きにも、ネジを巻くことは残念ながら無理である。最近では、“空気”のことを、コミュ力と言い、“功利主義”のことを、合理主義と言い換える。まことに日本語は使い方一つで、その場をすり抜けるものである。仮の話だが、このまま日本にひっくり返るほどの社会的ショックが起きなければ、ごく当然のように、日本は親分をアメリカから中国に取り換えるに違いない。ふざけるなと言う人が多いのは理解出来る。しかし、30年50年後だ、我々の多くはあの世にいるわけで、手も足も出ないのだ。

個人的には、まずアメリカが嫌いだ。アメリカの文化は楽しめるしエキサイティングだ。もうあまり期待できないが、アメリカンドリームも魅力的だ。ただ、この国は方向性が複雑すぎて、常に政府的勢力が二つから三つある。どのこのアメリカの意向なのかを、常に吟味しないと、その正体を見損なう。これは、相当に疲れる観察で、政治外交経済等の分野で、常に担当者を悩ませ、同盟国をあらぬ方向に導く水先案内人が生まれてしまう。カウボーイのアメリカ人に、ユダヤ人が加わることで、戦略的と言うか、謀略的国家像が、強く印象づけられている。

要するに、指揮命令が、多方向から同盟国に向けて発動され、訳が分らなくなる国家権力なのである。日本人の多くは、いま現在も、日本はアジアではNO1の近代国家だと認識している人が、かなりいる。特に、その甘美な誤解にケチをつける気はないが、まったくの事実誤認だ。経済力も軍事力も中国が上である。ウッカリすると、中国は世界一の経済力と軍事力を獲得する可能性が濃厚だ。だからこそ、アメリカは、対中経済制裁を発動して、第二次大戦前の日本のように貿易で首を絞めようとしている。

中国が大衆をほおっておけば、第二の天安門事件が起きるかもしれないが、学ぶことの好きな現在の中国では、政治的には忍耐をおぼえた節が見うけられる。黙っていれば、いずれ我が世の春が来ると民衆が思いはじめている可能性も捨てきれない。つまり、将来の金持ちが喧嘩をする必要はないと思っているようだ。習近平は、しきりと覇権的行動を国際的に取るつもりはないと発言している。この言葉を額面通りに受け取ることは出来ないが、アメリカの多岐にわたる覇権主義よりは、共産党とのつき合いで済むぶん、外交安保は単純化できる。

個人的には、中国には冊封的支配を好む傾向は今でも残っているわけで、高圧と陰謀の両面から、日本を支配するアメリカよりはつき合い方は楽になると考えられる。正直、中国人の方が気の良い人は多い。口はウルサイし、飲めや歌えだが、笑って握手して裏切る人種ではない。その点、アングロサクソンやスラブ民族とは、相当に異なる。まぁ、好んで、中国の支配下に入る必要はないが、少なくとも、アメリカの支配にいるよりは楽になる。敗戦国なら、どこまでも、いつまでも支配し続けて、貪り食ってやるどう猛さはない。

現時点では、米国支配も致し方ないだろうが、何時かは、中国がアメリアを追い抜く日が来る。その時、日本はどうするのかだ。対米追随を続けるのか、日米同盟を解消し、一旦は中立のポジションを取るのか、ジワジワと中国寄りの国家になるのか、そろそろビジョンを考えても良い頃だが、今の安倍政権では、大日本主義なのだから、手がつけられない。やれやれ、株価でも大暴落して、1万5千円を割り込み、来年から就職氷河期が到来、反自民党の若者が増えれば、政治も変化するのだろうか。


 â‰ªä¸­å›½vs“ファイブ・アイズ” 5G覇権巡り対立鮮明に  
【北京・浦松丈二】中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)を巡る一連の問題では、「ファイブ・アイズ」と呼ばれる機密情報収集ネットワークを築く米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの5カ国対中国の対立構図が鮮明になってきた。背景には、次世代通信システム「5G」を巡るハイテク覇権争いがあるとみられている。
 「中国は長期にわたり米国のサイバーセキュリティーを破壊している、と米国やその盟友から非難されてきた。だが、米国が盗っ人たけだけしい自作自演をしていたことが明らかになった」
 中国外務省の華春瑩(かしゅんえい)副報道局長は24日の定例記者会見で、内部告発サイト「ウィキリークス」が多くの在外米大使館による盗聴機器の大量購入を暴露したことに関連し、米国と同盟国を批判した。
 現行の約100倍の通信速度であらゆるモノを結べる5G導入の動きは、ハイテク覇権争いを招いた。中国で5G開発を主導するファーウェイや中興通訊(ZTE)の製品を導入すると、機密情報が中国側に流れる危険がある――と米国側は主張、中国側は「事実無根」と反論する。
 豪紙オーストラリアン・フィナンシャル・レビューによると、ファイブ・アイズの情報機関は7月、カナダの首都オタワで会議を開き、中国を戦略的な脅威と認識し、その懸念を表明する時間を増やすと決めた。これを受け豪州は8月、5Gからファーウェイ排除を発表。ニュージーランドと英国が続き、カナダも近く発表する見込みだ。
 米国はファーウェイ製品を多く使っている日本やドイツ、イタリアなどへの説得も開始。日本は政府調達から事実上、ファーウェイ製品を排除する方針を決め、ファイブ・アイズに歩調を合わせる。
 米国は8月、ファーウェイ首脳に詐欺容疑で逮捕状を出し、米国の依頼を受けたカナダ当局が今月1日に身柄を拘束。中国も「国家の安全に危害を与える行為」の容疑でカナダ人2人を拘束して「人質」を取り合う展開になった。
 中国側は米国との通商協議を損なわないため、米国よりもカナダを強く批判。同盟にくさびを打ち込む作戦とみられるが、逆にファイブ・アイズの結束を促す結果を招いている。米当局が20日に中国を拠点に活動するハッカー集団「APT10」の中国人メンバー2人を情報を盗んだ罪で起訴したと発表した後、5カ国に加えて日本がAPT10への非難声明を出した。
 また、カナダが21日に「恣意(しい)的な拘束だ」としてカナダ人2人の即時解放を求め、同調する国が広がっている。華氏は25日の定例記者会見で、仏政府の懸念表明を受け「なぜフランス人はカナダ人だけを心配し、中国人を心配しないのか?」と不快感を示した。

注:ファイブ・アイズ
 英語で「五つの目」を意味する米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの5カ国の情報収集ネットワークの通称。第二次大戦中にドイツの暗号解読などで協力した米英に、戦後はアングロサクソン諸国を加えて協定を締結。加盟国間で傍受した盗聴情報や設備を共同利用する一方、互いの盗聴を禁じている。2015年には米国家安全保障局(NSA)がドイツや日本の要人を盗聴していたことがウィキリークスで暴露された。
 ≫【毎日新聞】

 

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●世界景気の底抜け 安倍はトランプのケツ舐めダイジョウブ?

2018å¹´12月25æ—¥ | æ—¥è¨˜
「対米従属」という宿痾
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トランプ貿易戦争 日本を揺るがす米中衝突
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●世界景気の底抜け 安倍はトランプのケツ舐めダイジョウブ?

日本時間、12月25日午前2時半、“縄文文化と日本未来”をテーマにしたコラムを書きだそうとしたが、上記見出しに、急遽切り替えた。NYダウ平均が500ドル超の急落を目にしたからだ。その後400ドルマイナスに戻したが、再び500ドルマイナス方向と、マイナスレンジで乱高下している。25日の東京株式市場の方向性に暗雲が立ちこめ、2万円割れは確実な方向になりそうだ。

米国内では、トランプ大統領と議会の折り合いがつかず、我慢比べ状態が3日以上続き、政府予算が底をついた状況が継続している。ホワイトハウスの重鎮と思われていたマティス国防長官を2カ月前倒しで辞任させるなど、常識では考えにくい状況を示してきた米国政府だ。トランプ政権の高官離職率も群を抜いている。そして誰もいなくなったゲームを眺めているようだが、イバンカ嬢と婿のクシュナーは取りあえず生き残りそうと云う、トンデモ政権だが、本当にこれでもアメリカ大統領は職務継続可能なのだろうか。

つくづく思うに、このようなトランプ政権に、盲目的にシリ舐め従属して、自衛隊を捧げ、本当に良いのだろうか。大丈夫なのだろうか。筆者は、日米対中国の心配よりも、日韓関係の超悪化を危惧しているが、アメリカ政権が盤石でなくとも、普通であれば、仲介の労を取ってくれると期待できるが、どうも、同盟国を大切にしない大統領だけに、「勝手に戦って、米国の武器を買え」とダッチ風に言い放ちそうで仕方がない。おう!ダウ終値が650ドル超の急落になっている。今日の東京市場が怖ろしい。

トランプ大統領はツイッターで「FRBは市場感覚に対する認識がない」とし、貿易戦争や強いドル、壁を巡る政府機関閉鎖について理解していないと語った。名FRB議長と思われたイエレン氏を更迭して、お気に入りのパウエル氏を後任に据えたが、FRBは予定通り利上げを行い、トランプ氏の意向に沿っていないと思い込んでいる。筆者は、保護貿易に向かうトランプ大統領にエールは送っているが、流石に、ここまで出たらめや思いつきが過ぎると、エールを引っ込めるしかなさそうだ。

ところで、韓国軍艦艇からのレーダー照射は、やったヤラナイの押し問答になっているようだが、海上自衛隊側が虚偽の話をする意味はないので、韓国政府が、ことを荒立てたくない事情があるようだ。日本国内の反韓国感情がエスカレートすることで、徴用工問題や慰安婦問題が韓国内で盛り上がる危機管理上の都合があるようだ。まぁ、年末年始と云うこともあり、このまま有耶無耶に問題が、当事者間の話の中におさまれば、事なきを得るだろうが、場合によると、双方のいがみ合いがエスカレートするリスクも、まだ残されている。

それにしても、このようなトランプ大統領のご機嫌取り外交をしていて、日本は良いものだろうか。特別の戦略があるとも思えない、対イラン制裁、対中国制裁、対ロシア制裁。今に、対EU制裁まで口にしそうだ。こんなことなら、5アイズ+イスラエルの枠組みで、仲良く静かに暮らして貰いたいものだが、そうもいかず、世界中に喧嘩を売って歩きまわっているようにも見えてくる。この調子では、安倍政権は、5アイズ+ジャパン&イスラエルにされてしまう。いや、日本はツ●ボ桟敷に置かれ、不名誉な地位に甘んじ、他の世界からまで、無視され行き場を失う憂き目に遭いそうだ。


 â‰ªéŸ“国、レーダー照射を否定 譲らぬ日本「分析の結果だ」
 海上自衛隊のP1哨戒機が韓国海軍艦艇から射撃用の火器管制レーダーを照射されたと日本政府が公表したことをめぐり、韓国国防省副報道官は24日、「日本側に脅威を感じさせるいかなる措置もとらなかった」と述べ、照射を否定した。同日にはソウルで日韓外務省の局長級の協議が開かれたが、互いの主張は平行線のままだった。
 韓国国防省は同日、日本政府が抗議した21日以降、初めて記者会見を開いた。副報道官は、日本政府の抗議について「我が軍は人道主義的な救助のために正常の作戦活動を行っていた」と改めて反論した。日本政府が哨戒機が日本海上でレーダー照射を受けたとしている20日、韓国海軍は一帯で北朝鮮の漁船の救助活動をしていたとしている。
 副報道官は「日本側に誤解があるなら当局間で意思疎通と協議を行い、解消していけばよい」として説明を重ねる考えを示した。
 また、韓国軍合同参謀本部は24日、韓国海軍の艦艇が救助活動中、自衛隊の哨戒機が艦艇の真上を通過する「特異な行動」をとったため、「光学カメラ」を向けたと明らかにした。
 光学カメラは火器管制レーダーのすぐ横に備えつけられ、作動させるとレーダーのアンテナも同時に動くが、カメラを使うこと自体は危険を与えるものではないと説明。「光学カメラだけを作動させ、電磁波放射(レーダー照射)は一切行っていない」とした。レーダーを照射するには別途、艦長の承認が必要という。
 日本の防衛省は、事案を公表した経緯について「慎重に分析した結果だ」(岩屋毅防衛相)としており、「不測の事態を招きかねない危険な行為」を受けたとの立場を譲っていない。
 その理由として、駆逐艦上でレーダーが動いているのを哨戒機から目視で確認したことなどを挙げている。日本政府関係者によると、照射は約5分続いたという。火器管制レーダーの照射は、砲弾やミサイルを発射する前に狙いをつけるためのものだ。
 日韓などが採択する「洋上で不慮の遭遇をした場合の行動基準(CUES)」で「船舶や航空機に遭遇した場合には控えるべき動作」としていることも挙げ、韓国側の説明には納得していない。防衛省は22日に公表した見解で「(火器管制レーダーの照射は)周囲に位置する船舶や航空機との関係で、非常に危険な行為だ」と反論していた。
 24日にソウルであった日本の外務省の金杉憲治アジア大洋州局長と、韓国外交省の金容吉(キムヨンギル)・東北アジア局長の協議でも、この問題が主要議題になった。
 韓国からは国防省関係者、日本からは在韓日本大使館の防衛駐在官が同席。金杉氏は、今回の問題に遺憾の意を表明し、再発防止を韓国側に申し入れた。
 一方で韓国側の説明によると、金氏は「日本側が事実関係を明確に確認せず、メディアに公開したことは遺憾だ」と述べたという。
 ただ、双方とも今後、軍事的な分析も交えて協議を続けることで一致したとしている。
≫(朝日新聞デジタル:武田肇=ソウル、藤原慎一)


