世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●薄っぺらな議論 日本は独立国家なのかなんて

2019å¹´04月26æ—¥ | å ±é“

●薄っぺらな議論 日本は独立国家なのかなんて 

公式な発言としては、日本と云う国は独立国だ。国連に加盟して、安保理の非常任理事国などに、何度も就任しているのだから、国連的には独立国なのだろう。

なのだろう、と疑問符を付けておいたのは、国連憲章の条文に「第二次世界大戦中に連合国の敵国であった国」(枢軸国)に対する措置を規定した第53条および第107条等による「敵国条項」は、事実上、無効化しているは言うものの、いまだ削除されていない現状があることだ。

つまり、国連に加盟できているから、独立国なのは当然だと云う論にも、実はどこか怪しげだ。

昨日書いた点でも、わが国が、純粋な意味で独立国とは言いがたい幾つかの要件がある。

それにしても、英国やフランスと戦ったドイツやイタリアは、戦後、英国が覇権国の座から下り、米国に、その座が移ったことで、独伊に対する米国支配は手ぬるく見える。

理論的ではないが、白人国家と東洋人国家の差別も感じないわけにはいかない。

その思いを鮮明にするのが、唯一、人体実験のような原爆投下だ。それも、唯一の人体実験だと強く認識した、周到な準備を経た原爆投下で、2都市を壊滅的に破壊した。

そして、戦後70年を過ぎても、米国による日本占領は、事実上継続していると言って過言ではない。

日本では、一見、自由な選挙により、国会議員が選ばれ、立法行政が民主的に運営されているフリを、国民全体で、欺瞞の世界を作り上げている。

テレビから新聞に至るマスコミも、多くの学者や文化人も、全員が、本当に独立国かどうか訝しく思いつつも、ポジショントークで時代を見過ごしている。

自分達から仕掛けた戦争だとはいえ、開戦間際を除き、物量作戦でボコボコにされ、沖縄戦では沖縄県民に犠牲を強い、最終的には、東京大空襲と二発の原爆投下で完全降伏。

諸事情から、わが国にも言い分はあるのだが、戦勝の白人系諸国から見れば、東洋人の敗戦国、日本を痛めつけることは、国際的承認欲求に対応できるものだった。

その東洋の敗戦国を明治以来の、天皇制と官僚制を温存することで、米国に隷属することを、暗に示し、見えない統制力で70年以上、日本を植民地並みに支配しているのが米国なのは、知識人の多くは薄々知っている。

しかし、その事実を有効に使い泳ぐように生きている、属国の支配階級が、見せかけの支配を行っている。

ただ、この見せかけの支配をしていること自体、行っている人間が自覚的かどうか、その辺は曖昧だ。

この曖昧さが、罪の意識を薄め、不思議な安定を生んでいる。まさか、ここまで都合よく、隷米な日本が復興し、70年も、いや、今後の70年も続くのかと思えば、米国にしてみれば、笑いが止まらないだろう。


≪ F35墜落事故と武器“爆買い”の闇 事故原因究明まで米国の言いなり 日本は独立国家なのか

【 中谷元・元防衛大臣、山崎拓・元自民党副総裁、宮本徹・共産党准中央委員、半田滋・東京新聞論説兼編集委員が深層を語る 】

 航空自衛隊三沢基地の米国製戦闘機F35Aが青森県沖で墜落した。日本は同機を米国に105機発注しており、安倍首相とトランプ大統領の密月の証しとも言えるが、かねて様々な欠陥を指摘されてきた。事故原因の調査、同機「爆買い」の理由究明など、日本の主権が問われる重大な課題が浮上している―。

 気になる事故である。

 航空自衛隊三沢基地所属の米国製最新鋭ステルス戦闘機F35Aが、4月9日青森県沖に墜落した。

 F35Aとしては世界初の墜落事故。自衛隊からすると飛行隊編成後2週間足らず、しかも、ベテランパイロットによるものだった。同機は最先端の軍事技術の結晶とも言われ、今後数千機レベルで量産される米国最強の輸出商品である。日本も100機レベルで発注、安倍晋三首相、トランプ大統領の日米蜜月同盟のシンボルとも言える。

