世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●小池・森バトル 五輪利権を間に、伏魔殿で妖怪同士の死闘

2016å¹´09月30æ—¥ | æ—¥è¨˜
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●小池・森バトル 五輪利権を間に、伏魔殿で妖怪同士の死闘

 老害と言われて久しい森喜郎元総理だが、この人は、いまや政界を、相当前に引退した元政治家だ。にも拘らず、異様に利権の臭いがする社会現象の中で暗躍する才能を持っている。この才能は「異才・偉才」ではあるだろうが、時に、火事場泥棒のような生き様で、権力を手中に収めてきた人物でもある。到底、サメの脳味噌と揶揄されるような人物ではなく、狡猾さでは、日本の政治史上NO1の冠を得ることは間違いがない。ただ、狡猾の一言では分析しきれない、人間離れした「異才・偉才」でもない限り、ここまで、利権中枢に居座り続けるのは困難だろう。現状の小池都知事と森喜郎組織委会長の表面的バトルは以下のようなもの。

≪ (東京五輪)費用「3兆円超」 都、3施設見直し提言
 2020年東京五輪・パラリンピックを巡り、東京都の都政改革本部の調査チームが経費や体制を検証した中間報告が29日に公表された。現状のままでは開催の総費用が3兆円を超える可能性があると警告し、都が整備に着手している3競技会場の抜本的見直しや関係組織の連携改善、情報公開の推進などを求めた。小池百合子知事は報道陣に「ランニングコストも考えた上での報告書で、重く受け止めたい。負の遺産を都民に押し付けるわけにはいかない」と述べた。
 これまでに開催費用として明らかになっているのは、新国立競技場や恒久施設の建設など約5000億円だけで、警備費などの大会運営費は公表されていない。調査チームは12年ロンドン大会でも招致時点で7500億円とされた開催費用が最終的に2兆1000億円に増えたとしつつ、ロンドン大会からソフト面の経費を推定し「3兆円を超える可能性」を指摘した。 開催費用の総額が判明しないのは、国と大会組織委員会、都がそれぞれに予算を試算しているためと分析した。役割分担も不透明だとして、費用総額に上限を設け、都と国またはどちらかが開催計画や予算、人員を一元管理することを求めた。都が組織委を指導、監督し情報公開を進める仕組みづくりも提言した。
 一方、大会組織委員会は仮設施設整備費を負担できないと指摘し、都内分の整備費として組織委の収入を超える分の1000億〜1500億円を都が負担するよう提案した。都外の仮設施設については「財政力の弱い自治体もあるので国が補助すべきだ」と求めた。対象は、射撃の陸上自衛隊朝霞訓練場(埼玉県朝霞市など)やサーフィンが予定されている釣ケ崎海岸(千葉県一宮町)など。
 中間報告が競技会場の見直しを提言したことについて、萩生田光一官房副長官は29日の記者会見で「トータルで考えなければならない。目先で少し(建設費の)金額が膨らんでいるからやめるのでは問題の解決にならない」と懸念を示し、「議論は大いに結構だが現実的な線で提言をしていただきたい」とけん制した。【林田七恵、真野敏幸】
■会場変更 時間に制約
 中間報告が移転による建設中止や既存施設活用などでの見直しを迫った3競技会場は、今年1月に実施設計と施工を一括で行う業者が決定している。海の森水上競技場(東京湾岸)は7月に着工され2019年3月に完成予定。他の2施設も今年度から工事を始め、19年12月の完成を目指していた。
 会場では実際に競技をする「テストイベント」を行う必要がある。「海の森」は国際オリンピック委員会(IOC)などから本番と同じ季節での実施を求められ、五輪1年前の19年7〜8月に行う予定だった。
 そもそも会場を変更するには、IOCや国際競技団体(IF)に改めて承認を得なければならない。現状ですら「完成時期やテストイベントも含めて時間的な余裕はない」(東京都オリンピック・パラリンピック準備局の担当者)中で、会場変更はスケジュール的に大きな制約を受ける。
 東京は立候補時に「85%の競技会場を選手村から8キロ圏内に配置」という計画を示した。しかし、膨らむコストを抑えるため大会組織委員会は都と連携して計画を見直し、既存施設の活用で11競技12会場を変更した。当初はIFの反発もあったが、昨年2月、6月、12月と3回開かれたIOC理事会で承認された。組織委の森喜朗会長は「IFが了解しないとIOCは受け付けてくれない」と話す。【柳澤一男】  ≫(毎日新聞)

 â‰ªã€€å°æ± éƒ½çŸ¥äº‹ã€ã€Œäº”輪のカネ」にメス!森氏組織委の監理団体化を要請
 東京都の小池百合子知事(64)は28日、就任後初となる都議会本会議に臨み、所信表明を行った。2020年東京五輪について「施設整備や開催経費について、説明責任を果たす」とキッパリ。この言葉を裏付けるように、都は大会組織委への監督を強化するため、「監理団体」の指定に応じるよう要請を行っていたことが判明。組織委の「財布の中身」をチェックする狙いだ。
 小池氏の所信表明は豊洲市場問題からスタートしたが、東京五輪についても「都民ファースト」の視点で切り込んだ。
 「施設整備や開催経費などについて、国や組織委員会と連携を図り、説明責任を果たしながら解決方法を見いだす」
 その手段として繰り出したのが、組織委の監理団体化だ。組織委は2014年1月に都と日本オリンピック委員会(JOC)が1億5000万円ずつ拠出して発足。都は同年6月に57億円を追加出資したが、都が指導監督を行う監理団体には指定していない。国際オリンピック委員会(IOC)など他団体の関与が強いことが理由だ。
 しかし小池氏が知事に就任し、五輪関連予算の不透明なカネの流れが問題化。関係者によると、小池氏の意向を受けて、都は組織委に対し監理団体の指定に応じるよう要請をした。都が事業や収支などの調査を行い、監視の度合いを強める狙いがある。
 ただ、監理団体の指定には組織委の合意が必要。加えて組織委は都の追加出資分57億円の返還の検討を始めるなど、都の出資比率を下げることで影響力をそごうとする動きも見せている。交渉は難航が予想される。
 萩生田光一官房副長官は28日の会見で、「オールジャパンで盛り上げてきた五輪が陳腐化する心配もある」と懸念を表明。都と組織委間で協議するよう求めた。
 調査チームが29日に公表する「第1次調査報告書」では、監理団体指定までは踏み込まないものの、任意の協定を結び都の調査が可能になるよう提言する方針。これが都による組織委への関与強化の第一歩となりそうで、組織委側の出方次第ではさらに監理団体化に向けた“圧力”を強めていく可能性がある。
 組織委といえば、会長は小池氏と「犬猿の仲」とされる森喜朗元首相(79)。両者の“æš—é—˜”は、まだまだ続く。  ≫(iZa)


 小池知事が、あらゆる面において、都民の税金の使い道を「透明化させる」は政治公約であり、都知事として正論を発言している。既得権を手中に収めつつある森喜郎組織委員会長にしてみれば、小池都知事の要請は、“ちゃぶ台返し”に映ると云うのが、現在の状況だ。ただ、原則、予算をオーバーした場合は、一義的に東京都が、その予算の穴を埋める義務があり、それが賄い切れない場合は、国が支援すると云う、極めて曖昧な東京五輪における資金の流れになっている。また、オリンピック後の施設の管理費なども、都民の負担になるので、「都民ファースト」が最大の公約である小池都知事としては、後には引けない政治的ガチンコ対立となっている。この問題は、豊洲移転問題よりも、国際的第三者もIOC等も絡む問題なので、その裁きは厄介だ。しかし、主役が東京都であり、一義的費用負担が都民の肩に圧し掛かる以上、「都民ファースト」知事としては後には引けない大問題になってきている。

 そもそも、森喜郎と小池百合子は因縁の関係で、常に二人の間で火花が散っていたわけで、こう云う形でバトル化することは予想されていた。どちらかと云うと、犬猿の仲になる原因は小池百合子から起因することが多いのだが、その原因の多くは、森から見ると小池は礼儀知らずと云う側面が多いのだが、“礼を尽くす”という観念は、世代によっても異なるし、男女においても異なるだろうし、生き様そのものでも異なる等々、価値観の違いである場合もあるので、一概に、小池側に問題があると云う話ではない。政治家として、信念を貫き通してみたり、“過ちては改むるに憚ること勿れ”等々の小池の行動原理が、森の目から不快であったと云うだけかもしれない。

 森喜郎が小池を嫌いな理由は数々あるようだ。小池百合子は政界渡り鳥と言われるほど各政党を渡り歩いた経歴を持つ。まず、それがそもそも気に喰わない。その小池を「小泉清和会」(当時は小泉純一郎が会長職だったが、名前は森派)が受け入れたことで、益々小池に対して不快感を示していた。2003年には、小泉純一郎が内閣総理大臣に就任すると、森の反対を押し切り、小泉内閣の環境大臣に就任した。続いて第一次安倍内閣では防衛大臣も歴任した。森の反対アドバイスを、悉く蹴ったが、結果オーライの実績を残した。さらに、2008年には森の反対を押し切り、自民党総裁選に女性初の総裁選に立候補、落選した。(この時当選したのは麻生太郎)。居心地の悪くなった小池は清和会を脱退、無派閥となった。その後、自民都連・石原伸晃‐内田茂‐森喜郎ラインが押した増田寛也をWスコアーで破り、東京都知事に就任した。

 森のアドバイスを聞いていたら、小池は只の自民党の、平議員の一人に過ぎず、大臣を歴任も出来なかっただろう。その意味で、権力の臭いに敏感な小池百合子の臭覚も「異才・偉才」である。逆に見ると、以外に似たもの同士なのかもしれない(笑)。考えてみれば、森喜郎が小渕内閣時代に自民党幹事長をしていて、問題の5人組による「小渕のひと言」(話せたとは思わないが)で、あっさり内閣総理大臣になったあたりも、中々抜け目ない。

 また森喜郎は、現在の東京五輪組織委員会長と云う立場への就任にも、“5人組による「小渕のひと言」”のように、間隙を縫って、ちゃっかりその椅子を射止めている。猪瀬元東京都知事が2013年末に退任し、2014å¹´2月に舛添前都知事が就任するのだが、何と!驚くなかれ、この空白期間である、2014å¹´1月に森氏は、スルスルと五輪組織委会長に就任している。小渕元首相の脳梗塞の時同様に、空白地帯で権力の頂点に就任している。官邸主導だと云うのだが、誰が、どのような権限で任命したのか、その経緯は謎のままだ。猪瀬は、五輪組織委員会の人事は、都とJOCで決めると息巻いたわけだが、猪瀬は森喜郎就任だけは阻止しようと決意していたようだ。

 ところがだ、猪瀬元東京都知事は、唐突にタイミングよく「徳洲会5000万献金事件」が表面化し、あえなく退陣となった。どうも、東京都には妖怪が棲んでいるらしい。安倍晋三のバックボーンも何故か森喜郎であるし、石原慎太郎都知事時代も、内田茂‐森喜郎ラインが存在し、参議院会館建設問題で猪瀬が横槍を入れて潰した辺りから、内田‐森ラインは、陰謀を企てていた可能性が濃厚だ。猪瀬が都知事立候補するに際し、「奴には選挙資金がない…。であれば、罠にすぐ喰いつく……」。“ド~コの誰かは知らないけれど、ピッタシかんかんで罠に嵌ってドンブリコ♪”そういうシナリオも想定内の話だ。舛添の失脚にも似たような空気感がある。

 まあ、推理作家的な推論だが、当たらずと雖も遠からじと云う、絵図である。小池にしてみれば、非常に危険な勝負に出ているわけだが、彼女が若狭 勝(元東京地検特捜部副部長)を側近にした理由も肯ける。小池にしてみれば、“森喜郎‐内田茂‐官邸”を敵に回すわけだから、自分のリスク管理には余念がないところを、敢えて敵側に見せつけた可能性もある。小池の臭覚は、守屋防衛事務次官の首に鈴をつけ刺し違えたわけだ。小池は防衛大臣の再任を断った。そして、守屋は退任後に内田洋行事件で逮捕されると云う大騒動があった。この時も、東京地検と小池の関係には?があったが、意外に、小池知事は、検察庁、法務省との間に、強い繋がりを予感させるものがある。そう云う意味で、森喜郎も、猪瀬や舛添のように、簡単に料理できると思っていると、己の身に災難が降りかかることも念頭に置くべきだろう。小池は刺し違えも厭わぬ政治家なのだ。

安倍晋三の憲法戦争
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●ガチンコ勝負の政治 都政は燃え盛り、永田町の火消える

2016å¹´09月29æ—¥ | æ—¥è¨˜
日本女性の底力 (講談社+α文庫)
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●ガチンコ勝負の政治 都政は燃え盛り、永田町の火消える

 出足から、リベラルの出鼻を挫いた、蓮舫・民進党に期待するのは愚かだろう。しばらく、永田町は“安倍一強の深耕”の政局が続くと考えて良いだろう。政局的な火種は殆どない。唯一の希望は、為替相場と株価の成り行きくらいのものだ。憲法改正で、安倍が野党を嗾けているが、ジャイアン的発言であり、本気で「憲法改正」を声高に主張するのは、まだまだ先のことだろう。その前に、自民党総裁の任期延長の方に主眼があるだろう。興味があるとすれば、蓮舫と野田率いる民進党の行く末の方だ(笑)。

 それに比べて、東京都知事・小池百合子の方は、俄然、面白くなっている。小池都知事が就任して初めての都議会定例会が28日開会した。東京都とは、
概略を述べておくと以下のようになる。日本の首都。人口は約1360万人。日本の人口の10%が住み、首都圏を含めると34%の国民が居住している。東京都23区は、各地方自治体の市役所機能と県庁機能を併せ持つている。東京都の議決権は都議会にある。都職員は一般行政職で1万8千人であり、消防警察教職員などを含めると16万5千人の職員がいる。世界で最大の経済圏を有し、2位のニューヨーク市の1.4倍の規模を持つ。2億人のインドネシアと同等の財政規模を持つ都市である。一般会計における財政は黒字で、国からの補助金を貰ってないため、都独自の行政が行えると言われているが、それだけに、都知事の資質一つでは、トンデモナイ財政規律になるリスクも抱えている。尚、建設公債名目では、特別会計枠で負債17兆円近くを抱えてもいる。第三セクターと呼ばれる部門への管理がずさんで、臨海関連の経営破たんや、新銀行東京が足を引っ張っている。

 まあ、それにしても、小池東京都知事の出足は好調で、有権者の期待に沿う知事の都政への姿勢を表明しているようだ。蓮舫野田民進党の出足とは、雲泥の差といっても過言ではない。何といっても、直近の知事選で300万票近い票を集めて当選した知事であり、来年7月に任期が切れる都議会議員とのパワーバランスが圧倒的に違う点が、小池知事の現在の優勢な立ち位置である。現時点で、小池都知事の提案に公に逆らうことは都議会としては無謀過ぎるのである。そう云う意味で、見た目は、圧倒的に小池有利な状況だが、都議選が終了後は、その勢力如何で、思うに任せない都政に陥るリスクを抱えている。

 「東京大改革」と銘打った小池の改革に、期間は限られている可能性もはらんでいる。特に、今回は自民都連と対立した上での当選だけに、小池としても、自民都連との距離感では、相当に頭を悩ますに違いない。石原都政以来、自民都連と知事はタッグを組んできたわけだが、猪瀬、舛添は、そのタッグの足枷を解こうとして、半分は罠にはまったわけだが、さて、小池の戦略は、どう云うことになるのだろうか、興味津々である。10カ月以内に、都議会の楽々自公与党過半数と、どのように折り合いをつけるのか、或いは「小池新党」で揺さぶりの勝負に出るのか、非常に見ものである。

 “なれあい”と“根回し”の根絶と云う所信表明には、都議会のドンや古株議員への挑戦状的発言であり、今後の動きから目を話せない。最近では、知事抜きで、議会と都の役人との間で、予算はシャンシャンシャンと作られていたらしく、知事はお飾り的存在だったようだ。猪瀬や舛添は、やる気があった分だけ、都議会にしても、都庁役人にも、煙たい存在だったというのが専らの噂である。おそらく、小池百合子知事も同じ目に遭う可能性があるわけだが、都民は、小池の周辺から、常に声をかけ、応援するオーラを出していないと、小池都知事は孤独死してしまう。それ程、都議会と都庁の癒着は酷いのである。


 â‰ªã€€è±Šæ´²å•é¡Œã€Œè²¬ä»»æ˜Žã‚‰ã‹ã«ã€ï¼éƒ½æ”¿æ”¹é©ã€æ±ºæ„å‰é¢ã«
-小池知事が初の所信表明・都議会

 東京都の小池百合子知事が就任してから初めてとなる都議会定例会が28日、開会した。小池氏は所信表明の冒頭、豊洲市場(江東区)の建物下に土壌汚染対策の盛り土をせず、地下空間が設けられていた問題について「都民の信頼を失ったと言わざるを得ない」と述べた上で、「責任の所在を明らかにする。原因を探求する義務が私たちにはある」と語った。会期は10月13日まで。 





 築地市場(中央区)からの移転が延期となった豊洲市場の問題では、実態解明がどこまで進むかが焦点となる。小池氏は、盛り土をしない方針を決めた経緯などに関する内部調査の報告を9月中に公表する方針。
 都は問題が発覚するまで都議会に事実と異なる説明を続けてきており、各会派は10月4日の代表質問や5日の一般質問で都の対応を厳しく追及する方針だ。6日には、この問題を扱う経済・港湾委員会が予定されている。
 また、小池氏は都政運営に関し「都民全体の利益が最大化すると信じることについて、お互いに議論をぶつけ合う。それが新しい都政における都議会の姿だ」と強調。徹底した情報公開などによる都政改革を進める姿勢を前面に出し、議会に協力を呼び掛けた。
 2020年東京五輪・パラリンピックに向けては「世界中の誰もが記憶に残る大会にしたい。(東日本大震災の)被災地の復興なくして大会の成功はあり得ない」と述べ、「復興五輪」の発信を重視する考えを示した。当初の見込みより大きく膨らんだ施設整備費や開催経費の問題については「国や組織委員会と緊密な連携を図り、説明責任を果たしながら解決方法を見いだすことで都民の理解を得たい」と表明した。 
 定例会には、小池氏が都知事選で「身を切る改革」として公約した知事給与半減のための条例案や、待機児童対策を盛り込んだ総額126億円の今年度補正予算案が提出された。

â—‡

小池都知事の所信表明骨子
 一、豊洲市場問題で都政は都民の信頼失う。責任の所在明らかに
 一、都民の利益の最大化を議論するのが新しい都議会の姿
 一、「都民ファースト」の都政へ徹底した情報公開
 一、東京五輪・パラリンピックを世界中の誰もが記憶に残る大会に
 一、施設整備、開催経費などの問題は国、組織委員会と連携し解決  ≫(時事通信)

注:小池東京都知事の所信表明の全文は、産経新聞さんが意図的に表明文を弄っていない限り、以下産経新聞のサイトで、読むことが出来る。

■小池都知事所信表明全文(産経新聞)
(1)「誰が、いつ、どこで何を決めたのか。何を隠したのか」豊洲問題の解明表明
http://www.sankei.com/politics/news/160928/plt1609280025-n1.html

(2)「東京は女性の力を十分に生かし切れていない」「残業ゼロの職場目指す」働き方改革に意欲
http://www.sankei.com/politics/news/160928/plt1609280028-n1.html

(3)「道路の無電柱化を強力に推進」「多摩・島嶼地域の魅力発信」
http://www.sankei.com/politics/news/160928/plt1609280029-n1.html

(4)「もう一度、アジアナンバーワンに」「外国人観光客に細やかな気配り」
http://www.sankei.com/politics/news/160928/plt1609280030-n1.html

(5)「東京はぜい肉付けた巨大な肥満都市」「100年後の都民のため働く」
http://www.sankei.com/politics/news/160928/plt1609280030-n1.html

≫(以上、産経新聞参照)

政策会議と討論なき国会 官邸主導体制の成立と後退する熟議 (朝日選書)
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●本当に国民の鏡なのか? 政治、官僚、司法、財界の堕落は

2016å¹´09月28æ—¥ | æ—¥è¨˜
「安倍一強」の謎 (朝日新書)
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●本当に国民の鏡なのか? 政治、官僚、司法、財界の堕落は

 昔から、その国の政治行政司法‥等が腐れ切っているのは、その国の国民の真の姿が反映していると言われるが、本当だろうか?たしかに、安倍右翼政権が、内閣支持率で五割を超え、政党支持率でも四割を超えているのだから、「成るほどね、おっしゃる通りかも」と思う日もある。しかしだよ、自民党と云う政党以外に、特殊な人々を除けば、選択する政党がないのだから、「敢えて選択するのであれば…」と云う結論もあり得るわけだ。つまり、選択肢がないのだから、五割だ、四割だと言われても、それが、我ら一般ピープルの鏡と言われるのは釈然としない。

 現状の日本の政界を眺めていると、共産党、社民党、生活の党を除けば、それ以外の政党は与党乃至は“ゆ党”なのだから、目糞鼻糞な選択肢しか、我々に提示されていないのだから、一党独裁体制の国家と、それほど大きな違いはない。アメリカ一国主義の流れもアップアップ。グローバル経済の限界も見えてきている。デモクラシー体制と云う国体も、どうも真っ当に機能するレベルに至ってはいない。ただ、困ったことに、それらのイデオロギーに取って代われる「ネクスト・デモクラシーや資本主義」が見えていない。その結果、「人間の知恵のモラトリアム時代」に突入したのだと云う考えも成り立つ。

 そうなると、人と云うものは、今あるものに固執する傾向があるのかもしれない。最低でも、今あるものは「我が手中に」と云う気持ちが強くなるのだろうか。その傾向が強ければ強いほど、既得権を守ると云う流れに、どうしてもなってしまう。社会体制のモラトリアム状態が長引けば長引くほど、モラトリアムが、いつの間にか変質して、歴史が逆回転するような現象まで起きるのかもしれない。“先祖返り”ってこともあるからね。まあ、先祖返りも結構だが、明治を取り戻そうはヤメテくれ!江戸か縄文にしてくれ!(笑)。今夜は、日本政治・社会の呆れた信じられない現象を羅列しておく。(順不同)気がついた分だけだけど…、きっともっと仰山あるのだろう。ひと口コメント、思いついた奴はつけておく。


★もんじゅ廃炉「国の裏切り」 世耕経産相に福井知事
 西川一誠福井県知事は23日、経済産業省で世耕弘成経産相と会談し、政府が検討している高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県)の廃炉について「地元にまったく説明がなく、無責任極まりない。県民の感情として国の一種の裏切りと言われても仕方ない状況だ」と不快感を示した。…。朝日新聞

*コメント:県民の感情は、「もんじゅ」歓迎か?それはないだろう。永遠に補助金払えば良いということか?であれば、放射能永久仮置き場に名乗り出てもよさそうなものだが、そういう腹は決まっておらず、補助金のだけは要求しているとしか聞こえない。

★豊洲市場問題 小池知事 9月中に調査まとめる考え
豊洲市場の土壌汚染対策をめぐる問題で、東京都の小池知事は23日の定例記者会見で都の内部調査の経過報告が不十分だったことを明らかにし、「いつ誰が盛り土をしないことを決定したのか、などについてあいまいな部分を残していて、より詳細な解明が必要だ」と述べました。そのうえで、早急に追加の調査を進め、今月中に結果をまとめる考えを示しました。
豊洲市場の土壌汚染対策をめぐる問題で、東京都の小池知事は23日の定例記者会見で、都の内部調査の経過報告に触れ、「いつ誰が盛り土をしないことを決めたのか。ホームページや議会の答弁で事実と違う説明をなぜしてきたのか。こうした点についてあいまいな部分を残している」と述べ、報告内容が不十分だったことを明らかにしました。そのうえで「より詳細な解明が必要で、調査を続け、報告を今月いっぱいでまとめたい」と述べ、早急に追加の調査を進め、今月中に結 果をまとめる考えを示しました。……。NHK

*コメント:小池都知事も、本気で、この築地移転と豊洲問題と云う藪を突くと、鬼が出るか蛇が出るか、はたまたお縄者が出るか、実は戦々恐々な面もあるようだ。石原が呼ばれもしないうちからしゃしゃり出たところを見ると、「小池さん、実は築地豊洲はCIA関連だから、程ほどで手打ちしておかないと収拾つかなくなるよ」おそらく、そんなアドバイスを囁くような気がする。全体の事業規模は、新規事業含めれば数兆円レベルの話し。3000億円くらいは、色んなルートで、色んな人間の懐を肥やすのだろう。


★執行率95%以上は11議会=政活費調査結果-全国オンブズマン
全国市民オンブズマン連絡会議は23日、全国の都道府県、政令市、中核市114議会を対象とした2015年度の政務活動費に関するアンケート調査結果を公表した。政活費の支給額に対する使用額の割合となる執行率では、11議会が執行率95%以上で、政活費の不正受給により市議が相次いで辞職した富山市議会は100%だった。
 アンケート調査は今年6月、47都道府県、20政令市、47中核市を対象に実施した。 
 執行率が95%以上だった11議会の内訳は都道府県が7、政令市が1、中核市が3。一方で前年度から10ポイント以上減少した議会は12議会。県議による政活費の不明朗支出が問題となった兵庫県議会は66.4%と、2年連続で10ポイント以上減少した。……時事通信

*コメント:どうも、全国の都道府県、政令市、中核市114議会の「政務活動費」と云う名目の税金の支出は、その多くが、議員らの給与の一部と見做されているのだろう。国会議員の余禄給与にも目を向ける必要がある。文書交通費、公務出張経費、立法調査費(これは会派単位)、公設秘書給与3人2千万円。平議員一人に最低6400万円。その上、要件が整った政党には、政党助成金が支払われる。よく、議員の数を減らせの議論がまかり通っているが、実は、数は増やせ、給与を下げる。これが、正論。


★電通ネット広告不正、閲覧数虚偽報告も 「経営の問題」
 広告大手の電通は23日、インターネット広告業務で不正な取引があったと発表した。これまでに判明した分だけで広告主111社について633件あり、広告の代金で約2億3千万円分に上る。うち14件、約320万円分は、広告を掲載していない分まで過大に請求していた。
 電通はさらに調査を続け、年内に結果を報告する方針。電通が扱うネット広告は1810社、約20万件あり、不正の規模は今後膨らむ可能性もある。…。朝日新聞

*コメント:電通はウハウハ商売しているわけだから、このような問題は、経営の問題と云うよりも、組織内の競争が生みだした膿である。


★福島第一原発 汚染地下水が大雨で急増 流出防止作業、廃炉の足かせ
 東京電力福島第一原発では、相次ぐ台風による大雨で、護岸に近い敷地の地下水が急激に増加した。現場は連日、放射性物質の混じった地下水が海に流れ出さないよう護岸際の地下水ドレン(井戸)から水をくみ出し、建屋に移送する作業に追われている。 (山川剛史)
 特に厳しかったのが台風16号。二十日ごろから地下水位が急上昇し、翌二十一日午前七時前、井戸の水位は地表ぎりぎりにまで達した。地下水に含まれる放射性物質の濃度は、建屋地下にたまる高濃度汚染水とは比べものにならないほど低いが、過去には放出基準(放射性セシウム137は一リットル当たり九〇ベクレル)を上回ったこともあった。…東京新聞