 â‰ªãƒˆãƒ©ãƒ³ãƒ—政権、高官離職率65%で突出 国防長官も辞任
【ワシントン=永沢毅】トランプ米大統領が20日、マティス国防長官の辞任を発表した。米ブルッキングス研究所によると、トランプ政権でのホワイトハウス高官の離職率は65%と歴代で突出している。これまでに閣僚を含む主な政権高官が辞任した理由を分析すると、その半数以上が政権内の対立や内紛によるもの。不祥事も合わせると計7割超に上り、政権運営の不安定ぶりが際立っている。
:2017年1月の政権発足以降で辞任を表明した閣僚ら28人について、その理由を調べてみると、最も多かったのが政権内の対立・内紛で、16人だった。
:ティラーソン国務長官やコーン国家経済会議(NEC)委員長ら穏健派は、トランプ氏と政策面で激しく対立した。国際協調や自由貿易体制を重んじるティラーソン氏らの主張と、「米国第一」を掲げるトランプ氏の立場はそもそも相いれない。同氏は次第に彼らの助言を毛嫌いするようになった。19年2月に退任するマティス氏もその1人だ。
:セッションズ司法長官やコミー米連邦捜査局(FBI)長官は、トランプ氏にとって致命傷になりかねないロシア疑惑の捜査が原因だ。共和党の上院議員だったセッションズ氏は16年大統領選で早くからトランプ氏への支持を表明。その論功行賞もあって政権入りした経緯がある。
:ただ、セッションズ氏は就任後にモラー特別検査官が率いる捜査に関わらないとの立場をとり、トランプ氏はそれが不満だった。当初はお気に入りでも、手のひらを返したように部下を切るのがトランプ氏の特徴でもある。
:対立はトランプ氏本人が関わるケースにとどまらない。移民排斥や保護貿易に関する助言でトランプ氏への強い影響力を誇ったバノン首席戦略官・上級顧問は、その身勝手な言動を嫌ったケリー大統領首席補佐官にホワイトハウスから追いやられた。
:しかしそのケリー氏もトランプ氏の長女イバンカ大統領補佐官やその夫のクシュナー上級顧問と対立。辞任はそれが一因となった。歴代の首席補佐官に関する著書があるジャーナリスト、クリス・ウイップル氏は「この政権で生き残るには、家族と良好な関係を築くことが欠かせない」と指摘する。
:不祥事による辞任は6人にのぼった。プライス厚生長官は公務で高額なチャーター機を頻繁に利用していたことが発覚。プルイット環境保護局長官はロビイストとの癒着や私用に部下を使った疑惑を指摘された。
:自己都合や自発的な退職はヘイリー国連大使ら6人だった。
:オバマ前政権でもペトレアス米中央情報局(CIA)長官が不倫問題で辞任したケースなどがある。ブッシュ(子)元政権では対外強硬派のチェイニー副大統領らと穏健派のパウエル国務長官の対立が取り沙汰された。ただトランプ政権のように、大統領本人との対立や幹部間の不和によって役職を辞任に追い込まれる事例はあまり見当たらない。
:米ブルッキングス研究所の調査によると、政権発足からほぼ2年がたった時点で、トランプ政権でのホワイトハウス高官の離職率は65%とレーガン政権以降では最高だった。オバマ政権は24%、ブッシュ(子)政権は33%だった。 現在のポンペオ国務長官やボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)らは、トランプ氏が自らの主張に沿う人物を選んだ。20年大統領選をにらみ、政権を支える高官の選別がさらに進む可能性もある。(肩書は当時)
 ≫(日本経済新聞)

≪米株安、業績下振れが影 利上げ・買い手不足も響く
【ニューヨーク=宮本岳則】米国株相場が調整色を強めている。ダウ工業株30種平均の前週の週間下落率は6.9%に達し、リーマン・ショック直後の2008年10月以来、10年ぶりの下落率となった。株価が下げ止まらない背景を探ると、企業業績の減速懸念や金融政策の不透明感、自社株買い頼みの需給という「3つの不安」が浮かび上がる。
:米株市場は24日も売り優勢で始まり、ダウ平均の下げ幅は一時、450ドルを超えた。年間騰落率も3年ぶりにマイナスとなる可能性が高まった。
:まず投資家が不安視するのは、2019年の企業業績だ。米調査会社ファクトセットがアナリストの業績予想を集計したところ、主要500社ベースで19年通期の純利益成長率は7.7%。9月末時点では10%を超えていたが、予想の下方修正が続き、10月以降、伸び率が徐々に切り下がってきた。18年通期は2割増益を確保する見通しで、大幅な減速となる。
:成長鈍化はある程度見込まれていた。18年は法人税率引き下げによる増益率の押し上げが10%程度あり、19年はこの効果がなくなるからだ。それでも堅調な米景気を支えに好業績を維持するシナリオだった。ところが欧州や中国景気の減速で、業績の伸びが想定以上に鈍る可能性が出てきた。
:市場の懸念はすでに一部現実となった。物流大手の米フェデックスは18日、欧州事業の減速を理由に19年5月期の通期業績見通しを引き下げた。半導体大手の米マイクロン・テクノロジーも同日の決算発表で業界全体の生産量が需要を上回ると指摘。米運用会社ロイス・アンド・アソシエイツのフランシス・ガノン氏は「米企業も海外の景気減速の影響から逃れられない」とみる。
:米金融政策の正常化が国内景気に与える影響も不安材料だ。米運用会社ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏は、米連邦準備理事会(FRB)による利上げと資産圧縮の継続が金利上昇圧力となり「住宅建設や自動車販売に悪影響を及ぼしている」と話す。米自動車大手フォード・モーターの株価は21日、約9年1カ月ぶりの安値をつけた。
:買い手不在も深刻だ。米バンクオブアメリカ・メリルリンチの集計によると19日までの1週間で米国株ファンドから44億ドル(約4800億円)が流出し、国債ファンドには50億ドルが流入。1週間の流入額としては16年1月以降で最大となった。
:米国株式市場の買い手は自社株買い頼みの状況が続く。米ゴールドマン・サックスによると18年最大の買い手は企業で、買越額は6000億ドルになる見通し。ところが年金基金や投信、個人投資家は18年に続き19年も売り越しを予想する。
 ≫(日本経済新聞)


欧州ポピュリズム (ちくま新書)
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ジョン・ロック――神と人間との間 (岩波新書)
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アメリカとヨーロッパ-揺れる同盟の80年 (中公新書)
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中央公論新社

●諜報機関の火遊び  グローバル経済の限界が望むもの 

2018å¹´12月23æ—¥ | æ—¥è¨˜
「日米合同委員会」の研究:謎の権力構造の正体に迫る (「戦後再発見」双書5)
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主権なき平和国家 地位協定の国際比較からみる日本の姿
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ドイツの新右翼
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●諜報機関の火遊び  グローバル経済の限界が望むもの 

安倍政権の、対アメリカへの、慌てふためいた振舞いを見ていると、残念ながら、見出しのように思わざるをえないのが現実だ。安倍首相の場合、あまりにも、その態度が赤裸々なので、喜悲劇に見えてくる点、余計に物悲しい。仮に、政権が石破になろうが、枝野になろうが、本質的には変らないのがリアルな答えである。日米同盟が日本の外交安保の基軸だと言う限り、常につきまとう、ケツ舐め外交国家だと云うことになる。

アメリカが凋落傾向にあるとは言うものの、まだまだ世界の覇権を握っている以上、致し方のない処世術だと言えるのだが、本来であれば、その凋落度に応じて、その立ち位置を少しずつシフトして行っても良さそうだが、観察する限り、より深い方向に、コミットしているように見えている。このような現象は、安倍政権特有の現象なのか、アメリカ側のプッシュが強くなっている所為なのか、そこが、よく見えてこない。

それに、安倍政権は、アメリカのどの勢力の話に合わせて動いているのか、単に、トランプ大統領の、言うがままに動いているのか、ジャパンハンドラーズらに動かされているのかさえ判らない。米国製の装備品を買い込む態度は、明らかに、トランプ大統領への配慮を感じるが、日産・ゴーン逮捕で動いた東京地検特捜部の動きにも、トランプ大統領が関与しているという事実は確認出来ない。自衛隊制服組が欲しがってもいない、米国製の装備品の購入は、宝の持ち腐れに終始するだろうし、意味不明だ。

ところで、日産・ゴーン氏の逮捕と孟晩舟ファーウェー副会長逮捕劇には、対フランス、対中国と云う側面以上の問題が内在しているという観測もある。ゴーン逮捕は、日仏の日産を巡る主権争いの枠内に嵌め込むと、まったくの勘違いに陥る危険もありそうだ。大きな枠組みでは、アメリカの覇権の凋落に呼応して動きだそうとしている「EU」への警鐘が内在しているように思える。

マクロン仏大統領は、トランプ大統領の身勝手なNATO軍維持費用の負担増を嫌い、NATO軍に代わってEU軍の創設を主張していることへの警鐘として、日産をルノーから引きはがそうという動いているように見せかけていると見ることも出来る。時と場合によっては、GMが日産を買っても良いくらいの仕掛けに出ているようにも見える。日産の西川社長程度に、ゴーン告発などの勇気があるとは思えない。安倍官邸のレベルでも、このような事件で、東京地検特捜部を動かせるとは思えない。

やはり、アメリカ側の諜報機関経由のミッションが、地検特捜部に齎されたと考えるのが自然だ。5アイズと言われる英米豪加ニュージーランドの諜報機関の連携は密で、このルートで、今回の一連の事件は起きているように思える。メルケルが抜けたあと、英国が離脱したEUのリーダーは、マクロンになる。このマクロンは、生意気にも、米国抜きでもEUは生きていける的態度に終始している。トランプが見逃しても、諜報機関は連続性が基本なので、マクロン大統領を、米国覇権を脅かす危険分子と見做した可能性はある。

丁度、鈴木宗男、小沢一郎が東京地検特捜部に狙われたのと同じような構図だが、世界に跨っているので、見えにくいだけなのだ。そこで、次にファーウェーの副社長逮捕の方の話だが、これも極めて異様な逮捕劇だ。カナダは、アメリカに頼まれて、孟晩舟ファーウェー副会長を逮捕した件だが、イラン制裁違反の疑い容疑だが、やはり容疑は曖昧なままだ。対中制裁の一環の、でっち上げ容疑にも思えるが、木を見ず森を見ようとすると、親中に傾くEUへの警鐘と云う点で、マクロン仏大統領に行きつく。

まぁ、書いていながらも、どこかで、五里霧中な面は拭えないのだが、なにやらキナ臭い。「米中戦争」を、両国のトップは、まったく望んでもいないのに、国家機関の一部の暴走で、両国が戦わざるを得ない状況に追い込まれるという現実は考えておいた方が良い。日米開戦前夜にも、似たような状況はあるわけで、国家間と云うものは、双方望まぬ戦争に突入していく歴史が繰り返されている。単なるEUへの警鐘が、対中制裁と云う状況と相まって、米中間に、必要以上の不信感が強まり、僅かなほころびが大事に至るリスクは存在する。

EU対米英国の冷たい睨みあいの中に、中国ファーウェーが引きこまれ、日産を失うルノーと云う構図フランスが引きこまれる。このような大きな構図は、おそらく、既存の組織が死なずに生き残り、ミッションの取り消しもないままに、ミスマッチで大事が起きてゆく、歴史の偶発とでも言うものか、不思議な事件の連鎖なのだ。もしかすると、韓国軍のレーダー照射事件も、引き金の一つになるのだろう。世界的経済循環だったグローバル経済の行き詰まりが、このような一触触発の世界的構図を提供しているのかもしれない。年末、年明けと、世界同時株安が連鎖し続ければ、金融マネーが望むものは、ひとつしか残されていない。


大国政治の悲劇 完全版
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日本の「世界化」と世界の「中国化」 〔日本人の中国観二千年を鳥瞰する〕
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新版 差別論――偏見理論批判 (明石ライブラリー166)
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●国会崩壊、迫る戦争の危機? 保守と名乗るな 保身と名乗れ!

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三島由紀夫 ふたつの謎 (集英社新書)
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操られる民主主義: デジタル・テクノロジーはいかにして社会を破壊するか
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国民論 他二篇 (岩波文庫)
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●国会崩壊、迫る戦争の危機? 保守と名乗るな 保身と名乗れ! 

本日の見出しは、山本太郎(自由党参議院議員)の参議院本会での議場に向かって発した言葉の要旨だが、彼が思わず、あのような叫びをあげるような惨状で、昨今の国会は数の論理のみで、強行採決の連鎖が起きている。つまり、国会、立法府を亡きものにした安倍政権は、ファシズム体制を強化した。官僚機構、検察・司法も、肝心な部分は、国家主義で統制が取れた。この流れは、太平洋戦争突入間際の戦前日本を、髣髴させる。

一般論として、スケジュール的には「改憲」の道は、当面遠のいたと云う結論になっているが、果たして、本当だろうか。ここまで、これまでの日本の国の仕組みを無視し続けてきた政権だけに、一般論は脇が甘いと見るべきだろう。安倍政権を、日本に悪意を持っている政権だと仮定した場合、いつ、中国、ロシア、北朝鮮、韓国と戦争状態にならないと云う保証はない。このような悪意を実行するためには、憲法への自衛隊の明記、緊急事態条項の追加は必要条件になる。

仮に、いま戦争状態に突入しても、核ミサイルが飛んでこない国は上述の国々の中で韓国だけだ。移民政策の導入で“日本会議”や右翼勢力から疑念を持たれている安倍晋三は、つじつま合わせの行動を選択する危険がある。都合の良いことに、右派勢力のことごとくが、嫌韓勢力と一致しているので、帳尻を合わせられるメリットがある。グローバリストと右派勢力の両方の支持を得たい安倍政権は、左右に揺れながら政権を維持してきたわけだが、最終的な帳尻合わせは、国民全体をナショナリストに置きかえることである。

ここにきて、安倍政権はジワジワと内閣支持率を微減させているが、野党の不統一感が内閣支持率を急降下させない重しになっている。しかし、個別の政策については、有権者は、その多くに疑念を抱いている結果が明確に示されている。つまり、国民は既に、安倍政権に対して、チャンスがあれば下野させるよ、と警告している。この危機的状況を、最も理解しているのは、安倍官邸に巣食う、安倍晋三以外の幹部連中だろう。このまま安倍晋三と心中はしたくないが、今さら逆艪は絶たれた感がある。来年の統一地方選、参議院選での敗北は、自民党の下野スケジュールのはじまりになる可能性があり、危機的状況だ。

強権を使い続けて政権を維持してきただけに、世間の至る所に、恨み辛みをバラ撒いていることは自覚しているだけに、その反動で、自分達が国家反逆罪で裁かれることまで、心配しなければならないような政権の末路はチャウセスクを思い浮かべる。右顧左眄を本分とする日和見保身党、保身官僚、保身裁判官らは、嬉々として、安倍政権の悪事をバラし始める可能性は非常に高い確率で起きるに違いない。

こうなると、日本陸軍ではないが、最後の頼りはナショナリズム高揚しか選択肢がなくなる。つまり、どこかと戦争状態になることだ。中国か、とても怖くて戦えない。北朝鮮か、核ミサイルが飛んできても抑止力はない。肝心の米軍は、絶対に動かない状況下にある。ではロシアか、これもトンデモナイ相手だ。あと残されている国はどこか、なんと消去法で行くと、安倍官邸が保身でナショナリズムを喚起できる敵国は韓国に絞られる。昨今の、日韓関係の冷え込みは尋常なものではないわけだが、このような状況下で、大きな火種が観察できた。以下、毎日新聞と産経新聞の記事を参考にしてみよう。