 それが落ちた。両政府の衝撃は深く重い。連日自衛隊中心に懸命の捜索作業が続く。米国は在韓米軍から高高度偵察機U2を派遣、異例の対応をしている。

 このニュースをどうとらえるか。実は苦手な分野である。政治記者として防衛省を担当したことがない。  ただ、専門家の話を聞くにつけ、これはある意味、日米安保体制の核心を突く事故ではないか、と思えてきた。以下取材報告をしたい。

 まずは、中谷元・元防衛相である。事故発生直後、某テレビ番組でご一緒した時の彼のコメントだ。

「大変なことが起きた。世界最新鋭の機密が詰まった戦闘機が、部隊配属されて2週間もたたないうちに事故が起きて墜落した。ただ事ではないと思う」

 自衛隊出身で現場を誰よりも知る中谷氏の言である。私の中でニュースバリュー判定の針が激しく揺れた。その後改めて聞いた。

 欠陥機だった? 「世界の中で一番技術を持った航空機だ。導入自体は間違いなかったと思う」

 操縦士はベテランだ。 「F35Aで約60時間、他の機種を含め、約3200時間の飛行経験があり、編隊長として訓練を率いていた。ただ、最新ハイテク兵器を使いこなすためには、F1レーサーのようなテクニックと、IT機器を使いこなす能力の両方必要だ」

 事故原因はどっちにあるのか。機体の問題か。それとも操縦ミスなのか。中谷氏は事故原因の推測には慎重だった。さもあらん。尾翼の一部しか回収されていない段階である。

■F35は様々な欠陥が指摘されてきた

 調べると、一つ手がかりが見つかった。今年2月15日の衆院予算委員会で共産党の宮本徹衆院議員がF35について、米国会計検査院(GAO)から未解決の欠陥を966件指摘されていたことを明らかにし、政府を追及していたのである。

 早速、宮本氏に聞いた。

「墜落したと聞いた時? ショックですよ。私も欠陥機だと追及してきたが、本当に落ちてしまったと」  なぜF35の質問を? 「安倍政権が昨年12月18日の閣議了解で、F35を新たに105機追加取得することを決めた。そんなに買うのか、という素朴な疑問だ。防衛計画大綱と中期防衛力整備計画を決めた同じ日に、大綱や計画にはないF35大量購入を別途決めている。一体どういう代物なのかと調べ始めたら、いろんな欠陥が会計検査院や国防総省運用試験・評価局で指摘されていることがわかった」

「すべて中身が公開されているわけではないが、『主要な技術的なリスク(危険)』の一つとして、F35のパイロットが酸欠症状を訴えた事例が2017年5~8月までに6件発生したと指摘している。『墜落の危険』ともあったので、そんな危ないものを飛ばし続けていいのか、と政府を質(ただ)した。岩屋毅防衛相は、原因は米国で調査中で、各国に情報を提供している、という」

「F35に関する情報については全部米国頼みであって、日本政府が独自に検証できるものは何もない、ということがわかった。検査院の欠陥指摘も米国に大丈夫だと言われているだけできちんとした情報をもらっていない。パイロットにも国民にも極めて無責任な形で運用されていると感じた」

 ここからは、東京新聞・半田滋記者に疑問をぶつけてみる。F35について軍事ジャーナリストの中では最も精通している、と言われる人物である。中谷、宮本両氏からの推薦もあった。 

 あなたは、F35は技術的には未完成の戦闘機だ、と以前から指摘していた。

「ついに起きたかと。F35の先輩機種にF22があるが、これは1機も落ちていない。なぜか。空軍が使う専用機で、米の技術陣が総力を挙げて真剣に取り組んだ末にできたものだ。それに比べ、F35は、空軍、海兵隊、海軍の3軍が使うので、それぞれの要求を一つの機体に盛り込み重量オーバーになる。しかも、F22が2個のエンジンなのに、F35はコスト削減のため重たい機体を1個のエンジンで飛ばさなければならない」

「結局F35はあれもこれも詰め込まねばいけなくなりコスト高になり、トランプが就任前にツイッターで『高い』と呟(つぶや)いたら製造元のロッキード・マーチン社の女性社長が値引きした、という話もあった」

 機体発見の可能性は?

