世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●アヘ首相の所信表明演説 本音を言ってしまえば…(創作)

2014å¹´09月30æ—¥ | æ—¥è¨˜
金持ちが確実に世界を支配する方法――1%による1%のための勝利戦略
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●アヘ首相の所信表明演説 本音を言ってしまえば…(創作)

 ã€ï¼’***年、アヘ首相所信表明演説抜粋】
……『 福島及び東日本の復興状況でひと言。実は、放射能による被害がどのようなものか、世界的にも充分なデータの蓄積がありません。放射能の知見を得るためにも、福島原発事故は、世界に貢献できる又とないチャンスではありませんか。広島、長崎、第二福竜丸、チェルノブイリのデータだけでは不十分です。この帰還を通じて、その後の放射能の人体への影響や残留放射能がどのように自然に減少するか、どれ程移染出来るのか、素晴らしい知見となるのです。つまり、田村市、川内村の皆さんは、人類に多大の貢献が出来るチャンスを与えられたわけです。このような機会は、世界的に見ても、滅多に起きないわが国の存在を世界に知らしめるチャンスであり、これを奇禍とし、大いに人類に貢献しようではありませんか、みなさん!』

……『 復興は、霞が関官僚の方々の中央集権的の力量がいかんなく発揮され、見事に復興活動は緒につきました。現在、まともに出来上がった災害公営住宅は僅かですが、8割は何らかの着工に至っております。死ぬまでに間に合うかどうか判りませんが、暫くのご猶予を頂きたいと思います。しかし、経済活性化においては、多くの予算を配分いたしておりますので、土木建築産業の営業活動は活性化し、株式市場にも大いなる貢献をしております。日本の為に、皆さん方には、いましばらくのご辛抱を切に願うばかりです。』

……『 6年後にオリンピック・パラリンピックが出来るかどうかは、皆さんが、放射能など怖くない、という心意気と、生身の身体を張ることで、放射能の影響は軽微だったという「空気」を醸成できるのです。世界の人々も、日本人が如何に、人類の為に尽くしているか、その姿を見つめているのです。これこそが大和魂の見せ所です。泣きません、怖がりません、勝つまでは、の精神で、この苦境を乗り越えようではありませんか!お隣の韓国や中国の人々から、やんやの喝さいを浴びる日本人になり、両国との友好を前進させようではありませんか、みなさん!』

……『 大切なことは、地方の些末な特産品等々を、マイクロソフト、グーグル、フェイスブックのような革命的イメージを持って推進し、大きく個性的な町づくりに繋ぐ心意気です。まぐれの一つや二つあるでしょう。その為に、優秀な稀有な人材は使えません。都会でフリーターやニートになっているような若者を活用しない手はありません。彼らを動かすのは、情動です。ヘイトスピーチはいけませんが、あのように劣化した感情のフックに吊り上げられるような若者を、地方に送りつけるべく、それが天職であるような「空気」をつくらねばなりません。地方創生には、そのような吹き上がってしまう人々の育成が必要です。そして、彼らは、いざ鎌倉においては、徴兵予備軍として、準備しておく必要があるのです。来年から法案提出を考えている、集団的自衛権の関連法案の案を見たら、現自衛隊員の半数近くが、転職の方向に走るでしょう。その時、感情のフックで舞い上がっている若者の出番です。このように、私が日本の上空、つまりは大気圏近くから俯瞰した結論です。みなさん!劣化とか言わずに、愛国者と彼らを呼ばなければなりません。』

 ……『 私は、大気圏と云う高みから世界を俯瞰しているわけです。アメリカの次期政権は共和党になる筈です。そういう将来を見据える観察力が需要なのです。ゆえにネオコンと呼ばれる人々との関係強化を前向きに推進しております。TPPをはじめ、あらゆる貿易協定を通じ、霞が関官僚組織弱体化も画策はしております。しかし、予算を握っている彼らを本気で怒らせるわけにはまいりませんので、阿吽の呼吸と「空気」を読む、俯瞰が欠かせないわけです。日米安保の強化も大切ですが、核保有するまでの暫くの辛抱です。馬鹿にされても、蔑まれても堪えるのです。いずれ、もんじゅで秘かに研究に研究を重ねている核保有が実現するまで、耐え抜きましょう。もう間もなく完成のお披露目も可能でしょう。それまでは、中国や北朝鮮のミサイルが飛んでくるぞ、と云う警戒心を持ち、心を引き締め、アメリカの横暴にも耐え忍び、隠忍自重しようではありませんか、みなさん!』

……『 労働力の減少を食い止める必要は重要です。その為には、女性をおだてて有効活用しなければなりません。女性の輝く世界とは、国の為に女性を、滅私奉公させることです。社会人となった女性陣には、派遣社員として働いてもらいましょう。そして、結婚して貰い、子供は3人以上、産み育てて貰いましょう。育てた後の人生で、社会への最復帰こそが理想だと云う「空気」をつくりましょう。そのような税の改正も視野にあります。日本女性の活用が滞っては国力の低下を招きます。口うるさいオバサン専業主婦が罪悪だと云う「空気」を醸成しないとなりません。その為なら、ヒラリー・クリントン女史も有効な宣伝材料にしなければなりません。わが政権の閣僚となっている女性陣も、同じ心です。私のイデオロギーに沿う人々です。そうして、少子高齢化の波を乗り切らなければなりません。今後のわが国の動力源は、劣化した感情で舞い上がる若者と、おだてりゃ木にも登る横着な女性の活用で乗り切らないことには、中国人の移民を受け入れざるを得なくなるでしょう。皆さん!よく考えてください!』

……『 経済成長も着々と進んでおります。ご覧なさい、皆さんの年金積立基金のお金を有効に、且つ効率的に活用したお陰で、株価もうなぎ登りです。年内に1万8千円台は確実だと、世界が認めています。口の悪い人は、株価操作などと言いますが、永遠に国が市場から株式を買うわけですから、下がりようはありません。(*注:皮肉にも、海外投資家資金が30日、売りを浴びせておりますが、大丈夫です。国家が買い支えます)国際的ファンドも、結局追随するしかなくなるのです。世界一の年金積立金の恩恵です。これは、国の延いては皆様方の実力のなせる業です。そのなせる業を見出したのが、私であり、日銀総裁なのです。みなさん!これからの日本は買いです!タンス貯金も、株式に投じましょう。いずれ、新紙幣も視野にありますので、今のうちに投資する方向がベストです。みなさん、みんなで渡れば相場なんて、まったく怖くはありません。国が保証しているようなものです!』

……『 アへ内閣発足から600日余り、有効求人倍率は、22年ぶりの高水準となり、この春、多くの企業で、賃金がアップしました。連合の調査で、平均2%を超える賃上げは過去15年間で最高です。中小企業・小規模事業者でも、1万社余りの調査において、65%で賃上げが実施されました。革命的改善にほかなりません。連合傘下の統計ですから、そこから漏れた下々の労働者の皆さんの事情は、政府は把握しきれておりませんが、趨勢は求人状況から、同一方向にあると確信します。勤労者の全体を見回すと、概ね2%前後の収入増があります!もちろん、物価が8%近く上がっている現実があります。また、来年秋には2%の消費増税になりますので、概ねですが物価上昇は10%にはなるでしょう。差引8%のマイナスですが、アヘが政権を担う限り、毎年2%の収入増がありますので、4年で収入は増加だけとなります。4年後からは、収入増だけが人生について来るわけです。年金生活者の方や生活保護家庭の皆さんには、堪えて頂くしかありません。毎年、収入は減少しまうすが、その為に、タンス預金の有効活用のツールを東証株式市場に用意いたしました。NISAという絶好の投資方法も用意しました。国の為、ご自身の収入アップの為に、是非折角の制度、有効活用いただきたく存じます。』

……『 終わりになりますが、「日本はもう成長できない」「人口減少は避けられない」といった不都合な真実を声高に語る人々もいるようですが、そのような「真の声」は「空気」という雲で覆い隠さなければなりません。弱気の虫は、万病の元です。仮に、そのような主張が統計上事実であっても、貧乏を個性だと思い込み、苦難は神仏から与えられた有難い試練と受けとめ、ユダヤ人のような心根も、21世紀のキーワードです。一時、都市伝説的ですが、日本人とユダヤ人は、同じ祖先を持つと云うのがありましたが、伝説であっても、信じることから、道が開けるのは事実です。元気を出して、事実を事実と見定めず、心意気と狂気の奮戦で、このカオスの世界を乗り切り、世界のマネー支配をユダ金から大和金にチェンジしましょう。核保有と大和金で、世界に君臨しようではありませんか!みなさん!ご清聴ありがとうございます。』

原発利権を追う 電力をめぐるカネと権力の構造
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●地方創生 都市と地方の格差「個性」と言い換えてみよう

2014å¹´09月29æ—¥ | æ—¥è¨˜
ドラッカーと論語
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東洋経済新報社


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●地方創生 都市と地方の格差「個性」と言い換えてみよう

 ≪地方創生を進めるために「まち・ひと・しごと創生本部」≫なんちゃって、こりゃ何の冗談なのか良く判らない。この担当大臣に、安倍君の当面の政敵である石破茂を嵌め込んだ点も、お下劣だし、唯々諾々と受けた方も受けた方である。このような政権が、こんな政策を真面目にやるつもりなど皆無なのは、霞が関予算で、出す相手が決められているのだから、最近の「連合」とかいう経営者発想の労働組合のシュプレヒコールより、もっと酷いお題目としか評価のしようがない。

 それでも、日経の調査によると35%が評価しているそうだが、47%が評価していないので、馬鹿でも騙されない粗悪な政策だと見破られているのだろう。まあ、国民も痴呆ばかりではない点、僅かに安堵する。それとも、日経の作文かもしれないが、まあ、そこのところは見逃しておこう。噛みついてばかりいると、話が前に進まない(笑)。

 â‰ªã€€åœ°æ–¹å‰µç”Ÿã€ŒæœŸå¾…できない」47% 本社世論調査、内閣支持率低下
 日本経済新聞社とテレビ東京による26~28日の世論調査で、安倍晋三首相が重点政策に掲げる「地方創生」について「期待できる」との回答が 35%にとどまった。「期待できない」の47%を下回り、29日の臨時国会召集を前に、目玉政策の理解が広がっていない現状が浮き彫りになった。内閣支持率は3日の改造直後の緊急調査から7ポイント下げて53%となり、改造前の水準に近づいた。
 安倍政権の女性政策についても「評価する」が 43%で「評価しない」の40%を若干上回るにとどまった。男性は46%が「評価する」で「評価しない」の38%を上回ったが、女性はいずれも41%だった。「女性活躍」も安倍政権が最重要課題に位置づけているため、一層の努力が求められそうだ。
 内閣不支持率は31%で、改造後から5ポイント上昇した。内閣支持率を男女別にみると、男性は60%で2ポイントの低下にとどまったが、女性は48%で11ポイント下がった。無党派層の支持率も6 ポイント低下の32%。改造後の調査で支持率を引き上げた要因だった「女性」「無党派層」の支持が元に戻る傾向がみられる。  政党支持率は自民党が7ポイント下げて37%となった。無党派層は7ポイント上昇して45%となり、8月下旬の定例世論調査とほぼ同水準に戻った。
 調査は日経リサーチが全国の成人男女を対象に乱数番号(RDD)方式で電話で実施。有権者のいる1578世帯から1030件の回答を得た。回答率は65.3%だった。 ≫(日経新聞)

 この調査を見る限り、日本人の政治家への情報をほとんど持たない人々が、内閣支持率に影響したり、延いては、公職選挙に関わる投票に関与しているのだな、と云うことが良く判る。どういうことかと言えば、高市早苗とか山谷えり子のような個性的イデオロギーの人物がどのような政治家なのかくらいは、選挙民として知っておくべき知識であり、せめて、その上で電話に答えるとか、投票するとか、して貰いたいものだ。有村治子という女性活躍なんとか担当とかいうのも、かなりにイデオロギーかぶれのようだ。どうも、一般的日本人には、ゴシップやスキャンダル等々で、メディアで大きく報じられるたびに、その情報源の風に任せて吹き流しのように向きを変えるようである。

 でなければ、女房と畳は新しいのに限るみたいな話で、ご祝儀相場で、政治にまで、習慣的「空気」を持ち込む必要はないような気がする。逆に考えると、マスメディアの担当らが、おそらく世間の「空気」は取りあえずこんなところだろう。その線でまとめておけばいい、とリサーチ会社に、阿吽の呼吸で伝えているのかもしれない。「空気」に概ね馴染んでいれば、かなり非倫理的、非論理的でも、それに水を差す方が難しい。「空気」に水を差す以上、余程の論理武装が求められ、マスメディアの高給取りどもに出来る所業ではない。営業上も、怖くて二の足を踏むのだろう。

 ところで、冒頭の「地方創生」だけど、何をしようと云うのか、取りあえず眺めてみよう。無駄骨と知りつつだが、なにせ日本国の内閣総理大臣が力を入れているそうなのだから、国民として、知っておく必要があるだろう。

≪ 「地方創生」法案、臨時国会に 首相が提出明言
 安倍晋三首相は20日、横浜市内で講演し、地方の人口減少に歯止めをかける「地方創生」の実現に向け、秋の臨時国会に地方産業を活性化する関連法 案を提出する方針を明言した。地方ベンチャー企業の支援策を盛り込むことにも言及。来春の統一地方選をにらみ、地方重視の姿勢を鮮明にしている。
 首相は講演で「地方は人口急減、超少子高齢化など深刻な課題に直面しており、魅力あふれる地方を創造していかなければならない」と力説。「秋の臨時国会に第1弾の法案を提出し、スピード感を持って支援に全力を入れる」と語った。
 納税者に名産品を贈ってふるさと納税の実績をあげた鳥取県の例を挙げて「ふるさと名物を全国中に知ってもらいたい。国も地方の取り組みを積極的に応援する 法律を用意する」と指摘した。関連法案には、地方の特産品の開発や販路拡大を地方自治体と協力して後押しする内容などを盛り込む見通しだ。
 地方の中小・ベンチャー企業の支援では「積極的に新しい事業にチャレンジできるようにしなければならない」と法整備に意欲を表明した。会社の借金を経営者が肩代わりする制度が「再チャレンジ」の妨げになっていたとも指摘。今年2月に「法人と個人が明確に分離されている場合に経営者保証を求めない」などとした融資の新指針が適用となったことを踏まえ「(経営者保証の)慣習を断ち切ることが元気な地方をつくることになる」と語った。
 政府は全閣僚が参加する「まち・ひと・しごと創生本部」について、準備室を週内にも立ち上げる。首相は講演で、同本部で自ら司令塔となり全力で取り組む姿勢を示した。8月下旬にも予定される内閣改造に合わせて担当相を置き、年明けにも総合戦略をまとめる。 ≫(日経新聞)


 なんだか、目次だらけの「僕の目標」という法案を提出するようだ。いくら、政治家が方向性を提示して、官僚が、それを法案に落とし込むと云っても、名産品とふるさと納税とか、中学生のボランティアみたいなもので、地方の根源的問題の解決になど、ほど遠い行為で、話題性だけ。中小の再チャレンジ支援などと云うものも、官僚に任せれば、即効性や事業の将来性の見極めなど行えるはずもなく、そのキャリアが判断材料とするのは、過去の実績になるから、容易に再チャレンジが認められる企業や事業は生まれない。おそらく、提出書類作成に1000万円かけて、700万の支援金を貰うような話になるのだろう。

 東京一極集中問題などは、日本に限らず、世界の人々の趨勢なのだから、そこで、地方と都市部の格差を縮小させよう等と云う考えは、人の趨勢的営みを無視した政策であり、無駄な支援を地方に垂れ流すだけになるだろう。地方の再生を、霞が関機能を動かすことで行うと云うことは、中央集権的発想から抜け出せるものではないから、公平性が求められ、硬直したシステムが出来るわけで、地域の特性を生かす取り組みとは相いれないものになる。地方を活性化させたいのであれば、話は簡単、地方主権・連邦制のような流れを促進するしかない。

 地方の住民が、自ら考え、自ら行動する枠組みを提供するイデオロギーなしに、地方の特性・特色を生かす方法はないわけで、一律な中央集権では、ハコモノに頼る可能性が最も有効なものになるだけだ。単なる、土建屋行政の促進策で終わるだろう。現在、地方に住んでいる人々の生活環境をわずかに改善する選挙向けのお題目を並べるだけでは、安倍が後進国相手に金をばら撒いている、人気取り外交と同等であり、都市と地方の格差を是正には、まったく貢献しない。都市と地方の格差、その格差こそ、地方の魅力である可能性も模索する方が、余程可能性がある。格差を縮めるのではなく、格差と言わず、個性を強調することで、都会から一目置かれる地方になる、そう云う自立を支援する哲学こそ、必要なのである。

「学歴エリート」は暴走する 「東大話法」が蝕む日本人の魂 (講談社+α新書)
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●円安・株高・公共事業 実体経済なき幻の安倍支持率

2014å¹´09月28æ—¥ | æ—¥è¨˜
社会的共通資本 (岩波新書)
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●円安・株高・公共事業 実体経済なき幻の安倍支持率

 以下の古賀茂明氏のコラムは前段だけのようだが、充分に、そのコラムの趣旨を伝えている。参考になるので、目を通しておいていただけると幸いです。ところで、感性豊かで、知的で、学識もあり、人間性を失わずに、ノーベル経済学賞を取り損なった、否、欲しいとも思わなかった宇沢弘文氏が亡くなられたことは伝えたが、彼の生前のマル激トーク・オン・ディマンド 第515回が、ビデオニュース・ドットコムから無料視聴できるよう取り図られている。是非、この機会に、TPPに関する論考だけではなく、氏の社会資本への憧憬、人間的生き方の根源など、味わっていただけると幸いだ。このビデオの、取説は以下の通り。