≪レーダー照射「あとは引き金引くだけ」 政府に強い衝撃、日韓悪化避けられず
 日本政府は、韓国軍の艦船が、海上自衛隊の哨戒機に対して火器管制レーダーを照射したことに強い衝撃を受けている。軍事行動とも捉えられる事態だからだ。日本政府は元徴用工を巡る訴訟問題に強く反発しながらも、関係維持に腐心してきたが、今後の日韓関係のさらなる冷却化は避けられない。
 岩屋毅防衛相は21日、記者団に「韓国側の意図ははっきりと分からない」としつつ、「極めて危険な行為だ」と批判した。レーダー照射は「あとは引き金を引くだけ」の危険な状況で、防衛省関係者は「韓国軍との間で聞いたことがない。驚いている」と憤った。
 日韓関係は、韓国最高裁が日本企業に元徴用工への賠償を命じた判決や、韓国政府が従軍慰安婦を支援する「和解・癒やし財団」の解散を発表したことで緊張関係が続く。菅義偉官房長官が先月の記者会見で「日韓関係は厳しい状況にある」と述べたが、日韓は新たな火種を抱え込んだ。
 これまで日本政府は北朝鮮の非核化をにらみ、日米韓の連携維持を優先してきた。岩屋氏はこの日も「(日韓関係に)影響がないようにしたい。こういう困難を乗り越えたい」と強調した。
 だが、外務省幹部は「友好国なのにありえない事態だ。韓国側から詳しい説明を待つが、関係が維持できるだろうか」と落胆を隠さない。外務省の金杉憲治アジア大洋州局長は23日に訪韓し、徴用工問題の解決策について協議する予定だったが、レーダー照射事件の抗議に時間が割かれる可能性もある。
≫【毎日新聞:木下訓明】


≪「米軍なら即座に撃沈」レーダー照射、日韓関係さらに冷え込み
 韓国海軍の駆逐艦が海上自衛隊のP1哨戒機に対して行った火器管制用レーダーは「攻撃予告」ともいえる危険な行為だ。韓国側は「海自の哨戒機を追跡する目的でレーダーを使った事実はない」などと釈明するが、照射された側が先に攻撃したとしても、国際法上は何ら問題が生じないほどの事案だ。折しも日韓関係は、いわゆる徴用工訴訟の問題などで最悪の状況にあるが、さらなる冷え込みは避けられそうにない。
「攻撃直前の行為だ」
 岩屋毅防衛相は21日夜のBSフジ番組で、レーダー照射に危機感を示した。
 火器管制用レーダーは「FCレーダー」とも呼ばれ、ミサイルや火砲を発射する際、目標の距離や針路、速力、高度などを正確に捕捉し自動追尾する「ロックオン」に用いる。発射ボタンを押せば攻撃可能な状態だ。防衛省幹部は「米軍なら敵対行為とみなし即座に撃沈させてもおかしくない」と語る。
 複数の韓国メディアは韓国国防省関係者の話として「レーダー使用は遭難した北朝鮮船舶捜索のためで、海自の哨戒機を狙ったわけではない」と報じた。しかし、海自幹部は「意図しなければ起こりえない事態だ」と怒りをにじませる。
 日韓関係を考えると、レーダー照射は最悪のタイミングで起きたといえる。
 徴用工訴訟では、韓国最高裁の確定判決で賠償命令を受けた新日鉄住金に対し、原告代理人が24日までに回答を得られなければ、年内に韓国の資産の差し押さえ手続きに入る考えを示す。防衛関係でも、自衛艦旗「旭日旗」の掲揚自粛問題や、韓国軍による竹島(島根県隠岐の島町)周辺での訓練など、韓国側の不適切な行為が続いている。
 外務省幹部は「韓国の意図は分からないが、日韓関係が悪化して喜ぶのは中国や北朝鮮だ」と嘆く。
≫(産経新聞:石鍋圭、原川貴郎)


日本政府と韓国政府は、慰安婦問題や徴用工問題。自衛艦旗「旭日旗」問題などで、フラストレーションが溜りに溜まっている状況で、今回の意図的ロックオン事件が起きたわけだから、かなり問題は複雑化するだろう。血の気の多い韓国軍兵士が、赤外線照射程度ならやってしまいそうな行動だけに、韓国軍がエスカレートする可能性もあるだろうし、安倍政権が、国民の理解が得られるチャンスかもしれないと、悪乗りする可能性も充分にありそうな事件だ。

一旦火ぶたを切れば、必ず日本では、ナショナリズムは旋風は巻き起こる。日米韓の軍事協力と云う枠組みにいるとばかり思っていたが、安倍右翼政権と、文大統領、トランプ大統領の出現で、この三国同盟は、かなりギクシャクし始めている。そんな中で、日韓関係が大きく歪みだし、修復の糸口も見えていない状況は、かなり危険だ。安倍政権が、この機会を奇貨とする可能性は否定できない。平和ボケ、政治的無関心層には良い刺激かもしれないが、劇薬の可能性もある。また、現時点では、米国の仲介を強く期待することは、間違いだ。彼らは、早々に逃げてゆくだろう。
 

戦後日韓関係史 (有斐閣アルマ)
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有斐閣

 

韓国と北朝鮮は何を狙っているのか 核ミサイル危機から南北連合国家へのシナリオ
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KADOKAWA / 中経出版

 

限界の現代史: イスラームが破壊する欺瞞の世界秩序 (集英社新書)
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集英社

●安倍政権の軌跡 腑に落ちないことだらけ=亡国は意図的か

2018å¹´12月20æ—¥ | æ—¥è¨˜
デジタル・ポピュリズム 操作される世論と民主主義 (集英社新書)
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集英社

 

いかにして民主主義は失われていくのか――新自由主義の見えざる攻撃
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みすず書房

 

政治の哲学 (ちくま新書)
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筑摩書房


●安倍政権の軌跡 腑に落ちないことだらけ=亡国は意図的か

昨日まで、○○平蔵が安倍政権の経済政策に強くコミットしている人物であることについて語った。そのことから、○○平蔵氏が胡散臭い人物であることが窺いしれたわけだが、第二次安倍政権の軌跡を眺めていくと、多くの政策が日本という国にとって不都合な政策を好んで行っている印象を深くする。それが、何故なのか、非常に興味深いものがある。“単なる阿呆な総理”を選んでしまったと云う、単純な問題ではないのではないか、そういうことだ。

日米同盟で二進も三進も行かない事情と云う問題もある。国際金融資本に支配された状況と云うものもある。抵抗を忘れた日本の指導者連中が、世界の勢力に付和雷同している点も見逃せない。官僚らも、自己保身に走り、付和雷同した権力者に対し、オベンチャラで日和見な態度に終始して、データ改ざんや公文書改ざんに手を染める愚行に出ている。たしかに、これだけで、国がハチャメチャになるのは当然だが、“単なる阿呆な総理”を選んだツケにしては、或る意味で、極めて計画的に、国家の屋台骨が破壊されているように見える。

このような現象には、何か他の意図が含まれているのかもしれないと云う疑問も出てくる。ここからの分析は、個人的感想のようなものだが、一考に値すると考えている。深く歴史にコミットするつもりはないが、270年も安泰に続いた徳川幕府が、薩長の下級武士(朝●系含む)や庶民(部●民含む)、大衆らによって、いとも容易く崩壊させられた事実は、歴史分析において、様々なメカニズムが語られているが、今ひとつ、徳川崩壊の歴史に納得がいかない。崩壊の経緯に違和感がある。

明治維新によって生まれた新政府は、どこか、日本人の中枢に対して敵対的人間によって運営されている。歴史的には、司馬史観にあるように、脱亜入欧の体を備えていたが、隠れ持った刃が潜んでいたようにも思える。そこに、朝●部族や部●民等々の復讐の怨念があったのではないかという、隠れた疑念だ。明治大正昭和と、彼らの復讐は、静かに成就の道を歩んでいたが、太平洋戦争の勃発と敗戦により、一旦こと切れた。しかし、戦後七十有余年経ったいま、安倍政権によって、復古したのではないかということだ。

薩長や朝●族や部●民の再結集がなされ、日本という国を崩壊させるスケジュールに突入したのではないかと云う忌まわしい話だ。無論、一定の範囲では、日本と云う国のレゾンデートルな条件において、その疑念は打ち消されるのだが、それにしても、そのような隠れた大目的が潜んでいると考えると、ストンと納得出来る。徳川(東)vs毛利・島津・朝●族・部●民(西)と云う戦いの構図は、現在に至るも、日本と云う国の国柄に、西と東の棲み分けは厳然とある。秀吉の朝鮮出兵辺りに、日本史の肝が存在していると云う話は嘘ではないのかもしれない。徳川への忠誠で戦い続けたのが東の藩であった事実が、その史実を物語っているように思える。最後まで抵抗した場所が蝦夷であったことも印象的だ。

安倍第二次政権が行った政策を、年次ごとに追いかけてみることをとして、如何に安倍政権が、戦後七十有余年で構築してきた、民主主義と正統資本主義。そして、徳川以来の安定した官僚制を踏みにじり、破壊しようとしている姿は、怨念的行動に映ってくることを確認したい。

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■経済再生(100点満点評価) *評価外は、評価に値する何ものも存在しない最悪を意味する。

・「三本の矢」によって10年間の平均で名目3%、実質2%程度の経済成長を達成し、雇用、所得の拡大を目指す
評価 5点

・物価安定目標2%の早期達成に向け、大胆な金融政策を引き続き推進する
評価 0点

・一億総活躍社会を実現するため、「成長と分配の好循環」(賃金上昇、所得上昇・消費増大の循環)を生み出す
評価 5点

・同一労働・同一賃金の実現により、正規・非正規の格差を是正する
評価 -70点

・生産性を向上させ経済を発展させるため、働き方改革を実現する
評価 -60点

・米国のTPPからの離脱を踏まえて、残り11カ国で11月のAPEC首脳会議までに日本がリーダーシップを発揮し、議論を前進させる
評価 0点

・国家戦略特区のさらなる制度拡充を図る
評価 ‐50点

・訪日外国人2020年4000万人、旅行消費額8兆円を目指す
評価 80点

・日中韓自由貿易協定(FTA)や東アジア地域包括的経済連携(RCEP)などのアジア太平洋における広域経済連携の取り組みや、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)などを通じた自由貿易を促進する ・国内総生産(GDP)600兆円の実現を目指す
評価 30点

■財政
・国と地方の基礎的財政収支について、2015年度までに10年度に比べ赤字の対GDP比を半減、20年度までに黒字化、その後の債務残高対GDP比の安定的な引き下げを目指す
評価 0点

■社会保障
・社会保障を「全世代型」に転換に。新しい制度のように思えるが、保障の削減と、負担増の印象は強く国民の意識に残る。ただし、少子高齢化においては、誰が行っても同様の足し算引き算が主流になるのだろう。
評価 30点

■外交安保
・国際協調主義に基づく積極的平和主義を積極的に実践する
評価外

・日米同盟を基軸に、戦略的利益を共有する韓国をはじめ、中国、ロシアなどの近隣諸国との関係改善の流れを一層加速する 現状を目標に置きかえただけ
評価外

・オーストラリア、インド、東南アジア諸国連合(ASEAN)、欧州など普遍的価値を共有する国々との連携を強化する 現状を目標に置きかえ
評価外

・安全保障法制の施行に伴い、あらゆる事態に切れ目のない対応が可能な体制を構築する
評価 60点

・自衛隊の人員・装備の増強など防衛力の質と量を拡充・強化し、統合機動防衛力の構築を目指す
評価 50点

・尖閣諸島周辺海域での外国公船への対応、遠方離島周辺海域での外国漁船の不法行為に対する監視・取り締まり体制の強化など、海上保安庁、水産庁の体制を強化するとともに、遠隔離島における活動拠点の整備などを推進する
*強化すればするほど中国を刺激するジレンマ
評価 30点

・北朝鮮の挑発行為に対して、制裁措置の厳格な実施とさらなる検討も含めて対応する。拉致問題は、米韓との連携強化や国連への主体的働きかけなど、あらゆる手段を尽くして被害者全員の即時帰国を実現する
評価 -80点

・沖縄などの基地負担を軽減するため、日米合意に基づく米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古への移設を推進するとともに、米海兵隊のグアム移転など在日米軍再編を着実に進める
*沖縄との関係悪化は増大の一途、憎しみに近くなったひずみの修復は容易ではない。
評価 -80点

■エネルギー
・環境 原子力への依存体制に変化なく、原発事故は忘れた模様で、まったく評価の対象になるものはない。 評価 -80点

■地方再生
・「まち・ひと・しごと創生総合戦略」*口から出まかせ、地方に意識が向かっているような政治意識はゼロに近い。
評価外

■教育
*右傾化の歯止めが出来ていないどころか、右回りエンジンをふかしている。
評価 -70点

■農林水産
*全体として、目標が企業化に向かっている。休業農地の集約と云う意味では、一定の範囲で致し方ない結果だが、自給率より効率化がイデオロギーとしてあるので、日本の農林水産を金儲けに変化させようとしているように見える。
評価外

―ーーーーーーーーーーーーーーーーー―以上―ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


以上個別的に政策評価を点検すると、マイナス評価や評価に値しない政策が目立つ。安倍政権は政策の目標と定めた一部のつまみ食いを行っているだけで、政策の実行よりも、政権を維持することのみに終始している政権といえるだろう。いや、政権維持のためだけに行政を行っているのなら、まだ救いがあるが、前回示したように、政権維持以外に、憲法改正、安保法改正、原発輸出促進、日米FTA交渉の推進、移民法制定、水道民営化法等々と、意味不明な政策、法案を強行採決し、日本の戦後の悪い政策を強化している印象が強く残っているのが現状だ。

安倍政権の実績を見ていくと、どうも日本と云う国を壊そう壊そうと意図しているように見えるのは筆者だけなのだろうか。あらゆる分野において、戦後の日本の諸問題のツケを支払っているようにも見えるし、外圧を理由に、独立国家の根幹を破壊しているようにも見えてくる。特に、官僚機構の解体と、マスメディアのへの統制と云う二分野の再構築は、民主主義を破壊する威力を持って、国柄を変えようとしている。筆者の個人的肌感覚で受けとめる時、どうも政権維持の目的と、日本と云う国のお国柄の解体が、結果的に一致していると云う結論が得られる。

