欧州人権条約(1950年)
前文
欧州評議会の加盟国は、基本的な自由に忠誠をつくすことを再確認する。基本的自由は、世界における正義と平和の土台を成すものである。そしてなによりも、真に民主的な政治体制と、万人による人権の尊重を拠り所にすることによって、基本的自由は維持される。
伝統的に移民受け入れ国であるフランスは、国内に居住する外国人に社会的地位を与えるという問題に直面してきた。共和国は極めて早期に、移民およびその子どもたちに、フランス国籍をもつ権利を与えることによって、フランスの社会に統合させる意思を表明した。すなわち市民としての資格を得るということである。そして彼らの基本的権利を擁護することで、移民の社会的同化を推進してきた。にもかかわらず、この統合の役割は、日常の生活では一様ではない。
高校1年の教科書「市民、法律、社会を学ぶ」より抜粋
フランスの高校1年生の教科書「市民、法律、社会を学ぶ」の、先進国における貧困を扱った箇所で紹介された記事です。
日本―終身雇用
サトウ・マヤヨシ(ママ)氏は、53歳である。1993年9月から、借金をして買った小さな家で、閉じこもるように暮らしている。「私は週末しか、外に出ないんです。近所の人は、土曜日と日曜日にだけ、私が元気でいることを確認することができるんです」と話す。
サトウ氏は、解雇される前は、不動産会社の管理職であった。日本では終身雇用が日本型資本主義を構成する基盤のひとつであるが、失業したときにはマイナスに働くことになる。「私は歳をとりすぎているので、どこも雇ってくれません」。他の多くの管理職と同様に、サトウ氏も解雇がもたらす日本の悲劇の犠牲者の一人である。
C.Leblanc, Le monde diplomatique, 1994年5月
この猫、前にも紹介しましたが、散歩の途中リュックサックを地面に置くと、その上でくつろぐようになりました。その間、散歩は中止です。
街中で、ちょっと見かけたポスターです。現在、2枚に1枚の紙が、分別され、リサイクルされています。
私たちはもっとできるはずです!
分別によって、紙はより多くの命を与えられる。
フランスの研究によると、原発付近の若い住民に白血病の発症率が2倍であることが認められた。 19あるフランスの原発の一つで、その5キロ圏内に住む子どもや青年は、白血病の発症が2倍であった。この真偽を確かめるのは難しいかもしれないが、一つの警鐘ではある。癌についての国際的な雑誌のサイトに配信された内容はこのようなものであった。それは、脱原発のネットワークや西部放射能監視団体(ACRO)によって、それを原子力産業についての議論の材料として受け継がれている。
誰も貧困率に関心を示さない。CAC40* にも反映しない。貧困率の上昇は、こんなものなのか。7月(2007年)の国立統計経済研究所の発表も、見過ごされたままである。しかし、無関心のままで済ますわけにはいかなかったはずである。昨年明らかになった2005年の貧困率は著しく悪化し、11.7%から12.1%に上昇した。上昇は、この調査が始まって以来、最も顕著であった。明らかなことは、25万人もの国民が貧困になったということである。
所得税に累進制を適用するには、課税所得を「薄切り」に区分しなければならない。薄切りされた所得にたいする税率は、世帯の所得総額とは無関係になる。
累進課税とはなにか?
税の徴収は支払い能力に基づいており、富者は貧しい者より多く納めなければならない。しかしどれくらい多く納めなければならないか?議論となるのは、大体この点になる。
不平等を説明する
原初的所得、とりわけ賃金の不平等をもたらすものは、一つではない。これを説明するもっとも新しい理論に、ヒューマン・キャピタル論がある。この理論は、どれだけ生産に貢献したか、つまり生産性に応じて報酬が与えられると考える。これとは相容れない他の説明は、学歴や職務上の責任などを強調する。特に危険や困難をともなう職業にたいしては、一般に高い報酬が認められている。
作用する二つの論理―保険と扶助
国家はまず、所得を再配分する。[…] とりわけ、各世帯への社会保障の諸手当のために。[…] 社会的諸手当は、なんらかのリスク(病気、事故、失業)が身に起こった時に世帯の収入を確保するために、あるいは老齢に備えるために(年金)、または子どもの教育費の一部を負担するために寄与するものである。
養育手当
<問題>
1.説明する―養育手当とは、どういう手当でしょうか?どんな世帯が享受できますか?
2.調べる―他の家族手当について知っていますか?
不平等を減らすため、再配分する フランスの社会保護制度は、貧困と闘うための手段としてではなく、むしろいくつかのリスク(病気、失業、老化など)から労働者を守るためにつくられた。すなわち分担金を払うことによって、リスクから身を守る権利を獲得することである。それは労働者の基本的な欲求(健康)に応え、不平等を少なくする。
労働に対する報酬が、そのまま各世帯が受け取る所得になるのではない。一部は、再配分という手が加えられる。天引きもしくは振り込みによって、総所得にたいし、最初の配分がおこなわれる。にもかかわらず、この再配分によって、世帯間の購買力や生活水準における著しい不平等がなくなるわけではない。可処分所得の大部分は消費に向けられるが、一部は貯蓄に回る。その額も、恵まれた世帯においては多額となる。
最近、ブログの更新の速度が極端に遅くなりました。原因は、一つには気力の問題、そしてもう一つは、Education Civique, juridique et Socialeという高校1年生用の公民教科書を読みはじめたことにあります。
この公民教科書は、古今の文献や新聞記事から、Citoyennetéに関する部分の抜粋です。資料の多さ、それに難解さもあって、悪戦苦闘を強いられています。各章は、概論、Citoyennetéと反市民的行為(Incivilité)、移民、労働、家族の絆との関連という内容になっています。これを読むと、共和国のCitoyennetéなるものが大体をつかめるような気がしているのです。そして、その後のブログにいかせるのではないかと思うのです。
しかしその間ブログが更新しないのも、私の望むところではありません。さいわい今日サン・ミッシェルの本屋をのぞいたら、Sciences Economiques et Socialesという本を見つけました。これは表題にあるように、社会、経済、政治の問題をわかりやすく解説したものです。もちろん共和国の理念に基づいた内容になっています。これを少しずつ、それに市の図書館で新聞記事を漁って、興味深いものを紹介していこうと思った次第です。
更新の間隔は長くなるとは思いますが、引き続きよろしくお願いします。
jeanvaljean
ル・モンド紙が橋下大阪市長誕生について記事を載せました。日本の政治がフランスの新聞に載ることは極めて希なことです。それだけ重要視しているのだと思われます。
まず妊婦と子どもを
「無責任」、「無能力」。環境保護団体である東京のグリンピースは、日本政府の態度を形容するのにこれ以外の言葉が見つからないといった。「福島市内およびその近郊に、新たな放射能のホット・スポット―例えば庭の中で、毎時37マイクロシーベルト―が見つかり、また除染計画の不適切さや、連携の悪さが露呈した今、私たちは、汚染地区で生活している妊婦や子どもたちを至急移転させるという、私たちの要求書を改めて提出します」と、非政府組織は要求する。
[ブローニュ・ビーヤンクール市の図書館で見つけた記事です。古い記事で申し訳ありません。]
新年、おめでとうございます。
フランスでは,「ボナネー」bonnr année といいます。
ここシャンゼリゼでは、新年のカウントダウンが終わった習慣、周りの人とキッスをします。写真は、12月31日に撮影したものです。私は10時で引き上げました。