≪ TPPは「社会的共通資本」を破壊する 宇沢弘文
  今週、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)参加に反対する超党派の国会議員らが、「TPPを考える国民会議」を設立した。代表世話人を務めるのは、東京大学名誉教授の宇沢弘文氏だ。
 ã€ŒTPP参加で日本は本当に幸せになれるのか」を考えるシリーズの第二弾は、宇沢氏がTPPに反対する理由を聞いた。
 宇沢氏は、1970年代の著書「自動車の社会的費用」で、当時の日本の高度経済成長の牽引役だった自動車が社会に与えるコストの大きさを指摘するなど、「社会的共通資本(Social Common Capital)」の重要性を一貫して主張してきた。
 社会的共通資本とは、ゆたかな経済・すぐれた文化・人間的な魅力のある社会を持続的に維持する山、川、森林などの自然環境や、道路や鉄道など社会的なイ ンフラ、教育や医療、ジャーナリズムなどの制度資本を指す。これまで経済学に組み込まれてこなかった自然や社会環境の価値を、共通財産として位置付ける考え方だ。
 宇沢氏は、TPPが謳う無条件の自由貿易は、各国が持つ固有の社会状況を無視して、全ての国を同一のルール上で競争させることを前提とするもので、これ は社会的正義に反すると主張する。その上で、あらゆる貿易障壁を撤廃すれば全ての国が得る利益が増大するという自由貿易の基本的な考え方には、生産手段の 完全な私有制などいくつもの前提条件があり、それは現実には存在しない反社会的な条件であることを忘れてはならないと言う。
 宇沢氏はまた、自由貿易の思想的背景となっている市場原理主義の危険性にも警鐘を鳴らす。市場原理主義の思想のもとでアメリカはベトナム戦争時、「限ら れた予算で多くのベトコンを殺す」ために一人のベトコンを殺すのに何ドルかかるかを数量化した「キル・レイシオ(kill ratio)」なる概念を導入し、これを最小化する政策を目指したことからもわかるように、市場原理主義はもっぱら効率だけを追求し、社会的共通資本の破 壊という自由貿易が持つ外部性を一切無視する。それがTPPの源流にある間違った考え方だと宇沢氏は指摘する。
 さらに宇沢氏は社会的共通資本としての農村や農業の重要性を強調し、農業政策は個々の農家を対象にするのではなく、農村をコモンズ(社会的共通資本)の一つと位置付け、これを村落単位で守っていく必要があると言う。
 TPPを「第三の開国」と位置づける菅首相について宇沢氏は、「一国の総理として考えられないこと」と酷評する。それは宇沢氏が、第一の開国を、治外法 権を認め関税自主権を放棄し、最恵国待遇をアメリカに与えたことでその後の日本を長きにわたって苦しめた日米修好通商条約の締結を、第二の開国を、敗戦か らの経済復興のかたわらで、日米安保体制を通じて日本が「アメリカの僕」と化していく過程を指すと考えるからだ。
 激動の20世紀を生き、人間の心や自然環境に価値を見出す経済学によって社会問題を分析してきた宇沢氏に、自由貿易の問題点を神保哲生・宮台真司が聞いた。 ≫(ビデオニュース・ドットコム)


≪アベノミクスの限界と安倍政権支持率
  公共事業はもう減らした方がよい
 ã‚¢ãƒ™ãƒŽãƒŸã‚¯ã‚¹ã®é™ç•Œã«ã¤ã„ては、これまでもことあるごとに取り上げてきたが、ようやく、マスコミも本気で注目し始めた。しかし、まだまだその認識は甘い。
  まず、公共事業はこれ以上増やしても意味はないし、むしろ、民間の投資を抑制することにつながるので、公共事業は減らした方が良いくらいだ。にもか かわらず、来年の消費増税対策と称して、今年の補正予算や来年度予算で、さらに公共事業を増やそうという動きがあるし、それを期待する一部マスコミの論調さえある。
  アフリカの記事の中でも述べるが、日本が公共事業を地方にバラマキ続けたことが、実は、農村を疲弊させたという事実はあまり知られていない。
  公共事業は、資材の多くを域外から輸入することになるので、金額が多くても、実際に地域に残るお金は人件費分くらいしかない。地方再生の効果は意外と小さいのである。その割りに、無駄に作った道路や橋やハコモノの維持後進負担は大きく自治体財政にのしかかる。
 公共事業の生み出す雇用は短期的だ。プロジェクトが終われば雇用も失われる。とても一生を託す仕事には見えない。若者はもっと魅力のある職場を求めて都会に流出する。高齢化は進み、やがては消滅の危機に向かうのである。
 地方を再生するには、農林水産業の再生と観光の振興、自然エネルギーの活用が3本柱になるはずだ。自然エネルギーを振興すれば、それで、雇用が生まれるし、域外に流出していた莫大な化石燃料費を支払わなくてよくなるので、地域経済には大きな恩恵になる。
  以前から何回か紹介した、北海道の下川町では、年間12億円超のエネルギー関連支出を全てバイオマスの熱電併給で賄う計画が進んでいる。域内GDP の6%にもあたる大きな効果がある。そのためのプロジェクトに集中投資したいが、国から出る補助金は、相変わらず道路などの公共事業中心だ。同じお金な ら、地域の自立につながるプロジェクトに集中投資したらどうかと思うのだが、「地方創生」はそんな大きな目標を持っているわけではないようだ。

さらなる円安は地方を直撃
  いまだに円安信仰がはびこっているようだ。106円台!などとはしゃぐ人達がいる一方で、これ以上円安が進めば、原燃料などの価格高騰でぎりぎりの経営をしている多くの中小企業にとどめを刺すことにもなりそうだ。そして、地方の生活者への打撃も深刻だ。
 普通の感覚では、東京の方が全国平均よりも物価上昇率が高いという気がする。しかし、最近は、東京よりも全国の上昇率の方が0.5%以上も高い。
 その原因は、ガソリンと灯油の購入額だ。この二つが消費支出に占める割合を見ると、全国平均が東京の3倍もある。全国平均は、地方だけでなく東京や 大阪などの大都市も入れた数字だから、都市と地方で比べると4倍くらいの負担の違いがあるかもしれない。円安によって、ガソリンや灯油の価格は年率10% 程度上がっているが、地方では、その影響が全国平均の3倍から4倍になるわけだ。
 地方の賃金上昇は都市部より小さい上にガソリン・灯油の値上げがさらに追い打ちをかけることになる。まさに踏んだりけったりの状況だ。これから冬に入れば灯油の使用量が増える、苦しさはますます高まるだろう。
 それでも安倍政権は円安にこだわっている。第三の矢が不発なので、円安で株高を演出するしか手がないというのが実情なのだろう。
 11日にも、黒田日銀総裁と安倍総裁が会談し、黒田総裁が、必要ならどんどん追加緩和するという趣旨のことを言ったと報道され、円は107円台まで下がった。(*筆者注:9月26日現在109円)
  昨年の6月に、成長戦略を安倍総理自ら発表したが、あまりの中身のなさに失望した投資家はいっせいに日本株を売って、500円以上日経平均が暴落するという大失態を演じた。
 そのときも慌てて黒田総裁と安倍総理の会談が行われ、円安誘導につなげようとした。苦し紛れの日銀による円安誘導。今回も全く同じだ。地方はその犠牲になる。これで地方創生とはよく言ったものだ。・・・(以下略) ≫(現代ビジネス:古賀茂明 「日本再生に挑む」


 宇沢弘文氏と古賀茂明氏のコラムを読んでいただければ、主張している内容は同一ではないが、底流に流れているものが、知的であると同時に、人間的であることだと思う。筆者は、この人間的であることが、人類にとって、どれほど大切なものであり、無限の思考領域と、有限な物理的質量の違いとか、貨幣経済の行き着くところとか、思いを巡らせるとき、果てしない宇宙を彷徨っているような、浮遊を感じる。一種、ラリルわけだが(笑)、時には罪なく人間、幻覚的になることも価値がある。

 まあ、時に幻覚に陥るのも悪くないと言っている端から、日本経済への先行きに、幻覚を見てはいかん、と云うのも恐縮だが、気の毒だが、駄目なのである。特に、アベノミクスなんて、狂気の経済論なんかで、日本の経済が好くなる筈はない。ファンダメンタルがひたすら悪くなっていて、経済が好くなるはずはない。為政者の行えることは、何処にツケ回しをするかという、負の配分を押しつけ合ことで、目くそ鼻くそに至るのである。問題は、その負を引き受け、潔く認める度量が肝心だ。それを持って、この世では「敗北思考」と下げする者が多いのだが、いつまでも引かれ者の小唄的な生きざまを晒す日本人をやめたらどうなのだろう。その第一歩は、西洋価値観からの脱出、明治以降の勘違いからの解脱である。

経済学は人びとを幸福にできるか
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●今月も笑わせてくれる長谷川幸洋 “アベポチ&アメポチ”

2014å¹´09月27æ—¥ | æ—¥è¨˜
世論〈上〉 (岩波文庫)
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●今月も笑わせてくれる長谷川幸洋 “アベポチ&アメポチ”

 いやはや、世界広しといえども、これ程のアメポチは存在しないと思える驚きのポチ君がいる。誰のことかって、その名は、長谷川幸洋という(笑)。筆者は、数日前のオバマ君の似非正義シリア爆撃国連演説を、朝日の記事を引用して「おっとっと!」と書きだしたが、“アベポチ並びにアメポチ”の長谷川君、何を言い出すかと思いきや、現代ビジネスに、集団的自衛権の行使以上に身勝手な、アメリカの「(個別的乃至は集団的自衛権)という鵺のような自衛権の行使」が、今回のシリア空爆だと、朝日が「集団的自衛権行使」の行使と表現したのに噛みついたわけだが、長谷川君、あらぬことか、アメちゃん擁護のコラムで、一層酷いアメリカだと語ってしまった感じのコラムになっている。

 こんなアメポチ、消えて欲しいとCIAは思っているに違いない(笑)。長谷川君を論壇から放逐する謀略の手口を想像するだけでも、少々愉快だ。出来得れば、血みどろは気の毒なので、ハニートラップがお似合いな長谷川君だが、CIAさんは如何お考えだろう?“アメポチとアベポチ”で二足の草鞋、両陣から報酬ゲットはしているかどうか判然としないが、両手に花は虫が良すぎるのではないだろうか。この評論家紛いには、利益損得で右顧左眄する習性アリ。立脚する哲学・思想の類がなさ過ぎる。精力的顔つきが、田原まで勘違いさせたわけだが、ここまで「空気」でモノ言う評論家は珍しい。先ずは、読者の方は、既に読了のコラムだろうが、筆者の悪口つきで、再読してもらいたい。

*筆者の長谷川君の詭弁法への反論は、その文章ごとに【*筆者注…】(青字)で、書き込みをしておく。

 â‰ªã€€æœæ—¥æ–°èžã¯ã¾ã æ‡²ã‚Šãªã„のか!?
「米国のシリア空爆」でも「ねじ曲げ」報道
朝日新聞はまだ懲りないのだろうか。
なんの話かといえば、米国のシリア空爆をめぐる報道である。米国がシリア空爆を正当化した根拠について、朝日の報道はとても正確とは言えない。朝日は「米国は集団的自衛権行使に基づいてシリアを空爆した」と印象付けようとしているが、事実は違うのである。

■ 書き出しに「集団的自衛権などを行使」
まず朝日の報道ぶりをみよう。朝日は空爆開始直後の9月24日夕刊で、パワー国連大使が潘基文国連大使に送った書簡の内容について「『空爆は自衛権行使』 シリア領攻撃 米が国連に文書」という見出しで次のように報じた。
 〈(書簡は)テロ組織の攻撃にさらされているイラクの要請を受けた米国が、他国が攻撃された場合に反撃する「集団的自衛権」などを行使したという説明だ〉
 書き出しのこの部分だけ読むと「そうか、米国は集団的自衛権に基づいてシリア攻撃をしたのか」と理解してしまう。本文はどうかというと、次のように書いている。
 〈…シリアのアサド政権について、自国の領土を過激派がイラク攻撃の拠点に使っているにもかかわらず、攻撃を効果的に防ぐ「能力も意思もない」と指摘。この場合、攻撃下にあるイラクは、国連憲章51条が定める自衛権に基づき自国を防衛できると説明。自国の脅威にもなっている米国も自衛権を行使した、とした〉
 お分かりのように、本文では「米国は自衛権を行使した」と書いていて、集団的自衛権という言葉は出てこない。記事には「米国が国連に出した文書の骨子」という横書きのメモが付いているが、そちらにも集団的自衛権という言葉はない。【*筆者注:そんなことより、アサド政権が「能力も意思もない」とアメリカの主張を長谷川は丸呑み賛意を示しているだけなんだよね。】

 â–  翌日朝刊でも「シリア空爆は集団的自衛権行使」と報道
 同じ24日夕刊で読売新聞はどう報じていたかといえば「シリア空爆 米『自衛権を行使』 」という見出しで本文はこう書いている。【*筆者注:潘基文事務総長が米国傀儡事務総長なのに、一定の理解としか言わなかった。つまり、もろ手を挙げて、支持は出来なかったと言外で語っているのだ!】
 〈国連加盟国が攻撃を受けた際の個別的・集団的自衛権を定めた国連憲章51条に触れ、「今回のように、脅威が存在する国が、自国領土を(テロ組織によって)使われることを防ぐことができず、その意思もない時には、加盟国は自衛できる」とした〉
 これを読んで、書簡が国連憲章51条に言及していたことが分かる。この時点で私は頭が「???」だった。こんな重要な問題で、本当に朝日が書いたように「米国は集団的自衛権の行使だ」と明言したのだろうか、と思った。だったら、読売はなぜそう書かないのか、と思った。
 そのうえで翌25日の朝日朝刊を開いてみると、問題の論点についての記事は「シリア空爆、自衛権を主張」という見出しで本文はこう書いていた。
 〈オバマ氏の国連演説に先立ち、米国のパワー国連大使は23日、「イスラム国」への空爆をシリア領内で実施したことについて、「国連憲章51条に基づく自衛権行使」だとする文書を国連の潘基文事務総長に提出した。 …文書によると、「イスラム国」の攻撃にさらされているイラクから空爆を主導するよう要請を受けたとして、他国が攻撃された場合に反撃する「集団的自衛権」を行使したとしている〉
 ここでも前日夕刊の線を維持している。前段は国連憲章51条の行使と読売夕刊と同様に書いているが、後段の「集団的自衛権を行使した」というくだりは記者の地の文章だ。これは本当だろうか。本当なら、米国は集団的自衛権の行使でイラクを空爆したという話になる。
【*筆者注:≪国連加盟国が攻撃を受けた際の個別的・集団的自衛権を定めた国連憲章51条に触れ、「今回のように、脅威が存在する国が、自国領土を(テロ組織によって)使われることを防ぐことができず、その意思もない時には、加盟国は自衛できる」≫この51条が曲者だ。一種の屁理屈、詭弁用の条項であり、他国が自国領土を利用され、防ぐことが出来ないときは、加盟国は自衛できると言うが、個別。集団の別なく、他国領土を、「あれはテロ勢力だ、取り締まれ!さもなくばアメリカ様が、お前の領土で攻撃を咥えるぞ!」このような軍事行動の根拠を一国が勝手に決定出来るのであれば、安保理事会の存在意義さえ見失うわけで、アメリカ中心主義の国際連合組織を作り直したらよかろう。】


■ 事実は国連大使の書簡を読めば明らか
 事実を確認するには、パワー国連大使の書簡そのものを読めばいい。検索すると15分もかからず、すぐ見つかった。 
【*筆者注、アメちゃんの書簡はバイブルかね?】
 
書簡は潘基文事務総長に送られた後、安全保障理事会のメンバー15ヵ国に回覧された。国連憲章で加盟国が51条の自衛権に基づく軍事行動を起こした場合は、直ちに安保理に報告するのを義務付けられているからだ。各国に出回っているのだから、ちょっと取材すれば入手できるのだろう。
全文は以下のとおりである
(この全文は
http://www.businessinsider.com/the-syria-strikes-and-international-law-2014-9
というサイトでも読める)。 お読みいただければ、あきらかなように、書簡は次のように書いている。
 〈今回のケースのように、脅威が存在する国が(注:イスラム国による)こうした攻撃で自国領土を守ることもできず、また意思もないときに、国家は国連憲章51条に反映されているように、個別的かつ集団的自衛権の固有の権利に従って自衛することが可能でなければならない〉 パワー国連大使は「集団的自衛権に基づいて空爆した」とは言っていない。
【*筆者注:パワーが言っていないから、個別的か集団的か決めるのかよ!】
 「憲章51条の個別的かつ集団的自衛権に基づいて自衛する権利がある」と主張しているのだ。この部分は憲章51条そのものの言い回しを引用している。51条は個別的自衛権と集団的自衛権を明白に区別していない。両者をセットで「固有の権利」としているのだ。 
【*筆者注:つまりは、アメちゃんの言うことは正しい、ただそれだけのスタンスにすぎず、論拠なんかじゃないよポチ君】
 
(http://www.unic.or.jp/info/un/charter/text_japanese/)。

■「吉田調書報道」と同じ「ねじ曲げ」ではないか
 ところが、朝日はそこから集団的自衛権だけを記者が抜き出して報じたのである。あえて個別的自衛権の部分を落としたと言ってもいい。それだけではない。朝日は個別的自衛権について先の朝刊でどう書いたかといえば、次のようだ。
【*筆者注:そうじゃない、シリアへの空爆が、イラク攻撃されている以外に、何が攻撃されていると云うのだ。数人の国民が殺されたら、個別的自衛権行使するのがアメちゃんか?だったら、リビアもイラクもアフガンもパキスタンも、アメちゃんを爆撃して良いのだな?個別的自衛権でさ!絶対爆撃されない側の主張が正論ってのは、寄らば大樹のかげ思想、君が霞が関改革など口には出来まい】

 〈米国人記者2人が「イスラム国」に殺されたことや、シリアにいるアルカイダ系武装組織「ホラサン・グループ」の米国などへのテロ計画が最終段階に入っていたとの情報を踏まえ、米国は自国民を守る「個別的な自衛権」を行使したと主張している〉
【*筆者注:だから、それはアメちゃんの言い分だろう。長谷川は、そのアメちゃん言葉を、バイブル化しているわけだよ。イラク戦争でフセイン殺しも、長谷川にとってはパウエルの痛恨の不覚もヘッタくれもないのだろう。】

 これも書簡の原文に当たると、次のようになる。最後の部分だ。
〈加えて米国は、ホラサン・グループとして知られるシリアのアルカイダ系組織が米国や友好国、同盟国に与えている脅威に対処するためにシリア領内で軍事行動を始めた〉
 
【*筆者注、だから、それはアメちゃんの言い分だろう。長谷川は、そのアメちゃん言葉を、バイブル化しているわけだよ。イラク戦争でフセイン殺しも、長谷川にとってはパウエルの痛恨の不覚もヘッタくれもないのだろう。何度も同じこと言わせるな】
 