以上、充分な検証とまではいかないが、前述した様々に、日本の歴史の中で虐げられてきたあらゆる勢力が束になって、日本と云う国に復讐劇をしているようにも思えてくる。被害者側の杞憂といえばそれまでの話だが、安倍政権の中枢にいる人々には、冒頭の歴史において徳川幕府への復讐心の臭いが漂っている。でなければ、もう少しまともな議論を国会で行うはずなのに、安倍政権の精神的支柱には、問答無用で、日本の国柄を変えようとしている、強い意志を感じてならない。筆者の杞憂であれば良いのだが、どこか奇妙な力が奥底に存在しているように思えるのだが、まぁ杞憂と云うことにしておこう。


政治を再建する、いくつかの方法 政治制度から考える
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日本経済新聞出版社

 

地方都市の持続可能性 (ちくま新書)
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筑摩書房

 

史上最悪の英語政策—ウソだらけの「4技能」看板
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ひつじ書房

●金融資本に惑わされるな 都市伝説の中暗躍する○○平蔵

2018å¹´12月19æ—¥ | æ—¥è¨˜
資本主義の歴史: 起源・拡大・現在
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民主主義の死に方:二極化する政治が招く独裁への道
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新潮社

 

よりよき世界へ――資本主義に代わりうる経済システムをめぐる旅
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岩波書店


●金融資本に惑わされるな 都市伝説の中暗躍する○○平蔵

○○平蔵とは何者なのだろう。Wikipediaデータベースによると、以下のようになっている。

≪ 生い立ち:和歌山県和歌山市小松原通りにある商店街の小さな履物小売商の次男として、1951年(昭和26年)に生まれる。実家は近所では比較的裕福な家庭で、おじは和歌山で小さなメガネ屋を経営していた。ミサワホーム社長の竹中宣雄は実兄。 和歌山市立吹上小学校、和歌山市立西和中学校、和歌山県立桐蔭高等学校に進む。1973年(昭和48年)に一橋大学経済学部を卒業。大学では国際経済学の山澤逸平ゼミに所属。また、大学のマンドリンクラブで指揮者を務めながら、プロの奏者から打楽器を習ったり、編曲を行い、音楽家を目指したが断念。仁坂吉伸和歌山県知事とは高校の同級生である。

 ã€ç­†è€…注:優秀な経済学者という経歴は特にない。どちらかと言えば1.5流大学を卒業した経済学士に過ぎない。博士論文は卒業校の一橋で取得できずに、縁故を頼った阪大で博士号を取得している。同時期の若き天才経済学者・植草一秀や高橋洋一等々よりも、経済知識では劣ると評価される人物である。にもかかわらず、日本の政治的な市場開放に深く関与する地位を獲得している。ここに、この人物に、何らかの他の要素が加わっていることを暗示されている。】

日本の経済学者(筆者注:経済フィクサー)、政治家、実業家。東洋大学教授、慶應義塾大学名誉教授。専門は経済政策。(筆者注:小泉政権で突如スターダム経済学者に。尚且つ、小泉内閣内で、経済金融、行政構造をハゲタカ勢力が経済活動できる環境整備に尽力。つまり、日本市場の開放を推進し、安倍内閣とも深く関与、あらゆる経済関連の諮問委員会などを裏で取り仕切る) 参議院議員(1期)、内閣府特命担当大臣(経済財政政策)、内閣府特命担当大臣(金融)、総務大臣(第6代)、郵政民営化担当大臣、東京財団理事長等を歴任。血液型はО型。 2016年4月から2017年3月まで東洋大学国際地域学部国際地域学科教授、2017年4月から東洋大学国際学部グローバル・イノベーション学科教授 兼 グローバル・イノベーション学研究センター長、関西大学会計専門職大学院客員教授。パソナグループ取締役会長、オリックス社外取締役、SBIホールディングス社外取締役、森ビルアカデミーヒルズ理事長、日本経済研究センター研究顧問、外為どっとコム総合研究所主席研究理事、特定非営利活動法人万年野党アドバイザリーボードメンバー、一般社団法人外国人雇用協議会顧問、一般財団法人教育支援ローバル基金(BEYOND Tomorrow)アドバイザー、新生ホームサービス株式会社特別顧問、内閣日本経済再生本部産業競争力会議(民間)議員、内閣府国家戦略特別区域諮問会議(有識者)議員、RIZAPグループ経営諮問委員会委員等を務める。(筆者注: 竹中研究会出身者に、佐々木紀彦NewsPicks編集長、山口絵理子マザーハウス社長、山崎大祐マザーハウス副社長などがいる。 
≫だそうである。

 ã€ç­†è€…注:この人物を特筆すべき点は、政府の経済政策に深く関与しながら、利益相反の、私企業にも深く関与して、グローバル金融資本やその企業が活躍しやすい土壌づくりに動いていることである。政府委員になる場合の肩書は、あくまで経済学者(東洋大学教授や慶応大学名誉教授)であり、人材派遣業のパソナの会長、オリックス社外取締役、ソフトバンク金融ファイナンスグループ社外取締役、森ビルアカデミーグループヒルズ理事長、外為どっとコム総合研究所主席研究理事、RIZAPグループ経営諮問委員会委員などに就任。人材派遣、金融グループ、デベロッパーと市場開放で利益を得られそうな業界と利益相反関係にある】

上述のように、市場の開放で利益を得る私企業と深く関与し、平成の政商とも呼ばれている。現在、安倍政権においては、内閣日本経済再生本部産業競争力会議(民間)議員、内閣府国家戦略特別区域諮問会議(有識者)議員の中で、主導的立場にある。このレベルの人間が、日本の政治シーンに深く関与し、利益相反な立場で、あまりにも長期にわたり主導的地位にいられるのは、何らかの事情がなければあり得ないのは、通常の知識を持って理解出来る。この特異な状況が続くためには、彼個人の能力以前に、彼を代理人に仕立てた勢力の後押しがあるのは明白だ。

安倍政権にせよ、自民党にせよ、一時の民主党にせよ、闘う前から、闘うことを放棄してしまう威嚇勢力とは何か、そこが問題の核心だろう。この世では、“幽霊の正体見たり枯れ尾花”な出来事は多いわけで、○○平蔵の影響力と云うものも、安倍首相への“忖度”同様に、特別な恫喝や威嚇することもなく、都市伝説に怖れをなして、尻尾を巻いている可能性もある。彼には、米国の有力経済人の知己も多く、ユダヤ金融グループの勢力圏にある。CIAであるかもしれない。小泉や飯島某とも親しく、日本の闇のグループとも繋がりがある。また、シンジケート団化した民勢力とも密接であり、橋下徹、松井一郎とも懇意である‥等の都市伝説。

どこまでが真実で、どこが都市伝説か明確でないから、余計に君が悪い。出来たら、反目する関係にはなりたくない。当然諮問会議等に出席の民間委員などは萎縮したままで、借りてきた猫に過ぎず、○○平蔵のご高説に肯くのがやっとの有様なのしれない。逆らって、植草一秀の二の舞は勘弁という自己抑制がありそうだ。もしかすると、安倍も麻生も菅らにも、この○○平蔵を敵に回すのは百万の政敵を抱えるようなもので、躊躇いがある可能性もある。仮に、彼が、国際金融グループの日本窓口責任者であっても、誰がCIAの日本エージェントであるとしても、枯れ尾花に、日本の権力者全体が恐怖を抱いているようでは、日本の未来はないのだろう。

永田町的な話題では、無所属の会派を形成していた、元民進党衆議院議員らが雪崩を打って駆け込みで、立憲民主党入りを決めたそうだが、だからといって、特に目出度いわけではない。今後、岡田や野田まで立憲入りをしてしまえば、国民民主の生き延びる道まで開けてしまい、元の木阿弥・民主党が永田町に、立憲の冠をのっけて登場することになりそうだ。こういう時期に、なぜ○○平蔵の話を持ちだしているかというと、この○○平蔵にまつわる都市伝説同様に、日本は、様々な“枯れ尾花”の幻影に恐れ戦くあまり、本来の冷静な考えが出来ない国になっている現実を提示した。

立憲も、日米同盟基軸は確実だと言っているようだが、もうこの時点で、敗戦の弁を語っている。対米従属から抜け出すには、チョッとだけ抜け出す等ということは不可能で、取りあえず、一旦は別居して、もう一度、米国様のことを考えてみます。そのくらいの決断を示さず、もう少しだけ自立した政治等という甘い考えは一切通用しないのが国際関係だ。

特に最近は、米国か中国かと、新旧の帰属が、世界のモメンタムだ。中国への帰属を奨励する積りはないが、米国帰属の継続というのも、一緒に沈没させられそうだ。何とか、無所属、漂流国家、中立国家のポジションを得る方策はないものだろうか。常日頃考えているのだが、妙案は浮かばない。少なくとも、自民党では対米従属を改める可能性はゼロに近いので、自民党ではない政党になる。いずれ雇用環境も悪化し、移民の受入れで、チョイの間仕事から日本人は締め出されるので、フリーターの職場はなくなる。

玉突きで、大学卒の就職状況も厳しさを増すのは明白で、若者の自民党支持は逆転する。年金や退職金も減額になることから、爺婆親世代からのトリクルダウンにも限界が見えてくる。こうなると、自民党の下野は確実なのだが、米国に物言える政党はどこになるか、いまだ曖昧だ。敢えて既存政党でいうならば、筋として、日本共産党しかないのが現状だ。しかし、そうなると、中国共産党が頭に浮かび、中立の地位を失いそうだ。さて、どうしたものか?

 

日本の税金 第3版 (岩波新書)
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「里」という思想 (新潮選書)
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ポスト資本主義――科学・人間・社会の未来 (岩波新書)
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●成功体験という幻想日本 都市伝説の如く暗躍する○○

2018å¹´12月17æ—¥ | æ—¥è¨˜
未来の再建 (ちくま新書)
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幸福とは何か (ちくまプリマー新書)
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良き社会のための経済学
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●成功体験という幻想日本 都市伝説の如く暗躍する○○

戦後、国民は飢えをしのぎ、敗戦のどん底から這い上がろうと、努力を惜しまずに生きてきたのだと思う。その間、自民党、各省庁や既存の社会的な勢力も、真の独立を得るための手段として、まず、強い経済体制を築こうと、それ相当の気概を持って、政治や経営に全身全霊を注いだに違いない。その結果、一時は世界第二位の経済大国になったと持て囃された歴史がある。勿論、その経済成長には、朝鮮戦争を奇貨とした、棚からぼた餅的要素も含まれていた。

同時に、日本がフロンティア地域として製造工場化されると云う、世界的分業世界のサイクルに嵌った面もあったわけだ。少し前の韓国であり、中国だ。そして、最近ではインド、ASEAN諸国などに移行しているサイクルのハシリだと言えるだろう。ただ、日本の場合、世界の工場化の中で、自立の道を確保し、一定の独立企業体を確保した点は評価に値する。しかし、これら企業の行動を全面的に政府が支援する“護送船団方式”に守られていた事実も忘れてはならない。

注:護送船団方式
《護送船団は最も速度の遅い船舶に合わせて航行するところから》特定の産業において最も体力のない企業が落伍しないよう、監督官庁がその産業全体を管理・指導しながら収益・競争力を確保すること。特に、第二次大戦後、金融秩序の安定を図るために行われた金融行政を指していう。(デジタル大辞泉)

実力以上の経済成長などは、ある程度起きる現象で、気が大きくなった国民の群れが惹き起こす怪奇現象に近い。ただ、困ったことに、上から下まで、世界第二位の経済大国になった怪奇現象を実力と思い違いしている状況が、営々と続いているのが、今の日本と思われる。困ったことだが、このような思い込みを是正するのは、かなり難しい。東大法学部を出た優秀であるはずの経産省の官僚らも、政治家も財界人も学者も、世界の経済リーダーの末席でも良いから確保したいと云う欲望に魅入られている。

この日本の成長は、世界の奇跡と呼ばれ、あらゆる称賛を得たわけだが、その多くは、アメリカ等の世界戦略の中で、そのメリットが日本に集中した面が大きい。つまり、桶屋が儲かるためには、世界のグローバル経済体制に準じた日本経済への追い風が必要だ、ということだ。当時は運よく、その風が、たまたま吹いたため、プラザ合意で不利な状況が生まれたにも拘らず、日本は確実に成長した。

無論、その追い風に乗るだけの準備が日本に備わっていたことも、世界を驚愕させる経済大国の成就に貢献した。盤石な行政機関があり、納税意識も高く、労働を厭わない豊富な労働力も確保していた。また、国民的資質が製造業に適していたため、現場の創意工夫や手先の器用さが、製造業の発展に寄与した。しかし、その労働力の確保の為に、地方の人的社会的インフラが崩れた。次男、三男などの集団就職現象だ。この国策的な農村から都市への、国策的な人口移動は、後々、地方の衰退を招くことになる。

その後、グローバル経済の波は、韓国、中国に移動、日本のフロンティア地域の役割は終了することになる。大きな枠組みで俯瞰すれば、日本が、韓国や中国と、同じ土俵で姸を競うことが愚かなことは、一目瞭然だ。しかし、その後の日本が、異なる土俵に移動したと思われる証拠は見当たらない。つまり、一貫して、戦後70年以上、護送船団方式で経産省(通産省)主導の製造業に拘り続けているのが実態だ。アニメやゲームソフトの分野では、ソフト産業が育ちはしたが、メインフレームは、あいも変わらず、重厚長大な大企業製造業を前面に打ち出している。

もし、その方向性で、日本が生き残れるのであれば、それはそれでも良いだろうが、過去とは条件があまりに違い過ぎる。つまり、その方向性では、戦略なき特攻突撃と変わらないのである。にもかかわらず、今の安倍政権、いや、それ以前の小泉政権以降、グローバル市場経済への特攻隊護送船団が、理念も合理性もなく、大声を上げて、自由貿易だと叫んでいる。あきらかに、思考が停止している。ただ、大男の痴ほう症に似ていて、その行為をとめることは、容易なことではない。

この大男は、痴ほうにも関わらず詭弁の天才で、周囲の人間を弁舌で負かしてしまう。この大男を飼い馴らしているのが、世界経済の中で勢力を拡張しているグローバル金融資本勢力だ。この勢力に頼めば、どのような人間をも威嚇、抹消まで自在なので、逆らうことは死期を早める。この都市伝説は、実しやかな力で、日本ばかりか、多くの国で信じられている。我が国で、この大男は小男に変身して、中高年になっても坊ちゃん的風貌で、日本の政治中枢に巣食い、日本の富を、飼い主のグローバル金融資本勢力が強奪しやすいように暗躍している。その名は、○○平蔵という。

つづく

「定常経済」は可能だ! (岩波ブックレット)
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鎌倉資本主義
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この制御不能な時代を生き抜く経済学 (講談社+α新書)
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●辺野古土砂投入 沖縄県民VS官邸・行政・裁判所2