*コメント:年々歳々、アンダーコントロール出来なくなるのだろう。2019年辺りに、安倍が任期延長で首相の座にいる場合、青天の霹靂が起きるのだろうが、まあ、総辞職すれば、それで何もかも禊は終わるのだから、政治家とと役者は、一度やったら辞められないものらしい。


★独法首脳の年収、GPIFが最高 3千万円超、15年度
 総務省は23日、2015年度の独立行政法人役職員の給与水準を発表した。99法人のうち理事長らトップの年間報酬が最も高かったのは、株価下落による運用損失が問題となった年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)で3131万円だった。
 次いで高かったのは国立病院機構の2304万円でGPIFが突出していたが、総務省は「金融機関の報酬水準を踏まえ設定された。独立行政法人通則法の規定に基づく評価も経ており、妥当性は担保されている」としている。
 トップの退職手当が最も多かったのは理化学研究所で1688万円だった。……東京新聞

*コメント:まさに、盗人に追い銭の典型事例だね(笑)。


★TPP早期承認は不可欠=安倍首相、自民改憲草案の撤回拒否-衆院代表質問 安倍晋三首相は27日午後、衆院本会議での各党代表質問で、環太平洋連携協定(TPP)の承認案について「米国に発効に向けた努力を続けてもらうためにも、交渉をともにけん引してきた日本がこのタイミングで国内手続きを前進させることが不可欠だ」と述べ、11月30日までの会期内に承認するよう訴えた。TPP再交渉には「米国から求めがあっても応じる考えは全くない」と断言した。民進党の野田佳彦幹事長らへの答弁。……時事通信

*コメント:一つくらい、オバマに勝ったぞーと云う実績が欲しいのかもしれない。他の、TPP参加国内では、話題にする政治家すらいなくなっているというのに、まったく馬鹿げた話だが、真面目に報じるなよ(笑)。


★築地跡地 大規模駐車場として利用の計画 豊洲に移転したあとの築地市場跡地のオリンピックでの使い方について、組織委員会の森会長は26日、BS日テレの番組『深層NEWS』で、5000台規模の駐車場として使用する計画であることを明らかにした。その上で、移転延期がオリンピックの計画や準備に与える影響に、改めて懸念を示した。……(NNN)

*コメント:まあ、このオッサンも石原同様に絡んでいるのだろう。震源地は、米ファンドの企みにデベロッパー、ゼネコン等々が絡んで起きた、一大疑獄事件だが、小池知事のやる気ひとつで決まる感じだ。半分は、このまま終息させたいと思っているだろう。出来れば、政治ポジションを上げた上で。


★NHKスペシャルの「縮小ニッポン」の衝撃の内容に、絶望の声が相次ぐ……マイナビ

*コメント:NHKスペシャルと銘打っているので、どこまで深堀するのかな?と視聴したが、上っ面をなぞっただけの脅しドキュメント紛い。限界集落の自治体の苦労も、余命ドキュメントの傾向が強いので、暗い気持ちになる必要もない。時が経てば、8,9割解決済みになる。国も自治体も、それを見込んだアリバイ作りと云うのが本音だろう。


★まるで北朝鮮 安倍首相所信表明に自民“総立ち拍手”の異様
……スタンディングオベーションは、安倍首相が愛国心を煽るような演説をした後、起きている。……
〈わが国の領土、領海、領空は、断固として守り抜く〉
〈現場では、夜を徹して、海上保安庁、警察、自衛隊の諸君が、任務に当たっている〉
〈彼らに対し、いまこの場所から、心からの敬意を表そうではありませんか〉
と、安倍首相が呼びかけた後、発生している。……日刊ゲンダイ

*コメント:まあ、あんなものだよ。岸信介の孫らしいが、世界一のリーダぶりたいガキだよね。反吐が出る。感想はそれだけだが、北朝鮮とたしかにいい勝負しているけど、あの人やあの政党は国民の5割とか4割の支持率だからね、我々も、拍手した方が良いのかも?(笑)。


★天皇の生前退位 「特措法」は違憲の可能性 「生前退位」。
政府は特措法での実現を目指しているが、「違憲」の指摘もある。これでいいのだろうか。…皇位の継承については、憲法2条に、「皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」とあり、憲法が参照する皇室典範4条には、「天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する」とあって、生前退位は認められていない。
…恣意的皇位継承の危険。
 朝日新聞が9月に実施した世論調査では、91%の人が生前退位に「賛成」と答えた。そのうち、「今の天皇だけが退位できるようにするのがよい」という人が17%にとどまったのに対し、「今後のすべての天皇も退位できるようにするのがよい」は76%だった。…
「特措法で一代限りの生前退位を認める」ことは可能なのか。…
「違憲の可能性」を指摘するのは、憲法学が専門の首都大学東京の木村草太教授だ。 憲法は「皇位は世襲」としているだけで皇位継承のタイミングは定めていないので、「生前退位」自体は違憲にはあたらない。
だが、皇位継承の根拠となる皇室典範の改正は「最低限必要」だと指摘する。さらに、特措法の整備となると、「憲法2条から、特別法を許さないという趣旨も読み取れる」 と言い、違憲の可能性があるという。……AERA

*コメント:駄目な会社の総務課長が考えそうな「今回限りの例外規定」。こういう弥縫策で、天皇の地位や譲位問題を取り扱うなど不敬の典型である。かと思えば、「天皇はケシカラン。俺たちに盾突いた」宮内庁人事でお仕置きしておかなければという二重の不敬な罪を犯す安倍官邸である。(下段記事も含む)日本会議よ、天誅だと、官邸に乗り込めよ!(笑)。


★官邸、宮内庁にてこ入れ=お気持ち表明で不満
 宮内庁長官の風岡典之氏が26日付で退任し、山本信一郎次長が長官に昇格、後任の次長には西村泰彦内閣危機管理監が就任する。天皇陛下のお気持ち表明に至る過程で、宮内庁の対応に不満を持った首相官邸が、人事でてこ入れを図ったようだ。
 宮内庁幹部の異動は春が通例で、風岡氏も当初は来年3月末まで務めるとみられていた。政府関係者は、退任が早まった理由について「お気持ち表明に関し、誰かが落とし前をつけないと駄目だ」と語った。
 陛下の生前退位のご意向が官邸に伝えられて以降、杉田和博官房副長官らは、退位の自由は憲法上認められていないと判断し、負担軽減策の検討を進めていた。そうした中で陛下のお気持ち表明の動きが表面化した。官邸は宮内庁に対し、「陛下が思いとどまるよう動くべきだった」(関係者)と辛口評価だ。  宮内庁次長には、事務次官経験者が各省の顧問などを経て就任する例が多く、西村氏の「官邸直送」は異例。警察出身者の起用は22年ぶりで、同じく警察出身の杉田氏の意向が反映されたとの見方がもっぱらだ。西村氏は、来月から始まる「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」の事務局に宮内庁を代表して参加する。 
 ただ、官邸サイドの思惑通りに事態が進むかは不透明だ。安倍晋三首相は政府内の検討について「期限ありきではない」としているが、風岡氏は21日の記者会見で「できるだけ優先的に対応していただきたい」と述べ、ことさら検討をせかした。別の政府関係者は「人を代えたらうまくいくとは限らない」との見方を示した。時事通信


★安倍首相「1月解散」は意外と本気 維新150周年に意欲
 相次ぐ台風で日本各地に大きな被害が出る中、臨時国会が始まったばかりの永田町では突風のような「解散風」が吹き始めた。きっかけは日経新聞の〈来年1月解散説 永田町に浮上〉(9月17日付朝刊)記事だった。
 麻生太郎・副総理が派内に「理論上は1月解散はありうる。しっかり準備しておけ」と指示を出しており、安倍首相は12月の日ロ首脳会談で〈北方領土問題を前進させる政治決断を下し、その信を国民に問う──との観測だ〉という内容だ。
 とはいえ、首相は7月の衆参ダブル選挙を断念したばかりだ。自民党内では「高齢で強面、決して世論受けがいいとは思えない二階俊博氏が幹事長に起用されたことで総選挙は遠のいた」との見方が強まっていただけに、解散説は寝耳に水。
 選対のベテラン幹部は「複数の新聞記者から1月解散の問い合わせがあったが、ありえないと答えた。官邸から選挙準備の指示は何も出ていない。新聞社がネタがないときによくやる観測記事の類だろう」と一笑に付している。
 しかし、火のないところに煙は立たない。官邸筋は「解散はある」とこういう。
「官邸の有力なスタッフが総理に1月解散を進言し、総理も本気で解散を視野に入れている。総選挙に勝って国政選挙5連勝となれば、自民党総裁任期を延長して安倍総理が東京五輪を迎えることに党内の誰も文句を言えなくなる」
 実際、自民党の総裁直属機関、政治制度改革実行本部では党内の反対を押しつぶすような強引なやり方で任期延長の党則改正手続きが進んでいる。
 本部長の高村正彦・副総裁は同本部の初会合(9月20日)でいきなり現在2期6年の総裁任期を「3期9年」に延長する私案を提出し、安倍首相から直接、「総裁任期の延長を検討してほしい」と本部長就任を要請された内幕を明らかにした。
 いくら安倍首相が「任期延長は全く考えていない」と否定しても、首相の特命なのはバレバレなのだ。……週刊ポスト

*コメント:あるだろうね。米大統領選でヒラリー・クリントンが勝利して、プーチンとの会談で、北方領土交渉に道筋が見える。この二つの要件が成立すれば、解散総選挙は7割の確率である。民進党は、その瞬間から分裂の危機に立つ。ウッカリすると、野田蓮舫ラインは、自公政権の真ん中に潜り込むことまである。まあ、その方が、色が判ってやり易い(笑)。連合も洩れなくついていくのかも?
以上。

「野党」論: 何のためにあるのか (ちくま新書)
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●安倍腰巾着三羽烏NHKの明子・産経の瑠比そしてTBSのY氏…

2016å¹´09月27æ—¥ | æ—¥è¨˜
総理の影: 菅義偉の正体
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小学館


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●安倍腰巾着三羽烏NHKの明子・産経の瑠比そしてTBSのY氏…

 TBSの官邸担当記者時代、NHKの岩田明子、産経の阿比留瑠比、TBS山口敬之と言えば、安倍の太鼓もち番記者(腰巾着)三羽烏”と呼ばれ、癒着ジャーナリストのサンプルとまで言われている人物の本の話だ。幻冬舎と山口敬之氏とメンバーが揃えば、『総理』と云う名の書物がどんなものかは、読まずとも理解してしまう。筆者は、この本の宣伝を現代ビジネスサイトが取り上げた点に注目している。今春辺りからだが、現代ビジネスサイトや講談社が出版する書物等から、政権批判のトーンが静かになっていることが気がかりだ。

 今夜は、リテラのトコトン批判コラムと、ヨイショのヨイショ現代ビジネスの“本宣”を並べて載せておいた。万が一、購入されたい方の為に、Amazon本として紹介はしておく(笑)。講談社も、官邸の監視網から逃れることが無理だったようで、日刊ゲンダイだけは、お見逃しの手打ちかと思ったが、最近、日刊ゲンダイも、安倍官邸叩きのトーンは抑制気味だ。黒田や石原を叩くのに忙しいのか、安倍官邸叩きは、トーンダウンしている。そろそろ、反安倍ブロガー達への圧力が加わるのかもしれない?あいば達也は自殺などしないからね(笑)。そう言っておいて、ブログ連載をやめたら、泉田さんと“クリソツ”になってしまうね(笑)。

≪ TBS元記者の安倍政権PR本が出版!
幻冬舎が安倍首相と結託してまた政権PR本を出版!
著書は“安倍の太鼓持ち”で有名だった元TBSの官邸担当記者

 今週9日に、とある本が幻冬舎から出版される。書名は『総理』。著者は、安倍首相が官房長官だった時代からずっと番記者として張り付いていた、TBSの元政治部記者・山口敬之氏だ。触れ込みによると、その山口氏が過去の取材内容をもとに、安倍首相の官邸での内情、そして安倍首相を取り巻く麻生太郎や菅義偉といった周辺人物らの動きを〈迫真のリアリティで描く、政権中枢の人間ドラマ〉らしい。
 いったいどんな内幕が暴露されているのか、と思いきや、いち早く内容を知り得た出版関係者によると、「中身は完全な“安倍ヨイショ本”」だという。
  「一応、ドキュメンタリータッチで描かれているんですが、最初から最後まで、批判的な視点は一切なし。安倍首相がいかに素晴らしいか、国家のことを考えているか、ということしか書いていない。右派思想への賞賛や歯の浮くような美辞麗句が散りばめられていて、ただのPR本ですよ」
 しかし、それも当然だろう。著者である山口氏は、TBSの官邸担当記者時代、NHKの岩田明子、産経の阿比留瑠比と並んで、“安倍の太鼓もち番記者三羽烏”と呼ばれていた典型的な癒着ジャーナリストなのだ。 「山口氏はリベラルなTBSの中では珍しいゴリゴリの右派。それもあって官房長官時代から安倍さんとはウマが合い、まるで秘書官のようにべったり寄り添っていた。安倍さんが“山ちゃん”と呼ぶくらいの間柄です。しかも、それだけ密着しながら、重要な政界情報は社には上げず、安倍さんのヨイショや政敵を貶めるような謀略情報ばかり流そうとして、報道局といつも揉めていた。TBSも頭を抱えていたようです」(全国紙政治部記者)
 それを象徴するような、とんでもない行動も発覚している。なんと、山口氏はTBS時代、安倍首相の靖国神社の極秘参拝に同行しながら、それを記事にしなかったというのだ。 「安倍さんが総理になる直前、官房長官だった2006年4月に極秘で靖国神社を参拝していたことが発覚するんですが、じつはこのとき、山口記者も同行して一緒に参拝していたというんです。ところが、山口記者はそれを一切報道せず、外部に知られないようなアリバイ工作にも協力していた」(政治評論家)
 大きな国際問題に発展する可能性もある重要な現場に立ち会いながら、記事にしないで、極秘行動をサポートするとは、もはや記者というより、秘書官としか思えないが、そのあと、安倍氏が首相になって第一次政権を樹立した後も、そして第二次政権でも、山口記者はこうした安倍氏の情報操作や安倍氏を利するようなPRを流し続け、安倍首相に不利な情報は一切流さなかった。
 また、山口氏はその後、ワシントン支局長に栄転するのだが、その際、韓国軍がベトナム戦争の時に慰安所を設けていたという記事を、会社に無断で「週刊文春」(文藝春秋)に発表。それをきっかけに営業職に配転されることになる。
  「これも大元の情報源は安倍政権内部だったと言われているんですが、それはともかく、他媒体に無断で記事を発表したことで、さすがにTBSも問題視せざるを得なくなったらしい。それで山口氏を営業職に異動させたところ、山口氏はこれを不服として退職をしてしまった。しばらく噂を聞かず、いったい何をするのか、と思っていたら、安倍首相のヨイショ本を出すというので、なるほど、と思いました」(前出・全国紙政治部記者)
 こんな人物が書くドキュメンタリー本なのだから、「安倍PR」になるのは当然だろう。
 いや、それだけではない。実はこの『総理』はそもそも、幻冬舎の見城徹社長と安倍首相サイドが相談をして出版を決めた本らしいのだ。
 「今回の出版は、安倍首相から直接、幻冬舎の見城社長に持ち込まれた、と聞いています。いずれにしても、参院選のためのPR作戦の一環であることは確実でしょう。実際、見城さんはこの本に異常なくらい入れ込んでいて、営業にも絶対にべストセラーにするぞ、とハッパをかけています」(出版関係者)
 安倍首相と見城社長の“蜜月”については、これまで何度も本サイトが報じてきたが、そのきっかけとなったのは、下野していた安倍氏が2012年の自民党総裁復帰の直前、自分の信奉者だった自称文芸評論家で、現在、極右団体「放送法遵守を求める視聴者の会」事務局長の小川榮太郎氏に『約束の日 安倍晋三試論』という礼賛本を書かせ、それを幻冬舎から出版したことだった。
 この本を安倍事務所が大量に買い占めをして、大手書店で売れ行き1位をとらせ、幻冬舎がそのことを謳う大きな新聞広告を打つ。そうやって、安倍晋三という政治家の復活を後押ししたのだ。
 ちなみに、安倍首相の政治資金団体「晋和会」の政治資金収支報告書にも記載されているように、安倍首相は少なくとも『約束の日』を2380冊、計374万8500円分を購入していることがわかっている。
 おそらく、今回も、安倍事務所がこの『総理』を大量に買い占め、幻冬舎が新聞に「◯◯書店で売れ行き1位」などといった広告を打つ、というえげつない商法が繰り返されるのだろう。
 さらに、この山口氏が安倍ヨイショだけでなく、安倍政権の意を受けて、古巣のTBS批判を繰り広げ、報道圧力の口実づくりをする可能性も考えられる。
  「山口氏は自分を左遷したTBS上層部には相当な恨みをもっていますからね。それこそ、保守メディアなどであることないこと書き立て、小川榮太郎らの『視聴者の会』と組んで、圧力を加える可能性は十分ある。いま、安倍政権はとにかく、改憲を前に右派人脈を総動員してリベラルメディアの封じ込めを画策していますから、間違いなく山口氏をそのために使うでしょう」(前出・全国紙政治部記者)
 メディアを飼いならし、ジャーナリスト、評論家を使って、彼らに「偏向」を叫ばせて、批判意見を封じ込める──安倍首相のこの卑劣な“圧力軍団”の隊列にまた一匹、犬が加わったということらしい。
 ≫(リテラ:社会・マスゴミ:田部祥太)

 以下が、現代ビジネスがヨイショしている、安倍ヨイショ出版社の、ヨイショジャーナリストによる、ヨイショな本の番宣だ。とくと、お読みいただきたい。無論、下部にAmazon購入バナーのオマケも貼りつけておきますので、ご購入の際はご利用ください。A事務所が1000冊くらい追加注文してくれないかな?しかし、山口氏は、安倍晋三ネタ物以外、今後どういう記事を書くのか、個人的には愉しみだ。永遠に安倍政権が続くことはないのだから、次の憑りつく政治家も探さないと。蓮舫さんなどはイカガデスカ?

≪ だから私はTBSを退社し、この一冊を著した」
~永田町を震撼させたエース記者の回想
■永田町を震撼させた一冊
「これ、あさって議院を解散する時の会見原稿なんだけどさ、ちょっと聞いてみてよ」
  安倍は本番さながらに、私に向かって語りかけた――。
目の前で、現職の総理が解散を宣言している。私はまるで自分が、官邸1階の記者会見室にいるような錯覚にとらわれた。 6月に発売されるや、永田町を震撼させた『総理』(幻冬舎刊)の一節である。 衆院解散を決意した安倍総理が、書き上げたばかりの演説草稿を読み聞かせるほどに信頼を寄せる「私」とは、著者の山口敬之氏のことだ。
  1990年、TBSに入社し報道局に配属された山口氏。これまでに社長賞や報道局長賞などの社内表彰を39度も受けたという、同局きっての「エース記者」だった。 今年5月にTBSを退社し、フリーランスのジャーナリストに転身、その直後に刊行された本書では、自民党が大敗を喫した2007年参院選から第二次安倍政権発足に至る舞台裏や、シリア情勢をめぐる官邸と米・ホワイトハウスとの緊迫したやり取りなど、政権内部の動きが克明に描かれている。
  とりわけ、第一次安倍政権での参院選惨敗から総理辞任に至るドキュメントは圧巻だ。 安倍総理本人や麻生太郎外相、与謝野馨官房長官(肩書きはいずれも当時)ら重要閣僚をはじめ、多くの政界関係者を取材した結果、山口氏は当時、誰も予想していなかった「安倍総理辞任」をスクープする。TBSは全てのマスコミに先駆けて総理辞任の速報テロップを打ったのだった。その舞台裏を描いた場面は、まるでミステリー小説を読んでいるかのような刺激を読者に与える。
「総理は今日これから辞任する。用意してあるスーパー(速報字幕)を今すぐ打ってください」
「何だって? おい、大丈夫か。誤報だったら社長の首が飛ぶぞ。裏はとれているのか」
「つべこべ言わずにすぐ打てよ」
(中略)
永田町を知り尽くした老獪な政治家をも驚かす速報を打った直後から、私の携帯はなりっぱなしとなった。掛けてくるのは、主にかねて付き合いのある与野党の政治家、秘書、官僚達だった。彼らは異口同音にこう叫んだ。
 「総理が今日辞めるなんて、あり得ないんじゃないですか!?」
(中略)
 しかし確かに予兆はあったのだ。辞任に先立つ3週間ほど前から、いくつかの小さな出来事が、永田町の注意深い観察者にだけ、首相の異変を静かに告げていた。

 以下、山口氏がなぜ総理辞任の「確信」を得たのか、その謎が解き明かされていく。『総理』には、第一線で取材をしてきた記者にしか書けない事実が詰め込まれている。 が、それほどのエース記者が、一体なぜTBSを辞めて独立したのか。本書執筆にいたる経緯、そして安倍政権の行方について、本人に聞いた。

■TBSを去った理由
TBSを辞めたのは、「取材したことを報道する」という、ジャーナリストとして当たり前のことができなくなったからです。 私は政治部を経て、2013年にワシントン支局長としてアメリカに赴任しました。このとき、現地の公文書館で、ベトナム戦争中に韓国軍が慰安所を設けていたことを示す文書を発見しました。貴重な文書ですから、すぐにニュース番組のなかで放送したいと掛け合ったのですが、上層部は「デリケートな問題だから、文書だけではダメだ。その現場にいた人の証言が得られなければ、放送しない」と消極的でした。
  そこでさらに取材を進めた結果、当時、現場にいたというアメリカ人を発見、カメラの前でそのときの証言もしてくれたんです。「これならいける」と映像編集作業も終えたのですが、またしても会社の答えは「放送できない」でした。 いったいなぜダメなのか、理由を質しても「君のためにならない」「大統領選も控えている」などと、要領を得ない答えが返ってくるばかりでした。

 これほど重大な事実を伝えないのであれば、もはや自分はジャーナリストではなくなってしまう――葛藤の末、山口氏はその取材を『週刊文春』誌に寄稿。『米機密公文書が暴く朴槿恵の゛急所゛ 韓国軍にベトナム人慰安婦がいた!』というタイトルで、2015年4月2日号に掲載されたこの記事は国内外で大きな反響を呼んだ。
 ところが、TBS上層部は、山口氏が他社の媒体で取材成果を発表したことを問題視したという。 会社からは、ワシントン支局長を解任、営業局へ異動という処分を受けました。異動には納得できない気持ちもありましたが、当初は別の部署からテレビ局という組織を見てみるのもいい経験になるかもしれないと考え、配属先での仕事に取り組んでいました。
  しかし、私の本性は記者ですから、取材して発信するという仕事ができないことには耐えられなかった。何より、取材した成果を明確な理由もなく報道させない組織に所属していても仕方がないと考えたのです。そして、退職を決意しました。 ちょうどその頃、本を書かないかというお話をいただいたので、退職を機に、これまでTBS記者として取材をしてきたこと、またテレビという枠組みでは報道できなかったことを書こうと思ったんです。
■「太鼓持ち」と言われても
 そして書き上げたのが『総理』だ。山口氏も語るように、同書には組織に所属していては公開をためらわれるような、政権幹部の生々しい肉声が収められている。
 執筆に際しては、私が実際に見てきた事実だけを書くことを徹底しました。今、世の中にある政治関連書は、ほとんどが「安倍さんは素晴らしい」という〝親安倍〟か、「アベ政治を許さない」と主張する〝アンチ安倍〟か、どちらかの立ち位置に偏って書かれたものばかりで、政権の実像をそのまま描いたものがない。 そこで、礼賛や批判といった評論ではなく、「誰がいつ何を言ったのか」「その時どんな表情だったのか」といった〝ファクト〟を、なぜ私がその場で目撃していたのか、という経緯まで含めて、全面的に情報開示しようと思ったんです。
  現政権には私と付き合いが長い政治家が何人かいます。そうした複数の政治家から話を聞くことによって、政権の実像を俯瞰して書くことができたと自負しています。

 当人は「たまたま付き合いが長いだけ」と謙遜するが、実際のところ、山口氏の政権幹部へ「食い込み」は、並のものではない。
 2012年に安倍氏が自民党総裁に返り咲いた際には、菅義偉氏をして「山口君の電話がなければ、今日という日はなかった」と言わしめ、内閣改造時には、麻生氏直筆の「人事案」を山口氏が総理のもとに届けることもあった、と本書では明かされている。 安倍総理や麻生財務相といった政権幹部の生の声を引き出そうと努力するほど、社内外から「山口は安倍政権の太鼓持ちだ」という批判の声が聞こえてくることもあったようだ。 そのこと自体は、山口氏は気に留めなかったという。だが一方、政治記者が取材対象に深く迫る過程で、「外部からの観察者」という立場を越え、自らの動きが政局に影響を及ぼしてしまう、という点については「苦悩はあった」と明かす。
  たとえば、ある〝ネタ〟が入ってきて、その真偽を問うために政治家のところへ取材に行ったとします。すると「TBSの山口が、あのネタを誰々にぶつけた」という情報が、他の政治家や官僚、さらに他の報道機関にも伝わり、永田町に「さざ波」が立つ。そして、その小さな『さざ波』がやがて政治の流れを変えてしまうことも、現実にはあるのです。
  政治記者になったばかりのころは、そのことに抵抗がありました。「自分は、記者の範疇を越えてしまっているのではないか」、と。 しかし、永田町では取材対象である政治家に近づくうち、いやでも一定の役回りを担わざるを得なくなるんです。単に記者会見や夜回りで聞いた話だけを書いている新人記者ならともかく、政治記者として一人前になれば、必然的に「永田町の住人」になってしまう。そういうものだと思っています。 その代わり、自分が永田町で見聞きしたことは、必ずオープンにしなければならない。すぐに公表することができない話であっても、いつか必ず書く。それが記者だと思っています。それが、本書を記した最も大きな理由のひとつです。
■安倍政権のこれからを読む
 『総理』は、まさに山口氏が政治記者として見聞きしてきた事実が余すところなく書かれている。永田町からの反響は〝さざ波〟どころではなかった。 書店に並ぶまで、私がどういう本を書いているのかは安倍総理や麻生副総理も含め、誰にも言わなかったんです。
伝えてしまえば、『あの話は書かないでくれ』などと言われる恐れがありますし、何を書くかは自分自身で判断しなければ記者ではありませんから。誰にも伝えなかった。 それだけに、発売後の反響は大きかったですね。この本に登場する人からすれば、絶対に世に出ないと思っていた話が書かれているわけですから、「そこまで書いたのか」とか、「俺はあのとき、そういう意図でああ言ったわけじゃない」と言われました。 一方で、「そうそう、確かにああいう経緯だったね」と言われることもあって、反響は様々ですね。
  自分でも、少し書き過ぎたかなと思いましたが(笑)。もちろん、これまで築いてきた関係が壊れてしまうのではないか、と考えはしました。それでも、もしこれで政治家との関係が壊れてしまうのなら、仕方がないと開き直って書きました。それだけ、真剣勝負をしている一冊だと、自負しています。