ここで「個別的な自衛権を行使した」などという説明はない。ようするに、米国はあくまで憲章51条にある固有の権利として個別的かつ集団的自衛権に沿って軍事力を行使した、という立場を述べているにすぎない。べつに「この部分は集団的自衛権で、あの部分は個別的自衛権で」などとは説明していない。 ãã†ã„う説明は朝日が勝手に付け加えたのである。これは吉田調書報道と同じような「ねじ曲げ」ではないか。
 こういう勝手な解釈に基づく報道は慰安婦問題や原発事故の吉田調書の訂正謝罪でいやというほど懲りたはずだ。にもかかわらず、まだやっている。これを単なる書き飛ばし記事として見逃せないのは「イラク空爆の根拠」は国際社会で大きな論点になっているからだ。
 【*筆者注:だから個別的かつ集団的自衛権に沿って軍事力を行使した、という立場を述べているにすぎない。それでは、アメちゃんの今回のシリア領土への攻撃は、何だったのだ。二者択一、又は曖昧な位置づけで、他国領土を攻撃したのであれば、そりゃ侵略だろう!個別なのか集団的なのか、峻別すべきだ。本当は、軍事的に、その区別が曖昧なことくらい知っている。しかし、安倍政権のように閣議決定で、集団的自衛権行使容認するような、強硬手段に出る政権があるわが国ゆえに、朝日のような解釈をすることも、間違いとか、捻じ曲げではない。流行の朝日叩きの風潮に乗っているだけの風見鶏である】
  ロシアやイランは安保理決議がなければ空爆は国際法違反という立場である。米国は安保理に空爆容認を求めれば、常任理事国であるロシアが反対するのは分かっている。だからこそ、そんな安保理決議手続は踏まず、憲章51条に基づく自衛権の発動という形で空爆を実行した。 
【*筆者注:だから、抜け道利用で、やりたいこと実行したわけで、それこそ国連の創設時の意志に反する。国連はアメちゃんのモノではないから、僅かに価値があるわけで、好き勝手やりたいなら、アメちゃんは、国連を脱退、孤立主義の道を模索すべきである。】 

 â– ã€Œé›†å›£çš„自衛権=悪」のスタンスありき?
 空爆に賛成であれ反対であれ、まずは米国の主張と51条の趣旨を正確に理解することが、今回の事態を理解する第1歩である。ところが出発点で歪んだ報道をされてしまえば、全体構造の理解が間違ってしまうのだ。朝日はいったい問題の重要性をどう考えているのだろうか。 
【*筆者注、おいおい馬鹿言っちゃいけないよ。米国の主張と51条の趣旨を正確に理解することが、今回の事態を理解する第1歩である。安倍政権の集団的自衛権の閣議決定と同じじゃねえかよ!デモクラシーの抜け道で、好き勝手か?正しい主張なら、安保理に掛けなよ。】 
  朝日がなぜ「米国の空爆は集団的自衛権行使」と強調したかといえば、読者に「ほら、だから集団的自衛権というのは怖いんですよ」と宣伝したかったからでは ないか。集団的自衛権=悪というスタンスが先にある。だから絶好の事例として「それで米国は空爆しました。空爆は悪です。だから集団的自衛権も悪です」と 強調したかった。私はそう思う。 
【*筆者注、長谷川、お前の想像だろう?強調したかった。そりゃそうだろう、アベ政権の危険度を知らせる意図がありありだった。良いではないか、集団的自衛権擁護の読売産経日経そして長谷川がいるのだから、朝日が自分たちの主張をするのはくらいじゃないと言論界のバランスが崩れる】 
 個別的自衛権と集団的自衛権の違いについていえば、政党間でも学者間でも実は意見が分かれている。両者は実際には重なりあう部分があるから、厳密に区別しようとしても無理だという意見もある。ここで議論に深く立ち入る余裕はないが、そういう意見の違いがあるからこそ、報道は安易に「これは個別的、あれは集団的」などと決めつけるのに慎重であるべきではないのか。
 【*筆者注:長谷川独特のエクスキューズ詭弁が出た!オマエガ大好きな、否雇われている政権が、曖昧さを、わざわざ明確に定義し、“おじいちゃんおばあちゃん子供たちを守る集団的自衛権”だと例示したのは、安倍晋三ちゃんだよ。よもや忘れたとは言わせんぞ!だったら、安倍晋三は、朝日の記者よりさらに悪質な「捻じ曲げ」をしたことになるだろう?】 
 米国はそんな意見の違いも承知しているからこそ、あえて個別的と集団的自衛権を併記している51条の言い回しをそのまま使った、と解釈することもできる。
 【*筆者注:そのような曖昧さで、世界一の武力を好き勝手に、屁理屈つけて行われるのは許しがたいと云う理解の報道機関があっても、何ら問題はない。今なら、朝日叩きが受けるだろう?なんちゃって空気乞食である!】
 むしろ、そういう立場こそが国際常識とさえ言える。そういう微妙さを理解せずに、記者が勝手に自分の判断を混入させて記事を書けば、読者はますます国際常識からも真実からも遠ざかってしまう。朝日の病根は、ますます深いと言わざるをえない。 
【*筆者注、長谷川君、敢えて君が此処まで言うなら、君の病根は完治不可、ホスピスに入ることをお勧めしよう!】  ≫(現代ビジネス:ニュースの深層:長谷川幸洋)

 完全に、長谷川幸洋は論壇人として終わった。ちょっとした選択ミスで、今後の将来設計を、百田尚樹や西村慎吾路線に切り替えるしか生きる道はなさそうだ。まあ、評論家の一人や二人消えたって、次々、人心を惑わす臨場的状況を提供するマスコミ人は出てくるものである。安倍政権も、田原や北野でも、完全に抱き込めれば、最高の布陣だったが、論客でキャッチアップしたのが、長谷川だった点は、戦略的に不十分だったろう。彼らを取り込みそこなったツケは大きい。筆者注が読みにくい点、平にご容赦。筆者の論拠も希薄だが、長谷川の論拠は詭弁だよ(笑)。

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●反対意見ほど重要 誤謬の道を歩まぬ知恵は対岸にあり

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●反対意見ほど重要 誤謬の道を歩まぬ知恵は対岸にあり

 何度もノーベル賞受賞の機会を“ベトナム反戦発言”などで、米国流に嫌われ、受賞を逃してきた、正義の経済学者、宇沢弘文氏が亡くなった。もう一度、講義を聞いてみたいお一人だっただけに残念だ。公害や地球環境問題にも積極的な発言を続け、リベラル性の強い意志の強い稀有な学者であった。ご冥福を祈る。

 本日は多忙の為、以下のロシアの声による、オバマ国連演説に対する論評を参考引用し、失礼する。自分の感情に好ましいものだけを読まず、不快と感じる陣営の考えや視点も、幅広く知ることが、教養のはじまりである。「空気」に逆らう、強靭な意志と知的好奇心、混沌に生きる我々には欠かせないようになりつつある。明治維新における、欧米追随文明文化信仰が未だにわが国を覆い尽くしていることは、甚だ憂慮されることである。

≪ 米国の幻視する「安全な世界」
【 米国のバラク・オバマ大統領が国連総会で行ったスピーチは、平和を愛する者のそれとは聞こえなかった。ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相はこう断じた。オバマ大統領はグローバルな脅威に一致して取り組むよう、国際社会に呼び掛けた。グローバルな脅威として、エボラ出血熱、中東におけるテロリズム、そしてロシアが名指された。】

ニューヨークの国連本部で開催中の第69回国連総会は水曜、一般政治討論を迎えた。伝統に則り、ブラジルのジルマ・ルセフ大統領が開幕を告げた。その演説の中でルセフ大統領は、国際社会における先進諸国の「声の小ささ」を非難した。 これに次いで演壇に立ったのが米国のオバマ大統領である。ノーベル平和賞受賞者は好戦的だった。

オバマ大統領は世界に対し、グローバルな脅威を前に結集するよう呼びかけた。その「グローバルな脅威」として名指しされたのはエボラ出血熱、中東におけるテロリズム、そしてロシアだ。オバマ大統領は「歴史の正しい側に立つよう」呼びかけた。しかし米国がエボラウィルス対策として兵士を現地に送り込み、国際社会におけるロシアの振舞を批判する中では、これに素直に応じるわけにはいかない。

ラヴロフ外相はこれを「責任転嫁」と評している。
「オバマ氏のスピーチで、国際平和・安全保障に対する脅威として、ロシアが第二位を頂戴した。第一位はエボラ出血熱。第二位が「欧州におけるロシアの侵略行為」。 第三位が「イラク・レバノンのイスラム国」「アルカイダ」その他、中東を跋扈するテロ集団。ただし、中東で特にテロが盛んなのは、米国が国際法に反して干渉を行った国々なのだが。

さて、今日行われた米国大統領の演説では、米国流の世界観が示された。米国と言えば、その安全保障ドクトリンに、「いかなる国連安保理決議、いかなる国際法主体とも独立に、自己の判断に基づき武力を行使する権利を留保する」と書き込んでいるような国である。私が聞いたのは「平和主義者のスピーチ」などではなかった」

総じてオバマ大統領のスピーチは、今日の世界はかつてより遥かに自由かつ安全である、という認識に立脚している。これは大統領およびその演説原稿を用意した大統領府のブラックユーモアであろう。欧州では、ウクライナでは、数か月にわたり兄弟殺しの戦争が続けられた。千人単位で人が死に、数十万人が住む家を追われた。

中東では過激主義が横行し、今にも国家が崩壊しようとしている。テロ組織は米国人を含む諸国の市民を人質にとり、公開処刑を行っている。それなのに、米国大統領は国際社会に対し、世界は良くなっていると言うのである。「ポリチカ」基金のヴャチェスラフ・ニコノフ総裁は次のように語っている。

「米国のRand Corporationによる現代テロリズムに関する研究を含め、信頼できる複数の国際的な研究に、ここ数年、アルカイダをはじめとするテロ組織の員数が急増し、テロの脅威が急騰していることが示されている。世界のテロリスト人口は、2001年に米国が対テロ作戦を実行して以来、50倍に増大している。テ ロの発生件数も同様に増大している。なるほどテロの多くは中東で起きている。米国では起きていない。しかし、それでも世界がより安全になったとは言えな い」

米国の無謬性、例外性、優越性は、かつて国内向けの宣伝だったが、今や国際社会に鼓吹されている。そうでもしなければオバマ氏は、大統領就任以来7年間で、他人の領土で7つの戦争を展開したことを正当化できないのだ。ロシアの欧州議会常駐代表部代表、アンドレイ・ク リモフ氏はそう語る。

「これはシニズムである。私には、オバマ氏が愚か者だなどとは言えない。私には、彼は情報弱者だなどとは言えない。しかし彼が白を指して黒と言い、黒を示して白と言うなら、神明に徴して明らかに愚か者である。少なくとも、オバマ氏の大統領在任中、(他の)主権国家を舞台に行われた軍事行動の件数は、彼の在任期間と同数である。しかも、米国はまず国家機構の破壊、混沌の創造に加担し、次いで誰彼構わず武装させ、しかるのちその武装した者たちと戦うのである。こういう不条理を自ら演ずるのである」

第69回国連総会の一般政治討論は 10月1 日まで続く。この間、国・国際機関の首脳または高官140人以上が演説を行う。ロシア代表団を率いるセルゲイ・ラヴロフ外相のスピーチは27日に予定されている。 ≫(ロシアの声: ナターリヤ コワレンコ)

*筆者注:シニズム、シニシズムとは、≪本当は思想や理想、イデオロギー、主義とかが嘘であることを知ったうえで、尚且つ、誰もが嘘と知りつつ、「ゆえに、我々、そして彼らは、それを信じたフリを止められない状態≫

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●世界は米国の三百代言に乗っ取られかけたが 一息つけそうだ

2014å¹´09月25æ—¥ | æ—¥è¨˜
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●世界は米国の三百代言に乗っ取られかけたが 一息つけそうだ

 おっとっと!腰の抜けそうな自己主張である。三歳児の言い訳じゃあるまいし、どいつもこいつも、詭弁の大盤振る舞い。これじゃ、世界秩序なんて、何ひとつ論拠を失うぜ!民主主義とか、自由主義とか、もうそう云うことを口にしては生きていけない時代が到来したと認識できるアメリカのシリア爆撃の言い訳である。これを、国連が追認するのであれば、もう国連の存在価値もない。小沢一郎の国連中心主義も、大いに疑問符がつく。この「イスラム国」の扱いに関しては、ロシアも同調的である点は、一考に値する。「イスラム国」の本当の正体がどのようなものであるか、もう少し、時間経過が必要かもしれない。それにしても、集団的自衛権ってこういうケースでもあるわけだね。大いに、わが国の集団的自衛権に関しての論考に役立つ事例であることよ!

≪ シリア空爆、米「自衛権行使」 国連に文書、正当化図る
 米国は23日、中東の過激派組織「イスラム国」への空爆をシリア領内で実施したことについて、「国連憲章51条に基づく自衛権行使」だとする文書を国連に提出した。新たな法的根拠を持ち出し、シリア空爆の正当化を図った形だ。国際社会は対「イスラム国」の軍事行動をおおむね容認するが、シリア空爆を巡っては温度差がある。
 米国のパワー国連大使が23日、国連の潘基文(パンギムン)事務総長に提出した文書によると、米国はシリアのアサド政権について、自国の領土を「イスラム国」がイラクへの攻撃拠点としているにもかかわらず、その活動を防げないと指摘。攻撃を受けているイラクからイスラム国への空爆を主導するよう要請を受けたとして、他国が攻撃された場合に反撃する「集団的自衛権」を行使したとしている。
 さらに、シリアにいるアルカイダ系武装組織「コラサン・グループ」の米国などへのテロ計画が最終段階に入っていたこと、米国人記者2人が「イスラム国」に殺されたことを踏まえ、米国は自国民を守る「個別的な自衛権」を行使したと主張している。
 シリア領内での軍事作戦には、サウジアラビア、ヨルダン、アラブ首長国連邦、バーレーン、カタールの中東5カ国が参加。シリアと隣接するトルコのエルドアン大統領は23日、「軍事行動に必要な支援を提供する。支援は軍事または後方支援になるだろう」と表明した。
 国際社会で空爆への支持や容認の空気が広がったのは、米国の各国への根回しが奏功し、「イスラム国」が国際社会全体の脅威であるとの認識が強まっているためだ。さらに、当事者であるシリアのアサド大統領が「テロと戦う国際社会の努力を支持する」と容認する考えを示したことで、反対論はしぼんだ。  だが、フランスがシリアからは支援要請を受けていないことを問題視し、シリアには軍事介入しない姿勢を鮮明にしている。また、イランも「シリア政府の同意か国連安全保障理事会の決議が必要だ」などとする考えを明らかにして、米国に釘を刺した。
 日本は、ニューヨークを訪問中の安倍晋三首相が23日、「事態の深刻化を食い止める措置として理解している」と語った。
 シリア空爆は現地時間の23日午前3時半(米東部時間22日午後8時半)に始まった。紅海とアラビア湾北部に展開していた米艦2隻や最新鋭のステルス戦闘機F22ラプターなどが、「イスラム国」や、シリアにいる「コラサン・グループ」の拠点を空爆した。米軍は24日もイラクとシリアで空爆を続けた。 ≫(朝日新聞:ニューヨーク=金成隆一、大島隆)


 アメリカ傀儡の国連事務総長である潘基文国連事務総長は冒頭演説で、「イスラム国」などイスラム原理主義勢力に対し、「国際平和と安全に対する明白な脅威」だと断定し、「多面的な対応が求められる」と一般討論演説の冒頭に語った。事務総長はアメリカ傀儡だから、どうでも良いわけで、フランスやイランが、どのような考えを示すか、はたまたロシア、中国がどのような意見表明をするかも、今後の展開を大きく左右しそうだ。ロシアも中国も、テロ勢力には手を焼いているだけに、ガチンコで反対を表明できないであろうとオバマ政権が方程式を解いた結果だろうが、戦況の泥沼化でも起きれば、また異なる方向性が示されるのだろう。

 シリアにいるアルカイダ系武装組織「コラサン・グループ」と云う名称が突如現れた。一部情報によると、コラサンはビンラーディン・アルカイダ直系の組織のようで、リーダーであるファドリという人物は、ビンラーディンの側近であったようだ。このコラサンの名前が表沙汰にならなかったのは、米豪英などの大都市でのテロ計画を温めていたために、隠密裏に叩き潰す計画だったと言われているが、ホワイトハウス筋からの情報らしいので迂闊に信用は禁物だろう。また、シリアで展開する「ナスラ前線」という過激集団もあるらしく、今回の空爆にロシアや中国、或はシリア自体が過激に反対しないわけは、この辺にありそうだ。

 ただ、非常に面白い現象も起きている。それは、シリアのアサド大統領も、今回のシリア領土にも及ぶ、米国およびイスラム系国家が行う爆撃を容認する姿勢を見せたことは、ある意味で、当面のアサド政権打倒というアメリカの思惑は棚上げした可能性を示唆している。その為か、西側公認のシリア反体制派主要組織「シリア国民連合」は「面白くねえ」とブー垂れているようだ。彼らはイスラム国を攻撃すると同時に、アサド政権側も攻撃しなければ意味がないじゃないか、と不満を述べている。「お前達じゃないのか!アサド政権を打倒しろと言って、武器や金をくれたのは」本心は、そう云うことだろう(笑)。

 「シリア国民連合」もアメリカやサウジに思うように操られていたと自覚するのであれば、「実は我々は…」とカミングアウトしてしまえばスッキリするだろうが、悪が、あいつが悪だと言っても、どうしても、自らの行動の正当性の証明にはならず、そこまでケツを捲れる人々ではないだろう。いずれにせよ、米国傀儡勢力の力を借りて、行動を起こせば、ブーメランのように、自らに米国の覇権圧力が掛かってくるわけで、やはり、弱者の戦い方には、それなりの方程式がありそうだ。ここでは、流石に、その方程式を言葉には出来ない。最後になったが、ロシアの考え、及びオバマの国連演説を以下に長々と引用して、今夜は休ませていただく。


