2021.11.21
アイの歌声を聴かせて
さて、元々気になっていた作品だったんですが
そろそろ上映が終わってしまいそうだったので急いで見ました
吉浦監督というと、私は「イヴの時間」という作品で知って、それが面白かったんですよね
さかさまのパテマはあまり興味が無くて見ていなかったんですが
今回はイヴの時間と同じくAIをテーマにした作品ということで気になって見ました
あらすじ
高校生のシオンは転校初日、クラスで孤立するサトミに「わたしが幸せにしてあげる」と宣言し、ミュージカルのように歌い出す。変わり者だが勉強もスポーツもでき、明るいシオンは、すぐにクラスに溶け込む。そして、ところ構わず歌い出したり、突飛な行動で周りを騒動に巻き込んだりしながら、サトミやクラスメートたちの心を動かしていく。
あらすじには書いてないですけど、映画の中では最初からシオンがロボットであることは分かってるんですよね
むしろ突飛な行動をするのでサトミがなんとかクラスに馴染めるように頑張っていた印象が・・・
舞台は今より少し未来でAIが生活に溶け込んでいる大企業がある都市
ちょっとした描写なんかも凝っていて世界観の描写が結構好きでした
ストーリーとしては最初はロボットであるシオンが色々と騒動を起こしながらもクラスの生徒たちの問題を解決していく王道な印象でした
こういったエピソードの積み重ねはイヴの時間を思い出しました
それぞれキャラも立っていたし、エピソードも悪くないと思います
歌うシーンについは唐突感があってちょっと入り込めない部分もあったかな?
ミュージカルとは違ってあくまでもシオンが唐突に歌ってる設定だったので
そんな中でも良かったのは柔道シーン
音楽と柔道の動きが上手くハマっていて見ていて楽しいシーンでしたね
シオンが友達として皆に溶け込んだ後に問題が発生してそれに立ち向かうというのもオーソドックスな印象
ただその中で何でシオンは最初からサトミを知っていたのか
何故何度もシオンを幸せにすると言っていたのかという謎の理由が分かります
しっかり伏線はあったし、色々な部分がつながって素直に良かったです
ただ、私はこの事実が分かったときに
シオンがずっと見守っていてくれたことに感動した!とはならずにちょっと怖いな・・・って思ってしまったんですよ
いや、だってあらゆる防犯カメラを使ってAIが自分を記録しつづけてきたって考えたら怖くないですか?
ここって感動する場面だったんだろうけど・・・そこに乗り切れなかった時点で後半も乗り切れないままだったのは残念だったかな
あとはAIの良い部分ばかりにしか触れられなかったのもちょっとモヤりました
確かにシオンはAIとして成長していく中でサトミの幸せを願って確かに幸せにした
でも他のAIは悪意を学んでしまうかもしれない
(ゼロワンのラッパーとかが思い浮かんでしまった・・・)
大人たちの危惧は当然で、そこに対してはスルーされていたのでどうなんだろうか?と
映像や演出は派手で綺麗でしたね
サトミを呼び出した夜の光の演出とか
シオン救出時のAI達の手伝いの場面とかはアニメーションとしてもとても良かったです
ムーンプリンセスもしっかり伏線として使っていたのも良かったです
ただ大企業の描写はちょっと安易に感じてしまったかな
西城とかいかにもな悪役的な感じでしたし
サトミとトウマの描写とかは素直に微笑ましかったですね
色々抱えながらも皆良い子で高校生らしかったし
声についてはサトミの福原さんは何度も声優の仕事をしているので、違和感もなく普通に聞けました
シオンの土屋さんは僕だけがいない街でも声優やってたんですよね
ポンコツAIの役だったので、聞いててそんなに気になりませんでした
あと歌も良かったですね
トウマは陰キャなパソコンオタクな感じで逆にあの素人っぽい声がキャラクターにマッチしてましたね
不器用な感じが出ていて良かったです
あとは声優の人で固めてた感じでした
カズレーサーには気づけませんでした
絵柄は少し古めかもしれないですけどキャラの描き分けもできてるし見ていれば気になりませんでした
シオンの表情とかでどっかで見たことある気がしてたんですけど
ハチミツとクローバーのキャラデザをやっていた方がキャラデザしていたと聞いてちょっと納得しました
アニメ制作自体はJCSTAFFだったのもちょっと意外でした
作品としてはしっかりまとまっているし、映像的にも見どころがあって良い作品だったと思います
ただ個人的にはこの作品の核の部分で感動しきれなくてちょっと入り込めなかったのが残念だったかな
ギリギリでも映画館で見ることができて良かったです
そろそろ上映が終わってしまいそうだったので急いで見ました
吉浦監督というと、私は「イヴの時間」という作品で知って、それが面白かったんですよね
さかさまのパテマはあまり興味が無くて見ていなかったんですが
今回はイヴの時間と同じくAIをテーマにした作品ということで気になって見ました
あらすじ
高校生のシオンは転校初日、クラスで孤立するサトミに「わたしが幸せにしてあげる」と宣言し、ミュージカルのように歌い出す。変わり者だが勉強もスポーツもでき、明るいシオンは、すぐにクラスに溶け込む。そして、ところ構わず歌い出したり、突飛な行動で周りを騒動に巻き込んだりしながら、サトミやクラスメートたちの心を動かしていく。
あらすじには書いてないですけど、映画の中では最初からシオンがロボットであることは分かってるんですよね
むしろ突飛な行動をするのでサトミがなんとかクラスに馴染めるように頑張っていた印象が・・・
舞台は今より少し未来でAIが生活に溶け込んでいる大企業がある都市
ちょっとした描写なんかも凝っていて世界観の描写が結構好きでした
ストーリーとしては最初はロボットであるシオンが色々と騒動を起こしながらもクラスの生徒たちの問題を解決していく王道な印象でした
こういったエピソードの積み重ねはイヴの時間を思い出しました
それぞれキャラも立っていたし、エピソードも悪くないと思います
歌うシーンについは唐突感があってちょっと入り込めない部分もあったかな?