 記者として、最も至近距離から安倍政権を見てきた山口氏。その目に、今後の安倍政権の課題はどう映っているのか。

 これまで総理と接してきた経験から言うと、彼の頭の中に「憲法改正」と「北方領土返還」があることは間違いないでしょう。このふたつは、祖父である岸信介元首相が「戦後の政治家が解決できなかった課題」として挙げたものです。これを安倍総理は背負っている。 総裁任期は2018年9月までとの2年あまりですから、短い期間にこれだけ大きな政治課題をふたつも達成することができるのかという疑問もあるでしょう。 しかし私は、スケジュール的にはぎりぎり間に合うと見ています。むしろ「憲法改正」と「北方領土返還」は、セットで進めたほうが達成しやすいとも言えます。 どういうことかと言うと、いずれ安倍さんが憲法改正の信を問うために衆院を解散する時、「憲法改正」だけでは勝てないかもしれないけれど、そこに「北方領土が返ってくる」というプラスファクターがあれば、より有利になるということです。ふたつをセットで進めるということは、安倍総理も意識していると思います。

■「評論」はしない
山口氏は任期末に向け、安倍総理が政権をどう「閉じるのか」を注視しているというが、今後執筆を考えているテーマは、それだけではないという。〝組織という楔〟から解き放たれた敏腕記者はどこへ向かうのか――。

 今後の仕事については、いろいろ考えているところですが、はっきり言えるのは、「評論」はしないということ。今の日本では、ジャーナリストなのか評論家なのか、あるいは活動家なのかわからない人が少なくない。メディアとしても、あれこれ評論してくれる人のほうが使いやすいという事情もあるでしょう。 しかし私は、自分が取材した事実を提示することに特化した仕事をしていこうと思っています。 今回の本を読まれると、私はドロドロした人間模様を取材することを好む政治記者だと思われる方もいるかもしれません(苦笑)。しかし、私の取材テーマは日本政治に限りません。 駆け出しのころはカンボジアの内戦を取材しましたし、ロンドン支局やワシントン支局で海外取材も経験しています。そうした蓄積をもとに、これからは外交や国際関係の分野でも書いていきたいですね。
 ≫(現代ビジネス>政治>メディア・マスコミ『総理』著者山口敬之に聞く:平井康章)

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総理 (幻冬舎単行本)
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●どうしてプーチン人気は落ちない? 出生率まで伸びている

2016å¹´09月26æ—¥ | æ—¥è¨˜
ユーラシアニズム―ロシア新ナショナリズムの台頭
チャールズ・クローヴァー
NHK出版


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●どうしてプーチン人気は落ちない? 出生率まで伸びている

 世界の七不思議のように、西側陣営の論者が、嘆き半分で、以下のようなコラムをロイターに書いていた。おそらく、いまだに、世界に影響力を及ぼす人物ランキングでは、トップに君臨するロシア・プーチン大統領が落ちる気配はみられない。西側陣営のマスメディアが、メディアスクラムを組み、日々口汚く、あることないこと捲し立てているのだが、一向に人気が衰える気配がない。これを、単なる偶然などと考えているのは、日本人くらいのものなのではないだろうか。筆者も、アメリカ一国主義を強く牽制し、ガチンコ対立も辞さないウラジミール・プーチン大統領には、一定の畏敬の念を持っている。少なくとも、オバマやヒラリーや安倍晋三の数倍世界に影響する人物と認識している。

â– 2015年世界で最も影響力のある人物ランキング(米・フォーブス誌) 1、プーチン 2、メルケル 3、オバマ 4、フランシスコ・ローマ法王 5、習近平 6、ビルゲイツ 7、イエレン 8、(キャメロン) 9、モディ印首相 10、ラリーペイジ*グーグル 11、ドラギEU銀 12、李克強 13、バフェット……28、豊田章男……41、安倍晋三……50、黒田日銀 51、孫正義‥となっている。2016~17年には、オバマ、キャメロン、もしかするとメルケル?、黒田日銀がランキング外になるかもしれないが、安倍晋三は60位くらいでギリギリ死守と云うところか(笑)。たしか、それにしてもプーチンは3年トップ堅持だ。


≪ 苦境のロシアで「プーチン帝政」人気の謎
[22日 ロイター] - ロシア下院選の数日前、同国で政治腐敗撲滅キャンペーンを行っているアレクセイ・ナバリヌイ氏が、メドベージェフ首相(前大統領)が使用するカントリーハウスの動画を公開した。
 ナバリヌイ氏とその仲間たちは、メドベージェフ氏がボルガ川近くでキノコ採りに興じている写真をインスタグラムに投稿したことを手掛りに、同氏の居所を突き止めたのだ。
 ナバリヌイ氏の財団はカメラを搭載したドローンを借り、当該の地域を飛行させた。その結果得られた映像には、ヘリパッド、プール、人工スキー場、使用人の居住地区、ゲストハウス、通信ステーション、大きなガレージ、ホーバークラフト2隻が停泊する港、そして見事に修復された18世紀の大邸宅を擁する約80ヘクタール(約200エーカー)の広大な地所が映し出されていた。
 この地所の購入資金は新興財閥の大富豪2人が払ったものとされ、「ダール」と呼ばれる慈善団体名義で登記されている。メドベージェフ首相の妻であるスベトラナさんと関係の深い団体だ。
 政権トップの腐敗を示す1つの証拠として、この動画は効果抜群だった。だが、有権者がこうした腐敗に抗議するために1票を投じるように誘う戦略としては失敗に終わった。この動画が影響を及ぼすはずだった下院選で、プーチン大統領の与党「統一ロシア」は議席を大幅に増やした一方、「統一ロシア」と協調した議決行動を取ることの多い政党3党は議席を減らした。
・明るいニュースもある。「統一ロシア」は議席を増やしたものの、得票数は減った。しかし実のところ、旧ソ連崩壊後のロシアで初めて投票率が50%を切ったというだけの話なのだ。
 では、暗いニュースは何か。リベラル派の野党は、いずれも議席獲得条件である5%の得票をクリアできなかった。唯一のリベラル派国会議員だったドミトリー・グドコフ氏は議席を失った。
 まぎれもない勝者であるプーチン大統領は、選挙の成功について、淡々とした短いコメントを残しただけだった。謙虚にも見えるが、「統治者とすれば議会などは煩わしいものでしかない」という見方を反映する対応だったかもしれない。
 スラブ諸国の歴史を研究するティモシー・スナイダー氏は今週、プーチン大統領はロシアの哲学者イワン・イリインの支持者であるという見解を示した。第2次世界大戦後、イリインは亡命中に著した論文のなかで、ロシアにはファシズムが必要であり、選挙は国家指導者への支持を示す儀式としてのみ行われると主張している。
 今週、セルビアの首都ベオグラードで開かれたリベラル派ロシア人を中心とする集まりで、筆者はレバダ・センターのレフ・グドコフ所長の話を聞いた。レバダ・センターは独立系の世論調査機関だが、「外国の代理人」と認定され、事実上、活動禁止状態に置かれている。
 グドコフ所長は、ロシアの現状を批判的かつ明快に解説してくれた。ロシア国民の生活水準が急激に悪化しているにもかかわらず、80%以上というプーチン氏の支持率が落ちないという奇妙な事実を、次のように説明している。
 プーチン大統領は、実質的に、他の政府関係者に向けられがちな批判を超越した場所に立っているからだ。つまりプーチン氏は、ロシアを守護し、世界的に偉大な存在たらしめた畏怖すべき人物たちのために用意された領域に生きているのだ。たとえば、イワン4世(「雷帝」)、ピョートル1世(「大帝」)、そして、ヨシフ・スターリンである。 グドコフ所長は言う。「人々は、プーチン氏が政治腐敗に関係している可能性、それどころか自ら政治腐敗を画策している可能性さえ否定しない。だが、彼がやっていること、彼が象徴していることに比べれば、それは重要ではない。プーチン氏はわれわれにより良い生活を与えてくれる、と人々は言っている」
 グドコフ所長はさらに、中流階級の消費者となったロシア国民でさえ、いまだに逆境に耐える習慣を備えている、と指摘する。「生活というのは厳しいものであるはずだ、と考えている。だから彼らは、尊厳が傷つけられたと感じない限り、抗議もしない」
 グドコフ所長も、モスクワの独立系シンクタンク、政治技術センターのアレクセイ・マカルキン副所長も、こうした風潮が近い将来変わるとは考えていない。
 「現実には、今は1つの声しか聞こえない。言論の自由とは、正しいことを言う自由だ。どうして間違っていることを言えるだろうか。子どもたちがあなたの言葉を聞いて、間違った考えをもって育ってしまうのではないかと考えてみてほしい」とマカルキン氏は言う。
 プーチン氏が2018年の大統領選で再び勝利を収めれば、直接、あるいは自分の言いなりになる仲間のメドベージェフ氏を通して、20年以上にわたり権力を握り続けていることになろう。
 最近の2世代が知っているのは、プーチン氏の統治のもとで育まれる文化、同氏のメディアが流布するプロパガンダ、刷り込まれる「包囲されている」という感覚、強さ・侵略の必要性、帝国主義的な要請だけということになる。彼らにとって、新世代の独裁者のなかでも第一人者であるプーチン氏は、「権力があればうまくいく」という最も分かりやすい手本なのである。
 欧州が経済の停滞、ユーロの動揺、若者の失業率の高さに苦しむ様子を見るロシア国民は、「ほら、民主主義だとああなってしまう」という言葉を聞かされているのだ。
 だが、「民主主義」とは今でもやはり、市民社会と言論・報道の自由を育むような政策・慣習・法制度の集合を意味している。こうした価値観は、この世界ではあまりにも簡単に(一部の地域では激しく)否定されてしまうだけに、やはり保護していく必要がある。そして実は、これらが最も露骨に否定されているのはロシアなのである。
 ベオグラードで聞いた社会学者エラ・パネヤク氏の話によれば、ロシアは今のところ独裁国家のように見えるかもしれないが、人々の行動や市井における会話は急速に変化しているという。ロシア国内では、慈善活動への寄付が増え、人々の関係はより開放的になり、性的な問題についてもオープンな議論が行われるようになっている。こうした流れにより、避妊具の利用が増え、妊娠中絶率が低下し、性的虐待に関する公的な議論が拡大しているという。
 国家の資源を流用して帝政時代の貴族階級のような生活を送る旧世代による統治に甘んじることを、いずれは社会の変化に寛容な世代が拒否するようになる――われわれはそれを期待しなければならない。

*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。(翻訳:エァクレーレン)
 ≫(ロイターコラム:John Lloyd)


 上掲のコラムニストJohn Lloydは、ロシアのリベラル派や「外国の代理人認定組織(NGO,NPO等)」の代弁者と云う立ち位置で、西側陣営の普遍的価値に基づいてロシア及びプーチン大統領の権力を批判している。しかし、プーチン大統領が名実ともに“世界に影響力を持つ人物”において3年連続である事実は、大きい。また、上掲コラムでも述べられているが、そもそも、ロシア人と云う民族は、耐乏生活に柔軟に応じる資質を持ち合わせている。基本的には、縄文人的日本民族と似ている。在るがまま、与えられるが儘の中で、生きると云う修正と知恵がある。直近で考えれば、ソ連崩壊時の経済状態を知っている人々も多いので、それよりも数段上等になっているとの認識だ。

 アメリカから、あれだけの過酷な経済制裁を加えられても、一歩も引かない「おらが国の大統領はエライ!」と云う評価の方が、断然優勢なのだ。プロテスタント的善に基づくアメリカン・デモクラシー或いはEUデモクラシーなどと云うものは、一種の欺瞞であり、徐々に綻びてきている。ソ連共産主義が、一歩早く滅びたが、西側デモクラシーも風前のともし火で、それ程変わりはない。そして、EUとの交易の道を閉ざされた分、自国生産の道を模索し、徐々に軌道に乗せている事実を彼らは知っている。原油の輸出に頼りすぎた経済構造を、彼らは苦境を与えられたことで、軌道修正していることになる。つまり、オバマは、結果的に、制裁を与えたが、ロシアを強くしてしまったのは、神のなせる業だ。

 その証拠とまでは言わないが、ロシア国内で、大騒乱のような事は起きていない。西側に言わせれば、ファシズム監視体制が行き渡っているからと言いたいのだろうが、あの国土を、警察国家や保安国家として、監視国家にすることは、不可能に近い。最近の情報によると、ロシアの失業率は低く抑えられ、共住環境も整備が進み、出生率も1.83人と、2.2人方向に向かっているそうだ。日本は、改善したといっても1.46人だから、相当に違うようだ。生きるか死ぬかのような国だったら、出生率が伸びると云う現象は説明がつかない(笑)。


≪ 出生率が不況でも上昇の理由
 経済危機にもかかわらず、ロシアの出生率が上昇している。その理由として、専門家は失業率の低さをあげる。だが、それだけではない。
 ロシア経済の停滞は、「国民の再生産行動」に影響をおよぼしておらず、2016年、家庭は子どもをつくりつづけている。「ロシア経済・国家行政アカデミー」社会分析・予測研究所の専門家が、ロシアNOWの依頼で調査を実施し、このような結論に達した。
 2016年上半期にロシアで生まれた子どもの数は、不況にもかかわらず、昨年、一昨年の同じ時期と比べて、減少してはいない。今年の出生数は昨年の同じ時期より1.6%増えた。「ロシア連邦国家統計局」の公式データがこれを証明している。同時に、ロシア人の15%は、職を失っていたら、子どもをつくっていなかっただろうと回答している。
■なぜ増えているのか
 「現在の不況は、2008年の金融危機と同様、子どもを持ちたいという気持ちおよび新生児の出生の時期に影響するほど大きくはない」と、調査を行った、社会分析・予測研究所人口統計・移民・労働市場研究室のアーラ・トィンディク室長はロシアNOWに話す。
 家庭の多くが直面している不況の問題とは、物価の上昇および収入の減少で、すでに順応したのだという。より重要な要因である失業に直面した人は少ないと、トィンディク室長は説明する。
 「国民は経済の現状を危機の深刻な段階とは考えておらず、今ある条件に適応した」と、ロシアの投資会社「フリーダム・ファイナンス」ロシア株式市場運用管理責任者のゲオルギー・ヴァシチェンコ氏は説明する。また、国は住宅ローンの補助金を含む、高額な社会支援を止めていないという。
 出生率が上昇している理由の一つとして、近年の住宅用不動産の竣成の増加を、専門家は指摘する。「実際の収入や全体的な経済状況とは関係なく、不動産の建設から2~3年遅れて出生率があがる」と、ロシアの大手証券会社「フィナム」の金融アナリスト、ティムール・ニグマトゥッリン氏は話す。ロシアでは、2013年に15.5%増の6940万平方メートル、2014年に14.9%増の8100万平方メートル建設された。これが出生率の維持にもつながったという。
 第二子の出産も出生率の上昇に影響をおよぼしていると、トィンディク室長。長く続いた1990年代の負の影響が収まり、回復に向かう流れが2000年代半ばに始まった。「第二子を産んでいる女性の平均年齢は30~35歳で、この世代は人口が多い」とトィンディク室長は説明する。現代の女性は平均して、1990年代および2000年代初めに若い時期を迎えた女性よりも、多くの子どもを産んでいるという。

■今後はどうなっていくのか
 ロシア連邦国家統計局のデータによると、女性1人あたりが出産する子どもの平均人数を反映した出生率は、2015年に1.77人まで増えた。2016年上半期は約1.83人になったと、マクシム・トピリン連邦労働・社会保護相は話した。
 ロシアで出生率が最も下がったのは、現代ロシア史最悪の金融危機が起こった後の1999年で、1.157人であった。
 現在の出生率でも国の発展には不十分だと、専門家は考える。「人口の単純再生産には、女性1人あたり少なくとも2.2人の子どもが必要。1.83人では十分な経済力を確保できない」と、ロシアの証券会社「オトクルィチエ・ブロケル」最高経営責任者マクロ経済顧問のセルゲイ・ヘスタノフ氏は話す。そのため、現在、ロシアの人口増を支えているのは、主に移民の流入なのだという。「2人以下は人口再生産を狭める。自然な人口増加は、可処分所得の実質ベースの増加よりも遅く始まる。タイムラグを入れると、2020年以降になる可能性がある。
 2016年上半期、ロシアの人口は3万2200人の自然減であったが、これは昨年の同じ時期と比べると2分の1の減少幅である。  
≫(ロシアNOW>2016年9月23日:アレクセイ・ロッサン)

宗教・地政学から読むロシア 「第三のローマ」をめざすプーチン
クリエーター情報なし
日本経済新聞出版社


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●“さんずい疑惑”まで浮上しかねない豊洲新市場 築地新開発絡み

2016å¹´09月25æ—¥ | æ—¥è¨˜
黒い都知事 石原慎太郎 (宝島SUGOI文庫)
一ノ宮 美成,グループ・K21
宝島社


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●“さんずい疑惑”まで浮上しかねない豊洲新市場 築地新開発絡み

 今夜は、以下のビデオニュースドットコムのニュースコメンタリー『豊洲市場をゼロから見直すべきこれだけの理由』の解説記事と、無料で観られる、コメンタリーの動画URLを紹介しておく。解説文においても、動画においても、“さんずい疑惑”を正面に取り上げてはいないが、その暗部は充分に読み解ける。石原都政時代に大きく動いた豊洲市場だが、何か、都知事の任期に合わせて、取りあえず、既成事実を作ってしまえばどうにかなると云う杜撰さが目立つ。

 九分九厘、築地と云う、都心に隣接した土地の大規模開発計画が、築地移転計画の大前提にあったのだろう。つまり、築地市場移転は、「築地大規模開発計画」の“刺身のツマ”に過ぎなかったと云う事実が見えてくる。しんぶん赤旗が、築地跡地に関して、以下のような情報を記事にしている。この森ビル関連だけが、築地移転、跡地開発の暗部ではないだろう。きっと、もっとスケールの大きいところで、様々な暗躍が存在すると見るべきだ。

≪ 【築地市場用地の利用】 東京都 森ビルにひそかに検討委託
   内部文書本紙入手 癒着明らかに
 東京都が築地市場(中央区、23ヘクタール)を廃止し、豊洲新市場(江東区)に移転させる計画をめぐって、大手不動産会社の森ビルに跡地利用の検討をひそかに委託していたことが、本紙が入手した都の内部文書で明らかになりました。また、森ビルには都の局長級OB3人が天下りしていたことも判明、大手不動産会社との癒着が問題になることは必至です。
 都は、調査委託した築地跡地処分にかかわる報告書を公表していません。本紙は、森ビルに委託してまとめさせた「報告書」があるとの情報を得ました。
 本紙は都に情報開示請求を行い、森ビルの「築地市場移転後の用地開発に係る調査委託報告書」(2012年3月)を入手しました。
 森ビルの報告書は、築地市場跡地を、オフィス中心型、複合型、住宅中心型を柱に九つの案を提案。具体的内容や、都が負担する基盤整備費の試算などは非開示で、黒塗りだらけでした。報告書は、すべてオフィスビル街にした場合、オフィス床の供給量は約90万平方メートルで、都心3区で16~20年の5年間に増える総床面積に匹敵すると試算しています。
■都局長OB3人森ビルに天下り
 一方、本紙調査で、都の元技監や都市整備局の局長級OB3人が、2008年から13年の間に、森ビルに天下りしていたことがわかりました。都幹部OB名簿によると、3氏の森ビルでの役職は、特別顧問、顧問です。
■委託は大問題
田辺七郎氏(臨海部問題・中央区の会会長)の話  築地市場跡地の開発構想の検討を、森ビルに委託したことは大問題です。中央区では再開発が相次ぎ、保育園待機児が急増し住環境が悪化しています。これ以上、高層オフィスビルやマンションを林立させることを、区民は望んでいません。
■解説 築地再開発は白紙に戻せ
 築地市場の移転方針は石原慎太郎元知事が2001年に強引に決定。都はこれまで豊洲新市場の整備に5884億円を投じてきました。
 豊洲新市場の整備費が大幅に膨れ上がったことから、都は財源不足を穴埋めするため築地市場用地の売却を検討しています。しかし、築地市場用地をすべて売却しても、整備費をまかなえるのかは疑問です。  都の幹部は「築地市場を移転しても当面は駐車場などに使うだけで、本格的な土地処分は20年東京五輪以降になる。民間企業がいろいろ跡地再開発に割り込もうとしている」といいます。
 都は、中央区晴海に20年東京五輪の選手村を計画、大手デベロッパー11社グループに都有地を1平方メートルあたり9万6000円余と破格の値段で売却し、24年度までに計23棟・約5650戸のマンションを建設させる計画です。築地市場跡地にマンションを建設すれば、過剰供給問題に拍車をかけることになります。
 築地市場の移転計画の抜本見直しとともに、築地の再開発検討も白紙に戻すべきです。
 â‰«ï¼ˆã—んぶん赤旗16å¹´9月1日付:岡部裕三)

 しかし、それにしても石原慎太郎元東京都知事の業績は、何ともはや“きらびやか”で、銭が大きく動くプロジェクトに手を染めたものである。此処では、彼がこれら関連に、どのように関与したのか、判らないので、特別なことは指摘できないが、東京都のトップに在籍中に、これだけの大プロジェクトを実行させたと云う事実は残る。羽田空港国際線オープン、新銀行東京、東京五輪、築地市場移転等々だ。総額幾らに上るプロジェクトだったのだろう。勘定するのに電卓が必要なようである(笑)。この石原元東京都知事と同様な立場に居る自民都議会のドンこと“内田茂氏”が同時期に都議会を牛耳っていた。その他にも、取り巻く業者側として、清水、鹿島、大成などゼネコン、森ビルのようなデベロッパー、大型案件企画のゴールドマンサックス等々。

 築地移転で、仮に、あの土地がぽっかり空けば、東京都は、7万坪の不動産商品を生むことが出来る。土地代だけで、1兆円にはなるだろう。それを左右前後に動かす権限を保持している人物がいるとすれば、これはドエライ利権の原石である。磨き方一つでは、数兆円に上る大プロジェクトだ。築地の目前に建っているビルを振り返ってみる「朝日新聞」のマークが目に飛び込んできた。たしか、有楽町の土地を売って、現在の築地に社屋を建設したのだが、たしかその土地は国有地の払い下げだった。払い下げが、世間相場より高いと云う話は聞いたことがないので、常識的には格安で入手したのだろう(笑)。

 まあ、朝日の国有地払い下げだけにスポットを当てると悪いので、他の報道機関の土地所有の経緯も書いておこう。読売新聞と産経新聞の、国有地払い下げ争奪戦は、時の政権を揺るがすような事件だったらしいが、最後には読売務台に軍配が上がったらしい。しかし、その後、産経も国有地を別途払い下げて貰ったし、毎日も日経も、国有地を払い下げて貰って社屋を建てている。この事実に気づいたからと云うのも何だが、新聞社に「権力の看視役(社会の木鐸)」なんて出来るわけもないのが判然とする(笑)。少々、横路に逸れたが、今度の築地移転、豊洲新市場問題は、「地下水の汚染や盛り土問題」に集約されて報道されているが、そんなチンケな些末な問題以上の大問題を、“さんずい事件”として抱えている模様だ。


≪ 豊洲市場をゼロから見直すべきこれだけの理由
 結論から言うと、豊洲問題の解決には、日本の食文化がかかっているという視点が必要だ。
 かねてから様々な問題が指摘されてきた築地卸売市場の豊洲移転問題が、ここに来て、二進も三進もいかない状況に陥っている。
 元々、土壌が汚染されていることがわかっているガス会社の工場跡地に、世界最大の食品市場を移転させることには、根強い反対意見があった。しかし、市場の移転によって、築地という銀座から徒歩圏内にある都内の一等地の広大な土地の再開発が生み出す莫大な経済的利益は、そんな懸念をかき消すのに十分な魔力を持っていた。旨味、といった方がいいかもしれない。
 だから、もともと豊洲は食品市場の移転先として立地条件が適していたから選ばれたわけではない。元々築地の再開発ありきで、押し出されるように豊洲に追いやられた市場だ。設計段階から多くの問題を抱えたままの見切り発車となった。
 最近は豊洲市場問題で毎日のようにテレビに出ている一級建築士で建築エコノミストの森山高至氏は、地下水の汚染や盛り土問題が浮上する以前から、建築家の視点で、豊洲市場の問題点を自身のブログなどで指摘してきた。
 例えば、築地のように市場の中で卸と仲卸の間や鮮魚と青果の間を自由に行き来できるようになっていない。その間に一般車両も通行する道路が通っているからだ。また、市場内に積み荷を一旦広げるようなバッファーとなるスペースがなく、トレーラーへの積み込みも後部からしか行えないような設計になっている。HACCP基準に対応するためだと思うが、あまりにも利用者の都合を無視した一方的な設計になっている。
 しかも、建物も床積載荷重の設定が不十分で、築地の風物詩ともいうべきターレに平均的な量の積み荷を乗せると、床がその重量に耐えられない可能性があるという。

 â– è¦ã™ã‚‹ã«“市場心”が根本的に欠けているのだ。

 更に、豊洲市場の主要な建築物は清水、鹿島、大成のゼネコン大手3社が、仲良く1棟ずつ落札しているが、予定価格に占める落札価格の割合を示す落札率がいずれも99%を超えるなど、不透明な部分も多く、かと思えば建設費は当初予定されていた990億円の3倍にもなる2747億円に膨れ上がっていたりする。
 ここに来て、地下水や盛り土の問題ばかりが、しきりと取り沙汰されているが、そして、それはそれで問題ではあるが、豊洲が抱える問題は決してそれだけではないのだ。
 国立競技場でも同じようなことがあり、当初の案はお釈迦になった。しかし、国立の場合はまだ、問題のある競技場が建つ前に、問題点が浮き彫りになったために、被害は最小限に抑えられた。豊洲問題の背後にもまったく同じような構造があるように見えるが、問題は豊洲は既にできあがってしまっていることだ。総額で5000億円を超える税金を投入して建てた市場に、今さら移転しないというわけにはいかないだろうとは、誰もが考えるところだろう。
 しかし、豊洲は食品市場以外の使い方を考えれば、すべて無駄になることは避けられる。倉庫としては悪くないと森山氏は言う。100年先の食文化のことまで考えれば、東京の食品市場は築地というロケーションにこだわるべきで、もう一度築地を操業しながら立て直す計画を練り直すべきではないかと森山氏はいうのだ。
 なぜ毎度毎度、このような問題が起きるのか。豊洲問題の本質は何なのか。早くから豊洲市場の問題点を指摘してきた森山氏と、ジャーナリストの神保哲生、社会学者の宮台真司が議論した。

*森山 高至(もりやま たかし)
建築家・建築エコノミスト 1965年岡山県生まれ。88年早稲田大学理工学部建築学科卒業。2004年同大学院経済学研究科修士課程修了。一級建築士。斎藤裕建築研究所勤務を経て91年設計事務所を設立し、代表に就任。2016年9月、東京都が設置した「市場問題プロジェクトチーム」専門委員に就任。著書に『費用・技術から読みとく巨大建造物の世界史』、『非常識な建築業界 「どや建築」という病』など。

http://www.videonews.com/commentary/160924-01/  

≫(ビデオニュースドットコム>ニュースコメンタリー>豊洲新市場問題:ゲスト森山高至、神保哲也・宮台真司)
*参考:森山高至「建築エコノミスト森山のブログ」
http://ameblo.jp/mori-arch-econo/


