2019.10.14
十二国記「白銀の墟 玄の月」 1・2巻感想
18年は長かった―――――――!!
短編集などは出てましたけど・・・ずっと放置されていた本編の続きです
私自身は十二国記を知ったのはNHK‐BSのアニメ化からでした
そこから原作小説を読んでなので・・・アニメ化される前から追っていた読者にとってはさらに長かったと思います
2015年ごろに2016年に出るって話もありましたけど・・・それから数年
長年のファンは本屋に並ぶまで信じないとまで言われてましたからね・・・
やっと発売されて1か月後には3・4巻も読めるというのがなんだか嘘みたいです・・・
思いっきりネタバレで感想書きますのでまだ読んでない人は気を付けてください
あらすじ
戴国(たいこく)に麒麟が還る。王は何処へ──。
乍(さく)驍宗(ぎょうそう)が登極から半年で消息を絶ち、泰麒(たいき)も姿を消した。王不在から六年の歳月、人々は極寒と貧しさを凌ぎ生きた。案じる将軍李斎(りさい)が慶国(けいこく)景王(けいおう)、雁国(えんこく)延王(えんおう)の助力を得て、泰麒を連れ戻すことが叶う。今、故国(くに)に戻った麒麟は無垢に願う、「王は、御無事」と。──白雉(はくち)は落ちていない。一縷の望みを携え、無窮の旅が始まる!
今回は前半の2巻ということでたぶんシリアスな話が多いだろうし・・・きっととことん落とされるんだろうな・・・と思ってました
今までも上下巻の作品は上巻はひたすら暗くて耐えることが多く・・・下巻でやっとカタルシスが!!って構成だったので
十二国記自体はもともとホワイトハートというティーンズレーベルで出ていた小説なんですよね
それが講談社だったんですけど途中から新潮社になって新しく出し直しました
「丕緒の鳥」からは新潮社のみになっています
私自身はホワイトハート版で集めていたので特に買いなおしたりはしてないんですけどね・・・・
で、レーベルが一般向けになったからか、元々ティーンズ向けであった時の軽快さはなくなったかなと感じました
「丕緒の鳥」でもかなり固い文章で世界観や状況を克明に描写していたので
今回の「白銀の墟 玄の月」もどちらかというと「屍鬼」の前半を読んだ時のような気持でした
あれも前半はひたすら村の描写であまり動きもなく細部まで伏線込みで書いてましたからね・・・
今回は戴国がいかに悲惨な状況であるかを市民たちの目線で描いていました
個人的にはそのこと自体は良いと思うんですけど
全体的に描写が細かいためにちょっとくどいと感じる部分はあったかなぁ
伏線的な部分も多いとは思うんですけど物語的な動きはあまりないんですよね
まぁ泰麒の行動は予想外で驚いたし
今の王朝を覆う不可解な出来事についてはとても興味があります
ただ李斎側は基本的にあまり収穫がなく徒労に終わる描写が多いので読んでてちょっとしんどいかも
ただ文章力は凄いですね
難しい漢字や言い回しは多いですけど、世界観を作り出す筆力は素晴らしいです
ティーンズ向けでなくなった分、本来の小野さんの描写って感じがします
さて、展開的に一番大きいのは亡くなった武人が驍宗か・・・というところですが
まぁ個人的には生きているとは思います
ただ結局どこにいてどうして出てこないのかについてはまったくわからないまま
色々と伏線らしきものはあるんですけど・・・決定打はないし想像するしかないです
そして今回印象的だったのは泰麒の心情がまったく描かれなかったこと
基本的には第三者の視点でした
だから今回の泰麒の行動がどこまでの思惑をもっているのか?わからなくて不気味にも感じます
泰麒は麒麟であって人間ではない
しかし今は角がないため正式な麒麟でもない・・・という状況がどう影響するのか?