ミュージカルとは違ってあくまでもシオンが唐突に歌ってる設定だったので
そんな中でも良かったのは柔道シーン
音楽と柔道の動きが上手くハマっていて見ていて楽しいシーンでしたね
シオンが友達として皆に溶け込んだ後に問題が発生してそれに立ち向かうというのもオーソドックスな印象
ただその中で何でシオンは最初からサトミを知っていたのか
何故何度もシオンを幸せにすると言っていたのかという謎の理由が分かります
しっかり伏線はあったし、色々な部分がつながって素直に良かったです
ただ、私はこの事実が分かったときに
シオンがずっと見守っていてくれたことに感動した!とはならずにちょっと怖いな・・・って思ってしまったんですよ
いや、だってあらゆる防犯カメラを使ってAIが自分を記録しつづけてきたって考えたら怖くないですか?
ここって感動する場面だったんだろうけど・・・そこに乗り切れなかった時点で後半も乗り切れないままだったのは残念だったかな
あとはAIの良い部分ばかりにしか触れられなかったのもちょっとモヤりました
確かにシオンはAIとして成長していく中でサトミの幸せを願って確かに幸せにした
でも他のAIは悪意を学んでしまうかもしれない
(ゼロワンのラッパーとかが思い浮かんでしまった・・・)
大人たちの危惧は当然で、そこに対してはスルーされていたのでどうなんだろうか?と
映像や演出は派手で綺麗でしたね
サトミを呼び出した夜の光の演出とか
シオン救出時のAI達の手伝いの場面とかはアニメーションとしてもとても良かったです
ムーンプリンセスもしっかり伏線として使っていたのも良かったです
ただ大企業の描写はちょっと安易に感じてしまったかな
西城とかいかにもな悪役的な感じでしたし
サトミとトウマの描写とかは素直に微笑ましかったですね
色々抱えながらも皆良い子で高校生らしかったし
声についてはサトミの福原さんは何度も声優の仕事をしているので、違和感もなく普通に聞けました
シオンの土屋さんは僕だけがいない街でも声優やってたんですよね
ポンコツAIの役だったので、聞いててそんなに気になりませんでした
あと歌も良かったですね
トウマは陰キャなパソコンオタクな感じで逆にあの素人っぽい声がキャラクターにマッチしてましたね
不器用な感じが出ていて良かったです
あとは声優の人で固めてた感じでした
カズレーサーには気づけませんでした
絵柄は少し古めかもしれないですけどキャラの描き分けもできてるし見ていれば気になりませんでした
シオンの表情とかでどっかで見たことある気がしてたんですけど
ハチミツとクローバーのキャラデザをやっていた方がキャラデザしていたと聞いてちょっと納得しました
アニメ制作自体はJCSTAFFだったのもちょっと意外でした
作品としてはしっかりまとまっているし、映像的にも見どころがあって良い作品だったと思います
ただ個人的にはこの作品の核の部分で感動しきれなくてちょっと入り込めなかったのが残念だったかな
ギリギリでも映画館で見ることができて良かったです
- 関連記事
No title
こんにちは。
「AIは無条件に人間が好き」って前提が理由もなくある(もしくはありそう)。そこがこの映画のいい所であり、逆に欠点でもあります。私、個人的な意見として、AIは人間と同じ発達段階を経て知識が花開く訳ではないので、最後の最後で人間と同じ心の動きをするか分からない所に漠然とした不安と恐怖を感じます。
「AIは無条件に人間が好き」って前提が理由もなくある(もしくはありそう)。そこがこの映画のいい所であり、逆に欠点でもあります。私、個人的な意見として、AIは人間と同じ発達段階を経て知識が花開く訳ではないので、最後の最後で人間と同じ心の動きをするか分からない所に漠然とした不安と恐怖を感じます。
『コレクティブ』『人生模様』『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』『そして、バトンは渡された』『アイの歌声を聴かせて』
5本をまとめてなるたけ軽くレビュー。
◆『コレクティブ 国家の嘘』シアター・イメージフォーラム1
▲ヴァンダムと中国人監督みたいに見えるが、どっちもルーマニア人。そう言えば最近めっきり、ルー大柴を見てないな(いや、それはどうでもいい)。
五つ星評価で【★★★ルーマニアおそろしか】
ルーマニアのドキュメンタリー。
ロックバンドのライブ演奏中に火事があり、何人かが入院を余儀なくされたが、入...
アイの歌声を聴かせて・・・・・評価額1750円
幸せの意味を知ってますか?
「イヴの時間」「サカサマのパテマ」で知られる、吉浦康裕のキャリアベスト。
現在とほとんど変わらないが、AIが生活の隅々まで浸透している近未来を舞台とした、青春群像ミュージカルアニメーションとでも言うべき独創の作品だ。
友達のいない主人公の通う高校に、人型アンドロイドの“シオン”が、実験のために正体を隠したまま、転校生として送り込まれる。
ところがシオンは、やたら...