注:kindleです。

「社会の裏側!」 14……築地市場移転の本当の狙い!この裏に、電通と日本TV、そしてGS社が蠢いていた! ニッポン人の心と体を救う山田流「時事呆談」: 豊洲の汚染問題の陰で、水産物の流通を外国資本に支配させようという試みがある
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こみにて出版会


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●“糠喜び”したくなるコラム 黒田敗北宣言とアベノミクス終焉

2016å¹´09月24æ—¥ | æ—¥è¨˜
アホノミクス完全崩壊に備えよ (角川新書)
浜 矩子
KADOKAWA/角川書店


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●“糠喜び”したくなるコラム 黒田敗北宣言とアベノミクス終焉

 日銀の黒田総裁の歯切れが、劇的に悪くなった。日銀内の不協和音が聞こえてきそうだ。以下の二本の専門的でわかり難いが、要するに、日本経済を、金融政策で不況を好況に変えようと、色んな麻薬を試してみたが、どうにも薬効虚しく、ホスピス行きをお薦めしようかと、担当医が匙を投げた雰囲気が漂っている。

 まあ、お札を沢山刷れば、きっと、数年後に物価の上昇局面が来るから、今の内に投資や消費に金を回そう、そう企業や個人消費者が思うに違いないという発想で始めた日銀黒田総裁の「異次元金融緩和、マイナス金利導入等々」だったが、薬効虚しくと言えないので、グチャグチャ、訳のわからん聞き慣れない言葉を羅列したが、どうも、もう無理ですから、お後は、安倍官邸と財務省で良しなに、と宣言したように思える。

 あれ程のキャリアの人物ともなると、経験則に裏打ちされた金融政策のプロだろうが、安倍官邸の経済政策担当も含めて、どうも、日本と云う国の経済状況と、日本国民のマインドに関して、まったく理解できておらず、頭でっかちな理論武装で、国民や企業が踊りだすとでも思ったのだろうか。だとしたら、完璧な馬鹿である。あれだけ、財務省は「オマエラは借金だらけだ!国民一人当り、1千万円だぜ!」と洗脳された日本国民なんだから、そもそも、マインドが“チョイヤソイヤ”では上向かない。「スミマセン、ウソ言っていました。実は、政府の借金であり、皆さまの借金ではありません」そうでも言えば、多少はマインドも上向くが、口が裂けても告白はしないだろう(笑)。

 いずれにしても、黒田日銀の今回の「柔軟性や持続性を確保するために、さらに強化して長短金利操作付き量的・質的緩和にした」と云う声明の意味は、年内にも判るだろう。敗北宣言かどうか、明確ではないが、自動車で言えば、ニュートラルにギアを入れたまま、サイドブレーキを引いたような状況だ。急な勾配の道に駐車した場合、転がり落ちていくこともある、と言っている。早く、政府は社会保障制度を明確にし、国民に安心を与えなければならない。そして、企業各社は、日銀の異次元緩和で潤った利益を、トリクルダウンの渦に投げ込む必要がある。つまり、日銀はそれまで、これ以上の金融緩和やマイナス金利政策を加速させることはない。こう、黒田総裁は宣言している。

 つまり、ここから先は、パフォーマンス等ではなく、実効性と実体が伴った、政府及び企業の参加がカギである。今こそ、実体のある、言葉だけではないアベノミクスの妄言を、嘘ではなかったと、国民に実感して貰い、前向きな消費行動を起こして、蓄えが少なくなっても、最後には、国家のセーフティーネットが盤石になったから、爪に火を点すような生活感を捨てて、アメリカ人のように、後先構わず消費行動に出て欲しい(笑)。こう政府が社会保障の充実を約束し、企業が労働配分を適正に行わなければ、日銀は、今後一切、サイドブレーキを外すことはない。そう言っているようだ。まあ、難しい理論は、以下の専門家のコラムを読んでいただこう。


≪ 黒田日銀総裁まさかの「敗北宣言」は、アベノミクス終焉の前兆か
経団連の反発、クーデター説も…
「柔軟性や持続性を確保するために、(金融緩和を)さらに強化して長短金利操作付き量的・質的緩和にした」
 日銀総裁・黒田東彦は9月21日の記者会見で、こう表明した。しかし威勢の良い言葉とは裏腹に、黒田の表情はさえず、語り口は覇気に欠けた。 「これは黒田日銀が、これまで進めてきた金融政策のフレームワークの抜本的な転換です。敗北宣言と言ってもいいでしょう」
 市場動向に詳しいメガバンク幹部の一人はこう指摘する。 2013年春に黒田が日銀総裁に就任して以降、株価や為替、長期金利、そして日本経済そのものが、デフレ脱却を掲げ、異次元緩和というバズーカを放った黒田日銀への期待と疑念の渦中にあった。
 しかし黒田は、これまでの金融政策を大きく転換、事実上、異次元緩和の推進にブレーキをかけた。黒田の「敗北宣言」の舞台裏を『黒田日銀 最後の賭け』(文春新書)の著者・小野展克が分析する。

 â– ã€Œç·©å’ŒåŠ¹æžœãªã—」の衝撃
 大量の国債購入によってマネタリーベースの拡大を目指す「量」、ETF(上場投資信託)など日銀が購入する資産の幅を拡大した「質」、そして短期金利をマイナスに誘導するマイナス金利――。
 黒田日銀は、これまでの金融緩和の枠組みをフル稼働してきたが今回、さらに長期金利を操作目標に加えた。具体的には10年物国債の利回りをゼロに誘導する。 「金融緩和強化のための新しい枠組み」
 黒田は、今回の措置を「強化」と位置付けるが、実際には緩和的な要素は皆無だ。デフレ脱却に向けた新たなアクションは、まったくみられない。それどころか今回の措置は、むしろ「金融引き締め」の側面を持っている。
 21日の東京株式市場で日経平均株価(225種)は、前日比315円47銭(1.91%)高の1万6807円62銭と今回の日銀の決定を好感した。
 しかし、これは市場が警戒していたマイナス金利の深掘りが見送られた上、「長期金利のゼロへの誘導」が実際には長期金利の上昇を促し、金融機関の収益拡大を後押しする内容と受け止められ、金融株がけん引して日経平均が上昇したに過ぎないのだ。
 つまり、デフレ脱却が実現、日本経済が力強く成長する可能性を市場が感じ取ったわけではない、ということだ。
 これまで市場は、デフレ脱却に実現に向けて黒田が「何か次の一手を繰り出すだろう」との期待を膨らませてきた。
 しかし、2年と区切られた短期戦から長期戦へとシフト。黒田への緩和圧力は大幅に緩和され、黒田は、そう簡単には動かなくなるだろう。
 黒田が次に動くのは1ドル=100円を大幅に割り込むような円高の急伸や、金融システムを揺るがすような経済危機が起きた時に限られるとみる。市場に、そうした理解が広がるのに、そう多くの時間はかからないはずだ。

 â– èžããªã‚Œãªã„キーワード
黒田の戦略転換の裏には何があったのか。
<適合的な予想形成――>
 黒田は、このところ聞きなれないキーワードを使い始めた。まさに、ここに肝がある。 2013年4月に黒田が異次元緩和を導入してから3年余りが過ぎた。しかし、2年間での達成を目指した消費者物価指数(CPI、生鮮食品除く)前年比2%の物価目標には遠く及ばなかった。2016年7月のCPIは前年比0.5%下落、5ヵ月連続のマイナスに沈んだ。
 では、なぜ黒田は目標を達成できなかったのか。
 今回、日銀は「総括的な検証」を公表、その理由を分析している。 物価が上昇するためには、予想物価上昇率、つまり人々の将来の物価観が重要なカギだ。実際、予想物価上昇率は横ばいから弱含みに転じている。
 日銀は、その背景について、①原油価格の下落、②消費税引き上げ後の需要の弱さ、③新興国経済の減速とそのもとでの国際金融市場の不安定な動き――を挙げている。
 さらに日銀は予想物価上昇率が形成されるメカニズムも説明している。そこには2つの軸がある。
 一つは「フォワード・ルッキングな期待形成」だ。
 日銀が2年で2%の物価上昇を実現すると表明することで、企業経営者や個人の中に将来、2%の物価上昇が実現するという期待が働く。
 この期待が強力であれば、多少、現実の目標から外れても、人々は「いずれ物価は2%に戻る」と考えるため、現実の物価も目標に向けて動くと考える。こうした状況は、
 物価上昇率が「アンカーされている」と表現される。
 もう一つが「適合的な予想形成」だ。
 これは、足元の物価の動きに、人々の物価観が縛られている状況だと言える。アメリカと比べて日本は、この適合的な予想が、予想物価上昇率の形成に強く影響しているという。
 日本では春闘などの賃金交渉で、前年度の物価上昇の動きを参照して賃金決定が行われる傾向が強い。いくら日銀がフォワード・ルックンギに物価上昇を示しても、過去のデフレに基づいて給与が増えないのでは、消費意欲は沸かず、物価上昇への期待は盛り上がらないという説明だ。

■黒田の言い分
 黒田は今回の決定に先立つ9月5日の講演で、適合的な予想形成について、こう説明している。 「日本の場合は、長期にわたるデフレのもとで目標となる物価上昇率が実現できていないこともあって、『適合的な予想形成』の影響が大きいことが知られています。 『これまで長年にわたって物価が上がってこなかったのだから、今後も物価は上がらないだろう』との見方が人々の間に根付いているということです」
 異次元緩和の本質は、円の供給量は爆発的に増大させることで、その価値を破壊することにあった。人々の中に巣くう円という通貨への過剰な信用を叩き潰し、モノやサービスへの欲望を取り戻させることが、異次元緩和という壮大な実験のテーマだった。
 しかし、3年を超える異次元緩和を経ても、人々の円への偏愛は揺るがず、デフレマインドを解消することはできなかった。異次元緩和の限界について黒田自身が分析した言葉が、適合的な予想形成と言えるだろう。

■まさかの「経団連の反発」
「銀行の収益のために仕事をしているわけじゃない。マイナス金利は、まだ深掘りできる」
 黒田は最近まで周辺に強気の姿勢を貫いていた。実際、デフレが脱却できていない状況を受けて、「一段のマイナス金利深掘りの可能性を探っていた節がある」(関係者)という。
 しかし、マイナス金利への反対は根強く広がっていた。経団連会長の榊原定征は今回の日銀の決定の前の9月9日の記者会見で、こう語った。
 「マイナス金利をめぐっても、プラスとマイナスの両方の側面があるので、導入から半年という一つの節目の中、功罪両面を検証してほしい。プラスの効果は間違いなくあるものの、現象としては、金利を下げて、設備投資を拡大するという目標に対して大きな効果は出ていない」
 榊原の言葉は、明確にマイナス金利拡大を牽制したものと言えよう。マイナス金利は、利ザヤ縮小を通じて、銀行収益にダメージを与える。また生保や年金資金の運用を難しくする側面もあり、金融機関の反発は、黒田も織り込み済みだったはずだ。 しかし、マイナス金利は長期金利の低下を促し、社債やCP(コマーシャルペーパー)の利回りを引き下げ、企業の資金調達環境は大幅に改善させた。
 低利で資金調達できるメカニズムを作動させ、企業に積極的な設備投資を呼び起こすことが黒田の狙いだったはずだ。
 しかし、本来ならマイナス金利の恩恵を得られる大企業の団体である経団連からノーを突き付けられたことは、黒田に計り知れないダメージを与えたはずだ。 榊原の言葉からは、日本の大企業経営者が、デフレマインドを払拭できず、日本経済の明るい未来を描けていないことが読み取れる。
 大企業経営者が、黒田が与えたマイナス金利というチャンスを生かせないのでは、日本経済に好循環は訪れない。大企業経営者こそが、「適合的な予想形成」の罠に捕らわれていると言えるだろう。

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 さらに、今回、新たに導入した「イールドカーブ(利回り曲線)
 コントロール」は、金融機関への配慮がにじむ。
 これは長期金利の指標となる10年物国債の利回りを、おおむねゼロ%程度で推移するように誘導する仕掛けだ。マイナス金利の導入で、マイナス圏に沈んでいた10年物国債の利回りは21日に一時、半年ぶりにプラスに転じた。
 長期と短期の金利に差が生まれたことは金融機関の収益を改善する。ただ、その一方で長期金利に上昇見通しを生み出したことは、ある意味で金融引き締めの側面も持つ。本来なら景気には決してプラスではない。
 さらに、今回の日銀の発表文には、黒田が推進した年80兆円の国債購入を自戒するかのような文言も記されている。 「あと1年強で、マネタリーベースの対名目GDP比率は100%(約500兆円)を超える見込みである(現在、日本は約80%、米国・ユーロエリアは約20%)…」
 異次元緩和による国債購入の突出ぶりを、国際比較で描き出す文言は、異次元緩和の行き過ぎに自らくぎを刺しているようにも読める。 日銀の動向に詳しい金融関係者は、こう分析する。
「今回の決定の裏では、異次元緩和やマイナス金利を推進してきた黒田総裁、岩田副総裁の指導力が低下、白川前総裁に連なる伝統的な日銀マンである中曽副総裁に、主導権が移ったのではないでしょうか。これは一種のクーデターのように思えます」
 アベノミクスを牽引してきた黒田の異次元緩和にはブレーキがかかった。これでデフレ脱却のボールは首相の安倍晋三へと投げ返されたことになる。 (文中敬称略)
 ≫(現代ビジネス>経済・企業>財政・金融・小野展克)


 â‰ªã€€å††å®‰æœŸå¾…なき日銀新スキームの矛盾と限界
[東京 22日] - 日銀金融政策決定会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催された21日の主要通貨の動きを見ると、円が独歩高となり、2番目に強かった豪ドルに対しても0.4%程度上昇した。一方、米ドルは英ポンドと並んで最弱通貨となった。
 ドル円相場は日銀金 融政策発表後には一時102.79円まで上昇したが、その後、黒田東彦日銀総裁が記者会見を始めたころから反落基調に入り、米ニューヨーク(NY)時間午前中には100円台半ばまで下落。そして、NY時間午後にFOMCが政策金利据え置きを発表した後、米長期金利低下に沿う形でドルが徐々に弱含み、本稿執 筆中の日本時間22日午前6時現在、8月26日以来となる100.30円程度まで下落している。
 最初にマーケットの反応が比較的小さかったFOMCの結果から見ると、政策金利は大方の予想通り据え置かれたが、声明文には「フェデラルファンド(FF)金利を引き上げる根拠は強まった(the case for an increase in the federal funds rate has strengthened)」との文言が加えられたほか、ジョージ・カンザスシティー連銀総裁、メスター・クリーブランド連銀総裁、ローゼングレン・ボス トン連銀総裁の3人が利上げを主張して決定に反対した。
 こうした点は予想よりタカ派的であり、米長期金利も声明文発表直後には上昇したが、結局上昇は続かず反落した。注目された2016年中のFOMCメンバーの予想政策金利、いわゆるドットは、3人が年内の利上げなし、10人が1回の利上げを予想した。この結果はほぼ想定通りであり、当社は引き続き12月の利上げを予想している。
<総括検証と政策枠組み強化「同時実施」の違和感>
 それより12時間以上前に行われていた日銀の金融政策決定会合では、「総括的な検証」を踏まえて、2%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現するために「政策枠組みを強化する」策が決まった。
 この結果を受けて、東京市場では長期金利が上昇。また、マイナス金利の深掘りがなかったことから、銀行・生保株が大きく上昇し、日経平均株価を押し上げた。為替市場も一時円安となった。
 もっとも、前述の通り、その後円高基調へと反転し、ドル円相場はNY時間朝方には21日の上昇分を全て帳消しにした。結果的に円が買い戻され、1日を通して見れば独歩高となったのは、市場参加者が日銀の金融緩和政策に限界を感じ始めたからだと考えられる。
 まず、総括検証の対象は、5日と8日に黒田総裁と中曽宏副総裁がそれぞれ講演ですでに明らかにしていたように、「2%のインフレ率が実現できていない要因」と「マイナス金利政策の効果と影響」だ。
 「2%のインフレ率が実現できていない要因」としては、予想物価上昇率の期待形成メカニズムが、現実の物価上昇率の影響を受けるバックワード・ルッキング(適合的)であることが示された。
 もう1つの総括検証の対象である「マイナス金利政策の効果と影響」については、マイナス金利と国債買い入れの組み合わせはイールドカーブに対して強い影響を与えるが、長期金利の低下には悪影響もあることが示された。
 21日の発表がここまでで終わっていて、これらを踏まえ、政策枠組みの強化策を次回会合で発表する、ということであれば、さほど違和感もなかったかもしれない。また、追加緩和策に期待も残ったのかもしれない。
 もっとも、日銀は 「フォワード・ルッキングな期待形成」を強める手段として、「オーバーシュート型コミットメント」を導入した。これは、従来の「2%の物価安定の目標を安定的に持続するために必要な時点まで現状の金融緩和政策を続ける」というメッセージから、「物価上昇率の実績値が安定的に2%の物価安定の目標を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続する」というメッセージへの変更のようだ。つまり、「2%の物価安定の目標を超えるまで」という点がポイントらしい。
 とはいえ、今まで行ってきた3次元の緩和政策では、人々の予想物価上昇率の期待形成メカニズムをバックワード・ルッキングからフォワード・ルッキングに変えられなかったと認めている。特に新たな緩和策を導入せずに、なぜ 人々の予想物価上昇率の期待形成メカニズムがフォワード・ルッキングに変わるのだろうか。「2%に届かせる」と言っても信じてもらえないのに、やっていることも変えずに「2%を超えるまで」と言い換えても誰も信じないだろう。
<イールドカーブ・コントロールの矛盾>
 もう1つの政策枠組み強化策として、日銀は 「イールドカーブ・コントロール」を導入した。内容としては、日銀当座預金のうち政策金利残高に課す金利(短期金利)をマイナス0.1%に維持する一方、 10年物国債金利(長期金利)がおおむね現状程度(ゼロ%程度)で推移するよう、長期国債の買い入れを行う、というものだ。
 まず、そもそも、このイールドカーブ・コントロール政策は何のために行うのだろうか。仮に、これが2%のインフレ率実現に向けて適切なイールドカーブを形成するため、ということであれば、なぜ現状程度のイールドカーブの形状が適切と言えるのかについて説明がない。日銀は10年物国債金利をゼロにアンカーさせることに重点を置いているようにも見えるが、なぜ10年物国債金利のゼロ%が適切なのだろうか。
 恐らくイールドカーブ・コントロール政策導入の理由は、「イールドカーブがフラット化し過ぎることを避けるため」だろう。そうだとすれば、これは明確に金融緩和政策ではないと言える。 イールドカーブがおおむね現状程度の水準から大きく変動することを防止するために、日銀は、 金利が上昇した場合などには、例えば10年金利、20年金利を対象にした指値オペを金額無制限で実施する用意があるとしている。ここで、矛盾を感じるのが、無制限でオペを実施するとしながら、国債の買い入れ額は、おおむね現状程度のペース(年80兆円増)としている点だ。イールドカーブの形状を維持するために無制限に売買するのであれば、年間の買い入れ額は約束できないのではないか。
 仮にイールドカーブに強い上昇圧力がかかるとすれば、日銀が購入しなければならない国債は従来以上となり、これまでもくすぶっていた国債購入の限界到達が早まることはないのか。
 一方、イールドカーブに強い低下圧力がかかるとすれば、日銀は国債を売却することになるが、これは量的緩和の段階的縮小(テーパリング)の模索どころか、明白な縮小になり、これまでの量的緩和政策の効果を否定することにならないか。
 イールドカーブ・コントロール政策と量的緩和政策は矛盾しているように見える。そして、そもそも、中央銀行は本当に長期金利をコントロールできるのだろうか。
<さらなる実質金利低下と円安進行は期待薄>
 最後に言い添えれば、日銀は今回の決定で「政策枠組みを強化する」というが、何を強化する政策なのかが分かりにくい。少なくとも「追加緩和」だったとは言えそうにない。
 そして、その結果、市場には金融緩和政策の限界論が強まる可能性が高いと考えられる。その場合、もっとも分かりやすいマーケットへのインプリケーションは円高だろう。
 すでに日銀は 事実上、量的緩和政策の効果を半ば否定し、長期金利が低下し過ぎることを警戒して金利を固定し始めた(予想物価上昇率の期待形成メカニズムを根本的に変えるのは難しいことが露呈した)。こうなると、日銀の金融政策が急速な円安を発生させることは、期待できなくなってきたようにも思える。
 また、マイナス金利の深掘りを避け、10年国債金利をゼロ%にアンカーすることとし、イールドカーブも現状程度を維持することを目指すという政策の採用は、金融機関収益に配慮する側面が強いとも言えそうだ。よって、マイナス金利深掘りのハードルは引き続き高いとも言える。
 つまり、日本の名目金利は、しばらくここから大きく低下することはなさそうだ。そうだとすれば、日本の実質金利の動きは期待インフレ率に委ねられることになる。21日に決定した政策で日本の実質金利を低下させる方向に働きかけたのは、文言を多少修正したオーバーシュート型コミットメントだけだ。この観点から 見ても、日本の実質金利に低下圧力がかかり、円安方向への影響が出てくるのは難しそうだ。

* 佐々木融氏は、JPモルガン・チェース銀行の市場調査本部長で、マネジング・ディレクター。1992年上智大学卒業後、日本銀行入行。調査統計局、国際局 為替課、ニューヨーク事務所などを経て、2003年4月にJPモルガン・チェース銀行に入行。著書に「インフレで私たちの収入は本当に増えるのか?」「弱い日本の強い円」など。 *本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。
 â‰«ï¼ˆãƒ­ã‚¤ã‚¿ãƒ¼ã‚³ãƒ©ãƒ ï¼šä½ã€…木融JPモルガン証券ー編集:麻生祐司)

オリンピック経済幻想論 ~2020年東京五輪で日本が失うもの~
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●日本の美しい面にも目を向けてみる 両陛下と元気な熟年の姿

2016å¹´09月23æ—¥ | æ—¥è¨˜
天皇畏るべし 日本の夜明け、天皇は神であった
小室 直樹
ビジネス社


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●日本の美しい面にも目を向けてみる 両陛下と元気な熟年の姿

 筆者のコラムの多くは、日本の、世界の影の部分に焦点を合わせることが多い。自分でも、ネガティブなコラムニストだと思う時がある。特に、明治維新以降の日本社会への目線は皮肉に満ちており、“日本大好き”な人々から見れば、不快なコラムになることが多い。しかし、お隣の国のように、ピント外れな“オラがお国自慢”を見聞きする時、“情けないな~”と思うように、日本人が、“こんなに日本は優れている”と、世界の人々に吹聴する姿も“情けない~”と感じるのは、筆者の斜に構えた人間性の問題だ。最近では、日本賛美の書籍が本屋で平積みになっていることも多いが、手に取り、購入している姿を滅多に目にしないのは、或る意味で救いだ。

 『ジャパン・アズ・ナンバーワン』が売れていた時代は、それなりに日本も頑張っていたわけなので、名実ともにと評価出来る面もあった。Wikipediaは以下ように解説している。解説を読んでいて気づくことだが、現在に日本社会とは隔世の日本観が書かれている点は注目だ。まず一番目立った点が、学習への意欲と読書意欲だ。今や、活字離れはアメリカを凌いでいるだろう。日本的経営(終身雇用型経営、大家族観に基づく経営、目先の利益より長期ビジョン等々)。それと、通産省(現経産省)と大蔵省(現財務省)の官僚の質が驚くほど低下したことである。上記すべてが、今の日本社会から欠落したのだから、大学ランキングで、東大が中韓シンガポールなどの大学の後塵に帰すのも肯ける。

≪『ジャパン・アズ・ナンバーワン』(原題:Japan as Number One: Lessons for America)は、
社会学者エズラ・ヴォーゲルによる1979年の著書。戦後の日本経済の高度経済成長の要因を分析し、日本的経営を高く評価している。日本語版は、広中和歌子・木本彰子の訳により『ジャパン アズ ナンバーワン: アメリカへの教訓』として、TBSブリタニカから英語版より1ヶ月遅れで出版された。日本人が日本特有の経済・社会制度を再評価するきっかけのひとつとなり、70万部を超えるベストセラーとなるなど、一世を風靡した。現在でも、日本経済の黄金期(1980年代の安定成長期、ハイテク景気〜バブル景気)を象徴的に表す語としてしばしば用いられる。この著作の主要なテーマは、単に日本人の特性を美化するにとどまらず、何を学ぶべきで、何を学ぶべきでないかを明瞭に示唆した点である。実際最後の章はアメリカへのレッスンと書かれている。具体的には、まず日本の高い経済成長の基盤になったのは、日本人の学習への意欲と読書習慣であるとしている。ヴォーゲルによれば、この当時の日本人の数学力はイスラエルに次ぎ2位で、情報については7位だが、他の科学分野についても2位から3位であるという。ヴォーゲルは日本人の1日の読書時間の合計が米国人の2倍に当たることや、新聞の発行部数の多さなどにより日本人の学習への意欲と読書習慣を例証している。また、ヴォーゲルは、この本が出た当時、日本人は他の国の人たちより英語力は明らかに劣っているが今はまだそれは大きな問題ではない、優秀な通商産業省や大蔵省主導の経済への強烈な関与がまた日本の競争力を高めていると語っている。2016年に入ってから、中国でも注目され、翻訳されて発売されているという(題名は『日本第一』)。 ≫(Wikipedia抜粋)


 このままの調子で書きつのれば、いつもと変わらぬコラムの風景になってしまうが、今夜は違う(笑)。あぁ、日本にも、まだまだ、世界に誇れる「美しい日本」があると気づく、二つの記事が、朝日新聞に掲載されていた。天皇皇后両陛下の“被災地訪問の旅”は、敬愛の念と“国民と寄り添う”両陛下の理念と云うか、心構えには、深く頭が下がると同時に、日本人が世界に自慢できる“象徴天皇”なのだと確信できる。

 次の自慢しておきたい記事は、実際問題、相当複雑な最近の日本社会を象徴しているのだが、元気な中高年が、一億総活躍などと、わけのわからぬ音頭取り等とは無関係に、声が掛かる前から、自主的に、或いは致し方なく、既に働くことを選択している現状を伝えている。運よく60歳で満期定年になっても、僅かな年金が貰えるのは65歳。それも、年々減らされる。政府と日銀は、インフレにするぞと、出鱈目政策に奔走している。「こりゃ駄目だ!自助努力以外にネエズラ!」オジサンオバサン、爺さん婆さん、根性あるねと云う話題だ。たぶん、紹介されている人々の存在も、世界に自慢できる、そんな気がした。


