貴族身分は代表を先頭に、真っ先に彼らを救ったアルトワ伯[国王の次弟-訳注]のところへ駆けつけ、礼を言った。次いでプロバンス伯[国王の長弟-訳注]のところへもまわったが、彼は用心深く家に籠っていた。貴族の多くはまた、勝ち誇ったように目を輝かした王妃に面会した。王妃は娘に手を貸し、王太子を抱きながらこう言った。「王太子のこと、あなた方貴族にお任せします」。
ネッケル
同じ日の22日月曜日、ネッケルはまだ空しい闘いを続けていた。ネッケルの改革案は曖昧な穏健さを含んでいるので、自由にとってかえって有害であった。より単刀直入で、現実をありのままに掴み出した、もう一つの改革案が、ネッケルの案にとってかわった。ネッケルはもはや善と悪との罪深い調停人でしかなく、正義と不正義の間の見せかけの均衡を保とうとしていた。人民の機嫌をとり、人民の敵の機嫌もとるという具合に。最終的な会議が、月曜にヴェルサイユで開かれた。そこに招集された王弟や公爵たちが、このどっちともつかない調停者、合理と不合理が真正面からぶつかるのを邪魔するネッケルを排除したことは、自由にとって大いに役立ったのである。