≪ 新しいテロのかたち
  ロシア現代史でもっとも恐ろしく悲劇的な事件が起こった年から今年で10年目。ロシア連邦北オセチア共和国のベスランの学校が占拠され、1100人が人質 にとられた。解放のための特殊作戦の際、子どもを中心とした334人が死亡した。現在このような規模のテロは、起こらないように思える。ロシアにテロの脅威がないというわけではなく、明らかな脅威から潜在的な脅威へと変化しているからである。
  チェチェン人、ダゲスタン人、イングーシ人の武装勢力によるテロの脅威は、もはや主要なものとは見なされていない。これについては国民も専門家も同じ見解を示している。「全ロシア世論研究センター」の調査によると、現在テロの問題について心配しているロシアの国民は13%。去年より2%少なく、2004年より実に75%も少ない。2004年は調査史上最多の88%が、国の主要な問題はテロであると答えていた。
  ロシアのカフカス研究家ニコライ・シラエフ氏はこう説明する。「北カフカスでのテロ活動は今年減少した。その理由はいくつかある。地下テロ組織への圧力が近年高まり、多くの者が殺害されたかあるいは拘束された。特に特殊部隊はソチ五輪前に活発な活動を行った。また、武装勢力と話し合いを行い、森での活動から平和な生活に戻すことを主な活動としていた、特別な委員会も功を奏した。多くの過激な者は、戦闘のためにシリアやイラクへ行った」。ロシア連邦保安庁のアレクサンドル・ボルトニコフ長官によると、ソチ五輪前後の今年前半だけで、首領21人を含む130人の戦闘員が排除され、160ヶ所以上の武装集団の拠点と武器の隠し場所が発見、破壊された。
 連邦共和国の政府が、自分たちの社会をロシアと融合させようと務めたことも寄与している。特にチェチェン共和国のラムザン・カディロフ首長は、さまざまな形でロシアとの協調ぶりを示している。ウクライナ東部への人道支援発送に積極的に関与し、ウクライナで拘束されたロシア人ジャーナリストを解放し、クリミア半島の経済発展のために資金を配分することを約束している。

グルジア
 北カフカスで情勢が徐々に安定してきているにもかかわらず、状況を悪化させ、テロの危険性を高めそうな要因も存在する。 ロシアの特殊部隊の関係者によると、グルジアはサアカシュヴィリ時代の北カフカス不安定化政策、すなわちアブハジア自治共和国と南オセチアの事実上の分離に対するロシアへの非対称的な対抗策を引き継いでいるという。
 ただ、脅威を過大評価していると考えるロシアの政治学者もいる。「ミヘイル・サアカシュヴィリ元大統領の『新北カフカス政策』の基盤の多くが、確かにグルジアに残っている。しかしながらロシアとの国境はしっかりと閉鎖されているし、北カフカスを不安定化させるほどの資源も気力も現政権にはない。ロシア政府との関係を正常化させる方針をとった現グルジア政府は、むしろ対テロでロシアに協力しているし、ソチ五輪の安全確保でも一定の支援を行っていた」 とシラエフ氏。

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 新たな脅威は中東にある。「イスラム国」には、ロシア連邦出身者が加わっている。ロシア政府はイスラム国から帰国した者が、北カフカス、タタールスタン共和国、クリミア半島など、ロシア連邦内で状況を不安定化させるのではないかと懸念している。
 一部政治学者は、中東のテロがロシアにとって直接的な脅威になるわけではなく、その周辺すなわち中央アジアにおけるロシアの利益にとって脅威になると説明する。「外国人ジハーディスト(聖戦主義者)の中で、ロシア連邦出身者は比較的少ない400~600人。イラクやシリアの傭兵の脅威は、強力な特殊部隊と資金力のあるロシアにとってさほど大きくはないが、政府がイスラム教の地下組織を完全に排除することのできなかった中央アジア諸国にとって致命的 である」と、アラブ学者のレオニド・イサエフ氏はロシアNOWに話した。
 ただ、中央アジアの急速なイスラム化と不安定化は、ロシアのイスラム教徒社会の過激化や、中央アジアで学んだテロリストのロシアへの流入を引き起こす可能性がある。

ウクライナ
 ウクライナのさらなる過激化も脅威である。ロシア連邦のユーリ・チャイカ検事総長はこう話していた。「ウクライナで生じている政治的、民族主義的プロセスは、北カフカス連邦管区、南部連邦管区、クリミア連邦管区の状況を困難にする。これらの管区のどこでもテロの脅威、違法な武器流通、管理不可能な移民の問題がある」 ウクライナでは義勇志願部隊としての「民間軍」の多くに、国がその攻撃権を委譲しているのが見受けられる。また、「右派セクター」のような軍隊化集団も参加している。
 このような非国家的組織は、「モスクワ人権保護援助局」のアレクサンドル・ブロド理事によると、「昨年末からロシアを自分たちの敵と位置付け、ウクライナと国境を接する領域の占拠を呼びかけようとした」という。
 そのため、ペトロ・ポロシェンコ大統領が東部の義勇軍と平和協定も結んだら、親政府組織が命令に従わずに、戦争を続ける可能性もある。このような組織の者はロシア語を知っているし、両国の間にはビザ免除制度があるため、ロシアに簡単に入国できる。また、過激派は極めて危険な破壊道具を手にできるようになった。ウクライナ政府は国家親衛隊の非正規組織が保管できる特別な貨物一覧に、運搬ロケットや使用済み核燃料を含む核物質も加えた。
 中東およびウクライナの脅威とは潜在的なものであるし、ロシアには十分な準備の時間がある。アメリカやヨーロッパと協力できれば理想的だ。中央アジアがイスラム化すれば、炭化水素輸入計画(筆者注:天然ガスのこと)が不透明になることから、欧米にとっても同様に脅威なのである。しかしながら現在の関係を考えると、実りある協 力は望めない。ロシアと欧米の特殊部隊の相互活動史では、成功例がたくさんあるだけに、残念だ。 ≫(ロシアNOW:オピニオン・ゲヴォルグ・ミルザヤン、ロシア科学アカデミー・アメリカ・カナダ研究所研究員)


 â‰ªã€€ç±³å¤§çµ±é ˜:各国に協力要請「必要な行動とる」
【ニューヨーク和田浩明】オバマ米大統領は 24日、ニューヨークの国連本部で始まった国連総会の一般討論で演説し、22日に米軍が中東5カ国とシリア領内で空爆したイスラム教過激派組織「イスラム国」などについて「暴力的な過激主義のがんだ」と危険性を警告し、「弱体化と破壊」に協力するよう各国に強く要請した。ウクライナ危機や、西アフリカで猛威をふるうエボラ出血熱、気候変動問題への対処でも国際連携の必要性を強調。米国としても「必要な行動をためらうことはない」と述べ、世界での指導的役割 を維持したい意向を示した。 オバマ大統領は世界の現状について「戦争と平和、混乱と統合、恐怖と希望の岐路にある」と指摘。国際社会が直面する危険の一つとして、イスラム国などの過激主義思想に基づくテロ組織をあげた。
 イスラム国対策として、(1)軍事作戦の実施や資金・外国人戦闘員の流入阻止(2)過激主義思想の抑え込み(3)宗派・民族間対立の軽減(4)若者や女性の教育、経済機会の拡大−−の重点4分野に言及。過激主義との戦いは「結局は世代をまたぐものになる」と述べ、長期的な取り組みになるとの見通しを示した。
 また、米軍主導のイスラム国に対する軍事作戦は「イスラム教との戦争ではなく、文明の衝突でもない」と明言。中東地域の脅威への有志国の連携した取り組みだと主張した。
 ウクライナの紛争では、南部クリミアを編入し東部で親露派を支援してきたロシアの行動は「大国が領土的野心から小国を踏みつけた過去を思い起こさせる」と指摘。第二次世界大戦後の国際秩序を危うくするものだとして厳しく批判した。一方でロシアが和平に向けた取り組みを進めれば、ウクライナ問題で科 した対露制裁の解除も可能だとの考えを改めて示した。 ≫(毎日新聞)

 最後の最後に一言加えておくが、上記のオバマの演説で、最後に触れているが、シリアのアサド大統領の、シリア領内爆撃容認姿勢。そして、イスラム過激テロ勢力への協調をきっかけに、西側陣営とロシアの手打ちにニオイがしてきている。おそらく、口先だけで、シェールガスをバンバン輸出して、EUを援けます!なんて詐術が、バレバレになる冬将軍の声を聴き、手打ちに前向きになっているのだろう。しかし、不思議だけど、ロシアという国は、冬になると強くなる国だ(笑)。

これが沖縄の生きる道
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●魔女創造、白馬の騎士気取りアメリカ 創られた魔女数知れず

2014å¹´09月24æ—¥ | æ—¥è¨˜
戦後知識人と民衆観
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「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))
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●魔女創造、白馬の騎士気取りアメリカ 創られた魔女数知れず

 覇権主義とは、国家またはそれに準ずるものの、外交・軍事における傾向の一種。当該国の実利的利害関係にのみ基づいて他国に対する対応を決定し、敵対国に対する侵略戦争や先制攻撃によって(若しくは挑発を行なって相手に攻撃させ開戦の正当性や大義を主張し)領土の拡大や自国の安全保障を行い、同盟国や敵対国の反対勢力に対する軍事・経済協力を進める。それを実行し、成功した国を覇権国家と言う。(Wikipedia引用)とあるが、アメリカ帝国の場合、自由と民主主義を旗印に、「偽善的正義」を振りかざす点が鼻につく。社会主義でも共産主義でもない筆者だが、あの牧師のような米大統領たちの演説を聞いていると、鳥肌が立つ。おそらく、筆者の場合、理屈ではなく、アメリカの帝国主義的行動に対しての肌合いが悪すぎるのだろう(笑)。

 山本七平の“「空気」の研究”の中に、以下のような意味合いの文章がある。山本も、欧米に右に倣えするだけの近代化日本に対し、かなり懐疑的立場にあったことが窺える。まあそれにしても、現在の多くの日本人は、その部分など、「空気」に支配されているとも知らず、他人事のように読み飛ばすのだろうが、歴史のポイントとなる部分こそ、よくよく自覚して読んでもらいたいものだ。原文ではなく、筆者の意訳で表現すると、以下のようになる。

≪ 同じく山本の著書である『日本人とユダヤ人』の中で論考されている場面の描写から、山本は「空気」の存在の証明として“臨在感的把握”という個々の人々や大衆の中には、“モノ”に対して、心理的、宗教的影響を受けている現実が存在する点に着目している。この点で、明治の啓蒙家の考えは「石ころは物質にすぎない。この物質を拝むことは迷信であり、野蛮である。文明開化の科学的態度とはそれを否定棄却すること、そのため啓蒙的科学的教育をすべきだ、そしてそれで十分だ」と断定的に語っていた。『福翁自伝』においても同様のことが主張されている。 ≫

 â‰ªã€€æ˜Žæ²»ç¶­æ–°ã‹ã‚‰æ–‡æ˜Žé–‹åŒ–に至る過程の近代化啓蒙は、上述の石ころを拝む歴史的経緯とそこに潜むものへの探求は放棄している。つまり、大衆間に存在する心理的宗教的“モノ”への事実関係への考察をすっ飛ばして、西欧文明こそ近代化だ、と思い込んだようである。「日本人が、なぜ、物質の背後に何かが臨在すると考えるのか、またなぜ何か臨在すると感じて身体的影響を受けるほど強く影響を受けるのか。まずそれを解明すべき」と、それこそ科学的に考えなかった。……山本は福沢諭吉に同情的立場をとっているが、筆者は福沢諭吉などは、糞だと思っている(笑)。只の猿真似思想を啓蒙しただけで、日本の劣化は、幕末から文明開化期に惹起されたのである。明治の啓蒙家にとって、後ろを見ている暇がなかった、先進国学習をしなければ、日本が未開の地、植民地化されてしまうと云う焦りがあったのだろうから、幾ばくかの同情心もあるが… ≫

≪ 福沢に限らず、明治のすべてに、先進国学習はあっても、「探求」の余裕はなかったのである。従って、この態度は、啓蒙的といえるが、科学的とは言いがたい。従って、その後の人々は、何らかの臨在を感じても、感じたといえば「頭が古い」ことになるから感じても感じていないことにし、感じないふりをすることを科学的と考えて現在に至っている。…… ≫と続く。


 筆者は個人的には、司馬遼太郎(元産経新聞の記者)という国民的大衆作家が、幕末から明治の歴史を歪めた元凶的作家だったと認識しているが、ストーリーメーカーとしての力量は否定しがたく、面白おかしく、夢一杯に、明治維新を賛美したわけである。最近で例えるなら、百田尚樹の親玉みたいなもので、『司馬遼太郎が描かなかった幕末 松陰、龍馬、晋作の実像 』という著作があるが、『司馬遼太郎にとって不都合な人々』などと云う本が出れば、筆者は真っ先に買いそうだが、未だ出ていない。いずれ出るかもしれない。筆者に書く気力も能力もないのは残念である。しかし、日本人だけではないだろうが、人間は前に進むことが好きな生き物のようである。ゆえに成長する経済を盲信し、成熟とか下り坂を、非科学的に嫌うのであろう。この辺も臨在感的把握なのかもしれない。その点では、たしかに筆者は臨在感的把握に抵抗している(笑)。

 そうそう、もう少しで“魔女創造、白馬の騎士気取りアメリカ 創られた魔女数知れず”という見出しの話を忘れてコラムを〆るところだった!まあ、筆者が言わんとしていること、既に賢明なる読者はお気づきだろうから、敢えて書く必要もないのだが、少しだけ、この21世紀には、厄介でしかない、死にかけているのに、ああでもない、こうでもない、ああしろ、こうしろ、と読売新聞の主筆のような覇権国がアメリカという名の国である。

≪ 米、シリア空爆 「サウジなど4カ国参加」報道  
【ニューヨーク=吉野直也】米政府は22日、米軍と複数の有志国が過激組織「イスラム国」を標的にシリア領内で空爆を始めたと発表した。米メディアはサウジアラビア、ヨルダン、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンの4カ国が作戦に参加したと報じた。
 米NBCテレビによると空爆は米東部時間22日午後8時30分に開始。イスラム国が本拠を置くシリア北部ラッカを標的に戦闘機や爆撃機による攻撃だけでなく、洋上に展開した艦艇から巡航ミサイル「トマホーク」を発射したという。
 米軍などは最大20の標的に攻撃を加える計画で、対象には武器弾薬・燃料の集積施設や訓練施設、兵舎、司令部などが含まれている。米軍は8月8日にイラクのイスラム国に空爆を始めたのに続き、シリア領での空爆拡大に踏み切った。
 オバマ大統領は今月10日、シリア領のイスラム国への空爆の意向を表明していた。 ≫(日経新聞)

 最近では、アメリカと云う国から魔女のように名指しされているのは、プーチン露大統領とイスラム国(イスラム原理主義のシンボル的扱いだが真実は判っていない)だろう。ウクライナ問題に関するロシア及びプーチンの対応は、常に受け身であったわけで、謂わばアメリカ・ネオコンからのあからさまな攻撃からの防衛行動だったことは、百万遍主張しているので、今さら語るつもりはない。問題は、このイスラム国なるもの、正直実態が不明なのだ。名前こそイスラムなのだが、イスラム世界の名誉であるとか、矜持であるとか、そう云うものすべてに泥を塗るような野蛮さだけを世界中に喧伝している。それでいて、西側諸国が驚くほどのダメージを受けているわけではなく、ダメージを受けているのが、イスラム圏中心であるところに、識者であれば奇妙だと気づくべきだろう。

 こんなにアメリカにとって都合の良い「悪漢」がいるのだろうか?ビンラーディンのアルカイダの時は、肉を切らせて骨を断つような蛮行を選択した覇権国アメリカだったが(共和党ブッシュと民主党オバマの違い)、学習機能を発揮して、自らの国民の被害を最小限にして、海外に敵をつくる方法の一環として、この「イスラム国」が存在しているのではないか?という疑念を持たない点が、非常に面白い。この辺を熱心の語ってくれているサイトが二つあるので、筆者の感覚的な疑念とは別に、参考まで読むことをお勧めする。筆者はあくまでも、全体的流れとしてのアメリカと云う国を眺めることにしておく。
参考サイト
(1)http://rockway.blog.shinobi.jp/Date/20140923/1/  
(ROCKWAY EXPRESS)
(2) http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-0e02.html  
(マスコミに載らない海外記事)


 欧米型政治体制の普及(押しつけの啓蒙)が、世界平和だとでも思っているのか、単にマネーという支配者からのご託宣なのか、主にアメリカが必死になって、中東の人々を脅し、イスラムの敵であるイスラムを滅ぼせと命じている。イスラム国という勢力が、本当にスンニ派によって構成されているかも不確かだ。米英人の首を切ったり、米英市民を殺せとか、もうハリウッド映画張りの特撮と効果的言動が、西側の人々に、メディア・コントロール下において垂れ流されているわけだが、こんなにアメリカにとって都合の良い「悪漢」がいること自体奇妙だと思うのが識者の知恵というか、勘ではないのだろうか。

 言論でメシを食う人間は、兎角この世の空気を感じて生きている種族なので、滅多なことで、唇寒しを度外視して、発言することはないのだが、数人程度はいても良さそうだが、テレビ出演者には誰一人いない(笑)。これじゃ、本当の世界がどんなカラクリになっているか見当もつかいわけで、めくら蛇におじずの趣だ。その癖、10年後、50年後になって、歴史を検証した結果として、はじめて、そのような意見を披露すると云うのだから、その時「魔女」扱いされた人々や国や勢力は、泣くに泣けない、怒りのやり場に困るわけである。

 現在は、アメリカと云う国のコントロール下にある西側世界の大手メディアが、反論する気力もないわけだから、覇権国のあらゆる工作活動は、思い通りに進んでいるのだろう。しかし、このアメリカと云う国が、1960年辺りから一方的な力による覇権主義を明確にし、火のないところに煙を立て、強引なアメリカン・デモクラシーを推進した歴史的事実は、枚挙にいとまがない。何故、アメリカン・デモクラシーの普及なのか、その目的は崇高な理念によってなされていると読解することは不可能で、やはり、戦争する武器を生産する目的とか、支配することで、マーケットを拡大させる目的と理解する方が説得力はある。

 ソ連邦崩壊間近の、キューバ危機にはじまり、1964年北ベトナム沖のトンキン湾で北ベトナム軍の哨戒艇がアメリカ海軍の駆逐艦に2発の魚雷を発射したとされる事件。これをきっかけにアメリカは本格的にベトナム戦争に介入、北爆で始まるベトナム戦争。引き続き、ドミニカ侵攻、グレナダ侵攻、パナマ侵攻、北朝鮮制裁、アフガニスタン、イラク、リビア、シリア、ウクライナ。そして現在、イラク・シリアを股にかけ、正体不明の“イスラムは危ない勢力(イスラム原理主義)”という、共産主義の次に地球上から抹殺するイデオロギーはイスラムだ!と言わんばかりの乱暴狼藉的な行動に出ている。

 いつの日にかは、この正体不明の「イスラム国」と称する勢力が、どのようにして発生し、何処の支援を受けていたか、誰が怪物フランケンシュタインであるのか、そして誰が生みの親であるフランケンシュタイン博士であるのか、その謎は解けるに違いない。しかし、フランケンシュタインがロマン主義的小説と言われる、メアリー・シェリーのゴシック小説には、人間に通っている親愛の情とか、所謂ペーソスがあるわけだが(手塚の『ブラック・ジャック』にも通じる)、アメリカンのどこまでも貪欲むき出しの欲望を表現する例示としては、あまりにもポジションを上げ過ぎた礼賛的例示かもしれない。それほど、アメリカン・デモクラシーの強欲さは、見るに見かねる。そして、偽善ぶる姿勢には、ほとほと参ってしまう。