≪ 両陛下、異例4泊の被災地訪問へ 走行距離300キロ超
 天皇、皇后両陛下は28日から4泊5日で岩手県を訪れる。生前退位の意向をにじませた天皇陛下のお気持ち表明後、初の東日本大震災の被災地訪問となる。地方へは2泊3日での訪問が大半だが、両陛下の強い希望もあり、長い日程となった。津波で大きな被害を受けた大槌町には、特別な思いで両陛下を待つ人がいる。
 宮内庁によると、両陛下は28日に特別機で花巻空港に到着後、遠野市、釜石市と移動する。29日は被害の大きかった大槌町と山田町を震災後初めて訪れ、復興状況を視察。30日に内陸に戻り、10月1日に北上市で開かれる国体の開会式に出席する予定だ。
 県内の移動はすべて車。走行距離は300キロメートル超に及ぶ=表。
 80歳を超える両陛下にとって過酷にもみえる行程だが、両陛下は震災直後から、被災地に強く思いを寄せてきた。天皇陛下は8月のお気持ち表明で も、天皇の務めについて「時として人々の傍らに立ち、その声に耳を傾け、思いに寄り添うことも大切なことと考えて来ました」と述べていた。

■ハマギクがつなぐ陛下との縁
 大槌町では、両陛下は千代川茂さんが経営する浪板海岸のホテルに泊まる。実は両陛下は19年前の来訪時にも、千代川さんのホテルに泊まった。だが当時、案内役を務めた千代川さんの兄・山崎龍太郎さん(震災当時64)は5年半前の津波で流され、行方不明のままだ。
 震災前、浪板海岸は砂浜と松林が美しい三陸有数の景勝地だった。
 1997年10月、天皇陛下はホテルの客室から岩場のハマギクに目を留め、「あの花は何ですか」と千代川さんに尋ねた。翌朝、両陛下は専務だった山崎さんを連れて砂浜を散策し、近くでめでたという。  山崎さんは後日、来訪の記念として皇居にハマギクの種を贈った。
 2011年3月11日。鉄筋コンクリート6階建てのホテルは、3階まで津波にのまれた。千代川さんは九死に一生を得たが、山崎さんや従業員は流され、ホテルは休止に追い込まれた。
 その年の10月。失意の中にあった千代川さんは、皇后さまの77歳の誕生日にあたって宮内庁が公開した写真を見て驚いた。お住まいの御所の車寄せの近くに、山崎さんが種を贈ったハマギクが咲いていた。
 宮内庁によると、当時侍従職から種を預かった庭園課員が植えたものだった。
 ハマギクの花言葉は「逆境に立ち向かう」。千代川さんは、両陛下からの激励のメッセージと受け止めた。背中を押されるように13年8月、ホテルを再開した。復興の象徴にと、ホテルの名は「三陸花ホテルはまぎく」とした。
 かつて両陛下が眺めた海岸のハマギクは津波で面積が半減し、砂浜も地盤沈下して散策できなくなった。それでも、今年もかれんな白い花がちらほら咲き始めている。
 千代川さんは「被災地に思いを寄せ続けてくださる両陛下に感謝申し上げたい。兄はおりませんが、あの花は19年前の朝と同様、津波に負けずに咲いていますとお伝えしたい」と話している。
 ≫(朝日新聞デジタル:多田晃子、星乃勇介)


≪ 高齢ホームヘルパー、なぜ急増? 60歳以上が36%
 在宅の高齢者の暮らしを支えるホームヘルパーが、高齢化している。古希を超えるヘルパーも珍しくない。高齢者を元気な高齢者が支える時代になっている。
 ホームヘルパーのうち60歳以上の人は36%で、15%だった10年前の倍以上――。公益財団法人「介護労働安定センター」(東京)は8月、こんな昨年度の調査結果を出した。抽出した全国の介護保険サービス事業所に聞き、ヘルパー約1万4千人について回答を得た。50歳以上が6割を占めていた。
 70代のヘルパーも珍しくない。大都市圏でサービスを展開する「ケア21」(大阪市)によると、5月に働いた登録型ヘルパー約2100人のうち、70歳以上は126人。最高齢は女性が86歳、男性が80歳だった。
 なぜ高齢ヘルパーが多くなっているのか。多くの訪問介護事業所が挙げるのは、募集しても若い人が来ないことだ。介護保険が始まったのが2000年。そのころにヘルパーになった人がそのまま仕事を続け、年齢を重ねている。一方で介護の仕事を志す若者は訪問ではなくフルタイム勤務の介護施設に流れ、「下の補充がない」状況だという。
 ヘルパーの働き方が、高齢者に向いているという指摘もある。
 早朝や夜間、週末や祝日の勤務は通常は敬遠されがちだが、高齢者は家庭の事情で制約されない人が多い。一日に長時間働くのは体力的に厳しくても、 短時間ずつなら働きやすい。もちろん、事業所が体調に配慮することは不可欠だ。また、利用者と相談しながら適切に調理や洗濯などをするには、人生経験が役立つ部分も大きい。特に明確な「定年」があるわけでもない。
 国は2020年代初頭に、施設勤務も含めた介護職が約25万人不足すると推計している。加えて、要介護より軽い要支援者を支える多様なサービスが 生まれており、その提供者の育成も急がれている。ヘルパー経験もある城西国際大の松下やえ子客員教授は「元気な高齢者が地域を支える担い手として活躍していく時代だ。経験を積んだ熟年ヘルパーは今後、地域住民に対人援助の魅力と専門性を伝える役割も担ってほしい」と話す。

 â– ï¼—9歳ヘルパー「人生の勉強に」
 朝10時。大阪市の住宅街の狭い路地に、ヘルパーの藤井民子さん(79)が自転車に乗ってさっそうと現れた。訪問先の家の郵便受けをのぞき、チャイムを鳴らす。
 「おはようさーん、新聞取ってきましたよー」
 その声で、居間のベッドで横になっていた女性が「もうそんな時間」と言いながら体を起こした。藤井さんと3歳差の82歳。一人暮らしで、認知症だ。生活は毎日やってくるヘルパーに支えられている。藤井さんは週3日を担当し、もう3年のつきあいになる。
 女性は貴重品をしまった場所をよく忘れる。この日は財布。藤井さんは女性と一緒に布団の下などを捜しつつ、朝食を準備し服薬を促し、ベッド周りを片付けた。「あっ、出てきた」
 藤井さんは専業主婦だった42歳の時に夫を亡くし、子ども2人を育てるため、高齢者を世話する仕事を始めた。65歳で退職したが、立ち寄った訪問介護事業所で「遊んでたらあかん」とスカウトされた。いまは週5日働き、10人ほどを受け持つ。多くは一人暮らしだ。
 「人生の勉強をさせてもらっている。このまま元気ならあと2年は働きたい」。元気のひけつはよく寝てよく動き、食べること。焼き肉が好きで、一人暮らしの自宅で友人とマージャンを楽しむ。夢はヨーロッパ旅行だ。
 千葉県習志野市の山岸操(みさお)さん(79)は、6月から新しい訪問介護事業所で働き始めた。  塾を営んでいたが、60歳を目前にして「自分が元気でいるためにも介護の勉強をしよう」と思い立った。高齢者施設で3年働いた後、介護福祉士の国家資格を取得。事業所を渡り歩き、現場の責任者としてサービスの差配や後輩の指導も担ってきた。3月まで働いた所では夜勤もこなした。
 高齢ヘルパーがこなす仕事は、比較的力を使わずに済む家事の支援が中心だ。だが山岸さんは、寝たきりの人の体を拭いたり、入浴介助やオムツを替えたりと身体介護が多い。経験と技術がいきているとはいえ体力が必要だ。実はジムに9年通い、太ももと腕の筋力を鍛えている。
 直属の上司は最初、「無理のない範囲で」と思っていたが、人手不足もあり頼むことが増えたという。「『私、やりますよ』という感じで何でもしてくれ、助かっています」
 山岸さんに自身が高齢である利点を尋ねると、「相手の気持ちがよくわかること」。戦後の暮らし、老いていく体……。同時代を生きる者として共感し、耳を傾ける。
 朝起きると、「今日も仕事だ」とウキウキするという。「あてにされるのが、ありがたい」(十河朋子)    
  ◇  
〈ホームヘルパー(訪問介護員)〉 介護が必要な高齢者らの住まいを訪ね、主に調理、洗濯、掃除などの生活援助や、入浴、排泄(はいせつ)などの身体介護にあたる。介護福祉士や、介護職員初任者研修などを修了した人が務める。厚生労働省の調査では、把握できた限りで昨年は全国に約44万人おり、増加傾向だ。登録した事業所からの依頼を受けて時間給で働く非常勤のヘルパーが多い。
 ≫(朝日新聞デジタル)

日本で老いて死ぬということ―2025年、老人「医療・介護」崩壊で何が起こるか
朝日新聞 迫る2025ショック取材班
朝日新聞出版


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●繰り返される“今さらやめられない病” 日本を蝕む慢性疾患

2016å¹´09月22æ—¥ | æ—¥è¨˜
さようなら、もんじゅ君---高速増殖炉がかたる原発のホントのおはなし
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●繰り返される“今さらやめられない病” 日本を蝕む慢性疾患

 我が国では、第二次大戦以降“今さらやめられない病”と云う奇病が、宿痾となり、この奇病から抜け出せない為に、日本は“国富”をどれだけ失ったか、天文学的数字を積み重ね続けるようだ。そして、その奇病のジレンマから抜け出さない決定をした、大臣、政治家、政党、官僚らには、何ひとつお咎めがないのだから、大臣、政治家、政党、官僚等と云う職業は、一度やったらやめられないと同じだ。

 核燃サイクルと高速増殖炉は「国策」だからと云うのが、“もんじゅ”を運営する文科省にある。経産省(電力会社)にしてみれば、本格稼働には程遠い 高速増殖炉による核燃サイクルなどにつき合って、費用負担だけ負わされては堪らない。ウッカリすると、原発そのものの存続さえ危うくなる。さっさと止めてくれ、そう云ところだ。しかし、核燃サイクル計画は維持しようとしている。しかし、現実は、青森県六ケ所村の核燃料再処理施設も稼働していないのだから、日本の核燃サイクル計画は実質的に、すべてが大失敗状態の惨状なのだ。


≪ 政府 もんじゅ廃炉含め見直し 核燃料サイクルは継続
政府は、21日夕方、 総理大臣官邸で「原子力関係閣僚会議」を開き、高速増殖炉「もんじゅ」について廃炉を含め抜本的な見直しを行い年内に結論を出す方針を確認しました。

また、核燃料サイクル政策を推進するとしたうえで「高速炉開発会議」を設置し、今後の高速炉開発の方針を策定することを確認しました。 福 井県にある高速増殖炉「もんじゅ」をめぐっては、安全管理上の問題が相次いだことから、所管する文部科学省が原子力規制委員会の勧告をふまえ、ことし夏に も、日本原子力研究開発機構に代わる新たな運営主体を示すことになっていましたが、新たな運営主体は現在も決まっていません。

こうした状況を受けて、政府は、午後6時から総理大臣官邸で、菅官房長官、松野文部科学大臣、世耕経済産業大臣ら関係閣僚が出席して「原子力関係閣僚会議」を開き、もんじゅの今後の取り扱いなどをめぐり議論しました。

会議では、原発から出た使用済み核燃料を再利用する核燃料サイクル政策を推進するとともに、高速炉の研究開発に取り組む方針を堅持することを確認しました。 そのうえで、福島第一原発の事故のあと新規制基準が策定されたことや、日本とフランスの間で高速炉に関する協力が開始されたことなど、高速炉開発を取り巻く環境が大きく変化したとして、今後、政府内に、世耕経済産業大臣を中心とする「高速炉開発会議」を設置し、今後の高速炉開発の方針を策定することを確認 しました。

そして、もんじゅについて、廃炉を含め抜本的な見直しを行うこととし、結論は、高速炉の研究開発に取り組む方針と併せて、年内 に原子力関係閣僚会議を開き決定するとしています。菅官房長官は会議の中で、「関係閣僚には、政府一丸となって、精力的に作業を進めるとともに関係する自 治体や機関への丁寧な説明と調整を行っていただきたい」と述べました。

「もんじゅ」とは
福井県敦賀市にあるもんじゅは、高速増殖炉というタイプの研究開発の段階の原発です。一般の原発ではウランを燃料としていますが、高速増殖炉は原発の使用済 み核燃料から取り出したプルトニウムが燃料に多く含まれています。
速度の速い高速中性子を使う原発を高速炉と言いますが、特にもんじゅは使った以上の燃料 を生み出す増殖を行うことから高速増殖炉と言い、「夢の原子炉」とも呼ばれます。また原子炉を冷やすのに国内の一般の原発で使っている水ではなく取り扱い の難しい、液体のナトリウムを用いるのが最大の特徴です。
ナトリウムは酸素や水と反応すると燃え上がる性質があります。試験運転の開始から1年8か月後の 平成7年12月にはナトリウムが配管から漏れ出して火災となる事故が起き、取り扱いの難しさが改めて浮き彫りになりました。

日本はこの高速増殖炉を、基本政策である核燃料サイクルの柱の1つと位置づけてきました。核燃料サイクルでは使用済み核燃料からプルトニウムを取り出して加工した燃料を高速増殖炉で燃 やすサイクルと、プルサーマルと言って一般の原発で燃やすサイクルのいわば両輪で進めます。

これによって資源の有効利用につながるとされています。 廃炉検討の背景は 政府が、もんじゅの廃炉を含めた抜本的な見直しを議論しようとする背景には、もんじゅを存続させた場合、運転再開のためにさらに数千億円規模の追加投資が必 要になることや、新たな運営主体の検討に電力業界の協力が得られなかったこと、仮にもんじゅが抜本的に見直されても、高速炉の開発を続けることで、核燃料サイクルを維持することが可能だという判断があると見られます。

夢の原子炉 1兆円超費用もほとんど動かず 使った以上の燃料を生み出す“夢の原子炉”として開発が進められてきた高速増殖炉「もんじゅ」には、これまで1兆円を超える事業費が投入されましたが、この22年間の運転実績は、わずか250日でほとんど動いていません。 こうした中、もんじゅを存続させ、今後、運転を再開するには、新しい規制基準の審査に合格する必要があり、こうした審査や工事に、数年以上かかるほか、維持 費や耐震対策などに数千億円規模の追加費用がかかる見込みで、政府・与党内でも国民の理解を得ることが難しいという意見が出ています。

さらに新たな運営主体の検討にあたっても、電力業界から「技術的な知見が無く、一般の原発の再稼働の対応で余裕がない」などとして、運営主体を担うのは難しいという見方を繰り返し示されています。 一方、もんじゅを廃炉にした場合の費用は、日本原子力研究開発機構が4年前に行った試算で、30年かけて廃炉にした場合、3000億円がかかると見られています。

核燃料サイクルは維持へ
こうした費用面以外にも考慮する必要があるのが、資源の少ない日本が、原子力政策の基本にしてきた「核燃料サイクル」への影響です。核燃料サイクルは、一般 の原発から出る使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出し、再び燃料として利用するもので、仮にもんじゅが廃炉になれば、今の計画を見直す必要が あり、原発の稼働に影響する可能性があります。

政府はこうした事態を避けるため、もんじゅが抜本的に見直されても高速炉の開発を継続し、核燃料サイクルを維持する方針で、日本とフランスの間で、研究協力が始まった高速炉の実証炉、「ASTRID」の開発などが検討されるものと見られます。
廃炉に慎重な意見も
ただ、廃炉をめぐっては、高速増殖炉の実用化は必要で、そのための技術を確立するために、一定期間、もんじゅを動かすべきだという意見があるほか、地元の福井県敦賀市などが存続を求めていて、政府は、こうした意見も考慮して最終的な判断をするものと見られます。  ≫(NHK)


≪ 核燃サイクルの国策やめられない理由 もんじゅ廃炉でも
 日本は「核燃料サイクル」の実現を国策として推進し、巨額の国費を投じてきた。その要の高速増殖原型炉「もんじゅ」の廃炉に向けた調整が、いよいよ始まる。再運転に国民の理解を得るのは難しいとの見方が大勢だが、描いてきた核燃料サイクルの枠組みを維持するために、明確に廃炉を打ち出せない状況もある。
 日本のエネルギー政策の根幹は、使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出して使う核燃料サイクルだ。もんじゅでプルトニウムを増殖させて使う高速増殖炉のサイクルと、プルトニウムとウランを混合したMOX燃料を原発で使うプルサーマル発電のサイクルの二つがある。
 プルサーマル発電を進める経産省は、もんじゅが廃炉になっても、当面は核燃料サイクルがまわると主張する。
 福島第一原発事故以降、原発の安全性に対する社会の目は厳しい。現在稼働中の原発は3基しかない。再稼働の旗を振る経産省にとって、もんじゅがまたトラブルを起こし、それが原発政策に飛び火するリスクは避けたいのが本音だ。もんじゅにこだわり続ければ、「原発政策全体に悪影響を及ぼしかねない。廃炉はやむを得ない」。経産省の幹部はこう漏らす。
 経産省は、エネルギー政策からもんじゅの「切り離し」を進めてきた。2014年改定のエネルギー基本計画で高速増殖炉の実用化の記載は消された。
 高速増殖炉は使った以上のプルトニウムを生み出す。資源の少ない日本ではエネルギー不足の解消にもなるとして開発が進められてきた。だが、ナトリウムを冷却材に使う技術的なハードルも高く、世界で高速増殖炉のサイクルを実用化した国はない。ウラン燃料を原発で使う方が安い状態が続いている。
 とはいえ、もんじゅを廃炉にすれば、再処理で取り出したプルトニウムの消費先が減る。日本が保有するプルトニウムは国内外で計約48トン。原発を稼働させながら、プルトニウムを確実に消費する新たな「絵図面」が描けなければ、核保有国になろうとしているという懸念を国際社会に与えかねない。
 経産省は、フランスが30年ごろの運転開始を目指す次世代高速炉の実証炉「ASTRID(アストリッド)」計画に協力することで、高速炉研究の旗は降ろさず核燃料サイクルの枠組みを維持する構想を描く。
■文科省幹部「絵に描いたもちだ」
 もんじゅ無しで核燃料サイクルをまわすという経産省の主張に対し、文科省幹部は「まさに絵にかいたもちだ」と批判する。
 「高速炉がなければプルサーマルでもプルトニウムはたまり続ける。いずれ核燃料サイクル政策、ひいては原子力政策全体が立ちゆかなくなる」
 そもそも、原子力規制委員会の勧告は廃炉を求めていない。文科省の幹部は「存続を前提に作業をしてきたのに、なぜ急に廃炉というのか。廃炉うんぬんの前に国策である高速炉開発をどうするのか、きちんとした議論が必要だ」と憤る。
 文科省は規制委の勧告を受け、現在の日本原子力研究開発機構に代わる運営主体として新法人の設立を内々に省内の案としてまとめた。参議院選挙後に首相官邸の協力を取り付ける予定だったが、首相官邸は首を縦に振らなかった。
 経産省が構想に入れる高速炉アストリッド計画についても異を唱える。アストリッド計画はまだ基本設計段階で、資金ぐりを背景に、詳細設計に入る前に見直しも予定されている。
 文科省幹部は「もんじゅ廃炉後、どうやって核燃料サイクル政策を維持するのか、現実的な案を見せるべきだ」と話す。   ≫(朝日新聞デジタル:小野甲太郎、風間直樹、竹石涼子)


 「もんじゅ」の話は酷すぎて、お話にもならないのだが、青森県六ケ所村の核燃料再処理施設も、同等に酷い惨状だ。以下は、それに関する惨状を伝える記事等々だ。この「もんじゅ」にせよ、核燃料再処理施設にせよ、核燃サイクルと云う国家プロジェクトが、実は根本的に間違っていたというのが、常識的判断だろう。核燃料再処理施設が本格稼働した場合にも、問題が追いかけてくる。再処理によって排出される各種放射線問題が、実は解明途上という、オマケまでついている。海外からも厳しい目が向けられているようだ。

 â– å…­ãƒ¶æ‰€æ‘核燃料再処理施設(Wikipedia抜粋)
日本の原子力発電所で使用され終わった使用済み核燃料を集め、その中から核燃料のウランとプルトニウムを取り出す再処理工場である。予定されている最大処理能力はウラン800t/年、使用済燃料貯蔵容量はウラン3000t。 茨城県東海村に日本原子力研究開発機構が所有する再処理工場(東海研究開発センター核燃料サイクル工学研究所 最大処理能力:ウラン210トン/年)を置換する施設とされ、青森県六ヶ所村の敷地内にはウラン濃縮工場、六ヶ所低レベル放射性廃棄物埋設センター、六ヶ所高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターが併設して建設されている。今後 MOX燃料工場の建設も予定されており、核燃料サイクルのための核燃料コンビナートを形成する。 この施設は核燃料サイクル事業で先行するフランスから技術協力を受けており、現在でもフランス人技術者が複数名、本施設で働いている。 度重なる竣工の延期  試運転の終了は当初2009年2月を予定していたが、様々なトラブルが相次ぎ「時期未定」としたケースを含めて23回の延期をしている。2015年11月16日には竣工時期を、2018年度(平成30年度)上期に変更することが発表された。これら延期のため、当初発表されていた建設費用は7600億円だったものが、2011年2月現在で2兆1,930億円と約2.8倍以上にも膨らんでいる。  ≫(Wikipedia)


≪ 核燃料サイクルに12兆円 コスト年1600億円 国民負担続く
 高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)が廃炉になる可能性も出てきたことを受け、本紙はもんじゅを中核に国が進めてきた核燃料サイクル事業 にかかったコストを、あらためて調べた。いずれ必要になる廃炉費用も考慮し集計した結果、少なくとも十二兆円が費やされ、もんじゅが稼働していない現状でも、今後も毎年千六百億円ずつ増えていくことが分かった。実用化のめどのない事業に、巨額の国民負担が続く実態が浮かんだ。 (小倉貞俊)
 本紙は、事業を進めてきた経済産業、文部科学両省のほか、電力会社や関係団体、立地自治体などにコストを問い合わせ、集計した。高速炉開発が国家プロジェクトになった一九六六年度から本年度まで、判明しただけで計約十二兆二千二百億円に上った。
 本紙は二〇一二年一月にも同様の集計をし、十兆円弱との結果を得た。今回、二兆円強膨らんだ理由は、新たに廃炉・解体費などの試算額が判明し、その後にかかった運営費なども加えて精査したためだ。  部門別にみると、最も高コストなのは、原発で出た使用済み核燃料を溶かしてプルトニウムを取り出す再処理工場(青森県六ケ所村)の七兆円強。原子 力規制委員会が文科省に運営者を交代させるよう勧告したもんじゅと、関連の試験施設「RETF」の建設・運営費は計約一兆九百億円だった。
 廃炉費用は少なくとも一千億円は必要になるとみられるが、冷却材に危険なナトリウムを大量に使っており、きちんと見積もられていない。核燃サイク ルのコストは、電気事業連合会(電事連)が十年以上前の〇三年、各施設の建設、操業(四十年)、解体、最終処分までの総額を約十九兆円との試算をまとめた。
 しかし、もんじゅはほとんど稼働せず、再処理工場や混合酸化物燃料(MOX燃料)工場は未完成。ウラン資源を循環させるサイクルがほとんど動いていない中、本紙の集計結果からは、既に電事連の試算額の六割以上が使われた。
 今後四十年操業すれば、さらに巨額のコストが必要になる。これは、核燃サイクルを続ければ、電事連がはじいた十九兆円では収まらないことを示唆している。
 核燃サイクルの財源は、税金か、電気料金に上乗せされた分かの違いはあるものの、国民負担であることに変わりはない。

◆見切りつける好機  
<大島堅一・立命館大教授(環境経済学)の話>
 実現の見通しが立たない核燃料サイクルに、十二兆円以上が費やされてきた事実は深刻に受け止める 必要がある。何も生み出さない事業に、今後も毎年千六百億円ずつ消えていくのは、民間企業ではあり得ず、異常な事態といえる。(もんじゅ問題は)核燃サイ クルに見切りをつける大きな好機ではないか。国民も、自分のお金が税金や電気料金の一部として、見込みのない事業に使われている現実をよく考える必要がある。

◆本紙集計
 省庁や電力事業者、団体などが取材に回答、公開している数字を集計した。放射性物質で汚れ、出費が確定している廃炉・解体費用も当事者による数字 をそのまま加えたが、試算は約10年前と古く、実際にはもっと高額になるとみられる。国は使用済み核燃料の中間貯蔵施設も核燃サイクルの一環としている が、貯蔵された核燃料は再処理されない可能性もあるため、集計から除いた。自治体への交付金は、核燃サイクルを対象にしたものに限定し、一般の原発関連が含まれる可能性がある交付金は全額、集計から除いた。

 


 ≫(東京新聞2015年11月17日 朝刊)



 以下は、だいぶ昔になるが、「newsphere」が伝える、ニューヨーク・タイムズ紙の記事紹介だ。

 â‰ªå…­ãƒ¶æ‰€æ‘再処理工場、2.2兆費やしてまだ稼働せず “夢”を諦めきれない日本を一部米紙が批判
2014年4月11日
 原発を「重要なベースロード電源」としたエネルギー基本計画が、11日にも閣議決定する見込みとなっている。福島の事故以降、日本の原発は50基すべてが現在稼働を停止しているが、ここへきて再び原子力を活用する方針が進められていると各海外メディアも報じている。
 特に注目が集まっているのが、青森県六ヶ所村の使用済核燃料再処理工場だ。使用済み燃料からプルトニウムを取り出し、再利用できるように処理する 施設である。現在試験運転中だが、今年10月には本格始動が始まる予定であるという。この再処理工場が今、とかく物議をかもしていると海外各紙が伝えている。
【その1 : 国内の反対】
 日本では福島の事故後、原子力に対する恐れが一気に高まった。そのため、最終的には原発を減らしていくという約束にも関わらず、なお原発に頼った政策を進めようとする政府の方針に多くの国民が不安を抱いている、とニューヨーク・タイムズ紙は指摘する。
 そのため国内では、野党はもちろん与党内にさえ反対の声があり、先月末までに決定するはずだったエネルギー基本計画も結局ここまで合意が延びてし まった、とエネルギー資源ニュースサイト『オイルプライス.com』は伝える。さらに民間でも反対活動家が独自のウェブサイトを立ち上げ、抗議活動を行っ ているという。
【その2 : 近隣国の懸念】
 中国および韓国にとってもこの再処理工場には大いに不安なようだ。『オイルプライス.com』によると、先月オランダのハーグで行われた核安全保障サ ミットでこの両国は、同施設で再処理された核物質が兵器へと転用される可能性を示唆し、懸念を表したという。現在すべての原発が停止している以上そんなに大量の核燃料が必要なはずはなく、つまりは実際使用する量以上の核物質を保有することとなり、それは国際原子力機関(IAEA)の規則に反する、というのが両国の主張とのことである。
 しかし日本では、いっそそう思わせておいた方が国防のためになるという意見も存在するという。折しも北朝鮮はミサイルのテストを行い、中国との緊 張は高まる一方だ。そんな中、日本が「その気になれば武器転用できる」プルトニウムを保管することは近隣国への抑止力になるというのが彼らの主張、と ニューヨーク・タイムズ紙は伝えている。
【その3 : アメリカの警告】
 アメリカは同施設の警備の緩さに警鐘を鳴らしている。大量の核物質が作られるということは、テロの標的になりやすいということだ。しかしここでは従業員の犯罪やテロ関与に関する経歴は特に調査されない、とニューヨーク・タイムズ紙は指摘する。
 さらに日本では民間人が武器を持つことが禁止されているため、つい先日まで丸腰の警備員しかいなかった。やっと最近武装警官が配備されたが、それでも海外の専門家から見ればテロを防ぐにはあまりにも軽過ぎる警備体制、と同紙は伝えている。
【資源独立の夢と引き返せない事情】
 国内外から多くの反対や懸念が寄せられる中、それでも日本が原発へと進む理由は何なのか。『ザ・ワイヤー』は「原子力が日本を資源独立へと導く」というのが安倍首相をはじめとする推進派の主張、と伝えている。
 さらにニューヨーク・タイムズ紙は、資源独立への夢の他に見過ごせないのが原発利権の大きさだと述べる。加えて、すでにあまりにも巨額の資金を原 発事業に費やしてしまったので今更やめるわけにはいかないという政府の思惑もあるのでは、と分析している。同紙によると、この六ヶ所村の工場だけでも、 220億ドル(約2兆2000億円)の費用がかかっているという。  ≫(Newsphere編集部)


 まあ、原発及び核燃サイクル、高速増殖炉など一連の日本の“今さらやめられない病”は、第二次大戦だけに限ったものではないのが日本と云う国だ。「過ちては改むるに憚ることなかれ」、「過ちて改めざる、是を過ちと謂う」がまったくもって通用しない国は滅多にない。「羹に懲りて膾(なます)を吹く」と云う言葉もあるが、日本と云う国は、そのくらいの心がけがあってもいいのではないのか。一旦決めたことをやめられない「メンツ主義」(或る意味で立場主義重視)が、国富をドブに捨て、国家を細らせる。アベノミクスの撤退論が出ないのも、黒田の異次元緩和の過ちを改むることもないのも、この日本病の結果だ。おそらく、築地移転に見られる、“ポイズン土地の買収と魚市場建設”も同じ論で、論破できるのだろう。

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●アンフェアで危険なヒラリー安倍会談&豊洲移転は利権の巣窟?