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百姓一揆 (岩波新書)
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日本が壊れていく (ちくま新書)
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崩れる政治を立て直す 21世紀の日本行政改革論 (講談社現代新書)
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講談社


●辺野古土砂投入 沖縄県民VS官邸・行政・裁判所2
(前回分含む)

どこまで沖縄を本土の犠牲にすれば満足がいくのか、日本人に尋ねたいものである。代替案や日米交渉など、工事を留保する言い訳なら、幾らでもあるはずだ。しかし、菅官房長官の陣頭指揮は、強行突破以外の考えは微塵もない。逆らうヤツの息の根を止めるのが菅の天命であるかのようだ。太平洋戦争末期、本土決戦の時間稼ぎの為に犠牲になった沖縄に対して、無惨で残虐な行為に出ている日本政府。そして、人ごとのように傍観する日本人に、良心はあるのだろうか。

助けあう日本人の中から、沖縄は外されているのか、今回の暴挙をきっかけに、考える必要がある。そこで考える中には、沖縄(琉球)独立運動と云う構図まで検討する必要があるだろう。沖縄が抵抗する手段は、当面は世論闘争。法廷闘争、知事権限行使だが、法廷闘争と知事権限行使に多くを期待することは時間の無駄と留意すべきだ。世論闘争も日本国内の世論をあてにするのは、これも時間の無駄に思える。まぁ、政府との交渉や法廷闘争よりはマシだが、多くの期待は寄せられない。

土砂投入で、安倍官邸お得意の“不可逆的”と云う既成事実を演出しているが、ダンプ数台の土砂程度で、デカイ海は埋め立ての既成事実など笑わせる。その辺の沼ではないのだ。サンゴの海に造られたコンクリートの囲いなど、ダイナマイト10本もあれば、一夜にして吹き飛んでしまう。おそらく投入した土砂は、砂塵に帰することになるだろう。誰かに、それを実行せよ等と言わずとも、安倍政権が崩壊した時、政府みずから実行する羽目になるような気がしてならない。

破壊工作でもされると慮ってだろう、日当9万円の怪しげな民間警備員を雇っているそうだが、案外、米海兵隊崩れの民間警備会社とも、日本の警備会社経由で雇っていると疑いたくなるような警備ぶりだ。案外、破壊工作模様の動きをしたら、軽機関銃のパタパタ音を立てるか、ライフルで狙撃されるのかもしれない。案外、首相官邸よりも重装備の警戒態勢にあるのかもしれない。行って試してみたいところだが、流石に命が惜しいのでやめておく。

しかし、それにしても、ここまで沖縄の民意を無視する辺野古新基地建設とは、何者なのだろう。いや、日米地位協定、日米同盟とは何者なのだろうか。敗戦国の、ドイツ、イタリアとの米軍との地位協定を比較しても、日米地位協定が、宗主国と奴隷関係を位置づけているのは日本だけだ。おそらく、大きな声では言えないが、黄色人種アジア人に対する彼らの感覚的差別なのだろう。そして、50年間、日本の政権も外務省、防衛省も、アンタッチャブル案件として、近づこうとしなかった結果だ。CIAに殺されると云う都市伝説を、政治家や役人は実しやかに語り、隠蔽に隠蔽し、幽閉状態にしているのが沖縄だ。

*つづき(迷走しながら考える)

あきらかに、安倍官邸は沖縄に喧嘩を売っている。行政も司法もかためて、怖いものなしのつもりだろうが、そう簡単に、沖縄県民が、この安倍官邸の暴挙を許すとは思えない。合理的に、普天間飛行場の返還は返還であり、バーター的に代替の飛行場を建設する意味があるのかどうか、明確な説明が政府からなされていない。説明しようとすれば、日米地位協定に触れることになり、延いては日米安保に触れることになる。

日ロ交渉においても、ダレスの恫喝が継続している状況なのがよく判る。日米同盟が足枷で、日露関係もすんなりと進まない。米国は、日本の意志に関係なく、米軍基地が作れる等と云う、超奴隷国家のような地位に甘んじている意味を、政府は国民に説明すべきだ。つまり、日米同盟、日米地位協定の、あまりにも不公平、不平等な取り決めにを白日の下に知らせるべきだ。矢部宏治氏の知ってはいけないシリーズの本を日本の全世帯に配布したいところだ。真実を届けると云うことで言えば、安倍官邸を飛び越えて、“トランプ大統領に埋め立て停止の請願”することは、合理的行動だ。

この辺野古新基地建設の動き全体を見て思うことだが、安倍官邸のやっていることは、国家ファシズムの典型なのだ。民主的な選挙で、二度に亘り“辺野古新基地建設NO”が突きつけられているのに、政府は脱法的行為で、沖縄県のあらゆる法的手段を蔑ろにして、国家権力がやると決めたら、地元が揃って反対であっても、機動隊を全国から掻き集めて、住民を監視し、暴力的にでもデモを妨害する。鉄条網は刃物付きの、極めて敵対的ものを使い、住民に牙を剥く。このような状況は、今後、放射性廃棄物の処分場問題でも、同様の国家ファシズムの強権発動になる可能性は高いわけで、日本国民の人権や私権が権力によって踏みつぶされることを暗示している。

辺野古新基地の建設は2030年になっても終わるかどうか判らず、費用も当初の見積もりとはかけ離れたものとなり、2兆円以上、場合によりと3兆円を超えると言われている。その上、日米の経済摩擦緩和の為に、使う可能性がかなり低い、F35戦闘機、オスプレイ、イージス・アショア等々2兆3兆の大盤振る舞いになっている。ざっと知っているだけでも、5~6兆円が消えてゆく。

その費用は、おそらく、金に色はついていないとばかり、消費増税があてられるわけだ。消費増税で、国民から金をむしり取り、貧乏人や老人の福祉財源を削減して、年金は減らす、負担は増やすと、もうやりたい放題なのだが、そろそろ、日本国民も怒りだしたら良さそうなものだ。来年の統一地方選と参議院選で抵抗を示す可能性があるが、それだけでは、どこか心許ない。何とか、トランプ大統領と会い、オバマが進めた辺野古新基地建設、是非、英断を持って見直してと、直訴するチャンスを狙いたい。

おそらく、安倍官邸は“緊急事態条項”の予行演習として、辺野古新基地建設をモデルケースと考えているフシがある。その意味では、米国との約束だとか、普天間基地の危険除去だとかの理屈は、どうでもいいわけで、住民の反対運動を物理的に抑え込む訓練をしている可能性も大きい。今後、安倍政権のような強権政治が続く場合、当然、民主的ルールにいちいち耳を傾けていては埒があかない、粛々と計画に合わせて、物理的に実行すると云う腹なのだ。機動隊、民間警備会社との連携、延いては米国警備会社との連携によって、住民の反対運動を、如何に封じ込められるか演習中と云う側面も見落とせない。

来年2月に行われる「県民投票」に対して、沖縄県民に徒労感を与えることが、目的の一部だという意見もあるが、おそらく、効果は逆向きに表れる可能性の方が高い。「辺野古移設が唯一の解決策」という、合理的根拠は、必ずしも明確に示すことは出来ないわけで、実は、どこでも良いのですが、国家が決めたことに逆らう自治体をのさばらせてしまうと、今後、多くの強権で、土地の接収や、強制移住など、都市集中型国家形成にける、実際のツールを確認しているのが、今の安倍官邸だ。

また、穏健に出来る、日米地位協定の不平等協定を、同じ敗戦国だが、原爆を投下されることがなかった、欧米圏国家・ドイツ、イタリアとアジア人・日本の扱いの違いを、あらゆる手段を講じて、まったく政治に興味すら示さない人々に伝達する地道な行動も効果はあるだろう。この差別的扱いをされている黄色人種・日本人と云う地位を、日本人が自覚出来るかどうか、マインド設定に訴えかける方法もあるのだろう。日本人が、「空気」に左右される人種であることを考えた場合には、米軍基地関連でシビアアクシデントを奇貨とする手もあるのだが、物騒なので文章にはしないでおこう。小説の世界では、ここまで追いこまれた主人公を救うアクシデントが発生し、一気に日米同盟のすべてを見直す国民的英雄が登場するのだが……。

いずれにせよ、国内メディアが、面白おかしくでも大騒ぎできる状況設定があれば、連日連夜、テレビはその事実報道と、その事故をきっかけに、「反米軍基地」という論調が茶の間のヒーロになる。この、反米軍基地に立ち向かうヒーロ伝説が日本国内の一大ムーブメントになればと期待するが、甘いかもしれない。喉元過ぎれば熱さを忘れる民族は、あの原発事故を経験していながら、マネー欲しさに、足元で原発を次々再稼働しているのだから。


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●辺野古土砂投入 沖縄県民VS官邸・行政・裁判所

2018å¹´12月15æ—¥ | æ—¥è¨˜


●辺野古土砂投入 沖縄県民VS官邸・行政・裁判所

どこまで沖縄を本土の犠牲にすれば満足がいくのか、日本人に尋ねたいものである。代替案や日米交渉など、工事を留保する言い訳なら、幾らでもあるはずだ。しかし、菅官房長官の陣頭指揮は、強行突破以外の考えは微塵もない。逆らうヤツの息の根を止めるのが菅の天命であるかのようだ。太平洋戦争末期、本土決戦の時間稼ぎの為に犠牲になった沖縄に対して、無惨で残虐な行為に出ている日本政府。そして、人ごとのように傍観する日本人に、良心はあるのだろうか。

助けあう日本人の中から、沖縄は外されているのか、今回の暴挙をきっかけに、考える必要がある。そこで考える中には、沖縄(琉球)独立運動と云う構図まで検討する必要があるだろう。沖縄が抵抗する手段は、当面は世論闘争。法廷闘争、知事権限行使だが、法廷闘争と知事権限行使に多くを期待することは時間の無駄と留意すべきだ。世論闘争も日本国内の世論をあてにするのは、これも時間の無駄に思える。まぁ、政府との交渉や法廷闘争よりはマシだが、多くの期待は寄せられない。

土砂投入で、安倍官邸お得意の“不可逆的”と云う既成事実を演出しているが、ダンプ数台の土砂程度で、デカイ海は埋め立ての既成事実など笑わせる。その辺の沼ではないのだ。サンゴの海に造られたコンクリートの囲いなど、ダイナマイト10本もあれば、一夜にして吹き飛んでしまう。おそらく投入した土砂は、砂塵に帰することになるだろう。誰かに、それを実行せよ等と言わずとも、安倍政権が崩壊した時、政府みずから実行する羽目になるような気がしてならない。

破壊工作でもされると慮ってだろう、日当9万円の怪しげな民間警備員を雇っているそうだが、案外、米海兵隊崩れの民間警備会社とも、日本の警備会社経由で雇っていると疑いたくなるような警備ぶりだ。案外、破壊工作模様の動きをしたら、軽機関銃のパタパタ音を立てるか、ライフルで狙撃されるのかもしれない。案外、首相官邸よりも重装備の警戒態勢にあるのかもしれない。行って試してみたいところだが、流石に命が惜しいのでやめておく。

しかし、それにしても、ここまで沖縄の民意を無視する辺野古新基地建設とは、何者なのだろう。いや、日米地位協定、日米同盟とは何者なのだろうか。敗戦国の、ドイツ、イタリアとの米軍との地位協定を比較しても、日米地位協定が、宗主国と奴隷関係を位置づけているのは日本だけだ。おそらく、大きな声では言えないが、黄色人種アジア人に対する彼らの感覚的差別なのだろう。そして、50年間、日本の政権も外務省、防衛省も、アンタッチャブル案件として、近づこうとしなかった結果だ。CIAに殺されると云う都市伝説を、政治家や役人は実しやかに語り、隠蔽に隠蔽し、幽閉状態にしているのが沖縄だ。

つづく


●家に拘泥する自民・国家主義思想 移民政策と婚外子問題

2018å¹´12月14æ—¥ | æ—¥è¨˜


●家に拘泥する自民・国家主義思想 移民政策と婚外子問題

あまり深く関与する気はないが、国家神道という宗教は、異様に家にこだわる。万世一系との関係上、家父長制度が欠くべからざるツールになっていることを窺わせる。ここ最近、朝日新聞が、“未婚の母問題”に関する記事を連載している。毎日新聞も、この問題に関する記事が目立つ。おそらく、現在進行形の税制改正の話題から、この未婚の母問題、いわゆる婚外子問題がクローズアップされているのだと思う。現時点で、上述の、家父長制度云々という論点までは書いてあるものもない。

ゆえに、意図的に、今夜はこの問題に触れておこうと思う。日本と云う国が、50年も前から判りきっていた少子化問題に、本気で取り組もうとしなかった、政治や行政の意図は、この家父長制を守りたい勢力を刺激すると云う一点で忌避していたと云うことなのだろう。家父長制を力説する国家神道勢力にとって、婚外子を容認することは、レゾンデートルに関わることであり、アイデンティティさえ危うくすると云う恐怖観念があったに違いない。本気で人口問題に手をつけると、日本会議等々の右翼団体の逆鱗に触れる可能性があったから、国難の需要なひとつから、目を背けていたと云うことだ。

しかし、皮肉な話である。家父長制に拘泥した結果、日本民族培養制度が崩れるであろう「移民」に政府が舵を切ると云う皮肉な現象を誘発させてしまった。婚外子容認、移民容認の二択を、日本会議等の右翼勢力は迫られたことを意味する。無論、安倍晋三が、外国人労働者受入と移民とは異なるものであると、必死で説明している以上、外国人労働者受け入れは、まさに、移民制度の導入と云うことになる。彼の長年の言い回しは、最近簡単に意訳できる。日米FTAをTAGなどと云う造語で誤魔化すのと同じ論法だ。

自民党は、「未婚出産の助長につながる」などと、とぼけたことを言っているが、日本会議等、国家神道、靖国神社勢力が怖いからに相違ない。象徴的に言えば、桜井よしこ先生が怖いのである。正直、未婚の母(日本人)であっても、国民の権利は存在するし、その子供にも、国民の権利は保証されるべきである。多くの場合は、日本人男性との間に産まれた子供なのだから、当然、日本人の権利がついてくるはずだ。いや、相手の男性が外国人であっても、産んだのが日本人女性であるならば、自動的に、国民の権利を享受するのは当然のことだ。その過程において、道徳的に好ましい関係でなかったとしても、日本人の女性の子供であり、日本で生まれた子供を、婚外子扱いして、国民の権利の一部を抑制するのは、憲法違反でさえあるかもしれない。