司馬遼太郎が描かなかった幕末 松陰、龍馬、晋作の実像 (集英社新書)
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善悪の彼岸 (岩波文庫)
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●二つのコラムを読んでみる 時に素直に考えるのも悪くない

2014å¹´09月23æ—¥ | æ—¥è¨˜
光る壁画 (新潮文庫)
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●二つのコラムを読んでみる 時に素直に考えるのも悪くない

 まずは、見出しとは関係ないが、沖縄知事選の不可思議な動きについて、筆者の勘違いも含め、改めてひと言。辺野古埋め立て承認、新基地建設派が現仲井真弘多知事、基地反対の候補が翁長雄志那覇市長という対決になるものと思われたが、沖縄保守の分裂という構図で展開する、11月投開票の沖縄知事選が、急展開の様相を呈している。翁長雄志候補が「辺野古沖の埋め立て承認の撤回」を明言しなかったことで、民主党沖縄県連が、急遽元参議院議員喜納昌吉氏を支持する方向になった。

 反対派の分裂が起きてしまったわけだが、翁長雄志候補と喜納昌吉候補の政治的実力から考えると、どうしても翁長雄志候補に軍配があがる。翁長雄志候補が「辺野古沖の埋め立て承認の撤回」を明言しなかった問題は、感情的に裏切りのようにも思えるのだが、現実問題、「辺野古沖の埋め立て承認の撤回」を次の知事が政府に行う手続きはないわけで、単なるシュプレヒコールの強弱の問題のようでもある。沖縄現地の雰囲気をキャッチアップする限り、どうも喜納昌吉候補出馬は、仲井真現知事に塩を送る行動のようにも受けとめられている。筆者も、短絡的に、翁長雄志候補の煮え切らない言質に疑念を持ったわけだが、どうも冷静になってみると、喜納昌吉候補出馬が選挙戦に水を差した感じにも思えてきた。

 現地に住んでいないと判らない情報や雰囲気が多いので、首長選挙の問題を深追いするのは、適切でないと云う反省さえ憶える。民主党本部は火中の栗を拾うのを回避、自主投票という相も変らぬ根性なしの判断をしたわけだが、本当に「民主党」という政党は死んでしまったようだ。仲井真候補を敗れるのは翁長雄志候補であることは自明のようだが、では翁長雄志候補が辺野古を含めた沖縄の米軍基地反対を貫ける知事かどうかは、判断つきかねる。ただ、戦況として、喜納昌吉候補は絶対に勝てない。基地反対派の票を分裂させる機能は発揮するが、仲井真候補に勝てるわけもない。しかし、選挙と云うもの、担ぐ陣営の思惑も入り込むので、後は、菅官房長官がニヤリと笑う結果になって貰いたくないものである。

 コラムの訂正というか、補筆部分が長くなったが、本題に入ろう。本題といっても、単に面白いコラムを二つ読んだと云うだけのことである。政治とはあまり関係がないのだが、たまには、こういうコラムを読んで、目から鱗のように知らなかったことに感動とか、納得感を得るのも良いだろう。 

≪ “空き地でかつて生まれたもの” 魚住昭
講談社の真裏にある広大な原っぱ(東大の目白台キャンパス)についての話を続けたい。

  原っぱの唯一の〝住人〟である東大准教授の伊東乾さん(49歳、作曲家・指揮者)はこう言った。 「明治の昔、ここには永楽病院という無料診療施設があったんです。それが後に東大医学部に移管され、附属病院の分院になり、戦後も続いた。ところが13年前に閉院になったので、今はこんな原っぱになっているというわけです」

  なるほどそれで水銀などが土中に大量にあったのか。分院ではいろんな化学物質が検査や治療に使われたに違いない。それらが土中に埋められたり、染みこんだりしたのだろう。伊東さんが続けた。

「有害物質は負の遺産ですが、分院には医学の進歩に貢献した歴史がある。戦後、世界に先駆け、胃カメラの開発に成功したんです」
それを聞いてちょっと驚いた。何しろ私は胃カメラが日本で発明されたことすら知らなかったのだから。でも、それがどれほど画期的なことかぐらいは想像がつく。

 以下は後で文献を調べて分かったことである。
医師がファイバースコープ(ガラス繊維を光が通る性質を応用)とカメラを使い、人体内を観察する技術を得るまでには古代ギリシャ以来の試行錯誤の歴史があった。
胃カメラの前に登場したのが胃鏡である。19世紀後半、ドイツで開発された。細い金属管を喉から通し、管の中に光を送って胃の内部をのぞく仕組みだった。
しかし患者の苦痛は大きく、死亡事故まで起きた。その後、様々な改良が行われたが、やはり事故の危険は去らず、胃の隅々を観察できるまでには至らなかった。

 戦争の焼け跡が残る東京で、この胃鏡の限界を超えようとした若い外科医がいた。東大附属病院分院の副手・宇治達郎(昭和55年没)である。彼は胃にカメラを入れたらどうかと思いついた。

  それからまもない昭和24年夏、オリンパス光学の主任研究員・杉浦睦夫(昭和61年没)は諏訪工場に出張し、所長と話をしていると、女性従業員の声がした。 「杉浦さん、お客様ですよ。宇治さんとおっしゃる方」 杉浦はドキンとした。

「渋谷に行ったら諏訪へ行かれたというので追いかけてきました」 宇治は言った。
杉浦は先日、渋谷の研究所で彼に会ったばかりだ。その際、紹介者の常務は言った。
「君、胃袋の中の写真が撮れないかね? いやレントゲン写真じゃないんだ。胃袋の中へ入れて撮る写真機を作ってくれないかと、この宇治先生がおっしゃるのだが」 杉浦は即座に、 「何とかなるでしょう。光とフィルムとレンズがあればね」 と答えて研究室に戻った。

 その後、目の前の仕事に忙殺されて忘れていた。しかしその宇治が自分を追いかけて諏訪まで来たとなれば、ただで帰すわけにいかない。応接間に招き入れて話を始めたが、すぐ帰京の時間が迫ってきた。
「せっかくおいでくださったのに恐縮ですが、私はどうしても今日東京へ帰らねばならないんです」 杉浦が言うと宇治が答えた。
「では、一緒の汽車で帰ります」 杉浦は帰京の挨拶がてら、宇治の用件を所長に報告した。
「それは君、駄目だよ。腹にカメラを入れるなんて! 第一、光がないじゃないか。不可能だ」 所長はけんもほろろだった。お前にそんな暇はないという思いがピリピリ伝わってきた。
杉浦は、 「ああそうですか」 と言ってみたものの内心では、 「よーし、写真が撮れるという実証を見せてやる!」 と叫んでいた。

 その日の夕刻、杉浦は宇治とともに列車に乗り込んだ。風雨が激しくなり、列車は途中で停まったまま動かなくなった。死者135名を出したキティ台風が関東を襲ったためである。 その夜、杉浦と宇治は車中で一睡もせず胃の中を撮る話に熱中した。〈何しろ体の中のことは皆目知らない技術者と、光学のことは不得手な医師の議論である。お互いの思い違い、行き違いの連続〉だったと杉浦は後に回想している。

 しかし日常業務から遮断された車内での議論は一気に研究の骨組みを作り上げることになった。 〈思えば胃カメラ誕生の運命は昭和24年8月31日、キティ台風の夜に決まったのである。 /宇治さんの諏訪工場への訪問。/研究所長の『不可能』の言。キティ台風による思わぬ長時間ディスカッション。(中略)この三つの出来事のうち一つが欠けても今日の胃カメラは生まれなかったであろう〉

 それからの経緯は吉村昭さんが『光る壁画』(新潮文庫)に描いている。平均14㎜の喉を通る、軟らかい管。極細のフィルム。管の先で強い光を放つ豆電球……宇治と杉浦らは難題を一つひとつ克服しながら動物実験にこぎつけた。
 分院地下室の実験台に、麻酔をかけた犬を寝かせ、胃の中を水で洗浄する。カメラの働きを見るため、犬の胃を切開してガラス窓を縫いつけ、実験が終わると傷口を縫合する。その繰り返しだった。 次第に胃壁がはっきり写るようになった。が、土壇場で根本的な問題に突き当たった。胃のどこが写っているのか分からないのである。病変部を撮れても位置が不明では実際の検査に役立たない。 致命的な欠陥に気づいて宇治はひどく気落ちした。それでも気を取り直して動物実験を再開したとたん、偶然の神さまが微笑んだ。

 突然、頭上にともる電灯が消えた。電球の寿命が尽きたに違いない。ドアの近くに淡い電灯がともるだけで地下室の中は薄暗い。 構わず実験を続けた。カメラのシャッターを押す。犬の腹がポッと明るくなった気がした。またシャッターを押す。犬の腹部が確かに円形に光り、消えた。それまで気づかなかったが、胃の中の豆電球の光が体の外から見えるのだ。 ということは管の先の豆電球がどこにあるかわかり、撮影された病変部の位置も確定できるということになる。大発見だった。

 戦後の医療技術の飛躍的進歩はここから始まったと言っていいだろう。吉村さんは『光る壁画』に〈胃カメラとファイバースコープは、日本のみならず世界の医学に不可欠のものとなり、X線検査との併用によって医学の進歩に大きな貢献を果たし〉た、と記した。
  吉村さんと分院は深い縁で結ばれていた。彼は昭和23年、20歳の時に末期の結核(当時はまだ不治の病だった)と診断され、この分院で大手術を受けた。手術は見事に成功し、吉村さんの新たな人生の出発点となった。
 分院は胃カメラを開発したという業績にとどまらず、全体の医療水準がとても高かったらしい。と同時に、本院をしのぐ厳しい研修と指導で知られ、分院で育った優秀な臨床医たちが医療の第一線で今も活躍しているという。
 ならば、なぜそんな病院が閉院に追い込まれたのか。私はその理由を知りたいと思った。 *引用:杉浦睦夫『私の古い「研究MEMO」より』日本医学写真学会雑誌第23巻第1号 ≫(現代ビジネス:メディアと教養・魚住昭:『週刊現代』2014年9月13日号より)

 筆者注:『建通新聞』2007年5月24日付によると、≪【東京】国際宿舎を新設 東京大学が目白台等にー東京大学は、文京区目白台の旧医学部附属病院分院跡地と、柏市の柏IIキャンパスの2カ所に、外国人研究者や留学生用の国際宿舎を新設する。民間からの長期借り入れとPFI的手法によって建設する方針だ。事業着手は2008年度以降の見通し。旧医学部附属病院分院跡地(文京区目白台3ノ28ノ6)に建設する国際宿舎は「目白台国際村(仮称)」。外国人研究者や留学生の居住環境を飛躍的に改善する大規模なインターナショナル・ゲストハウスで、改修し活用する既存施設を含め延べ約2万3000平方㍍の施設整備を想定している。建設の前段として、活用しない既存施設の解体に加え、土壌汚染対策も必要になるとみている。同跡地は面積約2ヘクタール。国際宿舎のほか、社会科学と人文学を中心に理科系も巻き込んだ学融合の場となる「東京大学高等研究所(仮称)」の建設も計画している。≫だそうである。文京区目白台の旧医学部附属病院分院跡地にまつわる問題は、単に永楽病院の美談だけではなさそうだ。魚住氏の次作も愉しみだ。おそらく、軍関連の化学兵器研究などの疑惑もあるのかもしれない。


*参考コラム2
≪ 田端信太郎さん【前編】 「『じゃんじゃん広告費を使えば大丈夫』という時代は、もう終わりました」 『広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。』著者に聞く

◇日本の問題は、マーケターのプロ化がまったく進んでいないこと
藤野 話題の本の著者に会いに行く企画、第2回目は『広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。』共著者の田端信太郎さんです。よろしくお願いします。
田端 藤野さんとお会いするのは4回目ですよね。最後にお会いしたのは、僕がコンデナストからLINEに転職するときの転職パーティでしょうか。
藤野 そうそう、僕、田端さんとそんなにお話ししたこともなかったのに、なぜか発起人になって(笑)。今日はあらためて、広告やメディアについて、田端さんの視点で面白いお話が伺えるのではないかと思っています。 早速ですが、このタイトル、長いだけでなくだいぶ刺激的ですよね。書店の店頭で「えっ?」と思って手にとった方も多いのではないでしょうか。
田端 より正確に言うと、『広告やメディア「だけ」で人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。』なんです(笑)。旧来の広告やメディアを全否定しているわけではないのです。
藤野 なるほど。田端さんはこの本が2冊目となりますよね。前作はメディアの正体や影響力について書かれたものでした。
田端 1冊目の『MEDIA MAKERS』は、どちらかというと「メディアの作り手」に向けて書いた本でした。ただ、今回の2冊目はもっと裾野を広げたいと考えて。企業のマーケティング担当部署にいる方、つまりバイサイド(広告の買い手側)の方に読んでいただきたいと思って書きました。
藤野 なぜ裾野を広げようと思ったんですか? 前作からの2年間で何か思うところがあったのでしょうか。
田端 いくら代理店やメディア関係者のリテラシーがあがったところで、バイサイドのリテラシーが上がらないとどうしようもない、と何度となく感じたからですね。端的に言うと、日本はマーケターのプロ化が進んでいないんです。
藤野 プロ化?
田端 アメリカで は、優秀なマーケターはマーケターとしてキャリアを作るのが普通です。一方、ジョブローテーションすることが多い日本企業では、なかなかマーケティングだけに精通した人が現れません。代理店の担当者のほうが担当企業のマーケティングについてこれまでの歴史や文脈を熟知している、ということも少なくない。 そうすると、言葉は悪いですが、代理店にいいようにやられてしまいます。そこを是正していきたい、という気持ちから書いた本でもあるんです。「じゃんじゃん広告費を使えばオッケー」という時代は、もう終わりましたから。
藤野 テレビへの依存は終わった、とよく言いますね。
田端 巷にあふれる情報の量が格段に増えたことや、HDDレコーダーが普及したことで、いわゆるゴールデンタイムがなくなりました。テレビに限らず情報の発信者と受信者だと、受信者のほうがだんだんと「主権」を持つようになってきました。 みんなが求めるものよりも「僕にとってはどうなのか」という個への深いアプローチが、メディアには必要になってきた。もはや、受信者をコントロールしようというスタンスを捨てなければいけないんです。
藤野 けれど企業の人は、「SEOを使うと顧客獲得の費用対効果が高い」と聞くとそちらにどっと流れ、「次はSNSがくるらしい」と聞くとまたそちらにどっと流れてしまう(笑)。
田端 何か新しいものが出てくると「祭り」みたいになる。そこでこつこつやっていた人もいるのに、みんなで一斉にやってきて踏み散らかしていく。下手なサッカーと一緒なんですよ。ボールがあるところだけに、みんなが集まってきて、何がなんだかわからなくなる(笑)。
藤野 あはは、確かに。
田端 もうそんなことが起こらないように、という願いも込めてこの本を書いたんです。企業側のサイレントマジョリティのリテラシーが上がれば、そんな焼き畑農業みたいなビジネスはまかり通らなくなるはずです。 そもそも、そんなに検索エンジンの費用対効果が高いのなら、TOYOTAやソフトバンクもすべてネット広告に移行するはずでしょう? 投資用マン ションの営業電話に対応するのと一緒です。「そんなに儲かる投資物件ならあなたが買えばいいじゃないですか」っていう。そうしないということは、そういう ことです(笑)。……


*筆者注:まだまだ対談は続く。ここでの掲載は長さの関係でやめておくが、
続きは URL: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40501?page=3
でお読みください。それにしても、広告を打ったからといって、「モノ」が売れない時代というのは、なんとも嬉しい時代が来たものだ。このような傾向がすべてではないとしても、全国を網羅するとか、全世界を網羅するとか、組織やシステムが有効な世界は秩序はあるが、血の通わないものであるだろうし、安全と不自由の相対関係と云うもの、色々と考えさせられる時代に突入した事を気づくコラムである。

広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。
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●システムの欠陥を証明する 欧米デモクラシーのグローバル化

2014å¹´09月22æ—¥ | æ—¥è¨˜
グローバリズムが世界を滅ぼす (文春新書)
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●システムの欠陥を証明する 欧米デモクラシーのグローバル化

 オーストラリア・ケアンズで開催している主要20か国(G20)財務相・中央銀行総裁会議が終了した。特に目新しい動きはなく、参加各国の、金融危機後の回復状況がバラバラで、グローバル経済下で恩恵を受けていた国々でも、そのダメージから充分に回復、経済成長の足取りがまちまちだと云うことを確認するような会議になっている。ルー米財務長官は、己の国家が巻き起こし、巻き散らかした「世界金融危機」が火星ででも起きたことのように、評論家気取りで、色々とコメントしているようだ。アメリカと云う国は”説教強盗”にかなり近い存在である。

 手に触れるモノの存在ではなく、貨幣という観念的なものが主体となる「金融資本主義」は、理論であるとか、金融システムとか、理屈という人工的な人間の行為で起きる資本主義である。このような「金融資本主義」は人工的なDNAを有する国家では有効で、有利な戦場になるのだが、自然国家においては、歴史や文化伝統などが自然発生しているために、容易にコントロール出来ないのは当然なのである。盗人猛々しいとでも言おうか、自分が得意な土俵上で、「お前らは下手糞だ。もっとチャンとやれ!」と主張しているのが、ルー米財務長官だ。自分たちが惹き起こした火事を、火消しの方法も考えていた消防士が上手に火を消しただけのことであり、火の粉をかぶった燐家や隣町は消化に戸惑い、動きが緩慢なのは当然である。

 この人工国家は、その金融パニックを、何と云うことはない、再び金融バブルを再燃させることで乗り切ろうとしている。その煽りを受けたEUや日本は、同じように財政出動やら、公的資金投入やらで、その場の凌ぎの為政に四苦八苦している。中国はグローバル化によって急成長もしたが、更なるグローバル化によって、その勢いを削がれつつある。ロシアは、ネオコン及びNATOの傀儡どもに喧嘩を吹っかけられ、幾分切れたら、今度は「お前はヤクザだ!」と罵られ、西側プロパガンダ相手に外交経済で四苦八苦させられている。G8などと云う意味なき会議から放逐までされている。まあ、中国もインドも参加していない、唯我独尊のような思い上がり会議など無視しても良いのだろう。

