はてなキーワード: 熟女とは
「よく捕れた。今月はこれで終わりにしよう」
正午前、仕事部屋となっている2LDKのリビングに主任の声が響く。
身持ちの似た5人の男性従業員がダイヤル式の金庫にUMPCを戻していく。
セクシー女優の着エロ時代遡り取締法、着取法が諸外国の圧力により施行されて数年。
視聴の検挙は民間事業者に委託され、夜の旅人たちを奈落の底に引きずり込んでいる。
しかし抜け穴をかいくぐる再アップは後を絶たず、IT崩れやギグワーカー、多様な人材がより良い待遇を求め集散している。
前菜はフルーツトマトのジュレ入りスープ。瀟洒な店と料理に似つかわしくない野郎どものランチ。
「こないだの奴さ、モニターハックして現行犯って言ってやったらさ、半泣きで見てませんとか言うのよ。で、ログをツラツラ見せたらよ、
下向いて泣いてやんの」
「そう言えば、あれ紛らわしくない?セクシー女優じゃないアイドルの着エロ時代ってOKでさ、ハメ撮りが出回ってる地下アイドルの
好成績の為、会話も自ずと弾む。
Tボーンのビステッカの余韻を楽みながらグラッパを傾けていると、
「料理には、前菜があってメインがある。だからこそ豊かなんだ。あんたがたのやっている事は、豊かさの略奪だ」
「あー草津にでも行こうかな」
バイク乗りの同僚が言ったその時
「豚が!!」
重い音を立てて主任が倒れ込む。
「豚が!!自由をむさぼる豚が!!」
暴漢は走り去る。再アップに加え、着取法反対派の抵抗は過激になっている。
「主任!」
押さえた腹部から血が噴き出す。
「ああいうな…信じて疑わない理念の為に、とんでもない事をしでかすのは、誰にでもあるんだ…」
呻きながら主任は続ける。
「そうなれば、俺のデスクの一番下の引出しのコレクションも、立派な検挙対象って訳だ…」