ネトウヨ連中にかかると、このようなシングルマザーが、一様に、生活保護を受け、ヌクヌクと暮らすのは許せないと騒ぎだすのは、毎度のパターンである。大前研一氏ではないが、日本会議等をのさばらせるのは、日本や韓国、中国にしかない“戸籍制度”に問題があると言えるだろう。この戸籍制度のお蔭で、多くの命が中絶の憂き目にあったことは考えるべきだ。これでは、みすみす出生率を下げようとしたことになる。根本的に、生まれた国が、その人の国であり、多くの場合、生まれた国の言葉が母国語になるわけだから、差別する根拠が薄弱だ。自民党議員の「未婚の出産を助長しかねない」と云う、道徳の押しつけ発言は、日本会議等へのリップサービスであり、おそらくおもねりの発言だ。

このような議論を見聞きして確信したことは、日本では、このまま進むと、労働力の不足は確実だが、婚外子の権利を容認してしまうと、国家神道系の団体の攻撃に晒されると考えた末の無作為と云うことだ。それで、今さら、労働力が不足していると言われても、責任は、揉めごとを怖れた、政治行政に責任があるわけで、彼らに、人の4,5倍労働して貰いたいものである。外遊やゴルフどころではないのだ、安倍よ、麻生よ、河野よ働け。夜の工事現場や介護の現場で汗を流せ。

結局、少子化問題は無策に帰して、移民受け入れ政策に舵を切ることになってしまった。筆者の個人的考えだが、移民による労働力の確保も、現時点では選択の一つだ。ただ、安倍政権が考えるような、労働力のバッファー的な移民受入れには反対だ。国際的非難を受けるのが目に見えている。人として、自国の国民になって貰う受け入れ態勢で、堂々と移民を受け入れるべきだ。無論、婚外子を奨励するのは、倫理的に過激すぎるだろうが、寡婦として、当たり前の待遇を、黙認的に与えるのは当然の国の責務だ。正直、個人的には、婚外子を助長して、どこが悪いのだ?と云う疑問さえある。

欧米の普遍的価値等々と言うのであれば、婚外子も問題ありませんよと云う国家的意思が必要なのではないか。最近は、子供は欲しいが夫はいらないと云う女性も増えている。多くは高学歴で高収入の女性だ。最近では、芸能スポーツ界などにおいては、混血のパワーが評価されている。誤解を恐れず発言すれば、ある特定の、子供が欲しいと思える男性陣は、早々に家庭人であることが多い。そこに生ずる子供も、日本人なのだ。この場合、不倫婚外子と云うパターンも生まれる。国家神道のような、論理的に説明のつかない日本民族の純血主義に拘泥していたら、いずれは、日本人はいなくなる。万世一系も尽きるのである。そもそも、日本民族の純血主義自体、怪しい論拠にあるのだから。


≪未婚親の支援策、自公が対立 自民「未婚の出産を助長」
来年度の税制改正で、未婚のひとり親への支援をめぐる自民、公明両党の議論が紛糾している。婚姻歴があるひとり親と同じ程度の減税措置を講じるべきだという公明に対し、自民は「未婚の出産を助長する」などと反発。合意に至らず、13日の与党税制改正大綱の決定を延期する異例の事態になった。
 「ひとり親の支援は厳しい折衝が続いている。意見の隔たりは大変に大きく、調整のめどは立っていない」。公明の西田実仁税制調査会長は12日、党内の会合でこう述べた。自民の宮沢洋一税制調査会長もこの日、「鋭意、調整を進める」として、13日に予定していた大綱決定は「できないと思う」と明言した。
 対立の発端は、配偶者と死別や離婚をしたひとり親の所得税や住民税の負担を軽くする「寡婦(寡夫)控除」。婚姻歴のないひとり親は法律上、「寡婦」とみなされず、この控除を受けられない。これとは別に、住民税が非課税になる条件も未婚のひとり親は寡婦よりも厳しく、婚姻歴の有無で税負担に差がある。
 公明がこれまで見直しを強く求め、昨年まとめた大綱では、子どもの貧困に対応する観点から、今回の税制改正で「税制上の対応」について結論を得ると明記された。
 宮沢、西田両税調会長は水面下で協議を進め、宮沢氏が妥協案を示した。自民党の反発が強い寡婦控除の見直しは避け、住民税の非課税措置の対象に児童扶養手当の支給を受けている未婚のひとり親を加えるという内容だった。だが、公明側は「住民税の支援がよくて所得税の支援ができないのはおかしい」などと反発。あくまで寡婦控除の見直しによる対応を求め、交渉は暗礁に乗り上げた。
 未婚のひとり親への支援策に必要な財源は十数億円程度。それがここまでもめるのは、憲法などと同じように両党の価値観の違いが鮮明になる問題だからだ。
 低所得層の支持者が多く、「福祉の党」を掲げる公明にとって、十分な支援策は譲れない一線。西田氏は「親にいかなる事情があるにせよ、子どもに全くとがはない」と強調する。別の税調幹部は「これでやらないなら税制大綱の信頼性が失われる」と話す。
 一方、伝統的な家族観を重視する自民税調幹部からは「税制で対応すれば、未婚のまま子どもを生むことを助長することにつながる」との異論が噴出。寡婦控除は戦争未亡人を対象に創設されたという経緯もあり、未婚のひとり親に同等の優遇をすることには根強い反発がある。「税ではなく、予算で対応すればいい」(税調幹部)という意見も多く、着地点は見えていない。(今野忍、伊藤舞虹、豊岡亮)
 ≫(朝日新聞デジタル)


 â‰ªæœªå©šã®ä¸å¹³ç­‰ã€ç”£ã‚“だ私の責任か 問われる「覚悟」なぜ  
「いわゆるおめかけさん」。1985年、厚生省が国会の委員会でそう述べた。「私たちこんな風に見られているんだ」。30歳のシングルマザーは、ぼうぜんとした。反対する団体の一員だった赤石千衣子(ちえこ)さん(63)。国は、母子家庭に支給する児童扶養手当の総額を減らすため、「未婚の母」を対象から外そうとしていた。
 教育熱心な家庭だったが、父は暴力的で母と不仲だった。末っ子の赤石さんが笑顔で和ませる役回りだった。東京大学で社会学を学んだが、生き方に悩んで就職しなかった。アルバイトをしながら演劇研究所に通っていた時、恋人との子を身ごもった。
 相手は一緒になる気がなく頼れない。一人で育てられるか不安だった。26歳で息子を産み、この世に足をつけることができた気がした。
 恋人との別れ、命の誕生。悲しさとうれしさが入り交じった。子を持つ親が共同で運営する保育所を友人が紹介してくれた。息子を通わせながら保育者として働いた。
 未婚の母への児童扶養手当がなくなるかもしれないと、保育所で耳にした。「あなたのことよ」。勧められ、同じ母子家庭の女性が集まる「児童扶養手当の切り捨てを許さない連絡会」に参加した。
「覚悟してお産みになった」
 大蔵省との交渉で、未婚の母に不利な税制について尋ねたら、「覚悟してお産みになったから」と言われた。憲法は法の下の平等を定めている。「差別がある社会だと分かって産んだ自己責任、というのはおかしい」
 児童扶養手当については、結果的に未婚の母が対象から外されることはなかった。だが、所得に応じた支給の制限が厳しくなった。その後、バブル崩壊後の離婚の増加と財政難を背景に、児童扶養手当は度々減らされそうになった。
 2002年、受給が5年を超えると08年から額が半減することが決まった。ひとり親の女性の大半は働いているが5年経てば収入が増えるとのデータはない。「連絡会」から改名したNPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」として問題を街頭で訴え、政治家や省庁へ声を届けた。07年、削減は「凍結」された。
 一方、死別の母子世帯への遺族年金は拡充され、夫がサラリーマンの専業主婦は国民年金保険料を払う必要がなくなった。男性は外で働き、女性はもっぱら育児・家事を担う。そんな「片働き世帯」に手厚い制度がしかれてきた。  
「家計と子育てを1人で担う女性は蚊帳の外。自分が生きにくいのは、男性が稼ぎ主で女性が補助的に働くという仕組みが根強いからだと論理的に分かった」
 赤石さん自身は88年、女性がつくる女性のための新聞社で正社員の職を得た。だが、同じひとり親で、少ない収入を補おうと子どもとの時間を削って仕事をかけもちし、うつ病になった人もいる。NPOの交流イベントや相談を通じて励まし合い、ひとり親と子どもたちの力がわくような政策を提言してきた。 離婚した人と同等に…
 長年、見直しを求めてきた問題に、近々一つの結論が出そうだ。配偶者と死別・離婚した人の税負担を軽くする「寡婦(夫)控除」。ひとり親でも結婚歴がなければ対象外。所得税や住民税が重く、子どもが育つ環境も左右される。これを改めるか、与党税制調査会が議論してきた。
 今秋、赤石さんらのNPOは未婚のひとり親にアンケートを実施した。相手と別れた経緯は、妊娠を知ると去った、婚約を破棄された、など。税金が高く、子どもに我慢させている実情が浮かび上がった。結果を公表し、理事長の赤石さんが「離婚した人と同等に寡婦控除を」と訴えた。ネット上で「相当の覚悟でひとり親になったのでは」と厳しい反響が相次いだ。
 「男性の問題でもあるのに、なぜ、相変わらず女性の覚悟が問われるのか」
 結婚や出産をするか、しないか。生き方の違いで不平等にならない税制や社会保障を国に求めてきた。そうした訴えは、10年ほど前から子どもの貧困問題が注目され、世論に少し届くようになったと感じる。寡婦控除もそうだ。
 「子どものため、という理由だと政策が動く。シングルマザーの生き方が認められるのはまだ難しい」  活動を続けたのは「行きがかりだった」と赤石さんはいう。それでも、ひとり親の実情に沿った支援が評価され、企業や自治体と協力する機会が増えた。寄付が集まり、母子家庭の子どもに贈る入学祝いは今年度、1500万円規模になりそうだ。「やっていることを伝え、意義を感じてもらえれば共感が広がる。社会とのコミュニケーションが大事です」(中塚久美子)    
  ◇
【ひとり親家庭をめぐる出来事】
1961年 ひとり親世帯の子どもの福祉を図る児童扶養手当法制定
84年 手当の支給対象から未婚の母を除外する改正案
85年 法改正。未婚の母が支給対象に残る一方、所得によって減額する制度が導入される  国民年金法改正。母子家庭への遺族年金が拡充され、夫がサラリーマンの専業主婦は保険料を払わず国民年金を受け取れる制度に
87年 札幌市で困窮した母子家庭の母が餓死する事件  税制改正で配偶者特別控除創設
94年 「児童扶養手当の切り捨てを許さない連絡会」が「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」に改称
2002年 離婚の増加にともない、児童扶養手当の給付額を抑えるため、国は就労相談など自立支援を強化。手当の所得制限と支給額を見直す。
08年以降、受給開始後5年を過ぎたら額を半減すると決定(07年に凍結)
10年 父子家庭も手当の対象に 12年 赤石さんが取材に協力したNHKドラマ「シングルマザーズ」放送。児童扶養手当削減に立ち向かっていく物語
13年 子どもの貧困対策法制定
14年 父子家庭も遺族年金の対象に
16年 児童扶養手当の第2子以降の加算が増額される
18年 未婚のひとり親も寡婦(夫)控除の対象に加える見直し案を厚生労働省が税制改正要望に盛り込む
19年 年3回まとめて支給されている児童扶養手当の支払いが年6回に
 ≫(朝日新聞デジタル)


≪未婚の出産「助長」…僕は、生まれてはいけなかったのか
死別や離婚のひとり親と、結婚歴のないひとり親を同様に支援すれば「未婚の出産を助長する」。税制をめぐる議論の中で、自民党はそう主張した。未婚の母子家庭で育った男性は「僕は、生まれてくることを阻止されなければならない存在だったのか」と苦しむ。
 大阪府箕面市の渡剛さん(29)は13日朝、未婚のひとり親に、死別や離婚の人と同じ寡婦控除を適用することに自民党が反発しているというニュースを、ネットで読んだ。目に飛び込んだのは「助長」という言葉。これまで、ひとり親家庭の出身だということを恥じたことはない。だからこそ、29年間生きてきて初めて経験する苦しさを味わった、という。
 「自分たちのような、未婚のひとり親の家族に命と暮らしがあることを、見てくれていないんだと思った」。実情を知った上で、どう支援するかや、寡婦控除を適用した場合に必要な予算で他によりよい支援があるかなどが議論されるなら、理解できるという。それが、悪いことだととがめるような「助長」という言葉で切り捨てられ、納得がいかない。
 渡さんは熊本市出身。祖母、兄2人との暮らしを、母が働いて支えた。兄の借金や祖母の介護で生活が苦しくなり、高校3年生の時には「死にたい」と母に手紙を書くほどだった。
 「もし経済的にゆとりがあれば、母親ともう少し一緒に過ごせ、話ができたかもしれない。死を考えるほど追い詰められなかったかも」。その秋、会ったことのない父が亡くなり、遺産が入ったため大学に進めた。
 現在、ひとり親世帯で育った経験を生かし、困窮している家庭の子どもへの学習を支援するNPO法人あっとすくーる(箕面市)の理事長を務める。大阪府と兵庫県内の計4カ所で、自治体とも連携して小学生から高校生まで約250人を支援する。
 「自分では苦労があっても頑張ってきたと思っていた。でも、親が未婚だからと、生まれてきて待っているのが社会からの否定だなんて、せつない」(中塚久美子)
 ≫(朝日新聞デジタル)


●世界的反グローバルの波 そんな中、新自由主義に走る日本

2018å¹´12月13æ—¥ | æ—¥è¨˜
戦後と災後の間 ─溶融するメディアと社会 (集英社新書)
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もう、きみには頼まない (安倍晋三への退場勧告)
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市場の倫理 統治の倫理 (ちくま学芸文庫)
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●世界的反グローバルの波 そんな中、新自由主義に走る日本

ブレグジット、トランプ政権、EU反緊縮の波、マクロンの迷走、メリケルの衰退‥等、世界では、いき過ぎたグローバル経済体制の弊害に気づいた庶民層からの抵抗と悲鳴が、国政選挙の結果として反映されることが明確になっている。それはそうだ、マネーがマネーを引き寄せるグローバル経済体制によって、世界の富の30%近くが、0.01%の人間に集中するのでは、庶民は堪ったものではない。各国政府が、その弊害の是正に、多くの政策を盛りこんでも、本質的ムーブメントを変えることは困難で、格差は拡大の一途をたどっている。

一大イデオロギーとなったグローバル経済体制は一時、世界を制覇したかに思えたが、トマ・ピケティの『21世紀の資本』以降、潮流が変わった。2011年オキュパイ・ウォールストリート活動にも大きな影響を与え、リベラルの主張と呼応し、バーニー・サンダース現象なども惹き起こした。この、あまりにも横暴で、金融資本の動きを後押しし、節操なく貧富の格差を生みだす、新自由主義的なグローバル経済体制は、春の宴の終焉が近づいていることを示唆していた。