 戦後の戦勝国中心に組み立てられた国際連合という機関の役割もほぼ出尽くしたような印象がある。G8もG20も、その機能を発揮できなくなっている。小国にも、一票を与える見せかけの平等と、敗戦国封じに連合をつくろうとした。しかし、途中から東西冷戦を迎え、戦勝国の結束は脆くも崩れ去り、国連の結成時の思惑はぐちゃぐちゃになってしまった。ソ連の崩壊で、もう一度巧くいくかと思ったが、安保常任理事国の枠組みを変えることも出来ず、国連の本来の目的は、殆ど機能しなくなってきている。

 こうした現象は、自由と平等を理念とする、キリスト教的デモクラシーそのものが、自らの理念を貫こうと努力したがため生まれた問題ではあるが、同情には値しない。何故なら、彼らの理念は、欧米にとってという心根があったわけで、到底ユニバーサルな理念の追求ではなかったのだから、綻びるのは自業自得である。これだけ理念と欲望がミスマッチしてしまえば、システムは各々の部分で勝手な動きをすることになり、制御不能というのが妥当な見方だろう。小国は、覇権国の怖さへの恭順の意に対する報酬を求めるし、その報酬を覇権を取り巻く衛星国に求めるわけだが、言うことを素直に聞く衛星国は減ってきている。

 このような動きだけでも充分に厄介だが、その上にBRICsなど新興経済発展諸国の権利主張が抬頭し、その上、イスラム世界の民族宗派による勢力争いが加わるのだから、余程の力の違いがない限り、これらの争いごとを丸く治める能力は、どの国家、勢力にも存在しない。核兵器がミサイルの高度化により、抑止力として効果を表すことより、持っていることのリスク、乃至はそれを利用したときの人類への影響などは、殆ど未知の領域であり、天に唾する行為である可能性も高いだけに、核が武力として有効なものなのか、正解すら出ていない。それならば、圧倒的武力だと言いたいところだが、これも象徴的テロ行為によって対抗されるわけで、圧倒的武力さえも、時には諸刃の剣という色彩を持つ。

 さらに、歴史的民族のアイデンティティなどが参加する地球上の秩序は混迷を深めるばかりだ。善良ぶりたいアメリカは、自ら火付け盗賊をしながら、火消し役も買って出るわけだが、ITネットワークの発展が、経済的優位の地位をゲットしたバーターで、西側プロパガンダで世界の人々を言い包めることの出来ない反意的報酬も背負わされた。何やら四面楚歌に陥っているのは、実はアメリカ様である可能性すらある。安倍晋三が、まさかアメリカに同情して、追随しているとは思わないが、自分の立ち位置が見えないままに、目先の諸問題に立ち向かうと、現在のような相反な行動の連続を奏でるのだろう。財政再建と経済成長の両立など、どんな理屈をつけても無理筋で、この件に関して、経済学者は、何もわからずに「空気」で屁理屈をこねている。

 欧米型デモクラシーと経済のグローバル化は、本来の産業資本主義的成長の限界が見えた時点での切り替えが、金融資本主義であった点に、大きな過ちがあったのだろう。この大失敗に、流れのように追随する限り、閉塞は時間の問題であり、この誤った奔流(そのようにやってきたから)から抜け出す手立てを考えるべき時代に突入している。この時代感覚のキャッチアップを逃してしまうと、もう自力での脱出とか、真の独立国になる理想は永遠に訪れないだろう。独立に必要な資金が、今の日本には残されているが、50年後には、官僚と、そのパシリである政治家らによって食い尽くされ、独立を模索する資金不足に陥るだろう。

日本の地価が3分の1になる! 2020年 東京オリンピック後の危機 (光文社新書)
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●日本の生きる道はある 内需の活性化と適正な海外投資

2014å¹´09月21æ—¥ | æ—¥è¨˜
路地裏の資本主義 (角川SSC新書)
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KADOKAWA/角川マガジンズ


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●日本の生きる道はある 内需の活性化と適正な海外投資

 筆者は、最近はネガティブな日本の将来像しか書かないが、それはひとえに、大劣化した官僚組織とマスメディアに、その多くの責任がある。そして、非常に残念なことだが、小沢一郎が熱心に説き聞かせる「民主主義の定着」の提唱を“念仏化”させているのである。ただ、もっと残念というか、勘違いしていることは、欧米中東などの一神教文化圏における、デモクラシーと云うものが、東洋の島国の住民には馴染まないものだと、5年がかりで見切りをつけた。

 耳にタコができるほど言い続けているので、皆様はウンザリだろうが、明治維新における「近代化」そのものが、実は間違いであったと云う視点である。何も、江戸時代の封建制度が良いと言っているわけではない。幕閣政治を推奨すれば、官僚機構そのものなので、現在の官僚と同じ利権の鬼になるのは必定だ。国民の主権も必要だろう。しかし、その代理人の政治家が、この様では、選挙の時だけの主権者であり、その瞬間以外は家畜の時間を過ごすことになるのは約束されたに等しい。

 現時点では、あくまでヒントの段階だが、わが国では、歴史的に常に「天皇」という存在が、善かれ悪しかれ、庶民の「お上」であった。執権を握ろうとした天皇もいれば、武家制度に委ねた天皇もいる。それら、天皇たちが、常に庶民の味方であったかどうかは疑わしいが、一定の基礎的範疇は、その時代ごとに持ち合わせていたはずである。八百万の神と同等かもしれないが、準神格化した天皇の存在は、やはり庶民の心の何処かに、いつも宿っていたような気がする。天皇の地位の正当性が云々という問題ではなく、現に我々は、その天皇に一定の敬愛と信頼の情を持ち合わせている歴史がある。

 世界の人々さえもが、実は羨ましく思っている日本という国は、善かれ悪しかれ、天皇を残して今日に至っている。天皇の戦争責任とか、歴史の中から見れば、ほんの一瞬の出来事を通して、その宝を有効利用する知恵も出さずに、悪しざまに罵っても、何の得もない。世界の皇室の中でも、極めて健全な状態で生き残っているのが、敗戦国であったわが国の天皇というのも、非常に興味深い。この事が、20世紀後半から21世紀において、各国の政治家やリーダーが、日本で最も会いたい日本人が「天皇」であることを見ても、世界の目は理解できる。

 夜も更けてきており、いくら秋の夜長でも、この問題を書き込み気力は充実してこない。ただ、民主主義と君主制の融合した国体を創れる国は、主たる国でわが国だけくらいのものだと云うこと。そして、付和雷同するのが日本人であり、自己決定能力が欠落していると云うか、そう云う権利に目覚めたくない民族性があることなどを考慮した、日本独自の「君主民主主義」を選択できるのは、日本だけだと云う視点を強化していきたい。筆者にしてみれば、そういう「空気」が歴史的に、日本には常に流れていた事に着目したい。いずれ、多少は体系的書いてみようと思っている。

 わが国の将来は、実は以上のような発想を持てば、まだまだ明るい。勿論、今の八百長デモクラシーなんてものを、補修補修し続けても、根本的に馴染まない国民なのだから、無理無謀なのである。しかし、内需を中心とする「地産地消」の精神や、「モッタイナイ」の精神や、「欲しがりません勝つまでは」の精神など、馬鹿にしたものではない。日本人は、こういう些末にさえ思える精神性で生きていける民族なのだ。この精神性などが微塵もない国は、デモクラシーだけで国家を動かしているつもりで、実は、それを動かすために考えた、制度や貨幣に駆逐される国体になっていくのである。

 日本の内需と資産の海外投資が適切に行われれば、最低でも食べていける将来を意識させられる国家が生まれるだろう。国内に投資をしても、多くのゲインんは得られない。その隣に、開発を待ち望む国が目白押しなのだから、官民共同ではなく、個別の裁量で、成長市場に、「アリババ」探しの投資をするのは、良いことだと思う。なにも孫正義一人に儲けさせるべきではない。チャンスは、孫正義同様に、我々の目の前にも置かれているに違いない。今夜は、筆者とかなり趣旨の違う大前氏のコラムだが、参考まで引用しておく。


≪ インドなど南アジアは重要な投資先、 「札束外交」で友好関係は築けない
 日本は今後5年間でインドに官民で3.5兆円の投融資を行い、直接投資額や進出企業数を倍増させるという。安倍晋三首相とインドのモディ首相は9月1 日、都内の迎賓館で約2時間会談し、共同声明に署名した。安倍首相はバングラデシュを訪問するなど南アジア外交を活発に行っているが、単なる「札束外交」 に陥らないよう注意が必要だ。

■ 日本、そして中国から対印投資を引き出すインド
 安倍首相と会談したインドのモディ首相は、日本への強い思い入れを持っている人物だ(モディ首相についてはこちらの記事を参照)。その意味でも、今回の会談で示された友好関係というのは決して偽りではないと思う。
 しかしその一方で、中国の習近平国家主席が9月17、18日にインドを訪問する予定で、モディ首相との首脳会談で両国の経済協力推進を表明する意向だ。 モディ首相は個人的に日本に思い入れがあるといっても、あくまでもインドの代表であることを忘れてはいけない。インドの国益を考えて、中国にリップサービスをして対印投資を引き出すのは当然のことだ。実際、習主席をモディ首相の出身地グジャラート州に案内するなど、かなりきめ細かい“友情”の演出が予定されている。
 言い換えると、日本に対するモディ首相の発言も対印投資を誘うためのリップサービスであると、日本人は冷静に受け止めておいたほうがいい。実際、最終的に日印両国がサインした共同声明は、事前に日本側が用意したものから、かなり後退した修正が加えられた内容となった。

■ オーストラリアにも出し抜かれる日本
 具体的には、日本側が求めていた外務・防衛閣僚協議(2プラス2)の設置が見送られている。日本としては対中牽制のためインドとの関係強化を図りたかったのだが、習主席の来印を控えるインドとしては、中国を刺激することは避けたかったのだろう。
 結果的に、経済援助やビジネス面で気前の良かった日本に対して、インドは最終的なコミットメントを先送りした。さらに悲しいことに、日本はオーストラリアにも出し抜かれてしまった。
 9月5日にオーストラリアのアボット首相がインドを訪問し、モディ首相と会談。そこで原子力協定の締結が合意されたのである。オーストラリアからウラン燃料を輸出し、電力不足に悩むインドは原発を推進する狙いがある。  ここで「日本と原子力協定を締結した国」をご覧いただきたい。
*図省略
 日本もインドとの原子力協定締結を急いでいるが、首脳会談では過去数カ月間での重要な進展を評価したものの、早期妥結を目指して交渉加速を双方の事務方に指示することで一致するにとどまった。その直後に、オーストラリアがインドと素早く原子力協定を結んでしまったというわけだ。
 アメリカは核不拡散条約を批准しないインドと広範な原子力の取引をする約束を交わしている。日本としては原子炉の輸出などを可能にする原子力協定を結びたかったが、それは先送りされた。おそらく中国は今回の訪印で原子炉の売り込みまで計るだろう。つまり、表面上は友好関係の演出に成功したかに見えるモディ首相の訪日は、集金目的とは言わないまでも、かなり実りの少ないものであった。

 â– ãƒãƒ³ã‚°ãƒ©ãƒ‡ã‚·ãƒ¥ã¸ã®å††å€Ÿæ¬¾ä¾›ä¸ŽãŒæ€¥å¢—
 さて、モディ首相と会談した安倍首相は6日にバングラデシュを訪問し、ハシナ首相と会談した。円借款を軸に6000億円の対バングラデシュ援助を行うことで合意がなされている。
 ここで「円借款供与額上位の国(億円、2012年までの累計額)」をご覧いただきたい。
*図省略
 日本がこれまで行ってきた円借款供与額を累計で見ると、1位はインドネシアの4兆6398億円、2位はインドの4兆914億円、3位は中国の3兆3165億円となっている。中国には3兆円以上の援助を行ってきたのだが、まったく感謝されていないのが実情である。
 中国政府は政府開発援助(ODA)で完成した道路や橋などの完成式典で、日本のお陰で出来た、とは言わない。共産党がつくってやったのだ、というトーンで祝福している。ベトナムなどでは逆に日本大使などを呼んで、テレビなどでも日本の貢献を詳しく述べている。こうしたことの積み重ねにより、インドネシア などで「日本が好きだ」という人が圧倒的に多くなっている。
 2012年だけに限った円借款供与額上位国を見ると、累計額では9位に過ぎないバングラデシュが浮上し、近年に円借款供与額が急増していることがわかる。1位のインド(3531億円)、2位のベトナム(2029億円)、3位のミャンマー(1989億円)に次いで、バングラデシュは4位(1664億円) となっている。

 â–  バングラデシュに辞退させたかたちの日本の「札束外交」
 今回、バングラデシュとの間で合意された援助はいわゆる「ひもつき援助」(開発用資材などの調達先を供与国、すなわち日本にするなどの条件付き援助) で、最終的には日本に戻ってくる選挙対策、景気刺激策のお金でもある。ただ、安倍首相は経済援助と引き換えに国連安全保障理事会の非常任理事国を“バング ラデシュから買った”ことになってしまったので、その点でバングラデシュ世論が怒っていないかどうか心配である。
 2015年10月に行われる非常任理事国選挙には、日本とバングラデシュが立候補していた。同じイスラム教の国々から票を集めるバングラデシュは伝統的に非常任理事国選挙に強いので、日本は対決を避けたいと考えていた。そこで、非常任理事国選挙とは直接関係のない経済援助を持ち出すことで、バングラデシュの出馬辞退を促すかたちになったのだ。
 これで日本は非常任理事国選挙に無投票当選することが濃厚になったが(当選すれば6年ぶりの復帰で、最多の11回目)、札束で議席を“買った”ことに対して、バングラデシュ人が「貧乏国だと思ってバカにするな」と国民感情を悪化させているかもしれない。
 バングラデシュなど南アジアはこれからアジアの労働集約型産業の拠点になる地域であり、非常に重要な投資先だ。腐敗が横行するベトナムやミャンマーと いった国々よりも、バングラデシュやインドへの援助を強化するべきである。だからこそ、相手国の感情を損ねるような「札束外交」ではなく、自制心を持っ た、かつ相手国の発展につながるような援助を行っていかなければならない。 ≪(日経BPnet:大前研一)


江戸幕府と儒学者 - 林羅山・鵞峰・鳳岡三代の闘い (中公新書)
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●安倍はGPIF投機で八百長相場 孫はガチンコ勝負で8兆円

2014å¹´09月20æ—¥ | æ—¥è¨˜
デジタルは人間を奪うのか (講談社現代新書)
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講談社


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●安倍はGPIF投機で八百長相場 孫はガチンコ勝負で8兆円

 最近の東証日経平均の動きは忌々しき問題を抱えたまま、1万8千円の大台を狙うという構図のようだ。下がるべき局面が何度かあったが、その都度ミセスワタナベならぬ、ミステリー投機資金が注入された。兜町では、専らミステリー投機の主は、公的資金だろうと噂されている。それに、今回は為替関連で海外ファンドが参加し、大相場を演じつつあるわけだが、参加者は公的資金と海外ファンドという按配のようだ。流石の筆者も、8月半ばに、損切したのだが、あの時決意しなければ、今頃、大損害になるところだった。勿論、充分に損をしたが、輪を掛けて損するところであった(笑)。

 まあ相場と云うもの、損もするし、得もする。ただ、公的資金にやられるとは、納税者としては、かなり腑に落ちない。大相撲の八百長くらいなら、まあ良いじゃないかで済まされるが、国民の命綱、年金積立金に手を出すとなると、これは、只事では済まされない。東証株価が下がれば、年金が減るぞ!という匕首を、国民の喉元に突きつけられているような、現在の相場は、相当にリスキーだ。安倍晋三が、このまま、WSJに寄稿したような嘘八百を言い続けられる環境は、一般生活者の生活を直撃する可能性が高くなっている。株価が暴落すれば、GPIFは大穴を空けてしまうわけで、永遠に株を買い続けるジレンマに陥ることになる。世界一の年金基金が買い続ける不健全な東京証券は、ある日、世界のマネーゲームすら寄せつけない、自画自賛相場の正体を現すことになるのだろう。

 このような、自分たちで株を所有し、下がったら、貰う年金が半減するので、買い続ける株式相場なんてものは、もう狂気な国と認定されるも同然である。“放射能はわが管理下にある”に“東証はわが管理下にある”と言っているも同然だ。しかし、背に腹は代えられず、永遠のアリ地獄に落っこちる危惧を持つ。。それに引き替え、ソフトバンクの孫正義の投資はガチンコ勝負で、公的資金投入の東証に比べれば、相当に爽やかなお手並みである。アメリカがアリババ一色になっているわけだが、ウクライナのポロシェンコ大統領が訪米した話題など、3行広告のような扱いである。孫が、第六感でアリババに投資した額はたったの20億円。本日の株価で換算すると、8兆円の含み益なのだから凄い。この辺のことを日経が以下のように報じている。


≪ ソフトバンク社長「株売る気ない」 アリババ上場含み益5兆円
 アリババ集団の上場を受け、同社株式の約3 割を持つ筆頭株主のソフトバンクは8兆円弱の含み益を得る。2000年に20億円で取得したアリババ株の価値が、実に4000倍に高まった計算だ。有望な ベンチャーを見抜く孫正義社長の「目」はソフトバンクの成長の原動力でもある。国内外1300社にのぼる出資先の中でもアリババは最大の成功例だ。
 「会って最初の5分、話すやり取りや目つきを見て、動物的なニオイで決めた」。孫社長は、アリババの馬雲(ジャック・マー)会長との初対面で投資を即決した当時をこう振り返る。
 孫社長は「株を売る気はない」と繰り返す。ベンチャー投資は出資企業が上場する際に株式を売却し、得た資金を次の投資先に振り向けるのが一般的だ。なぜ売らないのか。
 一つは、保有株を元手に金融機関から資金を借り入れ、積極的にM&A(合併・買収)を仕掛けることができるからだ。売却益を得なくても、含み益を事実上の担保として活用できるわけだ。
 もう一つはアリババを「アジアにおける戦略的グループ企業。長く提携関係を保ちたい」(孫社長)と位置付けるため。グループ1300社のうち、ソフトバンクモバイルなど主要な通信子会社を除くと、孫氏が取締役に名を連ねるのはヤフーとアリババくらいだ。
 もっとも、現時点で明確に挙がるシナジーは少ない。アリババ日本法人に共同出資している以外は、ヤフーがインターネット通販事業で、アリババを参考に出店料を無料にしたくらいだ。
  今夏以降、一部の海外メディアは無料通話アプリのLINE(東京・渋谷)にソフトバンクとアリババが共同出資を検討していると報じている。ソフトバンクの 宮内謙副社長は19日、都内のイベントで記者団に対し「そんな話はまったくない」と否定した。両社が今後どう事業上の連携を深めていくのか、アリババ株の 含み益の使途と併せて観測が絶えない。 ≫(日経新聞)