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●アンフェアで危険なヒラリー安倍会談&豊洲移転は利権の巣窟?

 今夜の見出しには続きがある「復讐を誓うトランプ」と云う見出しだ。ヒラリー側が申し入れた会談だとしても、顔見知りと云う理由だけで、米大統領候補の片方側とだけ会談すると云う姿勢は、「第三世界の大統領」のような振舞いじゃないか。事実その通りで、ヒラリーが19日会ったのは、エジプトのシシ大統領、ウクライナのポロシェンコ大統領だそうだ。どちらの大統領も、国家としての体制不安定な国であり、今までのホワイトハウス外交姿勢を維持して欲しいと、陳情する地方首長のような立ち位置の政治家ばかりだ。まあ、安倍官邸の谷内だとは思うが、会談を決めた連中も、エジプトやウクライナの政府と地方首長と云う側面では変らないとしてもだ、一流国の外交の本筋を外している。

 微妙な鍔迫り合い状況の米大統領候補と会うということは、どちらかに加担する態度を、もう一方の側に知らせたわけだから、半分以上「アンタは嫌いだ」と言ったも同様だ。実際には、「アンタ(トランプ)がなったら、真実が幾つも国民にバレてしまい、自民党や、官僚らにとって、酷く都合が悪い」と言ったも同然なのだ。筆者は、ドナルド・トランプ候補が主張しているすべてを容認はしていないが、現在の西側諸国やグローバル企業の連中が作り上げてきた「普遍的価値」だと思っている一種、新興宗教信条をブレイクスルーする為には、彼のような人物が必要な時代なのだ。

 ヒラリー・クリントンと云う人を、女性だからと言う視線で見るのは、完璧な間違いなのだ。彼女は、ビル・クリントンの3倍男らし、バラク・オバマの2倍好戦的だ。共和党ネオコンともツーカーであるし、軍産複合とも蜜月。グローバル企業との癒着も激しく、ウォール街は献金者の巣窟だ。バーニー・サンダースが突然支持者の腰が抜けるような形で、ヒラリーを全面的に支持すると言ったカラクリは判らないが、政治的主張は極めてトランプ的だったわけで、単にコップの中で、少しだけポジションを変えましょうよ程度の、小手先改革者であったのなら、サンダースの言説は、殆ど妄言だと言える。

 トランプが、現在主張している幾つかの過激発言も、ホワイトハウスを取り巻き、手ぐすねを引いて待つ官僚(無職の時は**シンクタンクや研究所、大学等に所属)が席を占めるわけであり、上下院の議会も説得しなければ、正直ものごとは始まらない。日本の政治を、決められない政治から決められる政治なんてしてしまった挙句が、安倍政権なのだから、堂々巡り政治の方が余程様々な面で、日本国民は良い政治に出会えただろう(笑)。政治家にスイスイ政治決断をさせてしまうということは、石原都政で懲りているではないか。今回の、ヒラリー会談は、安倍の命取りもあり得そうなので、それはそれで良いことだ。

≪ クリントン氏、人脈誇示 国連総会で独自外交展開 トランプ氏猛追を警戒
【ニューヨーク=吉野直也】米民主党の大統領候補、ヒラリー・クリントン前国務長官(68)がニューヨークの国連総会を利用して独自外交を展開している。 19日は安倍晋三首相ら各国首脳と相次いで会談。経験に裏打ちされた外交力を示し、世論調査の支持率で猛追する共和党候補のドナルド・トランプ氏(70)との違いを訴える戦略だ。
 クリントン氏は安倍首相が宿泊するホテルを訪ね、約50分間会談した。
 「日米関係は地域、世界の平和や繁栄にとって重要」(クリントン氏)
 「安全保障環境が厳しさを増し、日米同盟の重要性は高まっている」(安倍首相)
 旧知の2人のやり取りに目新しさはないが、この時期に会うことに意味がある。クリントン氏は日本に在日米軍の駐留経費の全額負担を求めるトランプ氏ではなく、自身への支持を暗に求めた。
 たとえば激戦州の一つのオハイオ州は日系企業が多い。日本との親密さを演出すれば集票が期待できると踏んだようだ。その人脈はトランプ氏にはない武器で、19日はエジプトのシシ大統領、ウクライナのポロシェンコ大統領とも会談した。
  日本にも計算がある。今回の会談はクリントン氏側が申し入れた。大統領選の勝敗の行方が見えない段階で首相が会うのはリスク。「トランプ大統領」になった 場合、報復されかねない。それでもクリントン氏の顔を立て、国務長官時代からのパイプを維持するため、首相は日程を1つ飛ばして時間を確保した。  クリントン氏にひと頃の楽観ムードはない。11日の米同時テロの追悼式典を体調不良で途中退席し肺炎が発覚した。世論調査の支持率はトランプ氏に詰め寄られている。
 米政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」の直近の数字はクリントン氏44.9%に対しトランプ氏は44%。8月上旬に8ポイント近かった差は縮まり、ほぼ互角だ。健康不安に加え、慈善団体「クリントン財団」の疑惑再燃も響いている。
 対するトランプ氏は19日、フロリダ州で演説をこなす一方、ニューヨークではエジプトのシシ氏と会った。8月末にはメキシコを訪れ、ペニャニエト大統領と会談している。クリントン氏と張り合い、外交での実績作りを意識しているようだ。
 11月8日の投票に向けて、大統領候補による3回のテレビ討論会が26日から始まる。両候補の直接対決が最終盤情勢を大きく左右しそうだ。  ≫(日経新聞電子版)


 ところで、話は、一転、石原東京都政の闇に、突き進むのだが、政治家に決められる政治をやらせたら、どうなるかの、見本中の見本が、石原都政である。新銀行東京では、都民の税金1400億円をドブに捨てる。豊洲移転だって、そもそも変じゃないのか?あんな危ない土地に食物センター(築地市場)作るってんだから、オカシイだろう?臭いものに蓋をして、上手いこと使おうって根性がオカシイ。だいたいが、どうして、そんなアブナイ土地を買ったんだ。どういう経緯で、あんな化学薬品が含有する土地の上に、食物センター。風聞被害を引き寄せるようなものだ。この件は、以下の井沢満氏のブログがポイントを指摘しているので、勝手に参考引用させていただく。同氏と筆者はイデオロギー的に違いがあるようだが、発信する疑問に対して、特に異論はない。


 â‰ªã€€ç¯‰åœ°å¸‚場移転も、利権がらみなのか?
小池都知事の会見を全部は見られなかったので、都庁に 電話して、疑問点をうかがってみた。
専門領域の方がいらっしゃらないということで、残念ながら当方の 質問にはお答えして頂けなかったが、質問しながら疑惑の点は いよいよ、膨らんできた。
まず、なぜ豊洲なのか?
素人だし手持ちの資料を引くしか能がないのだが、2001年に売り主であった 東京ガスが、東京都に出した資料を見てそもそもなぜ買ってしまったのか 理解に苦しむ。豊洲で東京ガスは、ガスを30年間製造していた。以前は石炭使用で製造していたところである。
石炭から都市ガスを製造する過程において生成された汚染の内容は、7つの物質(ベンゼン、シアン化合物、ヒ素、鉛、水銀、六価クロム、カドミウム)による、土壌及び地下水(六価クロムを除く)の汚染が確認。
水銀 環境基準値の24倍
ヒ素 環境基準値の49倍
シアン(青酸カリの一種) 環境基準値の490倍
ベンゼン(発癌性物質) 環境基準値の1500倍(再調査では1000倍)
ーー以上は2001年の売却時に東京ガスが東京都に出した資料に依るーー

東京都では、以上が処理済みで無問題としてHPに詳細が説明されているのだが、どうにも信用できかねる部分がある。
ちなみに水銀は、皇太子妃妃殿下の母方祖父、江頭豊氏がその後処理に関わった、あの悲惨な水俣病を生み出した元凶であり、 ヒ素は、安倍昭恵氏のご実家森永のミルクが、ヒ素混入のミルクで 大勢の赤ん坊が亡くなったのだ。
第二の水俣と言われる新潟の昭和電工の廃液による水銀汚染の食物連鎖で起きた公害病のお宅安西家へは、皇后陛下の妹でいらっしゃる恵美子さんが嫁がれているので、知っている人もいるだろう。
水俣、第二の水俣と皇太子妃、皇后陛下のお身内が関わっているとは、偶然も度が過ぎて、一体何のメタファかと考えこむことがある。
豊洲のこれだけの汚染ぶりを見て、なぜ買ったのか、そこへあろうことか 食品を扱う築地市場の移転を決めたのかが、どうにも解らずそれは 質問しても、答えは得られずついには「内田さん絡みの利権ですか?」とまで 質問して、半ば冗談だったのだが・・・・・回答は得られるわけもなく。
小池知事が会見で提示した、異様なまでの建築費の値上がりぶりが 五輪におけるそれを連想させたのは事実である。
築地市場の移転自体は、青島都知事の時代に言われ始めたようだが、 実際に豊洲として動いたのは、石原・猪瀬コンビの時である。
そして、石原氏は内田氏と親密ではあった。
築地は世界的に知られた観光エリアでもあり、独特の風情を残し、 移転はいかにも、理不尽なことだろうと思う。
アスベストが問題なら、駅舎の改築のように普段も使いながら 一画ずつ補修なり、増築、新築なりして行けばよかったのではないか?
素人考えだが、水銀やヒ素が充満しているところにわざわざ 行くことはあるまい。(現在の汚染の数値は不明)
盛り土をしてコンクリートで固めたところで、水銀やベンゼンは気化するから 夏場は蒸発するという説も読んだ。もしそうなら魚に触れるのではないか。人体にもいいわけなかろうと、思うのだが。
築地市場特有の三輪小型トラック、ターレも規定台数以上が走ると、豊洲では床が抜けるそうで、そんな脆弱さでどうする。また地震の時には液状化もあったそうで、東京に直下があればどうなるのだろう。駐車場は足りず、そして作業は腕がつかえる狭さでやりづらいと聞く。なぜ、現在の築地をリニューアルさせる方向で進めなかったのか理解に苦しむ。ちなみに、五輪道路云々は東京開催が決まってから後の話である。
モノレール建設や、水上に可能な限りの大きな水上バスを走らせて、道路のほうは凌いで欲しい。と言っても、豊洲を中止して、築地市場を再建というのはほぼ、金銭的にもう無理なところまで来てしまっているのだろうか。
本当に・・・・・誰が、小汚い思惑でこんなところに移転させようとしたのか。
現在は首都の真ん中にある市場ということでも、世界的にもインパクトがある 築地を捨てることは伝統への反逆でもある。
都庁の人は、石原都知事の時代に決まった、と答えてくれたが ・石原氏ご本人は「前の都知事が決めたこと」とうそぶいていらしたようだ。
前の都知事が決めたら、何でもするなら新都知事の意味などないではないか。
この方は表舞台から去るときになって、それまで隠れていた暗部がさらされている。
いったん決めたものを遅延させたら、関係者が困るなどという人がいて それは事実だろうが、しかしそれと都民の食の安全とどちらが重いというのか。
あたかもJA全農が韓国からの肥料輸入を決めたばかりなので、ほとほと ため息が漏れる。一体、皆どうしてしまったのだろう? バイオテロのこの時代に 食がからむことに、反日国からの輸入はやってはならない。
まだ試験結果が出ていないものを、強引に豊洲移転としたのは舛添氏だが 本当に、小池氏でよかった。五輪用の道路を築地市場に貫通させるのに 急いだのだろうが、本末転倒であろう。
都民の健康と五輪を秤にかけるなら、どうせこれも利権まみれの五輪など潰しちまえ。・・・・・・健康と比べるなら、である、念のため。
しかし、豊洲に移転してからとんでもない検査結果が出たら、どうする つもりだったのだろう。改竄か隠蔽しかないのではなかろうか。
移転中止があり得るか、という記者の質問に小池都知事は答えなかったが、 検査結果がなお上述の値なら、中止せざるを得ないではないか。
それを決行するなら都による犯罪であろう。第三の水俣病が起こりはしないのだろうか。
中止となった場合の目もくらむようなお金の処理はどうするのか、まことに石原氏が残した負の遺産は大き過ぎるというべきだろう。尖閣名目で集めたお金は、100年後ぐらいに、こそっと使うしかないだろう。大体石原氏が、訳の分からない辞め方さえしていなければ、猪瀬、舛添氏と大金の飛ぶ選挙もなかった。 もっとも、石原氏のまま都政が続行していたら内田氏の存在も都民は知らぬまま、豊洲へのダークでリスキーな移転もなされたことを思えば、小池都知事の誕生は時代の必然であったのかもしれない。
それにしても重責である。並みの器ならかかってくる巨大なストレスに、へたってしまうだろう。これだけのことを日々なさっているのだから、旅行ぐらいファーストでいいじゃないか、まっとうに仕事をしている知事なら。
欲で頭の狂った人たちのおかげで、都民はまた要らざる出費を強いられる。 保育園落ちた、日本死ねの人、騒ぐのはこういう時ではないのか。
要らざる莫大なお金が駄々漏れで、出ているのだ。保育園にも高齢者施設にも使われず、ただ数名の懐が潤うために。
「日本人と外国人が入れる老人ホーム」と銘打って都が10億円を支援したホームが、実はほぼ韓国人専用であるらしいことは、この間書いた。 10億は、都民である日本人のために出費して欲しい、と思うのは違うのだろうか。小池都知事の時代ならあり得ないことのように思うのだが。
 ≫(井沢満ブログ)


貧困都政――日本一豊かな自治体の現実
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●何が起きている? ナチス・バイエルが悪魔モンサントを買収

2016å¹´09月20æ—¥ | æ—¥è¨˜
遺伝子組み換えのねじ曲げられた真実 (私たちはどのように騙されてきたのか?)
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●何が起きている? ナチス・バイエルが悪魔モンサントを買収

 筆者は、特に遺伝子組み換え種子や食品に神経質なタイプではないが、「モンサントの遺伝子組み換え作物、EUから“ほぼ”撤退!」と云う記事を数年前に読んだ記憶があった。EUは流石に、自然農法を大切にしようとしているのだな。まあ、短絡的に、その程度の印象で捉えていたが、どうも話は複雑なようだ。EU中核国であるドイツの種子関連企業であるドイツ・バイエル社が、あの枯葉剤やラウンドアップで悪名高き“米モンサント社を買収した!?”と云うのだから、頭の芯がしびれる。面倒だが、多少調べることにした。このビックリポン・ニュースは以下の通り。

≪ バイエル:モンサント買収で合意、4回目提案で-6.8兆円規模
 合意はモンサント株を総額560億ドルと評価 ・買収は2017年末までに完了の見込み ドイツの製薬会社バイエルは米モンサント買収で合意した。買収の規模は全体で660億ドル(約6兆8000億円)となる。4カ月にわたる交渉が実を結び、世界最大の種子・農薬メーカーが誕生する。
 バイエルはモンサント株1株当たり現金128ドルを支払う。13日のニューヨーク市場のモンサント株終値に21%上乗せした水準。競争法違反を理由に当局が合併を承認しない場合、バイエルは20億ドルの違約金を支払う。  
 1年前には少なくとも6社が競い合っていた世界の穀物・種子業界は、両社の統合後にプレーヤーがわずか4社に減る。
 バイエルは買収代金を借り入れと増資で賄う。約190億ドルの株式部分は強制的転換社債の発行と株主割当増資で調達する。バンク・オブ・アメリカ (BofA)とクレディ・スイス・グループ、ゴールドマン・サックス・グループ、HSBCホールディングス、JPモルガン・チェースが570億ドルのつなぎ融資を提供する。
 この案件でバイエルのアドバイザーはBofAとクレディ・スイス、ロスチャイルド。モンサント側はモルガン・スタンレーとデュセラ・パートナーズ。
  バイエルは5月に1株当たり122ドルで買収を提案し、7月に125ドルに引き上げた。モンサントはいずれも拒否したもののバイエルにデューデリジェンス(資産査定)を認め、バイエルが先週127.5ドルを提案。最終的に128ドルでの合意を引き出した。
 モンサント株を総額で約560億ドルと評価するこの買収は、完了後最初の通期のコア1株利益に寄与するとバイエルが発表。完了は来年末を見込んでいる。統合後の種子事業の本部は引き続きセントルイスに置く。  ≫(ブルームバーグ)


 “velvetmorning blogさん”のサイトで、手厳しく、この買収劇に関しての解説ブログを展開しています。たしかに、過去にナチスのお抱え企業であったバイエルと、モンサント買収ですからね、悪の臭いプンプンなわけですが、単なるグローバル経済上のマーケット独占を狙う、ドイツのえげつなさだけなのかもしれないわけだが、真相は定かではない。どんなに酷い歴史的経緯を持った企業同士の結びつきかは、“velvetmorning blogさん”の情報を読んでみましょう。 ただ、現時点で言えることは、過去は過去、現在はどうなの?と云う視点も忘れてはいけないのだろう。

≪ ナチスの中核企業だったバイエル社が、遺伝子組み換え食料支配の根幹企業であるモンサントを買収
様々な出来事が起きている昨今ですが、どでかいニュースが入ってきました。
  あの、ナチスドイツの中核企業(毒ガスの95% 、爆発物の84% 、火薬の70%を生産していた)でヘロインの生みの親であるバイエル社が、モンサント社を買収したようです。
 以下引用
“バイエルがモンサント買収で合意、660億ドルに引き上げ ロイター 9月14æ—¥(æ°´)21時4分配信 ”
 9月14日、独医薬品・化学大手バイエルは、米農業関連・種子開発大手モンサントを1株当たり128ドルで買収することで合意したと発表した。 [ニューヨーク/フランクフルト 14日 ロイター]

 “独医薬品・化学大手、バイエル<BAYGn.DE>は14日、米農業関連・種子開発大手、モンサント<MON.N>を1株当たり128ドルで買収することで合意したと発表した。”
 債務を含む買収総額は約660億ドル。1株当たりの買収提案額をこれまでの127.50ドルからさらに引き上げ、ようやく合意にこぎつけた。
 提案額は、書面で初めて提案を行う前の5月9日のモンサント株価に44%上乗せした水準という。買収は2017年末までに完了する見通しで、違約金は20億ドル。
 買収資金は債務と株式の組み合わせで賄う方針で、株式部分に関しては強制転換社債と株主割当発行を通じて約190億ドルを調達する。金融機関が、570億ドルのつなぎ融資を行うという。
 バイエルは今回の買収で、手続き完了後の1年間に1株当たりの中核的利益を押し上げるほか、押し上げ効果は3年目に2桁%に達すると見込んだ。
 バイエルに出資するユニオン・インベストメントのファンドマネジャー、マーカス・マンズ氏は「バイエルの競合他社が経営統合を進める中、今回の買収合意がなければ、(バイエルは)競争上不利な立場に置かれる」と語った。
 ただ、買収には紆余(うよ)曲折を予想する声も聞かれる。
 米国やカナダ、ブラジル、欧州連合(EU)などの規制当局が時間をかけて、買収を精査する公算が大きい。モンサントのヒュー・グラント最高経営責任者(CEO)は14日、買収承認申請を約30地域で行う必要があるとの認識を示した。
 バイエルの一部株主は買収提案額が高すぎて、自社の製薬事業軽視につながる恐れがあるとして、警戒感を示す。  Baader Helevea Equity Researchのアナリスト、ジェイコブ・スレーン氏は、バイエルの投資判断を「売り」とした。買収額が来年のモンサントの中核的利益見通しの16.1 倍に達すると指摘。中国化工集団(ケムチャイナ)のシンジェンタ<SYNN.S>買収合意額の15.5倍を上回るという。
 バーンスタイン・リサーチのアナリストらは、規制当局が買収を認める確率は5割と予想。投資家を対象にした一部調査では平均7割となっていることも指摘した。
 同社アナリストらは調査メモで、供給業者が経営統合を進めることに農家が不満を示すなど、政治的な抵抗に直面すると予想した。
 14日の取引で、バイエルの株価終値が0.27%高の93.55ユーロ、モンサントは0.62%高の106.76ドル。 以上引用
headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160914-00000085-reut-bus_all

 この買収ですが、どこが金出したのか? バイエル社のサイトに出ていました。

―以下引用―
 ドイツ レバクーゼン、2016年7月14日― 過去数週間にわたって、ドイツ・バイエル社(以下「バイエル」)は、米国モンサント社(以下「モンサント」)と非公式の話し合いを重ねてきました。追加情報を入手した後に、バイエルは、モンサントの株主に対する全額現金による買収提案を 1株あたり122USドルから125USドルに引き上げることを7月1日付で口頭で伝え、更新した提案を7月9日付でモンサントに提出しました。
さらに、今回の提案はモンサントからの資金調達と規制関連の質問に対して総合的な対応をするものであり、モンサントの買収提案を完了するため、 必要な場合には、規制当局に対して明確な誓約をする用意があります。
 バイエルは、今回の提案は取引に確実性を提供し、資金調達条件には影響されないことを再確認しました。取引に必要なすべての資金を提供するに十分なシンジ ケート・ローン契約書の準備が完了し、5銀行(バンクオブアメリカ・メリルリンチ、クレディ・スイス、ゴールドマン・サックス、HSBCおよびJP モルガン)が共同引受会社となる準備をしています。 ―以上引用―
bayer.jp/newsfile/news/news-404_j.html

 5銀行(バンクオブアメリカ・メリルリンチ、クレディ・スイス、ゴールドマン・サックス、HSBCおよびJP モルガン) 毎度おなじみすぎますね。。
ドル詐欺の本体です。
ヘロインがバイエルによって販売された1898年は米西戦争の年。 ヘロインの販売と、マニフェストデスティニー(決定された未来)と言って、米国白人たちが領土を戦争によって拡大していくのは、同時に起きているのです。
 さて、ヘロインを製造・販売していたバイエルは、1925年に出現したドイツの化学産業の複合企業、IG・ファルベンの一員となる。
 この、IG・ファルベンは、ナチスドイツを支えた中核企業である。 実際にアドルフ・ヒットラーの選挙運動への最大の資金供給団体だったことが知られています。ヒットラーおよび彼のナチス党に400,000マルクを寄付しているそうです。
 というよりも、IG・ファルベンは、ナチスドイツそのものだと言ってよい。
 ナチスドイツの軍事的戦略の中核となった企業は、ドイツのIGファルベン社だ。
 この巨大企業がどれほどの企業なのか?というと、当時全ドイツで生産されたうちの 合成ゴムの100% 、毒ガスの95% 、プラスティックの90% 、マグネシウムの88% 、爆発物の84% 、火薬の70% 、ハイオク航空機用のガソリンの46% 、人造ガソリンの33% 、を生産していたとされているのだ。
 まさに、この企業無しには、ドイツの軍事産業は全く成立しない、国家そのものといってもよいほどの企業なのである。 そして、このIGはロックフェラー系のナショナルシティー銀行(現在のシティーバンク)の融資で作られ、同系列の中核企業であるアメリカ最大の石油会社であるスタンダード石油(ニュージャージー)との合弁企業だったからである。
 そして、第二次大戦後、IGファルベンは解体され、英米の占領体制の元で、再びバイエル薬品として生まれ変わるわけです。 で、薬害エイズで再び取りざたされるようになった。
 そして、スタンダード石油=ナチスのSSをベースにCIAは作られていくのです。
 CIAが、覚せい剤の最大の大元締めなのは、ですから、根本的なのです。 ―以上引用 過去記事 ―
http://velvetmorning.asablo.jp/blog/2015/05/16/7635157
 ナチスの中核企業が遺伝子組み換えの食料支配の根幹企業であるモンサント買収とか、まじ笑えないわ。  ≫(velvetmorning blogより)
http://velvetmorning.asablo.jp/blog/2016/09/15/8190534


 まあ、“勧善懲悪もの”の方が、切り口が明快なので、わかり易いのだが、どうも、現実には、我が国も含めて、除草剤や遺伝子組み換え種子や食物、食品は、現実生産現場で使用されているし、DIYなどでも堂々と除草剤として「ラウンドアップ・マックスロード」が印刷された商品が山積みされている。裏の印刷を読むと、“モンサントヨーロッパNVアントワープ工場・ベルギーアントワープシェルデラーンB-2040”とシッカリ正体を現している。注意書きに「当社に無断で小分け又は、再製剤することを禁じます」(日本特許 NO1680242 米国特許 NO4405531)と書かれているので、日本当局も販売を承認していると云うことだ。今では、日本国内の除草剤シェアNO1に君臨している。

 正直、発がん性云々の話や、ラウンドアップ除草剤使用と種子のセット販売とか、とかく怪しさがつきまとう企業なのだが、日本政府のお墨付きがあるし、元経団連会長米倉弘昌の住友化学が提携しているのだから、日本政府お抱えに近いわけだ。同社は、歴史的経緯において、ベトナム戦争時の枯葉剤製造やダイオキシン含有製品の製造で、悪名を轟かせていたので、いまいち、企業イメージは悪い。しかし、ゆえに、その企業が製造するものは、何でも悪いと云うのも考えもので、一定の科学的検証は必要なのだろう。現時点では、是々非々相半ばで、グレーゾーンにはいるが、黒ではないと云うのが一般認識のようだ。

 現在、ラウンドアップの組み替えDNAや牛成長ホルモンを発表。そして遺伝子組換え作物に力を入れ、モンサント社の農業支配は、米国を中心にアジア・中南米にまで拡大し、GM市場では90%を占めるシェアとなっている。遺伝子組み換え・GM作物は、通常の品種の3倍と高価である。また、基本的に、GM作物は種子がならないように改良されている為、毎年同社から種子を買わざるを得ない蟻地獄に陥るように操作されていると、手厳しい批判が出ている。しかし、同社の除草剤段階では、この問題は起きていないようだ。GM市場に関しては、まだまだ未確認なことが多いので、安全評価は早計と云うのが常識的判断なのだろう。最後に、専門家のコラムを参考掲載しておく。