階層的に、99%の市民と認定された人々は、半市民であり、準奴隷と云う扱いで、それらの国家に帰属する奇妙な世界秩序が出来つつある進行形の中で起きている。新自由主義の学者・竹中平蔵などは、99%にもチャンスは与えている。能力さえあれば、1%に属することが可能なので、社会的階層などは幻想で、努力ひとつで、市民になれるし、奴隷からも解放されると。しかし、万に一人が救われるシステムは、社会的システムとは言えないのである。それは偶発的現象に過ぎない。

ナショナリズムと云うものは、国家や民族があるかぎり、常にその国や民族間に存在するものである。問題は、それが内的なものか外的なものか、或いは、他の存在への攻撃性か、寛容性かがある。本日は、このナショナリズムの概念に関する議論は省略するが、グローバル経済体制に対して対峙する概念が、国家主義的考えで、トランプ大統領は保護主義、一国主義を主張しているわけである。無論、軍事的覇権は固持するという姿勢なので、中途半端なナショナリズムだ。いずれにせよ、世界は二分される状況で、広い意味のナショナリズムと新自由主義がギシギシ音を立てて鬩ぎあっている。

ところで、上述のような世界の流れの中、コウモリのように世界の潮流の中で彷徨い漂っている国家がある。恥ずかしながら、安倍政権の日本だ。TPP,日欧EPA、日米FTA、移民拡大‥等、グローバル経済体制に前のめりだ。あらかじめ決めてしまった計画は、“今さらやめられない”という、しがらみ政策国家だ。或る意味で、一時のソ連社会主義共和国連邦の計画経済のようである。つまり、テクノクラート(官僚)の強い国ほど陥りやすい過ちの方程式だ。

無論、上述の範囲であれば、グローバル経済体制堅持の国家なのだなと認定して良いのだが、どうも、この安倍政権の生まれ育ちには、ボーダレスな国家の垣根を外して、新自由主義的な経済で生きていく、そういう一貫性が乏しい側面が多すぎる。安全保障では、国家第一と保護主義なアメリカに諸手を上げて賛同している。アメリカの要求に応じて、身分不相応な装備品を購入する決定もしている。グローバル経済にもかかわらず、イランとの重要な取引は停止し、韓国との関係はナショナリズム関連問題として、慰安婦、徴用工問題は泥沼化している。

ごく最近までは、中国関係も、韓国同様に、ナショナリズム関連で、首脳同士の行き来もかなわず、冷え込んでいた。しかし、アメリカの保護主義が明確になった反動として、日中両国は、ナショナリズムを横において、グローバル経済体制の維持に奔走している。しかし、防衛省は、火事場泥棒のように、仮想敵中国を前提に、実は役にも立たない装備品を、アメリカから購入している。国際的におけるご都合主義と、官僚の描いた図面は、データを改竄してでも正当性を持たせて実行してしまう“今さやめられない”を連発。グローバリズムとナショナリズムの二頭を追い、のっぴきならない国になっているようだ。消費増税では、選挙目当ての“騙し絵”軽減策が、蜘蛛の子を散らすように乱発されている。醜悪の極みだ。


 â‰ªã€€FINANCIAL TIMES
有力な政治家はたいていそうだが、フランスのマクロン大統領も評価が真っ二つに分かれる人物だ。
 同氏を嫌う人々は、最近の一連のパリの抗議デモを見て、極めて問題の多い大統領であることが明らかになったと言う。一般国民のことが分かっておらず、傲慢で、今や時代遅れとなった新自由主義的な政策を押し進めている、と。対照的にマクロン支持派は、自分たちの英雄はこの難局を乗り切れるし、今でも国を変えるだけの力がある大統領だと主張する。だが、どちらの評価も説得力に欠ける。

 â– EU改革も国際秩序回復への期待も消える
 マクロン氏は、確かに立派な人物だ。フランス経済に構造改革が必要だと判断したことは正しいし、国際主義の必要性を果敢に主張してきた。しかしマクロン氏は厳しい現実に直面している。「黄色いベスト」運動と呼ばれる暴力的な抗議活動により深刻な打撃を被っているうえ、そのために早々と政策を撤回したことで彼の指導者としてのイメージも傷ついた。

 実際、この1週間の出来事によってマクロン政権は骨抜きになり、当初の公約を実現することは難しくなる可能性が高い。

 その理由を理解するには、マクロン氏の政策のカギを握る「国内の経済改革」「EU(欧州連合)の統合深化」「国際秩序の在り方」という3つの要素について考える必要がある。これらの要素は互いに関係し合っている。

 マクロン氏がフランスを改革できるという力をしっかりと見せることができれば、ユーロ圏共通予算構想の実現という統合深化への重要な一歩に向けてドイツを説得することができるという期待があった。そして、EUの改革が進み、EUがより結束した強固な存在になれば、現在、米国から中国に至るまで世界中で復活しつつある国家主義の勢力を押し戻すことができたかもしれない。だが、マクロン氏の国内改革が困難になれば、彼が国際社会でなし遂げようとしていた計画も頓挫することになる。今起こりつつあるのは、まさにそういうことだ。

 マクロン支持派の人々が、同氏は既に複数の重要な改革を実現してきたと指摘するのは正しい。フランスの硬直化した労働市場の改革をいくつか押し通し、これにより雇用の創出は容易になったはずだ。強い力を持つ国鉄労組からも重要な進展を勝ち取った。しかし、こうした改革によって生まれた、さらなる改革も進められそうだとの機運は、今や失われてしまった。燃料税の引き上げは撤回せざるを得なくなった。マクロン氏は恐らく、デモの参加者をなだめるべく、今以上に甘い妥協策を約束することになりそうだ。

 さらに深刻なのは、将来のために計画されていた重要な年金・医療制度改革の実現ももはや難しそうなことだ。そのため、フランス政府の規模を縮小し、財政を立て直し、経済を再び成長路線に乗せるという目標の達成も難しくなると思われる。

 それどころか歴代の仏大統領と同様に、マクロン氏も国民の抗議デモを前に改革を断念した大統領として名を残すことになりそうだ。減税と公的サービスの充実の両方を求めるという本質的に矛盾したフランス国民の問題は、解決されそうもない。

 むしろ事態はさらに悪化する可能性がある。抗議活動と街頭の騒乱は何カ月も続く可能性があり、そのことが危機が永続するのではないかとの雰囲気を生み出しているからだ。また、各都市の騒動が早々に終息しても、今や極右か極左の次期大統領が誕生する危険性は明らかに高まっている。

 â– ãƒžã‚¯ãƒ­ãƒ³æ°ã®è‹¦å¢ƒã‚’喜ぶトランプ米大統領
 フランスのこうした事態を目の当たりにして、ドイツがマクロン氏が描く野心的なEU改革に同意することはもはやないだろう。10年に及ぶ南欧諸国の経済危機を通してドイツの政治家たちは、自国の納税者からはあまり働かないように見えるユーロ圏内の債務返済能力の劣る国々を支えるためにドイツの納税者の資金を出し続けることになりかねない「財政移転同盟」的な制度には、非常に懐疑的だからだ。

 マクロン政権下でフランスが活力を取り戻し、成果を上げていたなら、ドイツ(およびオランダなどの北部欧州の国々)のこうした懐疑論を抑え、フランスが唱えるユーロ圏共通予算構想の実現に近づけたかもしれない。だがパリ街頭の様子を見て、フランスはやはり改革などできない国なのだ、とのドイツの偏見はさらに強まったはずだ。

 もっとも実のところ、黄色いベスト運動が激しさを増す前から、仏独関係は冷え始めていた。ドイツ政府はマクロン氏を実現できそうもない理想を根拠もなく掲げる人物としていら立ちを深めていた。一方、フランス政府はドイツ政府のビジョンのなさと寛容な発想のなさに不満を募らせていた。

 これらすべては世界にも影響する。マクロン氏は大胆にも自らを「反トランプ」と位置づけ、国際協調主義の旗手を自認していた。米国が離脱した気候変動に関するパリ協定の擁護も積極的に訴えてきた。撤回したが、燃料税引き上げも、気候変動対策に積極的なマクロン氏の考えから誕生したものだった。

 また、マクロン氏は11月にパリで開催した平和フォーラムで、その数日前に自分をナショナリストだと宣言したトランプ米大統領を名指しこそしなかったが、国家主義者はよくないと批判した。トランプ氏は今、マクロン氏の苦境を楽しんでいるらしく、ツイッターに「フランス中で抗議活動と暴動が起きている」とうれしげに投稿した。疑わしい話だが、フランスでも「我々もトランプがいい」とシュプレヒコールを連呼する人々がいると同氏は書いている。

■フランスを率いるのは不可能な仕事
 しかし、トランプ氏はフランスではなく米大統領官邸にいるという点で幸運だ。フランスという国を率いることは、誰がやっても不可能との様相が強まっているからだ。歴代大統領も、やり方はそれぞれ違ったが、みな国民に嫌われ退任した。サルコジ元大統領は「派手すぎる」と非難され、オランド前大統領は「あまりに凡庸」と責められ、今、マクロン氏は「偉そうにしすぎる」と批判されている。

 マクロン氏が、このフランスで繰り返される陰鬱な悪循環を打ち破っていたなら、国際社会での信頼度は急上昇していただろう。自由主義的価値観の世界的擁護者となっていたかもしれない。世界は今、そうした擁護者を切実に必要としている。

 しかし、もはやマクロン氏が世界を救える見込みはほぼなくなったようだ。大統領の座を守れれば御の字だ。
 â‰«ï¼ˆBy Gideon Rachman (2018å¹´12月11日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.com/)



* æ³¨ï¼šãƒŠã‚·ãƒ§ãƒŠãƒªã‚ºãƒ 
民族や国家の統一・独立・発展をめざす思想や運動。国民主義、民族主義など場面によって異なる訳語を当てる必要がある。
人は生まれ育った地域やそこの文化、生活習慣に対して愛着を持つものである。ナショナリズムは、そうした自然な感情の延長線上にあるが同じではない。
なぜなら、ナショナリズムにおいて愛着の対象とされる国家とは、せいぜい17世紀以降、日本では19世紀後半にようやく形成されたものであり、ナショナリズムはそのような国家によって人為的に強調、注入されたものだからである。
中国など、国民統合に苦労する各国の例を見れば、国家への忠誠を引き出す上で、今日でもナショナリズムは有効な手段であることが分かる。
近年、戦後の日本ではナショナリズムが抑制されてきたという議論が広まり、そのことが歴史の見直しや憲法、教育基本法改正論議につながっている。
人為的な契機があるにせよ、ナショナリズムの感情を消去することは不可能である。他方、偏狭なナショナリズムが高まると無益な国際紛争が激化したり、国内の自由な政治論議が抑圧されたりすることも事実だ。
開かれた、寛容なナショナリズムを作り出すことが重要な課題である。
 â‰«ï¼ˆæœæ—¥æ–°èžï¼šçŸ¥æµè”µâ€•(山口二郎 北海道大学教授 / 2007å¹´))


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以下は、大村大次郎氏が語る、日本のだまし絵のような税制(消費税中心)についての論考だ。筆者は、そのすべてに同感と云うものではないが、概ね、同氏が主張する日本の歪んだ税制についての主張に同意出来る。問題は、消費税が必要かどうかと云う議論もさることながら、高額所得者への課税問題が、まず先にありきだと思う。

それでも税収が少ない時、消費税もひとつの選択肢にはならざるを得ない。ただ、まず始めるべきは、配当所得への適正な課税。分離から総合課税方式への変更だろう。個人的考えだが、源泉徴収制度の廃止、全国民所得申告制度の導入の検討が必要に思う。

また、法人税の減税も見当違いな企業優遇策だが、これも是正されるべきだ。減税分、その多くが内部留保に回るようでは、国の経済活性化目的は、まったく達成されない。今や、日本の企業役員も、欧米並みの報酬を取るようになったが、四半期ごとの収支に翻弄され、日本企業独特の長期的視野が失われ、3カ月単位で利益を追い求めなければならない状況に、自らを追いこんでいる。

本来であれば、50年、100年後をイメージした“国のかたち”と云うものがあって、その為には、どのような税制が妥当か考えるべきだが、イメージと云う作業が得意とは言えない、人々がいる限り、一部の計画立案者の“やらずボッタクリ”な政策の下、生きていくことになりそうだ。となれば、国の仕組みのあらゆる分野に、一つ一つ、「人権」と云うワードを下に、分析してゆくのも1つの改善方法なのだろう。

ご存じのように、新自由主義経済と云うものは、マネーの動きを良くするためだけに考えられた経済政策だ。マネーや、それを動かす主体・企業にも人格と云うものがない。この人格なきモノどもが、人格ある人間の上にいる構図だ。チョッと考えただけで、人の営みとは無関係な社会構造が見えてくる。この動きが加速している現在、社会に階層を生みだし、重大なひずみを生んでいる。サドマゾの関係のように、これでもか、これでもかとサドがマゾに向かって鞭を打つ構図に似ている。

余談になるが、安倍の政策と云うより、常にマネーが株式市場に流れ込み、株高が演出される効果が絶大なのが、株式の配当所所得税が分離課税になっていることだ。配当金に対しての課税は、所得税15%地方税5%で20%課税されるのだが、年収10億の人も、500万の人も、20%で済むのだから年収10億円の人に断然有利なわけだ。銀行利息が0状態に張り付いている状況では、富裕層が株式配当で資金の運用を考える状況を作りだしている。最近の配当金は、常に右肩上がりで、年3~8%の配当が多く、高利回りと云う認識がある。子のメカニズムもアベノミクスにおいては、株高演出に大きな見せかけ効果を生んでいる。

しかし、国民全員がマゾなわけがないので、どこかの時点で、何らかの形で強い抵抗を示すだろう。その閾値が、どの辺にあるかは判らないのだが、必ずある。新自由主義者に乗っ取られた経産省が、日本と云う国の多くの面の仕切をしているわけだが、計画の多くが頓挫している。日銀の異次元緩和から連なる一連の経済政策全般を、経産省が主動した。しかし、今年度のGDPは、昨年の高下駄の再現は出来なので、実質マイナス3%程度になりそうだ。まぁ、日本の実態を表すには良い数値だ。

経産省主導の経済財政政策が長く続く中で、消費税だけが上がり、法人税や所得税が減ってゆく現象は、あきらかに内需を冷え込ませる。これからもそうであるように、今までもそうだったのだから、消費が伸びる要素はすべて摘み取られている。こう云う状況で、インフレターゲットなどと叫んでいた人がいたが、最近はインフレと云う言葉さえ口にしなくなっている。中高年は倹約することが趣味化している感じだし、若年層は贅沢することは、生きる上で致命傷と知って生きている。つまり、絶望を既に肌で感じているのだろう。

我が国のGDPは、8掛けの実力と考えた国づくりが必要なのだ。今の、安倍官邸や経産省、経団連が考える、実力×1.2倍のような感覚がすべての間違いの元だ。胸に手を当て、誠心誠意考えてみるべきだ。ところが、これらに関連する人々には、誠実さが欠けている。今が良ければ、自分さえ良ければの精神マインドしか持ち合わせていないので、極めて刹那的で、話すだけ無駄骨の感もある。階層社会で生きることを強いられた人々には、静かで冷たい絶望だけが、あるのかもしれない。おそらく、マグマが溜まることもないだろう。


≪元国税が暴露。「消費税は社会保障のため不可欠」が大ウソな理由
■消費税についてもう一度ちゃんと考えてみよう
先月、安倍首相は、来年からの消費税の増税をついに表明しました。これに対して、世論はほとんど反対しませんでした。国の必死の喧伝が功を奏してか、今となっては、消費税について文句を言う人はあまりいません。国のやることには文句ばかり言っている朝日新聞でさえ、社説で「消費税増税やむなし」と書いたほどです。

私は、なぜ消費税がこれほど国民に受け入れられているのか、不思議でなりません。消費税というのは、欠陥だらけの税金なのです。それは、税金を専門とする学者の多くがそれを指摘しています。御用学者以外の税金学者のほとんどは、消費税に反対しているのではないでしょうか?