 このような快挙を実行している日本の経営者が孫正義であることは、ある面で複雑な思いもないではない。しかし、仮に生粋の日本人であったなら、このような「空気」と関係なく、自分の頭、勘、心で動くことは出来なかったと想像する。この辺に、日本民族の限界が一部見えることも、謙虚に受けとめる度量が必要だ。SONYがどうなるのか判らないが、経団連主導の日本経済には、まさに限界がある。否、もう既に限界点は越え、完璧な下り坂に入っている。逆に、日本人のグローバル世界における、有限性をつくづく考えさせられるわけである。

 筆者は、その日本人のグローバル経済下における限界が悪いとは思っていない。ただ現在のように、経団連に群れている経営者連中の、政治を金で買うような乞食根性がある以上、将来展望は限りなく暗いものになる。政治に下駄を履かせてくれ、そうすれば我々も恩義を感じ、それ相当の見返りを為政者に寄付する心づもりだ。こんなあからさまな白昼堂々の贈収賄まがいの行為が、事も無げに語られる日本は狂っている。グローバル経済と金融資本主義経済の中で「越後屋、お主も悪よの」は馴染まない。しかし、考える視点を変えるとすれば、必ずしも悪い商習慣、癒着だとも言い切れない。グローバル経済と金融資本主義経済の世界で馴染まない民族性だと言っているだけだ。

 民族の枠組みの中で、生きる事に慣れきった島国で育った民族には、ドラスティックな世界中を見渡すグローバル経済システムは、ハンディキャップをはじめから背負った戦いである。無理に無理を重ねて、青息吐息で後塵を拝する戦いに明け暮れることになるのは目に見えている。一部、グローバル化で生き抜ける産業や企業は世界で戦えば良いだろうが、その考えを、一律の産業や企業に当て嵌める政策には、新味もなければ、戦略性もなく、日本全体として不利な戦況化で突撃する無謀にもつながるわけである。このような状況では、間違った平等の感覚は、政策を誤るだろう。不平等な側面はあるが、内需産業と外需産業に、政策の色分けこそ、今の日本が取り得る選択のような気がしている。

エンデの遺言―「根源からお金を問うこと」
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日本放送出版協会


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●沖縄知事選が急展開 菅の陰謀、加担するのか民主・岡田も

2014å¹´09月19æ—¥ | æ—¥è¨˜
空き家問題 (祥伝社新書)
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祥伝社


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●沖縄知事選が急展開 菅の陰謀、加担するのか民主・岡田も

 わが国の年金基金が、安倍晋三の政権維持のツールに使われだした件で問題点を抽出中だったが、急遽テーマを変更する。なぜかと云うと、以下のように沖縄メディアが、民主党県連が翁長雄志氏を知事選候補を支持する予定だったが、ここに来て、その方針を撤回、元参議院議員喜納昌吉氏の擁立を決定したと云う報道がなされたからである。先ずは、以下の記事を読んでいただこう。

 â‰ªã€€æ²–縄知事選に喜納昌吉氏 民主県連が擁立決定
民主党県連(喜納昌吉代表)は16日、常任幹事会を開き、11月16日投開票の知事選に、独自候補として喜納代表を擁立することを決めた。県連所属の那覇市議は翁長雄志那覇市長への出馬要請に加わっていたが、県連が擁立の条件とする名護市辺野古の埋め立て承認の「撤回」を翁長氏側が受諾しなかったため、支援できないと判断した。
 県連は16日、喜納氏に知事選への出馬を要請。喜納氏は結論を保留したが、幹事会後の記者会見で「少しためらいはあるが、断ったら県民が失望する」と述べ、強い意欲を表明した。
 自身が出馬する場合は、承認撤回を公約に掲げる考えを示した。
 県連は同日選の可能性が高い那覇市長選では、県連所属の那覇市議が参加した選考委員会が全会一致で擁立を決めた那覇市副市長の城間幹子氏の支援も、白紙に戻すことを決めた。
 喜納氏は、選考委の正式決定前に候補者の氏名が報道されたことなどから「民主的な手続きが取られていない」と理由を述べた。 ≫(沖縄タイムス)


 â‰ªã€€çœŒçŸ¥äº‹é¸ã€€å–œç´æ˜Œå‰æ°ãŒå‡ºé¦¬ã«æ„æ¬²ã€€æ°‘主県連擁立決定
 民主党県連は16日、常任幹事会を開き、11月の県知事選に喜納昌吉代表(66)を擁立することを決定し、県連として同氏に正式に出馬を要請した。近日中に党本部に報告した上で、喜納氏が週内にも記者会見し正式に表明するとしている。喜納氏は「ためらいはあるが、断れば県民のひんしゅくを買う」と述べ、 出馬に意欲を示した。
 民主党県連は知事選への出馬を既に表明した翁長雄志那覇市長の推薦も視野に検討していた。だが上里直司幹事長によると、県連との調整で翁長氏側が「辺野古沖の埋め立て承認の撤回」を明言しなかったため、支持できないと判断し、喜納氏擁立を決めた。16日の常任幹事会では那覇市長選の推薦候補も白紙とすることを決めた。
 ただ民主党本部は米軍普天間飛行場の辺野古移設推進を掲げており、辺野古移設に反対する県連の喜納氏擁立に同意するかどうかは不透明だ。一方、馬淵澄夫前選対委員長は11日に上里氏と会談した際、独自候補擁立について「慎重に考えてほしい」と求めていた。
 一方、民主党の支持団体である連合沖縄は翁長氏の推薦を目指している。連合沖縄の大城紀夫会長は16日、「同じ候補者で知事選に向かうべきだ」と述べ、民主県連と協議する考えを示した。
 喜納氏は常任幹事会後の会見で、出馬する場合は辺野古埋め立ての承認撤回を公約すると明言し、「辺野古移設案を越える知恵を出さないと、政治家として何の役割があるのかとなる。(知事選では)そこが問われている。県民、日本国民が納得するプランB(代替案)を出していけばいい」と強調した。 ≫(琉球新報)


 筆者は、この沖縄知事選候補・翁長氏に関しての疑念を拙コラム「官房長官の悪魔の舌先 福島・沖縄知事選に暗雲漂う」の中で、
『……筆者などは、仲井真弘多の立候補は冗談かとさえ思ったくらいだから、立候補自体からして奇妙なわけである。仲井真は立候補する前から、知事選敗北は承知し ていたような気がする。現在までに入っている情報を整理してみると、翁長候補がWスコアー以上で圧勝すると言われている。菅官房長官も、憎き翁長雄志、共 産党からまで支持される保守などいるわけがないと、悪しざまなほど対立関係を醸し出している。しかし、絶対有利に思われている翁長候補への攻撃というよ り、自民党・保守の敵呼ばわりを敢えてしているように見えてしまう。何故かというと、完全に翁長候補が勝つ知事選だったのに、翁長候補が「埋立承認撤回」 を明言しない立候補表明に至ったことで、“HATENA?”という空気が沖縄県民の間に広まりつつある問題を重視した可能性がある。その為の、対立構図の 再構築なのではないか、という疑念でもある……』
と述べておいたが、まさに風雲急を告げている。

 筆者は、以前、鳩山由紀夫が贖罪を貫徹するためにも、沖縄県知事選にうって出るべき論を語っていたが、どうも菅官房長官の魔の手は、完全に翁長候補にまで回されていたことが、半ば証明された感がある。なんだか、酷く寂しい気分になるが、ケビン・メアの「沖縄県民はタカリの天才」という中傷が当たるのではないかと危惧する。たしかに、菅義偉という政治家の手腕は相当のものだが、トラップに次ぐトラップを繰り出すだけの魑魅魍魎な悪人に過ぎないのではないだろうか。政治的手腕がどうのこうのではなく、人として、あまりにも詐術を弄し過ぎである。こういう人間が安倍政権の屋台骨を支えている以上、到底、国民のために政治を行うことはあり得ない。今までの、日本の政治史上で見受けられないタイプの政治家なようだ。

 民主党は、辺野古基地新設を「出来れば国外、少なくとも県外」を主張した鳩山由紀夫を引きずり降ろし、菅直人、野田佳彦によって、09年の政党とは全く異なる政党に化けてしまったわけだから、喜納氏を公認する可能性は、まずないだろう。その為に、選挙対策委員長を馬淵澄夫からフランケン岡田克也に代えたのだから万事窮すだろう。この調子だと、筆者などが想像する以上に、菅官房長官率いる安倍政権は、日本をズタズタにするのかもしれない。菅義偉という政治家は苦労人だとしか、認識していなかったが、どうも認識が甘すぎた。まあ、甘くなかったとしても、消しようもなかったが(笑)。この調子だと、仲井真が立候補したことが、冗談ではなかったことになる。

性犯罪者の頭の中 (幻冬舎新書)
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●流星の如く現れた「リテラ」というメディア 意図と価値

2014å¹´09月18æ—¥ | æ—¥è¨˜
綻(ほころ)びゆくアメリカ―歴史の転換点に生きる人々の物語
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NHK出版


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●流星の如く現れた「リテラ」というメディア 意図と価値

  以下の伊勢崎馨氏の古賀茂明著『国家の暴走』(角川書店)に書かれていることをテーマに書かれたコラムである。このコラム自体、大変有意義なことが書かれているので、拡散の意味もあり、掲載しておくが、筆者の興味は、この流星の如く現れた「LITERA(リテラ)」というネットメディアに関してだ。

  「LITERA(リテラ)」は2014å¹´7月に誕生した“本と雑誌の知を再発見”と銘打ち、“本と雑誌のニュースサイト”と続く。サイトに紹介されている「リテラとは」には、以下のように書かれている。

『 2014年7月にオープンした「LITERA」は、本や雑誌からニュースを掘り起こすサイトです。
 紙のメディアには、まだまだネットでは知ることのできない情報、知識がたくさん詰まっています。エッセイやインタビューでは、有名な作家やタレントが意外な本音を語り、週刊誌や実話誌ではネットでまったく話題になっていない衝撃的なスキャンダルが報道され、実用本、ビジネス本には仕事や生活に役立つ知識がいくつも載っています。
 マンガや小説から人生の悩みを解く鍵を見つけたり、何十年も前に出版された本から、今、起きている問題の本質が明らかになることもあります。
 しかも、本や雑誌の情報はネットとちがってスクリーニング、体系化のプロセスを経ており、クラスタをこえて広がる普遍性、信頼性をもっています。 「LITERA」はこうした紙メディアの情報価値をもう一度見直したいと考えています。
 本や雑誌をただ紹介するのでなく、そこから今の時代に必要な情報やネタを抽出し、新しいかたちのニュースに再編集して、配信していく。いわば、本や雑誌が専門家、コメンテーター、ディープスロートの役割を果たすニュースサイトです。
 オールドメディアとネットを結びつけ、新しいかたちのニュースを発信する「LITERA」にぜひご期待ください。 』

 経営母体は「株式会社サイゾー(Cyzo inc.)代表者:揖斐憲」になっている。「日刊サイゾー」、「サイゾーウーマン」、「メンズサイゾー」、「プレミアサイゾー」、「ハピズム」、「ビジネスジャーナル」「messy」)等の企画/制作/運営企業だが、今までの路線とも違う、新規な試みに思える。権力の横暴に屈した感があった「噂の真相」と幾分似た路線だが、既成の本や雑誌の記事を紹介(広告宣伝?)しながら、崩壊しつつある“メディアリテラシー”を再構築出来ないものか、挑戦している点は評価に値する。「噂の真相」の復刻も、一時噂に上っていたが、リテラのようなリテラシーに対する試みも有意義だろう。マスメディアや既存雑誌が、広告掲載料で舌鋒を縛られている現状では、このリテラの試みは、準オフィシャルなブロガーサイトの趣も感じる。

 最近の目についた“見出し”を眺めるだけでも、一興に値するし、興ずるだけでなく、メディアリテラシーを知らずに深めることが可能かもしれない。以下に、目についた“見出し”を抜粋しておく。

■安倍政権の朝日誤報問題スリカエ手口
■たかじん「在日」ルーツ迫る評伝
■オシャレ業界のブラックな実態
■元官僚が暴露! 安倍軍事立国の野望
■朝日の「吉田調書」誤報問題の謀略戦
■安倍内閣女性閣僚の「反女性」発言集
■朝日新聞が誤報問題のトラウマで権力批判を放棄し“読売新聞”化?
■一見、普通の人なのに……性犯罪者の頭の中はどうなっているのか!?
■「説得できない有権者は抹殺」高市早苗推薦、自民党のヒトラー本が怖すぎる
â– JRでタブーになった「リニア新幹線」慎重論…「新幹線の父」の意見も封印
■デリヘルIT化で顧客情報が警察に筒抜け、30万人の風俗嬢が警察のスパイに!?
■『報道ステーション』ディレクター自殺で飛びかう原発“謀殺”説の真偽
■錦織選手に1億円!でも労働者には厳しい「ユニクロ」のブラック体質
■福島で心筋梗塞による死亡が急増!セシウム汚染との因果関係は?
■早漏は脳の問題?話題の「早漏克服本」が提唱するトレーニング法とは
â– 20歳年下の一般女性にメロメロ! 新婚・松尾スズキが“加トちゃん化”?


 取り上げられている話題は、ピンからキリまで、清濁併せ呑む感覚なのが、なかなか乙である。筆者の感性から理解できた、このサイトの狙いは、オッサンに時代の流れを、ガキにこの世の通念を知らせていると云うか、啓蒙的色彩も含まれているように思える。しゃっちょこばった啓蒙などは良いから、取りあえず、こういう考えもあるよ的なのが良いのだろうと思う。筆者も見習いたい「リテラ」の精神だが、どうも情緒が豊かすぎて、ついつい力んでしまう(笑)。ただ、将来のビジネス・モデルとしても、面白い試みだ。まあ今夜は、伊勢崎氏の古賀茂明本の話を愉しんでいただこう。


≪ 経産省元官僚が指摘! 安倍政権が進める「戦争をするための13本の矢」
 内閣改造で支持率アップが伝えられる安倍晋三首相。仇敵の朝日新聞を追いつめた後は拉致問題のカードも控え、向かうところ敵なしに見える。日本版 NSC、集団的自衛権容認、秘密保護法に対しても反対しているのはごく一部で、ほとんどのメディアや知識人はだんまりを決め込んでいる。
 そんな中、一貫して安倍政権を批判し続けている元官僚がいる。元経産省キャリアの古賀茂明だ。古賀は経産省でエリートコースを歩みながら、福田内閣時代に「年功序列人事の廃止」「天下り規制の強化」「事務次官廃止」など急進的な公務員制度改革に取り組んだ結果、霞ヶ関で疎んじられ、経産省から放り出されてしまったという人物だ。
 公務員改革や規制緩和、そして元経産省官僚としての責任から原発依存型政策の転換=脱原発政策を強く主張していたが、みんなの党や日本維新の会のブレーンをつとめるなど、左翼でも理想主義者でもない。
 ところが、その古賀が最近、安倍政権の安全保障政策や改憲の動きに真っ向から異を唱えているのだ。古賀の近著『国家の暴走』(角川書店)では、安倍政権の最近の動きを“加速する暴走”ととらえ、その背後に軍事立国への野望があることを指摘している。
 古賀によれば、安倍総理とそれを支えるブレーンは日本を軍事的な“列強国”にすることを最優先課題と位置づけているのだという。
 しかもその“列強国”とはたんに「戦争ができる国」というだけではない。「戦争と縁の切れない国」、「戦争なしでは生きられない国」であり、自衛や人道、そして国民を守るためではなく「自国の利益のための戦争」を行使する国だ。 「戦争が起これば武器が売れ、軍需産業は巨利を得ることができる(略)。日本を列強にしたい人達は『国民の財産を守る』との名目で若者を戦場に送り込み,子供達に苛酷な状況を強いることに、何の疑問も持たない。武器や原発を世界中に輸出し、日本の軍事的・経済的影響力を高めようとする。そこには当然、利権を貪る官僚や議員、そして軍事産業がはびこることになるのだ」
 まさかそこまで、という感じがするが、古賀によれば、安倍政権は軍事的列強に名を連ねるために具体的な政治目標を設定し、それをひとつずつクリアしていっているという。その目標はすでに達成されたものも含めて全部で13。古賀はこれを「戦争をするための13本の矢」と呼んでいるが、以下のようなものだ。
1、 日本版NSC
2、 特定秘密保護法
3、 武器輸出三原則の廃止
4、 集団的自衛権の行使容認
5、 「産めよ増やせよ」政策
6、 集団安全保障での武力行使の容認
7、 日本版CIAの創設
8、 ODAの軍事利用
9、 国防軍の保持 1
10、 軍法会議の設置
11、 基本的人権の制限
12、 徴兵制の導入
13、 核武装

 5番目までは既に決定され、11番までが議論がスタートしている。後は徴兵制と核武装——まさに悪夢のような「戦争国家」への道だ。
 いやいや、日本は戦争なんかしない。徴兵制なんかありえるはずがない。多くの人が今でもそう思っているだろう。しかし安倍政権の動きを見るとそれこそがむしろ現実を知らない楽観論だと古賀はいう。
 その根拠として古賀があげているのが、自民党の「憲法改正草案」だ。例えば11の基本的人権に関しては現行の憲法にはないこんな一文が書かれている。 「(国民の)自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない」
 また集会、結社、言論出版の自由にしても同様だ。改正草案では公益や公の秩序を基本的人権の上に置き、人権を制限すると解釈できるのだ。その目的について本書ではこう結論づける。 「いざ戦争という時を想定し、国が自由に国民の権利を制限できるようにしておこう、とういう意図である」
 つまり徴兵制である。集団的自衛権の容認で自衛隊員の確保が厳しくなっていることは既に指摘されているが、そうなれば必要となるのが徴兵制だ。 「これまで政府は、自衛隊に徴兵されて無理やり戦争に行かせるようなことは憲法十八条(奴隷的拘束及び苦役からの自由)違反だとし、国会でもそう答弁してきた。だが石破茂などは、『自衛隊の仕事である国防や防災活動は非常に重要なことであり、そういう仕事を苦役というのはおかしいのではないか』という議論をしてきている」
 集団的自衛権をも憲法9条の“解釈”で容認させてしまうような荒技を使う安倍政権である。憲法18条はいとも簡単に解釈改憲できると古賀はいう。
 さらに核武装に至っては、現実にその強烈な動きが、私たちの目の前で起こっている。それは安倍政権が頑までに押し進める原発再稼働だ。 「安倍政権が原発の再稼働や核燃料サイクルの維持に強くこだわる最大の理由は、核武装である可能性が高い」
 繰り返しておくが、これを語っているのは、日本共産党や集団的自衛反対のデモ隊ではない。つい数年前まで政権の内部にブレーンとして関わっていた元経産省エリート官僚なのだ。
 だが、今の新聞、テレビにはこうした古賀の警告を取り上げるような空気はまったくない。むしろ批判意見はすべて「現実を無視した無責任な反対論」という空気をつくりだして、安倍政権の政策を積極的に後押ししている。
 しかし、これも当然かもしれない。古賀によれば、すでに「チーム安倍」の中にはマスコミも安倍政権の広報機能として組み込まれているという。 「これは私の想像だが、官房機密費が周到なマスコミ対策や世論対策に使われていて、その効果が非常に大きいのではないか」 「情けないことに、マスコミの社長達は、安倍総理の公邸に呼ばれたり、携帯に電話がかかってきたりすることを喜んでいるという」
 私たちにはもはや、安倍政権の暴走を押しとどめる手だては残されていないのだろうか。 ≫(リテラ:社会―政治:伊勢崎馨)