≪ ラウンドアップに発がん性?  簡単、わかりやすいニュースに踊らされる前に、もっと詳細をみてみよう
 国際がん研究機関(IARC)が3月20日、5つの有機リン系農薬について、評価の結果を公表し ました。殺虫剤のマラチオン、ダイアジノン、除草剤グリホサートがグループ2A「probably carcinogenic to humans(おそらく、人に発がん性あり)、殺虫剤のパラチオンとテトラクロルビンホスがグループ2B 「possibly carcinogenic to humans(人に発がん性がある可能性あり)」です。Lancet oncologyという学術誌でもニュースとして報告されました。
 とくにグリホサートは、モンサント社のラウンドアップの成分名であり、世界でもっとも多く使われている除草剤。そして、遺伝子組換え技術を用いた 除草剤耐性作物とセットで用いられています。そのため、欧米で大騒ぎとなっており、日本でも、時事通信、テレビ朝日等が報道しました。これから、ほかのマスメディアやネットメディアにも広がるでしょう。
 えっ、これらの農薬でがんになるの?
 いえ、IARCの分類や発表の意味はかなり異なります。それに、科学者の間で、IARCに対して猛批判が巻き起こっています。ところが、科学的な意味が誤解されて欧米でも報じられているのです。
 日本ではこうした場合、メディアがIARCの発表文や論文ではなく、欧米の派手なわかりやすい報道を基にして伝えることが多いので、伝言ゲームのように間違いが増幅されてしまいます。さらに、周辺情報が割愛されてしまうので、ほとんどデマに近いものになってしまったりします。
 それはよくないことなので、極力わかりやすくIARCの発表と周辺情報を解説しましょう。
 IARCは、世界保健機関(WHO)の下部機関で、化学物質や食品、ウイルス等の人への発がん性について研究し分類して発表しています。分類は、 発がん性が強いかどうか、ではなく、発がん性を示す根拠が確実にあるかどうかという“証拠の重み”で分けています。

 グループ1が 「carcinogenic to humans(発がん性がある)」、グループ2Aが「probably carcinogenic to humans(おそらく、人に発がん性あり)、グループ2B 「possibly carcinogenic to humans(人に発がん性がある可能性あり)」、グループ3「not classifiable as to carcinogenicity in humans(人への発がん性については分類できない)」、グループ4: 「probably not carcinogenic to humans(おそらく、人への発がん性はない)」です。グループ1だから発がん性が強い、続いてグループ2、というわけではないのです。

 今回、グリホサートとマラチオン、ダイアジノンが、「おそらく発がん性あり」となりました。三つとも、日本でも使われている農薬です。農家もですが、家庭用の需要がかなり多く、どれもホームセンターでも売られています。
 たとえば、グリホサートについてIARCは、「人の非ホジキンリンパ腫に対して限られた根拠があり、さらに動物実験では発がん性の明白な根拠がある」として、論文を挙げています。
 ただし、人での調査は「ケースコントロールスタディ」と呼ばれるもの。このあたりから話がややこしくなってしまうのですが、ケースコントロールス タディというのは、非ホジキンリンパ腫と診断された人たちに対して仕事や生活習慣等を尋ね、この病気にかかっていない集団の同じ質問票に対する答えと比較して、なにか違いはないか、と探る手法です。 論文を読むと、グリホサートを年間に何日使用したか、というような質問をしています。農業に従事し使用している人であれば当然、暴露量(体に取り込む量) が多いわけです。それにより、「グリホサートへの暴露量が多い人の方が、非ホジキンリンパ腫になりやすい」という結果を示しています。  
 ただし、ここでわかるのは相関関係。「グリホサートが非ホジキンリンパ腫を引き起こしている」という因果関係までは、このタイプの研究では証明できません。偶然に多いだけかもしれませんし、別の要因がグリホサートの使用量を多くし、なおかつ非ホジキンリンパ腫も招いている可能性も捨てきれません。
 それに、ケースコントロールスタディは、質問して記憶を頼りに答えてもらうので、回答が事実と異なる場合も往々にしてあります。ですので、この手法は最近では、質の高いエビデンス(根拠)としては扱われません。
 また、米国で行われている非常に大規模な農業健康研究では、グリホサート使用と非ホジキンリンパ腫増加との関連は見つかっていません。この研究は、農業者とその配偶者計8万9000人を対象に、どのような農薬を使っているかやライフスタイルなどを調査し、5年後、10年後にどんな病気にかかったか調べているもので、記憶によるバイアスがなく、ケースコントロールスタディよりははるかに質が高い調査とみなされています。ここでは、グリホサートの発がん性は今のところ、ないとされているのです。
 しかし、IARCは、動物実験で明白に発がん性が示されているのと、人の細胞を用いた実験で発がん性が示唆されるものも合わせて根拠とし、グリホサートをグループ2Aに分類しました。
 マラチオン、ダイアジノンもだいたい、グリホサートと同様で、動物試験では発がんが明白ですが、「人にがんを引き起こす」という決め手はありません。その点については、IARCも発表文書できちんと説明しています。
 もう一つ、IARCの分類を考えるうえで重要なポイントは、IARCはグループ1やグループ2Aだからといって、リスクが大きいと言っている訳ではない、ということです。このへんになるとさらに難しい話なのですが、説明を進めましょう。
 どんな化学物質やウイルス等であっても、暴露量の大小によって、体への影響、すなわちリスクは大きく変わります。当然、暴露量が多いと影響は大きく、少ないと影響も小さくなります。
 遺伝子傷害性(遺伝毒性と通常呼ばれます)を持たないタイプの発がん物質は、「大量に与えるとがんになるけれど、微量であればがんは起きない」という性質を持ちます。このような物質は、実際に摂取する時に量をコントロールし、毒性が検出できないレベルの摂取に留めることで、リスクを管理します。
 ところが、IARCは、動物に大量に与える試験で発がん性が見られたもの等も根拠にして分類を決めます。したがって、IARCの分類を基にリスクの大きさを把握し対策を講じる、ということはできないのです。
 たとえば、IARCは、アルコール飲料をグループ1のつまりは「根拠ばっちり!発がん物質」に分類しています。だからといって、WHOはアルコール飲料 を禁止しているわけではなく、現実に、私たちは量をコントロールし、アルコール飲料を飲んでいます(多く飲んで、肝臓がんになってしまう人もいますが)。  IARCは、これらの農薬について「おそらく発がん性あり」としました。グリホサートについてはさらに踏み込んで、「遺伝毒性あり」とみなしているのかもしれません。遺伝毒性ありの場合には無毒性量はなく、どんなに微量でもリスクはある、ということになります。
 しかし、同じWHOの機関であり、リスク管理のために暴露量も検討し一日摂取許容量(ADI)設定などを行っているFAO/WHO合同残留農薬専門家会議(JMPR)は、これらの農薬を「遺伝子を傷害することはなく、発がん性もない」とし、量をコントロールして用いることを認めています。同じWHOの中でも、見解は分かれています。
 また各国の機関も論文等を評価し、暴露量と発がん性の関係も精査のうえで今のところ、「発がん性がない」としています。量をコントロールしながら使うために、JMPRのADIも参考にしながらADIを決定し、残留基準値を決めて、農薬としての使用を認めているのです。
 IARCの今回の発表は、これら規制機関のこれまでの見解と著しく異なることから、科学者の間でも批判がわき起こっています。とくに、ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)はグリホサートの分類について、すぐに批判の声明を出しました。これは、極めて異例のことです。
 私はドイツ語は不得手なので、英語に翻訳されたものを読みましたが、IARCの分類の根拠は貧しくわずかな研究を基に判断してしまっている、と文面から怒りがにじみ出ています。
 ほかにも、英国の市民団体であるScience media centreは、科学者の批判的な意見を複数、掲載しています。
 モンサント社も即座に反論の声明を出しました。非常に強い表現で、IARCの根拠が希薄であることを訴えています(米モンサント。日本モンサントは日本語で説明し、各国の規制機関や科学者組織等による抗議のページにリンクしている)。
 一方、遺伝子組換えや農薬の反対派は、好機とみているようで、著名な料理研究家のMark Bittmanが、New York Timesに「私たちはモルモットか」と寄稿し、グリホサートの市場追放を訴えています。こんな情報も、これから続々出てくることでしょう。
 要するに、IARCの今回の分類は賛否両論。しかし、WHOのほかの機関の評価とも大きな矛盾がある、という事実は押さえておいた方がいい。これだけで「市場追放だ」と息巻くのは、科学的にはちょっと恥ずかしい行動だと思います。
 今後、各国の規制機関はより厳密にリスクについての評価を行うことになるでしょう。それらをしっかりとチェックして行くべきではないでしょうか。
 日本語では、国立医薬品食品総合研究所の畝山智香子さんの食品安全情報blogが、IARCの発表文や科学者の反応等を、細かく翻訳して紹介されていますので、こちらも必読です。
 ≫(FOOCOM.NET>専門家コラム>めんどな話になりますが>松永和紀)


誤解だらけの遺伝子組み換え作物
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●転ばぬ先の杖(知恵) 一寸先は分らない「生活保護」とは?

2016å¹´09月19æ—¥ | æ—¥è¨˜
生活保護から考える (岩波新書)
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●転ばぬ先の杖(知恵) 一寸先は分らない「生活保護」とは?

 “まさか”と云う事態に陥らないように生きていこうと思うが、時には“まさか”と云う事態に遭遇することもある。その“まさか”が想定内のものであれば、多くの人は、自己責任で対応するのは、まあ、大人な人間ということだろう。おそらく、多くの日本人は、そのように考えていると思われる。小生も、その一人だ。中には、生活保護制度を悪用して生活している連中もいるだろうが、それは目立つだけのことで、日本人の多くは、それを避けようと云うマインドがあるようだ。

 たぶん、「生活保護」と云う言葉に、国民がアレルギーを持っているのだろう。“貧乏人”、“情けない”、“恥さらし”等々の言葉を、他者に向けていた自分が、その言葉を受ける身になるのは、忸怩たる気持ちになるに違いない。まあ、上述は筆者の感想が多く含まれるので、「生活保護」と云う言葉を聞いて、どう思うかは、人それぞれだろう。しかし、万が一にも、生活が困窮しないと断言出来る人は、どのくらいいるのだろうか。筆者を引き合いに出す必要はないが、友人の奥さんのケースなどを見聞きすると、案外、人生には落とし穴はあるものだと痛感する。

 彼女の場合、自業自得なのだが、詐欺に遭って、5千万円近くあった夫婦の老後資金をパーにしてしまった。ここで止めておけば、夫婦の大喧嘩で済んだかもしれないが、彼女はその後、W詐欺グループのカモとなり、知らぬ間に、3千万の借金までしてしまった。自分の僅か年金を注ぎこんでも返済は滞り、友人親戚からも借金の山。ついに自己破産する羽目になった。無論、御亭主である小生の友人も、堪忍袋の緒が切れたらしく、協議離婚と云う経緯を辿る。離婚した以上、家も出なければならない。しかし、収入は数万円。年齢も70歳を超えているので働くといっても容易く職に就ける筈もない。挙句に持病もあり、手のつけようがない。まあ、彼女の場合、有能な民生委員が面倒を見てくれたお陰で、生活保護を受け取り、無事養護老人ホームに入居したらしい。

 しかし、友人の家は、その辺では有名な素封家であった。そして、家も立派なもので、到底、そこの奥様が、このような事態になるとは、想像すらしない出来事だった。まあ、欲を掻いて詐欺に遭ったわけなので、典型的自己責任で、同情に値しないが、現実には、この詐欺に引っかかる部分を、癌や難病に置きかえても、似たような事態が生まれるのが現代社会だ。おそらく、老々介護の積み重ねから、似たような事態が起きることも想定内である。つまり、絶対に大丈夫と思っていても、“まさか”は起きるわけで、以下の「生活保護情報」のコラムを読みながら、転ばぬ先の杖ではないが、いざと云う時の知恵程度には頭の片隅に入れておいて損はないようだ。

 ネトウヨ的言説に従うと、生活保護の不正受給をネタにして、生活保護受給者の多くが、不正受給者、怠け者みたいな雰囲気を作りだしていたが、最近はどうなのだろう?片山さつきとか云う議員はあいかわらず、ネトウヨと変わらぬ狭い料簡で、世間を眺めているようだが、多くの受給者は、止むにやまれぬ事情があるわけで、所謂、弱い者いじめは程々にするべきだろう。ネトウヨさんの中には、事実、己が不正受給者であることも多いらしいので、何をか況やなのである。


 â‰ªã€€ã„ざという時のために知っておきたい「生活保護」
   老後の暮らしを守る最後の砦

■家があっても受給できる
「まさかねぇ、この歳になって、自分が生活保護を受けるようになるなんて、60歳の頃には思いもしませんでしたよ」
 こう話すのは、東京・練馬区で親の代から八百屋を営んできた、高森吉彦さん(71歳・仮名)。現在は廃業しているが、元店舗兼住宅の敷地8坪、築 45年の自宅に暮らしている。自動車は持っていないが、食卓の横には小ぶりの液晶テレビもあり、整理整頓された室内は明るく清潔だ。
 生活保護を受け取っている人は、資産など一切なく、極貧の状態にあるはず——。そんな一方的なイメージを持っていると、高森さんが生活保護を受け取っているようには見えないだろう。だが、懐事情は非常に厳しかったと高森さんは話す。

「駅前にスーパーができてから、開店休業状態。4年前に店を畳む直前なんかは、毎日赤字が積み重なる状態でしたね。そんなときに女房が乳がんになって……。
一昨年、女房を看取りましたけれども、気がついたら銀行には30万円くらいしかなかった。年金は国民年金だけです。未払いの時期もあって、もらえるのは月4万円程度。電気、ガス、水道払って、おまんま食べたら足が出る。そんな状態でした……」

 子供のいなかった高森さん夫婦。親類縁者に面倒を見てくれる人もいない。長年の知人である商店会の元会長が見かねて、渋る高森さんを福祉事務所の生活保護の相談窓口に連れていった。
 現在、高森さんは約4万円の国民年金に加え、生活保護として月3万5000円を給付されている。年金額の9割近くを補助されている計算だ。
 そもそも「生活保護」とは、厚生労働省が地域ごとに細かく指定している「その場所で暮らすための最低限の生活費」に収入が届かない人に対して、収入との差額を補助する制度。
 年金収入があっても、この「最低生活費」に満たなければ受給することができ、無年金などで収入がゼロの場合には、最低生活費の額を全額受給できる。
 さらに生活保護を受給していると、上下水道の基本料金はタダ、住民税、固定資産税、NHKの聴取料も免除される。国民健康保険に加入できなくなるため、保険証がなくなるが、代わりに福祉事務所で発行される医療券を提示すると、医療費の自己負担もゼロだ。
 自治体によって他にも減免される料金があり、都民ならば、都電・都営地下鉄・都営バスの共通無料パスももらえるため、「こんなにしてもらっていいのかと驚いた」(高森さん)。
 長年、掛け金を払ってきた年金に匹敵する金額を受け取ることができ、さまざまな減免措置まで受けられる生活保護。
 だが「生活保護」と聞くと、「戦後でもあるまいし、働ける人間が働きもしないで公金をむさぼっている」などと、ネガティブな印象を持っている人も少なくないだろう。
 実際には、生活保護の受給世帯約163万5000世帯のうち、半数を超える50・8%は65歳以上の人を中心とする高齢者世帯。うち9割は単身世帯となっている(厚生労働省統計・'16年3月現在)。
 「働けるのにサボっている」のではなく、これまで長年、働いてきたが、20年、30年と長い老後を生き抜かなければならない人々が頼りにする制度と言っていいだろう。
 では、いざというときこの最後の砦を使うには、どうしたらいいのか。


 


■タンス預金までは調べない
生活保護に詳しい社労士の林智之氏は、大きく4つの条件があると話す。
「地域の福祉事務所や市町村の福祉課などを訪れたときに、まず問われるのが、次の4つです。『援助してくれる身内がいないか』、『資産を持っていないか』、『働けないか』、『月の収入が最低生活費を下回っているか』。
 第一の『身内』とは、法律で扶養義務のある、3親等以内の親族です。
 同居している親族に収入がある場合は、同じ家計として扱われるので、まず申請は通りません。
 別居していて、その人を扶養したくない、没交渉だというような親族の場合、かつては 『借金があるので扶養できません』と言えば、あまり調べられることもなく、申請が通っていました。しかし、例の芸能人の家族が生活保護を受給していた問題で、平成26年の法改正以降は『具体的にどんな借金があるのか』と問われるようになりましたね」
 続いて、2番目の『資産がないか』を見てみよう。前出の林氏は言う。 「資産とは、預貯金や株、有価証券、金や宝石、不動産、自動車などです。
東京近郊では無理でしょうが、車がないと生活できないような地域では、自動車の所有が認められることもあります。
不動産に関しては、自宅に住宅ローンが残っているとアウトです。生活保護費を借金の返済に充てることはできないと決まっているため、売却して清算してください、となります」
 ãƒ­ãƒ¼ãƒ³ãŒãªãã€è‡ªã‚‰å±…住している不動産がある場合には、福祉事務所の担当者との相談になる。
売却して賃貸に移り、家賃を払うとしても、心もとない売り値にしかならないと判断されれば、持ち家に住み続けることが許される。前出の高森さんもこのパターンだ。
 「ただ財産を調べると言っても現金については、自宅に踏み込んでヘソクリがないかまで調べたりはしません。悪質な受給者の中には預金を引き出してタンス預金にし、数年寝かせて、財産がないと主張する例もある」(都内の福祉事務所職員)
 3番目の『働けないか』については、20代、30代ならいざ知らず、65歳を超えた人については問われないのが普通だ。
 そして最後が、『最低生活費以下の収入しかないか』。この最低生活費とは、どのような金額なのか。前出の林氏が続ける。
 「最低生活費は、厚生労働省が定めているもので、地域ごとに細かく決められています。東京など大都市と地方では、生活費に差がありますから、それを反映しているのです。
 たとえば、夫婦とも60代で、東京23区在住の場合を見てみます。すると、1人あたりの生活費が3万8990円。2人世帯では、その88・5%が支給されます。さらに世帯当たりの加算が5万180円。合計11万9190円です。
 賃貸暮らしの場合は、さらに住宅扶助が加わります。2人世帯では6万4000円になりますから、計18万3190円。この金額より月の収入が少なければ、生活保護を受け取ることができます」

 â– æœˆå˜ä½ã§ã‚‚申請できる
 もし、この夫婦が2人とも国民年金を満額、月6万5000円受け取っていたとしよう。世帯の収入は月13万円だ。すると、差額の5万3190円を生活保護費として受け取ることができる。
 夫婦とも国民年金を満額もらってもなお、生活保護を受け取ることができる計算だ。
 「それでも、誰でも受給しているわけではないのは、自宅を売却しろと言われても先祖代々の家でなかなかできないなど、条件をクリアするのが難しい事情があるからでしょう」(林氏)
 知っているようで、意外と知らない生活保護の仕組み。若い頃には想像もできなかった長寿を謳歌できる現在だが、一方で70歳以降は家計が火の車という方も多いはず。使えるものは遠慮せず、上手に使って人生を乗り切るしかない。
 『プチ生活保護のススメ』などの著書がある河西保夫氏は、こう話す。
「これも意外と知られていませんが、本来、生活保護の申請と受給は月単位でできます。たとえば、タクシーの運転手として働いていて、普段は27万円ある収入が、ある月だけ10万円で最低生活費を下回ったとなれば、差額分の生活保護費をもらうことができる。
仕事を持っている人でも、国が目安を定めた最低生活費を下回る収入しかなければ、セーフティーネットの恩恵にあずかれるのです」
 年金をもらっていても、収入があっても、条件さえ満たせば月単位で受け取れる生活保護。家計が厳しい日々が続くようなら、「これで我が家も極貧に転落か」と思い込んであきらめるのではなく、まずは福祉事務所の窓口で相談してみよう。
  â‰«ï¼ˆç¾ä»£ãƒ“ジネス>社会>社会保障>生活保護・「週刊現代」9月17日号より)

How to 生活保護 生活保護法改定対応版―申請・利用の徹底ガイド〈2015‐16年版〉
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●民進党の生き残り 微成長と分配社会、社民主義の徹底に活路

2016å¹´09月18æ—¥ | æ—¥è¨˜

 

18歳からの格差論
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東洋経済新報社


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●民進党の生き残り 微成長と分配社会、社民主義の徹底に活路

 以下は、植草氏の怒りのコラムだが、読むほどに、あの忌まわしい民主党時代の暗闘が目に浮かぶ。鳩山由紀夫のヘタレ度にも呆れたが、植草氏が悪徳10人衆と引き合いに出した政治家だけではなく、7割近い民主党議員が、悪徳政治家たちだった、そう云う印象すらある。読めば読むほど腹が立つし、見れば見るほど、野田の顔が醜く見える。

 昨日の拙コラムや以下の植草氏のコラムのように、民進党をぼろ糞に評論するしかないのだが、旧民主党(鳩山・小沢ライン)を支持してきた筆者としては、何か救いはないものか、色々と探ってみた。そこで見つけたのが山田厚史氏の「窮地の民進党で「分配政策」を軸に求心力が働き始めた」というコラムだ。読んでみると、民進党の代表選では、それなりに重要な論点があったようだ。分配と云う社会民主主義的イデオロギーが三候補から語られていたのだ。マスメディアで民進党情報に触れる限り、このような情報は皆無だった。以下、植草氏コラム、続いて山田氏コラムを参考引用しておく。

≪ 「火中の栗拾う者」でなく「焼け野原に現れた放火犯」
日本政治を暗転させたのは民主党悪徳10人衆である。
渡部恒三、藤井裕久、仙谷由人、菅直人、野田佳彦 岡田克也、前原誠司、安住淳、枝野幸男、玄葉光一郎 の10名だ。
このなかでの第一級戦犯が菅直人氏と野田佳彦氏である。 この10人が中心になって、鳩山由紀夫政権を破壊した。
そして、権力を強奪し、ポストを弄び、たらい回しにしたのである。 「悪徳」の中核は、「政策転覆」にある。
鳩山政権の使命は日本政治刷新だった。既得権勢力が支配する日本政治を主権者が支配する日本政治に変える。これが鳩山政権の使命だった。
米国が支配する日本
官僚が支配する日本
大資本が支配する日本 を刷新する。
これが鳩山政権の目標であり、存在意義だった。
その具体策が、辺野古の県外、国外移設
官僚天下りの根絶 企業団体献金の全面禁止 であった。
この基本政策をすべて転覆したのが、上記「悪徳10人衆」である。
菅直人氏は日本政治刷新の路線を明示した小沢-鳩山ラインが、 既得権勢力から総攻撃された状況を観察して、手のひらを返した。 敵に寝返り、権力を強奪したのである。
これが2010年6月政権の本質である。 菅直人氏は、基本政策路線を全面転換した。
辺野古基地建設を推進
企業団体献金全面禁止を封印、そして、何の党内論議を経ぬままに、突如として消費税増税の方針を提示したのである。
2010年6月17日の参院選公約発表会見においてのことだ。
政調会長の玄葉光一郎氏は、「マニフェスト発表の場で首相自身の言葉で言ったのだから、当然、公約になる」と明言。
さらに、「2012年度の増税実施可能性」を述べた。 政権交代の偉業破壊は2010年6月に始動した。 権力を強奪した菅直人政権は7月10日の参院選で惨敗。
日本政治が音を立てて転落し始めたのはこの瞬間からだ。
「参院選が菅政権に対する信任投票」と明言していたのであるから、この瞬間に菅直人氏は辞職すべきだった。
ここで、小沢一郎政権が誕生していれば、日本政治の運命は激変していたはずである。
しかし、菅直人氏は1年以上も首相の椅子にしがみつき、後を継いだのが野田佳彦氏だ。
この野田政権が「シロアリ退治なき消費税増税」を強行決定した。
「シロアリを退治しないで消費税を上げるのはおかしいんです」と絶叫した人物が、「シロアリを退治しないで消費税を上げる」ことに突進した。
増税法を強行制定したのが2012年8月。
そして、野田政権は2012年12月に衆院総選挙に突き進んだ。
権力を自民党に献上すること
そして、消費税増税決定を許さず新党を結成した小沢一郎氏が率いる「国民の生活が第一」をせん滅するための解散総選挙だった。
日本政治を破壊した主犯が野田佳彦である。
その野田氏が民進党の幹事長として再登場した。
「火中の栗を拾う者」 ではなく「焼け野原に現れた放火犯」でしかない。
2009年8月30日の総選挙で民主党が大勝。 鳩山由紀夫政権が樹立された。 政権樹立は小沢-鳩山ラインの功績によるものである。
この選挙戦のさなか、野田佳彦氏が行った街頭演説が、のちに 「野田佳彦のシロアリ演説」 として知られるようになる。
この演説を含めて、2009年8月総選挙に向けて、当時の民主党が具体的にどのような公約を掲げていたかを示す三大演説がある。 この内容を改めて確認しておきたい。
「消費税増税前に野田佳彦岡田克也三大演説再確認」
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-f909.html

1.2009年7月14日野田佳彦氏衆院本会議討論演説
http://goo.gl/5OlF8

2.2009年8月15日野田佳彦氏街頭演説
http://www.youtube.com/watch?v=y-oG4PEPeGo

3.2009年8月11日岡田克也氏街頭演説 (誰の作為によるかは不明だが、この動画は削除されている。 岡田氏は歳出の見直しで財源確保は絶対に可能であると主張したが、のちに全面否定に転じた。)
2009年8月15日の、野田佳彦氏による「シロアリ演説」を改めて提示しておく。

「マニフェスト、イギリスで始まりました。 ルールがあるんです。
 書いてあることは命懸けで実行する。  書いてないことはやらないんです。
 それがルールです。
 書いてないことを平気でやる。  これっておかしいと思いませんか。
 書いてあったことは四年間何にもやらないで、
 書いてないことは平気でやる。
 それは、マニフェストを語る資格はないというふうに、  ぜひ、みなさん、  思っていただきたいと思  います。
 その一丁目一番地  税金の無駄使いは許さないということです。
 天下りを許さないわたりを許さない。
 それを徹底してゆきたいと思います。
 消費税1%分は二兆五千億円です。
 十二兆六千億円ということは、  消費税5%ということです。
 消費税5%分の皆さんの税金に、  天下り法人がぶら下がっている。  シロアリがたかっているんです。
 それなのに、シロアリを退治しないで、  今度は消費税引き上げるんですか?
 消費税の税収が二十兆円になるなら、  また、シロアリがたかるかもしれません。
 鳩山さんが四年間消費税を引き上げないと言ったのは、  そこなんです。
 シロアリを退治して、天下り法人をなくして、天下りをなくす。
 そこから始めなければ、消費税を引き上げる話はおかしいんです。
 徹底して税金の無駄使いをなくしていく。  それが民主党の考え方であります。」
   