日本人というのは、根の部分で国の指導者を信じ切っているところがあります。国の指導者の悪口を言ったり、叩いたりすることは大好きだけれども、根本の部分で、「まあ、少しくらい悪いことをしても、基本的にはちゃんと国のことをやってくれているだろう」というふうに思っているようなのです。

しかし、財政、税制に関する限り、そういうことは絶対にありえません。そもそも二世議員、タレント議員ばかりの政治家が、専門性を要する税金のことについて適切な対応ができるわけはないのです。財務官僚は財務官僚で、自分の目先の「安定財源」のことしか考えていません。財界は財界で、自分の利益のことしか考えていません。つまり、国の指導層の中で、国の将来のことや、社会全体のことを考えて、税制、財政を制度設計している人など、誰もいないのです。

それは、今の日本の現実を見れば、明らかです。少子高齢化は50年前からわかっていたことです。待機児童問題は20年前から国民の大問題だったことです。が、何十年もの間、誰も適切な手を打っていません。国の行く末を揺るがすような大問題が半世紀以上も放置されてきたのです。

 â– ã€Œç¤¾ä¼šä¿éšœã®ãŸã‚æ¶ˆè²»ç¨Žã¯ä¸å¯æ¬ ã€ã¨ã„うウソ
消費税というのは、まずその存在意義そのものについて大きな疑問というか嘘があります。消費税が創設されるとき、国は「少子高齢化のために、社会保障費が増大する。そのため、消費税が不可欠」と喧伝しました。でも、実際消費税は、社会保障費などにはほとんど使われていないのです。

では、何に使われたのかというと、大企業や高額所得者の減税の穴埋めに使われたのです。それは、消費税導入前と現在の各税目を比較すれば一目瞭然です。これは別に私が特別な資料をつかんで発見した事実などではありません。国が公表している、誰もが確認することのできるデータから、それが明確にわかるのです。

消費税が導入されたのは1989年のことです。その直後に法人税と所得税があいついで下げられました。また消費税が3%から5%に引き上げられたのは、1997年のことです。そして、その直後にも法人税と所得税はあいついで下げられました。そして法人税のこの減税の対象となったのは大企業であり、また所得税のこの減税の対象となったのは、高額所得者でした。

所得税の税収は、1991年には26.7兆円以上ありました。しかし、2018年には19兆円になっています。法人税は1989年には19兆円ありました。しかし、2018年には12兆円になっています。つまり、所得税と法人税の税収は、この30年の間に、14.7兆円も減っているのです。一方、現在の消費税の税収は17.6兆円です。つまり、消費税の税収の大半は、所得税と法人税の減税分の穴埋めで使われているのです。消費税によって、新たに使えるようになった財源は、わずか3兆円に過ぎないのです。

この現実は、誰でもすぐに確認できるものです。なのに、なぜ、世間の多くが消費税に疑問を持っていないのか、筆者としては不思議でならないのです。来年、消費税の増税は決まっていますが、その一方で法人税の減税なども検討されています。消費税の増税分が、どういう使われ方をするのか、火を見るより明らかではありませんか?

 â– æ—¥æœ¬ã®é‡‘持ちの税金は欧米の半分以下
「消費税は、金持ちの減税の穴埋めに使われている」という主張をすると、決まって次のような反論をする人が現れます。「日本の金持ちの税金は元が高いのだから、減税されてもいいはずだ」と。しかし、これも国の喧伝にまんまとひっかかっています。

確かに日本の富裕層の税金の「名目上の税率」は、他の欧米諸国に比べると高くなっています。しかし、日本の富裕層の税金には様々な抜け穴があって、名目税率は高いのだけれど、実質的な負担税率は驚くほど安くなっているのです。むしろ、日本の富裕層は先進国でもっとも税金を払っていないといえるのです。わかりやすい例を示しましょう。

◆主要国の個人所得税の実質負担率(対国民所得比)世界統計白書2012年版より

  日本   : 7.2%
アメリカ  :12.2%
イギリス  :13.5%
ドイツ   :12.6%
フランス  :10.2%

これは、先進主要国の国民所得に対する個人所得税負担率を示したものです。つまり、国民全体の所得のうち、所得課税されているのは何%かを示したものです。国民全体の所得税の負担率を示しているといえます。実は日本はこれがわずか7.2%です。主要国の中では断トツに低いのです。アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスはどこもGDP比で10%以上の負担率があります。イギリスに至っては13.5%で、日本の約2倍です。

個人所得税というのは、先進国ではその大半を「高額所得者が負担しているもの」です。国民全体の所得税負担率が低いということは、すなわち「高額所得者の負担率が低い」ということを表しているのです。これはつまり、日本の富裕層は、先進国の富裕層に比べて断トツで税負担率が低いということなのです。日本の富裕層は、名目の税率は高くなっているけれど、実際に負担している額は非常に低くなっているということなのです。

なぜ日本の金持ちの実際の税負担率が低いかというと、日本の税制では富裕層に関して、様々な抜け穴があるからです。株の配当所得の所得税は、どんなに高額であっても15%ですむなど、富裕層には様々な税金の抜け穴があります(一つの会社の大口株主は除く)。

つまりは、日本の金持ちは、先進国並みの税金を払っていないのです。そのしわよせが、消費税となっているのです。もし日本の金持ちが、先進国並みの税金を払えば、消費税の増税などまったく必要ないのです。というより、消費税の廃止さえ可能なのです。

そして、消費が細りつづけて格差が広がりつつある日本の現状を見たとき、課税すべきは消費ではないことは明らかです。日本の個人金融資産は1,800兆円を超えて、今なお激増して続けているのです。その資産の多くは富裕層が持っているのです。この肥え太った金持ちに、ちゃんと税金を払ってもらうということが、まず日本で第一に考えなければならない税制方針のはずです。

 â– ã€Œæ—¥æœ¬ã¯é–“接税の比率が低い」は本当か?
ここまで説明しても、まだこういう反論をする方がいるはずです。「日本は間接税の比率が低い。先進国はどこも間接税をたくさん取っているのだから、日本も間接税の割合を増やすべき」。しかし、この論も大きな欠陥があるのです。

確かに、日本の間接税はヨーロッパ諸国に比べれば低いです。しかし、日本の場合、公共料金やNHK受信料など「準税金」が非常に高く、国民生活の実態においては、高額の間接税を払っているのと同じ状況になっているのです。これはデータとしても明確に表れているのです。

間接税というのは、税金をモノの値段に上乗せする税金です。間接税の最大の欠点というのは、モノの値段が上がる事です。それが一番、我々の生活に直結することです。もし、間接税を上げても、モノの値段が変わらないのだったら、間接税などいくら上げてもいいわけです。つまり、間接税というのは、国民がモノの高さを我慢することによって、間接的に税負担をするという税金なのです。

となると、間接税というのは物価との関係をセットで考えなくてはなりません。もし物価がものすごく低い国だったら、消費税を多少上げても、国民の生活にはそれほど影響はしません。でも物価がものすごく高い国だったら、消費税を上げたならば、たちまち国民生活に影響することになります。で、日本は物価が高いでしょうか、低いでしょうか?

日本は、実は世界一物価が高い国なのです。世界最大のコンサルティング会社マーサーによる世界の主要都市の2017年の物価ランキングでは、東京は世界第3位となっています。1位は、最近まで内乱があり物資が不足しているアンゴラの首都ルアンダであり、2位は経済先進地域ながら人口密度が異常に高い香港です。東京は、そういう非常に特殊な地域に次ぐ物価の高さなのです。実質的に世界一物価が高いと言っていいでしょう。しかも、日本の物価の高さは、昨日今日始まったことではありません。ここ数十年の間ずっと、世界のトップに近い位置にいたのです。

ヨーロッパの先進国は、間接税の税率は確かに高いけれど、物価は日本より安いのです。だから、間接税の負担感というのは、日本より小さいのです。逆に今の日本の生活というのは、世界最高の間接税を払っているのと同じ負担感だといえるのです。つまり、日本の消費税は実質的には世界一高いのと同じことなのです。

しかし、今の消費税の議論では、全体の物価の負担感は、まったく比較せずに、単に「消費税の税率」だけを比較して「日本は間接税の負担が少ない」などと言っているわけです。消費税増税論が、いかに根拠の薄い表面上だけのものであるか、これで理解していただけたのではないでしょうか。 消費税を上げれば、消費が冷え込みます。それは当然のことです。実際、今までそうなってきました。そして消費が冷え込めば、景気が落ち込みます。消費税の導入以来、ずっとその悪循環を繰り返しです。

日本はデフレで物の値段が上がっていないといわれ続けてきましたが、実は、すでに世界一物価が高いので、これ以上なかなか物価が上がらないのは当たり前のことなのです。今の日本経済で問題なのは、デフレという表面的な数値のことではなく、収入が上がっていないのに増税ばかりが続き、消費が先細りしている、それが経済全体に悪影響を及ぼしているということなのです。金融緩和や財政投資などで、人為的に金の流れをよくして、一時的に景気をよくしても、本質的な景気回復にはつながらないのです。ちゃんと国民生活の実態を踏まえた税制、財政にしなくては、日本はいつまで経っても閉塞感から抜け出せないのです。

■消費税は格差を広げる税金
そして、消費税の最大の欠陥というのは、格差を広げるということにあります。なぜ消費税は格差を広げるのか、簡単に説明しましょう。消費税は、何かを消費したときにかかる税金です。そして人は生きていく限り、消費をしなければなりません。「自分は貧乏だから消費をしない」というわけにはいかないのです。そして貧乏人ほど収入に対する消費の比重が大きいものです。

貧乏人は所得のほとんどを消費に回すので、所得に対する消費税の割合は、限りなく消費税率に近づくことになります。たとえば、年収300万円の人は、300万円を全部消費に使うので、消費税を24万円払っていることになります。300万円のうちの24万円払っているということは、つまり貧乏人にとって消費税は、所得に8%課税されるのと同じことなのです。

しかし、金持ちは、所得のうち消費に回す分は少ないものです。だから、所得に対する消費税率の割合は非常に小さくなります。たとえば1億円の収入がある人が、2,000万円を消費に回し、残りの8,000万円を金融資産に回したとします。この人は所得のうち5分の1しか消費に回していないので、所得に対する消費税の課税割合も5分の1です。つまり、所得に対する消費税率は、1.6%で済むのです。

これを普通の税金に置き換えれば、どれだけ不公平なものかがわかるはずです。もし、貧乏人は所得に対して8%、金持ちは1.6%しか税金が課せられない、となれば、国民は大反発するはずです。しかし、実質的にはそれとまったく同じことをしているのが、消費税なのです。

「消費税は公平な税金だ。物を買った時に誰にでも同じ率で課せられるし、消費税を払いたくなければ、消費しなければいいだけだ」などという人もいます。でも、それこそ意地悪で現実離れした話です。人は消費しなくては生きていけません。そして、所得が低い人ほど、「消費をしない」という選択肢がありません。貯金をする余裕がないから、必然的に収入のほとんどが消費に充てられるわけです。貯金という逃げ道のない人を狙ってかける税金、それが消費税なのです。

税金には本来、所得の再分配の機能があります。所得の高い人から多くの税金を取り、所得の少ない人に分配する、という機能です。経済社会の中で、どうしても生じてしまう様々な矛盾を、それで是正しようということです。でも消費税は、所得の再分配と、まったく逆の機能となっています。

今回の消費税増税において、軽減税率というものが採り入れられます。だから、所得の低い人にも配慮している、という体は取られています。しかし食料品などが、わずか2%だけ安くなるというような、チャチな軽減税率では、モノの役には立ちません。ヨーロッパの間接税は、生活必需品は非課税にするなど、もっと「ちゃんと国民生活のことを考えた税制」になっているのです。

もし消費税が税収の柱になっていけば、お金持ちはどんどん金持ちになって、貧乏人はどんどん貧乏人になります。これは、単なる理論的なことだけではありません。思い起こしてみてください。格差社会といわれるようになったのは、消費税導入以降のことです。消費税導入以前、日本は「一億総中流社会」と言われ、格差が非常に少ない社会だったはずです。国民全部が、自分たちのことを中流階級だと思っていたわけです。つまり貧しい人がいなかったということです。格差が広がったのは、消費税が導入されてからなのです。

格差社会には、いろんな要因があるので、消費税だけのせいではないけれど、 一つの大きな要因であることは間違いないのです。税の専門家の間では消費税を導入すれば、貧困層がダメージを受けるということは、当初から言われていたことです。税金の常識である「金持ちの負担を多く、貧乏人の負担を少なく」ということにまったく逆行しているのです。消費税がこのまま増税されるなら、日本の将来は悲惨なものになります。

プロフィール:大村大次郎(おおむら・おおじろう) 大阪府出身。10年間の国税局勤務の後、経理事務所などを経て経営コンサルタント、フリーライターに。主な著書に「あらゆる領収書は経費で落とせる」(中央公論新社)「悪の会計学」(双葉社)がある。
 ≫(MAG2NEWS:消費税の大嘘:大村大次郎)


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