きっと3・4巻のどこかでは泰麒の心情がガッツリ書かれるのかな?と思っています
あとは簒奪した王座で何もしていない阿選についても更に謎が増えた感じです
引きこもって何をしているのか・・・・・何を考えているのか?
驍宗に対する思いについても未だわからない部分が多いので
基本的に今回は前回までで謎となっていたことの答えは何一つ解決してないんですよね・・・
それどころか新たなる謎が増えるばかり
読んでいてフラストレーションがたまる構成になってますww
こっから3・4巻でどれだけ伏線を回収し、カタルシスのある展開に持っていけるのか?とも思います
まぁ個人的にはある程度ハッピーエンドになるいのでは?とは思ってますが・・・
ティーンズレーベルでなくなったことが影響するかな?
ただ伏線回収についてはある程度しっかりしてくれるのではないか?とは思っています
どちらにしてもモヤモヤしたまま1か月待つしかないです
まぁ今までを思えば1か月なんてわけないし・・・
しかも私が原作を読んだときはすでに全部刊行していたので
今回初めて前半だけの展開で後半を予想できるんですよね
ネットにも色々な考察が上がっていて面白いなぁと思います
3・4巻分の内容もすでに書ききっているわけで・・・どうなるかな?と思います
しかしかなり読みごたえがありました
2冊読むのに結構時間かかりましたし
今回新キャラ多いし、名前覚えるの大変で何回か前のページに戻って確認しちゃいましたよ・・・
個人的にはどんな結末になるにしろ、もう一度驍宗と泰麒が会うことにはなってほしいと思います
天に関することにはどこまで触れることになるのだろうか?とも思います
そして2020年には短編集が出るんですって!?
個人的にはビックリしましたがとても嬉しいです
今回の内容だとたぶん戴国だけで話は終わりそうなので・・・
短編集では色々な国の話が読めたらなと思います・・・・
とにかく3・4巻がとても楽しみです!!
短編集などは出てましたけど・・・ずっと放置されていた本編の続きです
私自身は十二国記を知ったのはNHK‐BSのアニメ化からでした
そこから原作小説を読んでなので・・・アニメ化される前から追っていた読者にとってはさらに長かったと思います
2015年ごろに2016年に出るって話もありましたけど・・・それから数年
長年のファンは本屋に並ぶまで信じないとまで言われてましたからね・・・
やっと発売されて1か月後には3・4巻も読めるというのがなんだか嘘みたいです・・・
思いっきりネタバレで感想書きますのでまだ読んでない人は気を付けてください
あらすじ
戴国(たいこく)に麒麟が還る。王は何処へ──。
乍(さく)驍宗(ぎょうそう)が登極から半年で消息を絶ち、泰麒(たいき)も姿を消した。王不在から六年の歳月、人々は極寒と貧しさを凌ぎ生きた。案じる将軍李斎(りさい)が慶国(けいこく)景王(けいおう)、雁国(えんこく)延王(えんおう)の助力を得て、泰麒を連れ戻すことが叶う。今、故国(くに)に戻った麒麟は無垢に願う、「王は、御無事」と。──白雉(はくち)は落ちていない。一縷の望みを携え、無窮の旅が始まる!