「戦闘機が海に落ちると、墜落場所を探すのが難しい。戦闘機自体が凄(すご)い速度で飛んでおり、海に落ちてもコンクリートに激突するのと同じで、バラバラになる。青森沖は親潮があり、日によって流れも変わる」  操縦ミス、体調不良の可能性は低い、との見方だ。

「いずれも考えにくい。自分の体と相談しながらやっていたはずなので、無理のない、基地に戻れる範囲で訓練を打ち切っているはずだ。ただ捨て切れないのは、空間識失調(バーティゴ)という平衡感覚喪失状態に陥った可能性だ。機体が逆さまになっているのにパイロットが気付かず操縦桿(かん)を引くと逆に海に落ちてしまう。最近の戦闘機はボタン一つで機体制御してくれるが、パイロットの自覚がないとそういう動作をしないことはある」

 現時点では、墜落機はノック・イット・オフ(訓練中止)と通信してから1分後にレーダーから機影消失した、という状況証拠しかない。 「緊急脱出していれば救難信号が自動的に出るが、それがなかった。1分間の間に機体を立て直そうとして何もできないうちに海に突っ込んでしまった……」

 1分間に何があった? 「機体がアンコントロール(制御不能)になった、というのが一番わかりやすい解釈だ。F35はよくできていて、人工知能で機体を自動的に制御できる設計になっている。多少変な操縦をしても飛行機のほうが正しく制御してくれる。だとすると、全く別の要因でそういった機能が全く失われた可能性がある。御巣鷹山に落ちた日航ジャンボ機も、垂直尾翼が吹き飛んで制御不能となった。F35に詳しい関係者は、エンジンが爆発するなど深刻事態の発生ではなかったかと指摘する」

■貿易摩擦を武器購入で解消?

 17年に米ルーク空軍基地で6件の酸欠症状があったこととの関連は? 「あの基地だけで起きたというのがわからない。ただ、深刻なのは、防衛省がGAOの指摘を米国防総省から伝えられていない疑いがあることだ。彼らは自分たちにとって不都合なこと、自分のポストが危うくなるような事態が起きると平気で嘘(うそ)をつく。そもそもF35選定時は未完成の機体だった。マイナスになるような情報を出すわけがない」  遡(さかのぼ)って機種選定に問題があった?

 F35はF4の後継機種として、野田佳彦民主党政権の11年に42機の導入が決まった。

「航空自衛隊がステルス性戦闘機が欲しいと、他の意見に聞く耳を持たなかった。欧州のユーロファイターがいい、という意見もあったが押し切った。今さら空自も泣き言を言えない」

 なぜステルスに?

「F22の存在が大きかった。相手から見えないのに、こちらからは丸見え、戦えば必ず勝つ、という性能だ。F22は海外には売らないと米議会が議決、F35しか買えなくなったからだ」

「だが、実はその時は立ち止まるチャンスでもあった。中露でもステルス機の開発が始まり、ステルス機を発見して撃墜する能力を各国が身につけ始めた時期でもある。ステルス機といってもエンジンから出る熱は隠しきれない。赤外線探知で一発でばれる。レーダーでも近代的高周波でなく低周波、例えば第二次大戦のころ使っていたレベルの低いのだと見えてしまうとか、いろんなことがわかり始めていた。だが、米国も採用している、ステルスがいいと凝り固まってしまった。ライバル機との飛行テストを排除して、カタログ性能だけで選択した。ボタンの掛け違いがあった」