国家の暴走 安倍政権の世論操作術 (角川oneテーマ21)
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KADOKAWA/角川書店


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●官房長官の悪魔の舌先 福島・沖縄知事選に暗雲漂う

2014å¹´09月17æ—¥ | æ—¥è¨˜
複雑化する世界、単純化する欲望 核戦争と破滅に向かう環境世界
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花伝社


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●官房長官の悪魔の舌先 福島・沖縄知事選に暗雲漂う

 福島知事選は、現職佐藤雄平知事が出馬せず、副知事の内堀雅雄を後継指名する形で一件落着した。今までの流れから、民主、社民は内堀候補一転に絞っていたが、自民党本部も相乗りと云う選択肢で、福島県知事選を亡きものにする戦術に出てきた。自民県連が党本部の公認を求めていた元日銀福島支店長・鉢村健氏は日銀を退職したと云うのだから、同氏に対しては、自民党は然るべき大学講師、教授等の職の斡旋を確約したのだろう。

 これで、福島県は無風なのかと思っているが、現在の佐藤雄平知事の原発への様々な対応に不満のある反原発な考えの人々の民意の受け皿とはなっていない問題は深刻だ。その問題の受け皿として、既に立候補を表明していた、前岩手県宮古市長の熊坂義裕を宇都宮応援団、細川応援団が支援する態勢で臨もうとしていた。しかし、ここに来て、「美味しんぼう」等で存在感を示していた、双葉町の井戸川克隆・前町長が出馬するとあって、話はだいぶ複雑になってきた。熊坂氏は十二分に政治的キャリアはあるのだが、地元性では些か弱すぎる。井戸川氏は、地元性は十二分だが、政治キャリアになると、些か心細い。最悪なのは、反原発系が、またまた陣容が変わるのだが、分裂模様になっている。この勝負、掛け率は1:9な感じだが、現実はどのようになるのか、筆者は皆目見当がつかない。

 ただ、佐藤雄平の原発事故処理等々の姿勢を踏襲すると云うことは、福島県行政区温存のために、かなり乱暴で強引な県政を行っていただけに、棄民原発事故処理が続くわけで、反原発派の敗北的印象は拭えない。そういう意味では、内堀雅雄候補が民自公相乗りだから、引き分けと云う安直な答えではなく、反原発派の敗北という評価がなされるだろう。その意味では、負け戦を、引き分けに持ち込み、実質勝利する自民党の戦術は、現時点では、ツボに嵌っている。

 â‰ªã€€å‰åŒè‘‰ç”ºé•·ã®äº•æˆ¸å·æ°ã€ç¦å³¶çŸ¥äº‹é¸ã«å‡ºé¦¬è¡¨æ˜Ž
 10月9日告示の福島県知事選で、同県双葉町の井戸川克隆・前町長(68)が16日、無所属で立候補する意向を表明した。一方、脱原発弁護団全国 連絡会代表を務める弁護士の河合弘之氏らが、立候補表明している前岩手県宮古市長の熊坂義裕氏(62)を支援する勝手連をつくることになった。
 井戸川氏は記者会見で「放射線量を正確に測り直し、県民を被曝(ひばく)させない環境をつくる」と述べた。東日本大震災前の2005年12月から昨年2月まで町長を務め、現在は埼玉県加須市で避難生活を送っている。
 また、熊坂氏を支援する勝手連は17日に東京で記者会見を開く。設立趣意書では「脱原発を明確にし『原発に頼らない経済社会』を公約に掲げる熊坂さんを勝手に応援することに決めた」としている。
 代表世話人には河合氏のほか、東電株主代表訴訟原告団の木村結事務局長、弁護士の海渡雄一氏らが名を連ねている。今年2月の東京都知事選で河合氏は細川護熙元首相を、海渡氏は日本弁護士連合会元会長の宇都宮健児氏を支援した。
 これまで福島県知事選には前副知事の内堀雅雄氏(50)ら計5人が立候補を表明している。 ≫(朝日新聞)


 植草氏の以下のコラム(抜粋)でも触れているが、どうも沖縄県知事選の動きがきな臭くなってきている。正直者から眺めれば、「悪漢・辺野古賛成・仲井真弘田vs善玉・辺野古反対・翁長雄志」の選挙構図なのだか、どうも奇妙な空気が流れている。下地が立候補したことで、嫌な予感はあったが、ここに来て、菅官房長官が内閣改造で、火中の栗“沖縄基地負担軽減担当相”等というポジションをわざわざ用意して兼務した点も、酷く不気味だ。そして、一昨日の植草氏の疑念の提示である。以下は、その部分の抜粋。

 â‰ª…… 立地自治体の住民による意思表示を目前に控えて、公約違反の埋立申請承認に突き進んだ仲井真弘多氏の行動こそ、万死に値するものである。 このような不正と欺瞞行為がまかり通るようでは、日本の民主主義の死と言わざるを得ない。 その仲井真弘多氏が、のうのうと知事選に立候補するというのだから驚きである。 仲井真氏はこの選挙での勝利を念頭に置いていないのではないかと思われる。 知事選を、表向き、辺野古基地建設賛成派と反対派による選挙に仕立てるために、役者として出馬するのではないか。 その疑いが存在する。 どういうことか。 辺野古基地建設反対を唱える人々は、元自民党の翁長雄志氏を支持する方針を示している。 基地建設に反対する団体は、基地建設反対を訴えて立候補する候補者について、 「埋立承認を撤回し、政府に事業中止を求める」ことを条件に掲げた。 ところが、この表現が修正されたのである。 新たな文言は次の通りである。 「新しい知事は承認撤回を求める県民の声を尊重し、辺野古基地を造らせない」 何が変化したのかというと、 「埋立承認撤回」の確約が取り除かれているのである。 菅氏が明確な言質を与えたように、辺野古基地建設を明確に阻止するために、何よりも重要なツールは、「埋立承認撤回」である。 「埋立承認撤回」を新知事が断行することにより、辺野古基地建設は止まる。 「埋立申請承認を撤回せずに辺野古に基地を造らせない」ことを担保する明確な根拠がない。 現に安倍政権は、辺野古の海にフロートを設置して、市民が海に立ち入るのを強制排除し、さらに、フロートが設置されている外側の海にいる市民に不当な暴力行為を働いているのである。 埋立申請を撤回することこそ、「辺野古に基地を造らせない」具体的な第一ステップなのだ。 このまま進めば、翁長氏が新知事に選出されても、基地建設強行が止まらない可能性が高い。このことをあらかじめ前提として、いわば、「やらせの知事選」が実施されているとの見立てを否定することができないのである。……。 ≫(植草一秀の知られざる真実より抜粋)


 筆者などは、仲井真弘多の立候補は冗談かとさえ思ったくらいだから、立候補自体からして奇妙なわけである。仲井真は立候補する前から、知事選敗北は承知していたような気がする。現在までに入っている情報を整理してみると、翁長候補がWスコアー以上で圧勝すると言われている。菅官房長官も、憎き翁長雄志、共産党からまで支持される保守などいるわけがないと、悪しざまなほど対立関係を醸し出している。しかし、絶対有利に思われている翁長候補への攻撃というより、自民党・保守の敵呼ばわりを敢えてしているように見えてしまう。何故かというと、完全に翁長候補が勝つ知事選だったのに、翁長候補が「埋立承認撤回」を明言しない立候補表明に至ったことで、“HATENA?”という空気が沖縄県民の間に広まりつつある問題を重視した可能性がある。その為の、対立構図の再構築なのではないか、という疑念でもある。

 ここまで、ファシズム態勢を抑制する世間の空気がなくなると、何でも出来てしまう、何でも起きてしまう、という奇怪な世の中が出現する可能性もあるだろう。また、筆者のように、見えているモノを何ひとつ信用しないような懐疑的思考が強くなる時代でもあるだろう。一人や二人、懐疑的なら、ひねくれ者だけで済むのだが、3割くらいのひねくれ者が醸成される土壌が出来上がることは、決して健全な社会ではなくなる。テロやテロに賛同する勢力が生まれたり、言論の自由も、封殺か自己規制に走ることになり、矢鱈面倒な世の中になりそうだ。

 たしかに、政治家が、あまりにも多くの約束を「公約」とすることで、政治の実務上、フリーハンドが奪われ、硬直した為政に走らざるを得ないジレンマを抱えたくない、という気持ちも理解はできる。しかし、やはり沖縄県知事選の翁長候補断然有利が命取り。翁長候補と菅官房長官の阿吽な寸劇である疑念はどうしても拭えない。枯れ尾花にも腰を抜かすような、政治の世界は、本当に疲れる。ここまで、裏切りや歪曲で強弁で、物事が進んでいくと、良心なんてものも、どこかに置き忘れたような気分になる。嫌な世の中になったのか、菅官房長官がここまで厭味な奴なのか、その辺はまだわからない(笑)。

福島原発事故 被災者支援政策の欺瞞 (岩波新書)
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岩波書店


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●朝日叩きで激化する右傾の流れ 止められるか日本の良心

2014å¹´09月16æ—¥ | æ—¥è¨˜
無知の壁 (サンガ新書 62)
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サンガ


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●朝日叩きで激化する右傾の流れ 止められるか日本の良心

 è¡¨å±¤çš„面だけを観察していると、今回の朝日新聞の誤報(過度の表現)であるとか、ミスジャッジは、ある面でそのとき流れていた世の中の雰囲気、ムード、「空気」による報道へのしっぺ返し、と言っても過言ではない。ポピュリズムに親和性を持つことで、購買部数を増やすと云うのは、マスメディアが持つジレンマである。また、経営上、報道の質は、購買数を増加させる事とスポンサーの意に沿わない報道を自粛する二面性を有している。これも、日本のマスメディアが抱えるジレンマである。以上のことを念頭に入れて、現在の日本のマスメディアと云うものを捉えておかないと、思いもしない方向に世間の「空気」と云うものは加速度的に流れ、のっぴきならない奔流、濁流となることを危険視しておくべきだ。

 æœæ—¥æ–°èžã®ãƒªãƒ™ãƒ©ãƒ«æ€§ãŒã€ã©ã®ç¨‹åº¦ãƒ›ãƒ³ãƒ¢ãƒŽã ã£ã‹ã¨äº‘う議論もある。筆者は、個人的な感情として、今の「政権、産経・読売・日経・文春等々」の朝日新聞魔女狩り報道ぶりを眺めながら、まさに「小沢一郎バッシング」に近いものがあることを感じる。まあ、かなりいい気味と云う感慨もあるわけでが、世界的通用する新聞社としての評判があっただけに、産経や読売が叩かれているのとは、異なる次元での評価も必要だろう。馬鹿がバカなことを仕出かしても、「そりゃそうだろう」で済むが、利巧や良心を標榜していたメディアにとってのダメージは、計り知れない。

 ãã‚‚そも、調査報道には、報道のリスクが付きものなわけで、週刊誌ではないのだから、キャッチコピーで“売らんかな”の精神構造自体が間違っている。事実関係を羅列して、そこそこの識者や読者を巻き込んで、疑念や推測をちりばめて紙面構成をすればいいのだ。そこから先は、読者の能力ひとつで、どちらの考えに帰結するか、メディア側が、羅針盤まで指し示す必要はない。その羅針盤の創作活動の中で、大袈裟な表現や、意図的言葉じりの悪用などが紛れ込むのである。

 æœæ—¥ã®ä»Šå›žã®åŽŸç™ºã«é–¢ã™ã‚‹èª¤å ±ï¼ˆéŽåº¦ã®è¡¨ç¾ï¼‰ã¯ã€å‰ç”°æ‰€é•·ã®å‘½ä»¤ãŒã€å…¨å“¡ã«ä¼ã‚ã£ã¦ã„なかった、という故吉田所長の証言があるわけだが、正直、現時点では、吉田所長が“神格化”された前提で、すべてが動いている点にも注意を向けるべきである。故吉田氏が、自己防衛する立場であったこと、また、東京電力や原発従事者を擁護しなければならない立場にいた人物であることも考慮されるべきで、吉田所長の“神格化”の魔女狩り的な要素が既に加わっていたことも、検討に値する。まあ、極めて日本人的で、仏になった人が、嘘や曖昧さを言うわけがない!という、風潮に、朝日自信が乗っかり、その上で墓穴を掘ったことになる。

 ãƒ•ã‚¯ã‚¤ãƒã®ãƒ¬ãƒ™ãƒ«7の事故が起きている最中の錯綜した中で起きた出来事の事実関係そのものを、為にする議論で、ポピュリズムな方向性に迎合した朝日新聞の反原発姿勢には、そもそも眉唾的ニオイはしていたわけで、中日・東京新聞や夕刊ゲンダイの一貫した姿勢とは異なるものがあった。反原発で、反集団的自衛権で、反秘密保護法の論陣を張りながら、消費増税賛成、TPP賛成の論がまかり通っているのが朝日新聞なのだから、リベラルどころか、Wポピュリズムだとも言える。このような現象は、朝日新聞が日本の良心を標榜する立場と、官僚機構とは喧嘩しない立場と、アメリカと親和的であろうとする立場と、スポンサーの顔色みながら記事を書く立場など、相容れないものを、新聞社一社で抱え込むことの限界を露呈したのだと思う。

 äº‹å®Ÿé–¢ä¿‚を重視するのであれば、フクイチ事故当時、現場従事者の多くが、福島第二に退避したのは事実であり、その命令(乃至は指示)が不徹底で通じなかった云々は、重大な事実誤認とは、意味合いが違う。重要なことは、現に、従事者の多くが、事故原発から逃げ出したことであり、故吉田所長の指示に対する違反があったのか、通知不徹底であったか、それを証明するのに、故吉田所長の証言が神格化しては、議論の余地はなくなる。また、慰安婦問題にしても、吉田清治の証言が捏造であったから、慰安婦の強制連行はなかったと云う、産経読売、安倍晋三らの主張も、極めて奇妙である。慰安婦の強制連行があった事実がなかった証明には、何ひとつ貢献していない。木の小枝に張り付いていた枯葉が落ちたと騒いでいるだけで、森には一歩も踏み込んではない。

 ã¤ã¾ã‚Šã¯ã€ãƒžã‚¹ãƒ¡ãƒ‡ã‚£ã‚¢ã®é™ç•Œè«–の噴出であり、大戦翼賛報道態勢に拍車がかかる危険が増大してきたのは、忌々しい問題である。おそらく、このままの状況が続けば、朝日新聞の読売新聞化が顕著になる可能性を示している。奇妙な部分で手に手を取り合い、仲間気分を味わいながら、実は、相手のミステークを待ち望み、水に落ちた犬を棒で叩くような所業に出るのが、「節操なき社会の木鐸」の不都合な真実なのである。読売産経の醜さは、右翼らしからぬ今起きている読者倍増プログラムなど、武士の風上にもおけぬ、節操なきメディアの無様な姿なのである。このような状況に晒され、朝日がどのようなメディアに変わるのか、少々興味もあるが、多くを期待するのは無理な感じもする。

 ç”£çµŒãƒ»èª­å£²ãŒæ”¿åºœä¸¸æŠ±ãˆãƒ¡ãƒ‡ã‚£ã‚¢ã§ã‚り、日経が経団連丸抱えメディアであることは、多くの国民が知っているわけで、それはそれで良いだろう。米中露EU等々も、日本の知的傾向を知るために参考にするメディアが朝日であると云う言説は、この問題が起きたからといって、早急に変わるものではない。購買部数の減少も、ネトウヨが喜ぶほど減少はしないだろう。ただ、根本的に、マスメディアの持つ役割自体は構造的に減少傾向にあるわけだから、このような問題を奇禍として、マンネリ化した新聞のつくり方自体を見直す方向にまで進めることが出来れば、奇禍になるだろう。

 ãã®æ–¹å‘がどのようなものか、筆者にも一定のイメージはある。記者クラブメディアからの脱出を推奨するつもりはないが、政府発表報道部門と自由報道部門と云う、紙面の構成そのものに挑戦するにはイイ機会だと思われる。日本の新聞のイメージを刷新する器量を持っているのは、朝日新聞の人材力の強みでもある。その人材を、中途半端なポジショニングで動かすから、ミスが出るわけだから、大きく新聞構成をチェンジさせるのである。新聞を「政府行政発表報道部門と自由報道部門」の区別を一目瞭然化させるために、「白と薄緑」の紙質に変え、虻蜂取らずな論説を排除する。記者連中に単独取材能力がないのであれば、社外のフリーランスやコラムニストに、多くの紙面を提供するのも選択である。

 æœæ—¥ã®ç¤¾å“¡è¨˜è€…が、その民間部門に門戸を開いた紙面の内容の裏付け等々の作業をすることで、確実性は増すだろう。無論、あまりにも極端な論が展開された時には、それに対峙する論も同時掲載するとか、ドラスティックな、新聞の紙面構成の改革に着手すべきだろう。ネットメディアや個人ブロガーであっても、大いに有効活用する度量の深さを見せるメディアに変われるチャンスだと思う。そのような試みもせず、無難にこの場を乗り切ろうとすれば、読売新聞化するのは必定で、世間の「空気」はトンデモナイ方向に走り出し、再び後悔懺悔と云う時代に突入する危険はかなりある。大袈裟にいえば、日本が右翼翼賛リスクを回避できかどうかの瀬戸際にあると云う事実を噛みしめるべきだろう。

世界を戦争に導くグローバリズム (集英社新書)
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集英社


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