この野田佳彦氏が2011年9月に首相に就任した。 民主党代表選で野田氏当選に奔走したのは財務省である。 野田氏は消費税増税を強行決定することと引き換えに財務省の支援を得たのである。 そして、消費税増税を強行決定した。
民主党内の「正統派」勢力の多くが野田民主党の強行に抵抗したが、野田氏が強行突破したため、党を割り、新党を創設した。 「国民の生活が第一」である。
当時の勢力規模は、正真正銘の「第三極」だった。 この状況下で野田佳彦氏は大惨敗必至の衆院総選挙に突き進んだ。
2012年内の総選挙に踏み切ったのは、「国民の生活が第一」の政党交付金受領を妨害するためである。
メディアは「国民の生活が第一」のせん滅を目標に情報操作を展開した。
この新党の公約発表会見の日に、中央高速笹子トンネル崩壊事故が発生したのは、偶然の所産ではない。 この選挙で第2次安倍政権が誕生し、メディアが2013年7月参院選での「ねじれ解消」を熱烈推進したために、日本政治は崩壊した。
その結果が、現在の惨状、焼け野原なのだ。 この焼け野原に、放火犯がのこのこ現れた。
しかし、主権者にとって、これは新たなチャンスかもしれない。 これを「奇貨」として活用することを検討するべきだ。 それは言うまでもない。 民進党の解党、民進党の消滅である。
「鵺(ぬえ)」の民進党を消滅させ、本当の野党第一党を樹立することが日本政治再建の原動力になる。
安倍政権は12月のプーチンロシア大統領の訪日を利用して、1月総選挙の作戦を描いている可能性がある。 不意打ち総選挙がある可能性を念頭に入れて、主権者主導の「反安倍候補一本化」作業を急がねばならない。  ≫(植草一秀の『知られざる真実』) *(筆者にて、勝手に改行している。)


 民進党に厳しい目ばかりを向けているのも大人げない。野田幹事長と云う人事を蓮舫代表が、充分に有権者に納得して貰う努力をするかどうかだが、現時点では、その結論は留保しておこう。以下は温情豊かな山田厚史氏の「分配政策に傾注する民進党への期待」に、一目置くことにする。日本の経済成長は、逆立ちしても年1%のGDP成長維持することは不可能だ。この事実は、実際には、多くの日本人に共通した認識なのだが、認めると“負け犬”のようになるので、グズグズしているだけで、腹の中では“百も承知”なのだと筆者は感じている。

 中には、“戦時経済”を夢見る人々も僅かにいるだろうが、極々些少だ。民進党の代表選で“財政学のユニバーサリズム”が語られていたこと自体寡聞にして知らなかったが、民進党の代表選で、三人の候補が共に、社会民主主義的方向性を打ちだしていたとは、露も知らなかった。であるなら、日本共産党や社民党の共闘に、何ら差支えがないと云うことであり、幾分だが、明るい面も認めてやろう。本来であれば、山田厚史氏の解説ではなく、「民進党」自身が、自らの党の宣言として打ち出すのが筋だが、世間の反応待ちと云うビクつきがあるのは気に喰わん(笑)。


 â‰ªã€€çª®åœ°ã®æ°‘進党で「分配政策」を軸に求心力が働き始めた
 民進党の党首が15日に決まる。蓮舫議員の二重国籍問題が騒がれ、討論会も憲法改正への対応や、共産党との選挙協力が取りざたされる程度で、民進党はどんな社会を目指するのか、党首選へのメディアの関心は薄かった。
 世間の期待はその程度だろう。冷ややかな眼差しを受け、民進党に求心力が働き始めたようだ。経済政策に社会民主主義の色合いが強まったのが今回の特徴だ。安倍一強体制への対抗軸を鮮明にするためか、分配に軸を置く政策へと傾斜している。

■安倍政権の「分配」に対し
 その「中身」を問う民進党
 遊説の中で「目指す社会」をめぐる発言を拾うと、明確に語っていたのは前原誠治議員だった。行く先々で「All for all オール・フォー・オール」という表現を使った。 「皆が応分に負担し、皆が受益者になる社会」という意味である。後で詳しく説明するが、財政学でユニバーサリズムといわれる再分配方式に沿った考えで、社会民主主義の思想が底流にある。外交・安保ではタカ派とされる前原議員が経済政策で社民色を鮮明にしたのは意外だった。
「民進党を根っこから変えるために立候補した」という玉木雄一郎議員は「人が支え合うことによって力が発揮できる、希望にあふれた日本を作りたい」と言う。オール・フォー・オールに通ずる発想だ。年間5兆円の「子ども国債」を掲げ、教育・子育てにカネがかからない社会にする、という。
 蓮舫議員も「世代を超えた再配分政策」を主張する。子育て・教育の費用を財政で賄えば、安心して子どもを産むことでき、少子化対策になるという。
 3人に共通するのは「自己責任型社会」ではなく「支え合う暮らし」。目指す方向は、財政を通じた所得の再配分である。
 8月の参議院選挙で民進党は「成長と分配の両立」を掲げた。曖昧というか、安易な表現だった。所得を拡大するには成長が必要だが、成長だけだと格差が広がる。公正な分配で均衡が取れた社会を実現したい、という意味だろう。
 民主党時代はこれでよかったかもしれない。成長一本ヤリだった政権に対し、分配を語るところに野党らしさがあった。ところが安倍首相が分配を口にするようになった(本連載『「分配」を言い始めた首相の焦りに透けるアベノミクスの失敗』参照)。企業に賃上げを求め「成長と分配の好循環」を言い始めたのである。
 首相も成長戦略や規制緩和だけでは経済が回らないことに気づいたようだ。財界にベースアップをお願いするのが分配政策かは疑問だが、スローガンで見れば、分配は野党の専売ではなくなった。焦点は「どんな分配なのか」、政策の中身である。

■所得制限を設けず分配する
 「財政のユニバーサリズム」とは
「いま必要なのは成長に依存しなくても暮らしが保障される仕組みをつくること。財政による再分配システムです」
 若手の財政学者、井出英策・慶応大学教授は財政のユニバーサリズムを提唱している。この考えの基本は、カネ持ちも貧乏人も同じ基礎的な行政サービス(生活に必要な経費)を受ける。健常者も障がい者にも共通するユニバーサルスタンダードを思い描けば分かりやすい。
 例えば授業料無料なら全員が無料。子育て手当も子どもがいる全世帯に配る。所得制限という垣根を設けない。
 分配の原資は、経済力に応じて負担する。仮に所得税率を10%としよう。所得が200万円のAさんの納税額は20万円。3000万円収入があるBさんは300万円納税する。二人の税額は合せると320万円。
 税収は平等に分ける。例えば子育て支援として手当を支給するなら一人160万円になる。所得・納税額・行政サービス(子育て手当)を合算するとAさんは200-20+160で340万円。Bさんは3000-300+160で2860万円となる。
 低所得のAさんも富裕層のBさんも同じ行政サービスを受けるが、財政の分配機能を通じて所得格差は緩和される、という仕組み。
 負担は消費税で行うか、所得税や資産税でするか。基礎的行政サービスをどの範囲まで広げ、どれくらいの水準に定めるかなど制度設計は、政治が判断すればいい。ポイントは「同じサービスを受ける」ということだ。
 所得制限を設けると、負担だけ回される人たちに不満が残る。分かりやすいのが生活保護世帯への冷ややかな眼差しだ。
 一億総中流だった日本も今では中流が崩れ「中の下」と思っている人が増えている。自分も苦しいのに、どうしてあいつらだけいい思いをするのか、という鬱屈した感情が噴き出すことがある。
 生活保護を受ける側も2級市民のような気まずい思いにとらわれがちだ。権利であるのに申請をためらう。受給資格を審査する行政のご苦労も事務コストもばかにならない。所得制限は社会を分断するヒビになりかねない。
 民主党政権が子ども手当を導入した時、「金持ちにまで支給するのか」「予算の無駄使いだ」という異論が上がり、議論の末、所得制限が導入された。
 財政事情が苦しいときに必要でない人にまで支給するのは無駄、という主張は一見もっともらしいが、「皆で支え、サービスは一律」というユニバーサリズムの原則に照らせば、所得制限の導入は「理念の敗北」だった。

■経済成長依存の社会モデルは破綻
 セーフティネットの支えでリスクへの挑戦を
 1990年代初頭にバブルが崩壊し、日本経済は長い低迷の時代に入った。1991年から2015年までのGDP成長率は平均年率0.89%。21世紀に入ってからの15年間の平均は0.73%だった。成長率のトレンド線は1%に満たない。これが日本の実力というか、現実である。
 歴代の政権は似たような成長戦略を作っては空振りしていた。成長にこだわるのは過去に成功体験があるから。戦後の日本は「右肩上がり経済」を前提 に社会が作られていた。成長の果実を分配することで今日より明日が豊かになる。消費しきれないほど生産し、輸出で経済を膨らますこともできた。
 ところが20世紀末から本格化したグローバル化が成長の方程式を狂わせた。冷戦が崩壊し世界丸ごとの市場経済が海外への生産移転を促す。輸出は現地生産に替わり、安い途上国の製品が流入、製造業の労働者は途上国の低賃金労働と競争を強いられる。
 成長モデルは修正を迫られ、同時に起こった人口減少が国内市場を収縮させた。1980年代末のバブルは輸出主導・大量生産という繁栄のフィナーレを飾る花火だった。
 資本も労働力も設備投資も海外に流れ、ガスが抜けたように成長力が減衰した。頼りは国内の消費だが、貪欲な資本は労働者の取り分を減らす。バブル 崩壊を乗り切るため雇用を減らし、賃金を抑え、正規労働を非正規に切り替えた。それぞれの企業が合理的な選択をした結果、国内経済の支えである個人消費を 冷やす。共働きが当たり前になったが、育児や教育費にカネがかかる。子どもを産める状況ではない。人口減少は日本経済の潜在成長力を削ぐ。もはや経済成長で問題を解決することができなくなった。これが日本経済の基本問題だ。 「将来不安が蔓延している。政府の仕事は安心できるセーフティーネットを張ることだ。思いきりリスクに挑めることが経済に活気を与える」
 東大名誉教授の神野直彦は言う。ユニバーサリズムで言えば、無償で政府が提供する基礎的な行政サービスが「安心のセーフティーネット」になる。
 民進党の政策を当てはめれば、欧州の多くの国で実施されている大学の無償化や子育て手当、介護や社会保障の拡充などが行政サービスとして組み込まれるだろう。

■問題は財源
「増税では選挙に勝てない」が…
 問題は安心システムの値段だ。みなで支え合う、というのは簡単だが負担は税金だ。 「増税を掲げて選挙は戦えない」という声が民進党内にもある。消費税反対を唱えて政権に就いた民主党が国民の不信を買ったのも消費税増税に転じたからだ。
 安倍首相が消費増税を先送りして総選挙に勝ったように、増税は選挙に臨む政治家にとってタブーとなっている。
 日本では「小さい政府」を主張すると受けがいい。行政の無駄を排することが正義とされ、小泉行政改革は「民間でできることは民間で」と官僚に予算と権限を与えることは悪である、というムードを作った。
 財政を通じた所得再配分は「大きい政府」である。信頼に値する政府でなければできない。ユニバーサリズムが国民の支持を得るには納税者の意識や政府への信認など、課題が山積している。
 民進党の有志議員は党首選挙を前に3度にわたって井出教授の講義を聞いた。 「基本的に民進党は井出さんの考えに近い。しかし財源問題が出ると票は逃げていく。そこが悩ましい」
 蓮舫議員のブレーンはそう語る。玉木議員が教育・子育てに毎年5兆円の子ども手当を「国債で」と主張しているのも、「税で負担」と言えば相手にされないことを知っているからだろう。5兆円は消費税2%足らずだが、増税を担いで党首選挙は戦えない。 「私は敢えて選挙至上主義と言います。どんなに立派なことを言っても選挙に勝てなければ政策は実行できない」
 玉木議員は遊説でそう語った。 「財源問題から逃げない」というのは前原議員だけだ。雑誌「世界」9月号で前原議員は井出教授と対談し、共産党との選挙協力に触れて次のように語っている。 「参議院選挙での税と社会保障の政策は生煮えだった、あるいは奥行きが足らなかったことを踏まえて、人間の尊厳を大事にした生活保障、財源論を正面切って打ち出すということだと思います」
 そして「われわれが目指す内政の基本的な考え方は社会民主主義だ」とも言っている。
 政治的にセンターライトといわれる前原議員とは思えない発言だが、目指す社会の在り方は「All for all」である。
 表現は違っても蓮舫議員も玉木議員もこの路線だろう。
 有権者がどう考えるか、である。ユニバーサリズムはリベラルな財政学者の間では語られてきたが、庶民には馴染みが薄い。
 新自由主義に乗って流布された「構造改革」や「小さな政府」の成果が上がらず、人々に飽きが生じている。
 井出教授は「日本はこれから貧しくなる。人は貧しくなれば助け合おうとする」と言う。助け合うのか、さらに分断が強まるのか。日本社会の在り様が試されているのかもしれない。
 ≫(ダイアモンドONLINE>国際>山田厚史の「世界かわら版」)

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●ご祝儀が不祝儀に切替った瞬間 最悪にして、最適な幹事長人事

2016å¹´09月17æ—¥ | æ—¥è¨˜
増補 “悪夢の新幹線
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●ご祝儀が不祝儀に切替った瞬間 最悪にして、最適な幹事長人事

 やはり、蓮舫民進党代表は党幹事長人事で、最も忌み嫌われる花斉会の親分、民主党政権を自民党安倍晋三に売り渡した“売党奴・野豚”と呼ばれる前首相・野田佳彦を選んだ。民進党のコアが、準自民党的であるなら、このような選択は、党内バランス上ありだろう。しかし、一般ピープルの目から見るならば、最低、最悪、獄門打ち首に等しい、否、青酸カリを飲み干すくらい即効性のある“自殺方法”ではないかと映るに違いない。

 しかし、ある程度、民進党の体質を知っている人間から見ると、専守防衛航行においては、あり得る選択可能な人事だったと考えることも出来る。蓮舫代表は、個人的話題性(人気)で、野党第一党の代表になったは良いのだが、民進党内で、党務と云う類に長けていると云う話は聞いたことがない。つまり、自分に強く逆らう人間のいない場では、元気のいい、甲高い声と青筋で持論を展開できるが、蓮舫の論理矛盾など、揚げ足取り等、隙あらば斬る、そう云う鵜の目鷹の目連中と対峙するのが怖いのだろう。そう云う意味で、党としては最悪な幹事長だが、蓮舫代表にとっては最適の野田幹事長なのである。

 本来であれば、蓮舫代表による野党第一党民進党の党役員人事の刷新によって、ご祝儀相場ではないが、ご祝儀支持率アップが一般的だが、今回の蓮舫代表の党役員人事では、不祝儀相場になりかねない。今月の朝日新聞世論調査では、各党支持率は、≪自民40%、民進7%、公明4%、共産3%▽維新2%、社民1%、生活0ï¼……支持する政党はない37%答えない・分からない5%≫となっているが、次回の世論調査が見ものだ。おそらく、4~5%台に急落する可能性が見えてきた。連合等々は今まで通りのスタンスだろうが、一般ピープルの理解を得るのは、ほぼ無理なのだと思う。4%台に落ちると、蓮舫代表責任論まで出てきそうだ(笑)。

 野田佳彦が自らシャシャリ出てきたと云う事ではなく、やはり、蓮舫に懇願された可能性の方が強い。しかし、民進党内の力の均衡には役立つ人事も、一般ピープル受けをする人事ではない。野党は野党であり、政策で国民を引きつけるのは非常に難しいわけだから、自民党安倍政権の弱小版政党では、おおさか維新と、何ひとつ変わらない。改憲にも賛成だし、原発再稼働にも賛成、辺野古移設にも賛成、消費増税にも賛成。安保法制も9条改憲を除き賛成。違いを見つけるのが困難なような政党になる可能性は高まっただろう。

 民進党が、このような変貌を遂げてしまうと、民進・共産・生活・社民による“野党の連携”にもヒビが入る可能性さえ見えてくる。朝日新聞、9月10,11日調査によると、各党支持率は、概ね≪自民40%、民進7%、公明4%、共産3%▽維新2%、社民1%、生活0ï¼……支持する政党はない37%答えない・分からない5%≫となっているが、民進が4%台となると、連携の核の立場を共産党に譲る事態にもなりかねず、共産・生活・社民+自民、民進離党者などで構成する反安倍政治政党像が浮かんでくるが、これも相当に妄想的である。どうも、一段と安倍自民党政権の一強が継続するばかりの情報ばかりが闊歩している。

 こうなると、自民党内の権力闘争、“菅官房長官vs二階幹事長”の全面対決とか、アメリカ大統領にドナルド・トランプ氏が就任するとか、東証株価が1万円の大台を切るとか、Ⅿ8クラスの東海地震が起きるとか、川内原発が事故を起こすとか、北朝鮮が秋田や北海道にミサイルを撃ち込むとか、兎に角大ショックが起きないと、何も変わらないのかもしれない。いや、逆に、現在の消去法的政治選択では、一層安倍自民に支持が集まることも充分にある。どうも、日本の社会はどちらに転んでも“糞詰まり”そう云う悲壮な姿が浮かぶのだが、一般ピープルに、そんな危機感は微塵もない(笑)。

 東京新聞が16日の社説で、大いに蓮舫民進党の門出に期待する話を書いてくれたわけだが、瞬時にして、その期待を裏切る可能性が高くなった。小泉元首相が、毎日新聞のインタビューで民進党の現状を憂いて「ひどいよ、あれ。ガッタガタじゃないか。何やってんだよ」と皮肉にもエールを贈られている。東京新聞は、高尚な立場から、「包摂」と「説得」の政治文化を取り戻す契機としてほしい、と述べているが、野田幹事長と蓮舫代表では、“切り捨てご免ん体質”が全面に出てきそうだ。

 東京新聞はまた、私たち有権者も、選択肢となり得る政党を根気強く育てる努力を怠るべきでない。それが自分たちの民主主義を強くする。傍観や冷笑は民主主義の自殺行為である、と述べている。抽象的にはその通りだが、今回の人事を眺める限り、蓮舫代表は選択肢となり得る野党の立場はいりませんと宣言したも同じだろう。せめて、枝野幹事長の継続であれば、一般ピープルの期待をある程度引き留めておくことも可能だったが、野田豚では、自ら野党第一党の地位を、大阪維新に譲ったようなものだ。どうも、花斉会の体質は、敵対勢力に塩を送るのがお好きなようだ。

 â‰ªæ°‘進代表に蓮舫氏 包摂と説得の政治へ
 民進党新代表に蓮舫参院議員が選出された。党勢回復は前途多難だが、「安倍政治」が欠く「包摂」と「説得」の政治文化を取り戻す契機としてほしい。
 民主党と維新の党が合流して三月に結成された民進党。初の選挙による代表選びは、代表代行だった蓮舫氏(48)が、かつて民主党代表を務めた前原誠司元外相(54)、初めて代表選に立候補した玉木雄一郎国対副委員長(47)を退けた。
 蓮舫氏は、旧民主党時代を含めて初の女性代表だ。国会議員、国政選挙公認候補予定者、自治体議員、党員・サポーターのすべての票を制したことからは、同氏への期待の高さがうかがえる。
◆傍観や冷笑ではなく
 蓮舫氏は新代表就任のあいさつで「これからもいばらの道、険しい道かもしれない。それでも登り続けて、しっかり政権を担い、私たちが今、同じ思いを持つ国をつくりたい」と述べた。
 新代表が自覚するように、民進党を取り巻く政治状況は依然厳しい。政権転落した二〇一二年の衆院選以降、国政選挙では四連敗。政党支持率も10%前後と低迷し、40%前後を維持する自民党に大きく水をあけられている。
 政権転落から四年近くがたっても、反転攻勢のきっかけがつかめないのが実情だ。旧民主党政権時代、公約に違反し、未熟な政権運営で期待を裏切ったことへの有権者の不信感が、それだけ大きいということだろう。
 一度失った有権者の信頼を取り戻すのは容易ではないが、野党第一党がこのまま低迷し、政権の選択肢になり得ない状況が続くのは日本の民主主義にとって不幸だ。
 私たち有権者も、選択肢となり得る政党を根気強く育てる努力を怠るべきでない。それが自分たちの民主主義を強くする。傍観や冷笑は民主主義の自殺行為である。
◆政策論議に労厭うな
 自民党政治の後追いや二番煎じでは、再び政権を担い得る選択肢とはなり得ない。安倍晋三首相が総裁として率いる自民党が失い、ぽっかりあいた穴を埋めるような政治が、政権を目指す蓮舫民進党には求められている。
 それをあえて「包摂」「説得」と表現し、民進党の政策立案の指針に加えるよう望みたい。
 包摂とは字義通り「包み込む」ことである。政治「改革」で衆院に小選挙区制が導入されて以降、「敵」か「味方」かに分け、過剰に攻撃する風潮が国会内のみならず、社会全体に広がる。政権に異を唱える者を徹底的に攻撃し、排除しようとする傾向すらある。
 経済政策や社会保障政策も同様である。社会的弱者を自己責任論で切り捨てる。一部の者は富を増すかもしれないが、経済格差が広がり、結果として社会全体から意欲と活力を失う。そのような冷徹な社会が、日本が追い求めてきた理想の姿なのだろうか。
 人間は独りでは生きてはいけない。一人一人が社会の重要な構成員だ。安倍政権が手を付けようとしない今こそ、包摂の政治へと転換の可能性を示す好機である。
 民進党は具体的な政策づくりに直ちに着手すべきだ。二年以内に行われる衆院選までに、政権選択肢となり得る政策を有権者に示さなければ、党の存在意義はない。残された時間はあまりない。
 大きな政党には多様な考えを持つ人が集うのは当然だ。民進党内では安全保障、原発・エネルギーなど重要政策をめぐる意見の違いも指摘される。だからといって亀裂を避けるために意見集約を避けるのでは本末転倒だ。
 つらくても労を厭(いと)わず侃々諤々(かんかんがくがく)の党内議論を進めるべきである。重要政策をめぐって党内の意見が分かれたままでは、有権者から政権交代への意欲を疑われる。
 「説得」も民進党が自民党との対立軸として示すべき政治文化である。安全保障関連法の採決強行を例に挙げるまでもなく、安倍政権下では、自分たちの主張のみが正しく、反対意見を聞き入れようとしない場面が目立つ。
 かつての民主党政権にも同様の傾向があったことは否めない。
◆民意畏れる謙虚さを
 しばしば「説明責任」を果たす必要性が指摘される。国民の理解を得ると言いながら、説明の努力すら怠るのは論外だが、一方的な説明だけでは、政治の責任を果たしたことにはならない。
 以前の自民党には民意を畏れ、有権者に分け入って理解を得ようと努力する謙虚さがあった。今の自民党がそれを欠くのなら、新生・民進党が代わりに示せばいい。
 代表選期間中、蓮舫氏は台湾との「二重国籍」が指摘された。多様性を否定する個人攻撃だとしたら嫌悪感を禁じ得ないが、二転三転した蓮舫氏の説明が有権者に好印象を与えたとも言えない。事実確認を怠った反省を教訓に新体制の運営に全力を傾注してほしい。
 ≫(東京新聞:16日付社説)

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●ロシアが伝える「国際ニュース」 報道の自由度148位だが…

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●ロシアが伝える「国際ニュース」 報道の自由度148位だが…

 ロシアの報道の自由度ランキングは、日本の72位よりさらに悪く、148位なのだから、その報道機関「スプートニク」が報じるニュースは“ロクなものじゃない”と思うだろうが、ランク付けをしている国際NGO「国境なき記者団」が、西側陣営寄りのNGOなので、中露など旧東側諸国へのまなざしが手厳しいと云う点は割り引いておいた方が良い。今夜は、ここ数日のロシア報道機関スプートニクが伝える「国際ニュース」を拾い読みしてみた。「スプートニク日本」のサイトニュースは、他国の報道機関が流した情報の二次使用的ものが多く、必ずしもプロパガンダ一辺倒と云うものではない。

 紹介方法は、筆者が興味を持った記事の“見出し”とそのURLだ。筆者の抜粋では物足りないとお思いの方は、直接、以下のトップページから、閲覧することをお薦めする。「スプートニク日本」の記事は、ロシアが、日本の人々に伝えたい伝言板だと思えば、相当の価値がある。今後は、時々、以下の感じで、中国や韓国の報道機関の記事も紹介する。

『スプートニク日本』
http://jp.sputniknews.com/

★ひきこもり事情の日露比較、家にこもる日本人と家出するロシア人 http://jp.sputniknews.com/opinion/20160914/2774651.html

 â˜…米中の軍事紛争は十分ありうる、タイムズ紙
http://jp.sputniknews.com/us/20160914/2772543.html

★ナショナル・インタレスト、米国がロシアと中国との「二重の戦争」を遂行できるかを語る
http://jp.sputniknews.com/politics/20160829/2701294.html

★専門家:西側のロシア悪魔化は冷戦時代を超えている
http://jp.sputniknews.com/politics/20160829/2701084.html

★米大統領選、最新世論調査ートランプ氏、クリントン氏を約5%上回る
http://jp.sputniknews.com/us/20160915/2778348.html

★ストーン監督の映画「スノーデン」は欧米市民に見て欲しい、露大統領報道官
http://jp.sputniknews.com/life/20160915/2778293.html

★米TV、ヒラリー・クリントン氏が死去と誤報(動画)
http://jp.sputniknews.com/us/20160915/2777569.html

★ペスコフ報道官、米大統領選の「悪名高いロシア嫌い」について声明
http://jp.sputniknews.com/politics/20160915/2776737.html

★「全部プーチンのせい」:米紙、クリントン演説を嘲笑
http://jp.sputniknews.com/world/20160827/2698302.html

★仏野党党首ル・ペン氏、EU離脱の国民投票組織に用意ある
http://jp.sputniknews.com/politics/20160915/2776630.html

★専門家:古代であればヒラリー・クリントン氏は病気が原因で殺されていた可能性がある
http://jp.sputniknews.com/us/20160915/2776597.html

★トランプ氏勝利で中国経済は大打撃
http://jp.sputniknews.com/politics/20160914/2775418.html

 â˜…原子炉2基が米国で出品
http://jp.sputniknews.com/business/20160914/2773892.html

★「人類は、一つの言葉で話している」ー国際専門家グループの分析
http://jp.sputniknews.com/science/20160914/2772661.html

★米国でスノーデン氏恩赦の署名活動開始
http://jp.sputniknews.com/life/20160915/2778902.html

★西側による制裁がロシアのエネルギー諸計画を邪魔しているとき助けに来る日本
(将来性のあるガス田開発分野におけるロシアの新たな海外パートナーとしての日本を、ビジネス誌「Forbes」が報じた。)
http://jp.sputniknews.com/business/20160909/2748033.html

★18件のプロジェクトからなる露日協力プランが近いうちにもでき上がる
http://jp.sputniknews.com/business/20160907/2742526.html

 â˜…ヒラリー・クリントン氏、容態の新データーを公表
http://jp.sputniknews.com/us/20160915/2780046.html

★広島と長崎、プーチン大統領を招待
http://jp.sputniknews.com/world/20160915/2779401.html

以上。
 ≫(★見出しは、2016年、9月15日までのスプートニク日本。順不同)

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