 それから7年後。安倍政権はそのF35を計147機体制とする方針を決めた。決定済みの42機に加え、1兆2000億円以上かけてF35A63機、F35B42機、計105機を追加する、という。短距離離陸・垂直着陸型であるF35Bは、空母化される「いずも」型護衛艦での運用が念頭にあった。トランプ政権との通商摩擦解消策ともいわれた。トランプが米国の対日赤字を重視し、自動車への関税措置をちらつかせていたからだ。

「今回は自動車との引き換えだ。それ以外は考えられない。一石二鳥だ。自動車の引き換えにもなるし、いずもの空母化にもなる」

 17年11月の日米首脳会談後の共同記者会見が思い起こされる。トランプが「日本の首相が、必要な防衛装備品を大量に購入しようとしている。完全なステルス能力を持つ、世界最高のF35戦闘機や、様々なミサイルだ。率直に言って、1~2年前はそれほど購入していなかった」と発言している。その時点でディール済みだった可能性がある。

「貿易摩擦を安易に武器購入で解消しようとするべきではない。武器は適正価格がない。丼勘定で、相手の言い値で買う。赤字解消に役立つように見えるが、戦争になった時に欠陥品を買い続けることにもなる」

■日米関係の根幹に触れる問題

 今回の事故は、対外有償軍事援助(FMS)という現行調達システムの問題点も浮き彫りにした。値段から作り方、機密維持などすべて米側の言いなりだ。

「墜落機は三菱重工業小牧南工場で組み立てられた1号機。ただし、その実態は、三菱重工がロッキード・マーチン社の『下請け』に入ったようなもので、指示通りに組み立てるだけで、部品の大半はブラックボックス化され、部品の持つ意味も製造技術も日本側には開示されていない。しかも、最終検査は日本人関係者を締め出した別棟で米側だけで行われた。こういう米政府による秘密保持の姿勢が、今後の事故原因解明の妨げとなるおそれがある」

 責任だけは日本が押し付けられる可能性があると?

「工作上の問題だと言ってくる可能性がある。ロッキード・マーチン社で作っているのは1機も落ちていない、と。情報がない中、丁々発止のやりとりをするのが不可能だ。事故調査は一方的なもので、結果だけが伝えられる可能性もある。今回のことを機にFMSについて、こんな不公正な取引は改善してほしいと言うべきだ」

 調査結果はいつごろ? 「事故発生から4カ月以内に防衛相に報告する義務がある。機体引き上げができるか、フライトデータレコーダーが見つかるかがポイントだ。飛び方によって機体の問題か操縦ミスか、ある程度推測できる。問題は、機体の安全性について確証が持てない段階で、米国のお墨付きによって使い続けるかどうか、だ」

 自民国防族のドン、山崎拓元自民党副総裁は、以下の見解を示してくれた。

「問題は二つある。一つは、FMSで買っているから原因究明を我が国の手でできないということだ。企業機密を盾に本当のことは教えてくれない。もう一つはそれにもかかわらず、105機も追加注文したことだ。安倍氏が貿易赤字解消のためトランプにおもねった。負債、負担を国民に与えるとんでもない買い物だった。しかも不必要だ」

 F35は必要なかった?

「ステルス能力は価値がある。ただ、そんなにたくさん買ってどうするの、ということだ。どこに置き、誰が操縦するのか。自衛隊も新たにパイロットを養成しなければならない」

 戦闘機購入といえば、かつては商社や政治家の介在もあり、カネも動いたが?

「そんな小さな利益の問題より105機も必要ないものを買った国民的不利益のほうがずっと大きい」

 二つの問題がある、と思う。一つは、自国の防衛装備の欠陥について、FMSの壁を突き破り、どこまで納得のいく調査を行い、それを今後に生かせるか。それができなければ独立した主権国家とはいえない。  今一つは、なぜ105機も爆買いするに至ったのか。トランプ側からどういう圧力があり、安倍政権がどう応えたのか。国会でぜひ検証してほしい。日米関係の根幹に触れる問題である。
≫(毎日新聞)


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