今回は前半の2巻ということでたぶんシリアスな話が多いだろうし・・・きっととことん落とされるんだろうな・・・と思ってました
今までも上下巻の作品は上巻はひたすら暗くて耐えることが多く・・・下巻でやっとカタルシスが!!って構成だったので
十二国記自体はもともとホワイトハートというティーンズレーベルで出ていた小説なんですよね
それが講談社だったんですけど途中から新潮社になって新しく出し直しました
「丕緒の鳥」からは新潮社のみになっています
私自身はホワイトハート版で集めていたので特に買いなおしたりはしてないんですけどね・・・・
で、レーベルが一般向けになったからか、元々ティーンズ向けであった時の軽快さはなくなったかなと感じました
「丕緒の鳥」でもかなり固い文章で世界観や状況を克明に描写していたので
今回の「白銀の墟 玄の月」もどちらかというと「屍鬼」の前半を読んだ時のような気持でした
あれも前半はひたすら村の描写であまり動きもなく細部まで伏線込みで書いてましたからね・・・
今回は戴国がいかに悲惨な状況であるかを市民たちの目線で描いていました
個人的にはそのこと自体は良いと思うんですけど
全体的に描写が細かいためにちょっとくどいと感じる部分はあったかなぁ
伏線的な部分も多いとは思うんですけど物語的な動きはあまりないんですよね
まぁ泰麒の行動は予想外で驚いたし
今の王朝を覆う不可解な出来事についてはとても興味があります
ただ李斎側は基本的にあまり収穫がなく徒労に終わる描写が多いので読んでてちょっとしんどいかも
ただ文章力は凄いですね
難しい漢字や言い回しは多いですけど、世界観を作り出す筆力は素晴らしいです
ティーンズ向けでなくなった分、本来の小野さんの描写って感じがします
さて、展開的に一番大きいのは亡くなった武人が驍宗か・・・というところですが
まぁ個人的には生きているとは思います
ただ結局どこにいてどうして出てこないのかについてはまったくわからないまま
色々と伏線らしきものはあるんですけど・・・決定打はないし想像するしかないです
そして今回印象的だったのは泰麒の心情がまったく描かれなかったこと
基本的には第三者の視点でした
だから今回の泰麒の行動がどこまでの思惑をもっているのか?わからなくて不気味にも感じます
泰麒は麒麟であって人間ではない
しかし今は角がないため正式な麒麟でもない・・・という状況がどう影響するのか?
きっと3・4巻のどこかでは泰麒の心情がガッツリ書かれるのかな?と思っています
あとは簒奪した王座で何もしていない阿選についても更に謎が増えた感じです
引きこもって何をしているのか・・・・・何を考えているのか?
驍宗に対する思いについても未だわからない部分が多いので
基本的に今回は前回までで謎となっていたことの答えは何一つ解決してないんですよね・・・
それどころか新たなる謎が増えるばかり
読んでいてフラストレーションがたまる構成になってますww
こっから3・4巻でどれだけ伏線を回収し、カタルシスのある展開に持っていけるのか?とも思います
まぁ個人的にはある程度ハッピーエンドになるいのでは?とは思ってますが・・・
ティーンズレーベルでなくなったことが影響するかな?
ただ伏線回収についてはある程度しっかりしてくれるのではないか?とは思っています
どちらにしてもモヤモヤしたまま1か月待つしかないです
まぁ今までを思えば1か月なんてわけないし・・・
しかも私が原作を読んだときはすでに全部刊行していたので
今回初めて前半だけの展開で後半を予想できるんですよね
ネットにも色々な考察が上がっていて面白いなぁと思います
3・4巻分の内容もすでに書ききっているわけで・・・どうなるかな?と思います
しかしかなり読みごたえがありました
2冊読むのに結構時間かかりましたし
今回新キャラ多いし、名前覚えるの大変で何回か前のページに戻って確認しちゃいましたよ・・・
個人的にはどんな結末になるにしろ、もう一度驍宗と泰麒が会うことにはなってほしいと思います
天に関することにはどこまで触れることになるのだろうか?とも思います
そして2020年には短編集が出るんですって!?
個人的にはビックリしましたがとても嬉しいです
今回の内容だとたぶん戴国だけで話は終わりそうなので・・・
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No title
こんにちは。読了お疲れ様でした。通りすがりの十二国記ファンです。
ホワイトハートのデビュー初期、80年代からですので、無事続編を読むことができ、感無量です…台風で発売日に入手できませんでしたが、連休で読み終えました。
前半は細かな描写が続き、読者もただただ追い込まれるのはお約束のようなものですね。
私も乍驍宗は生きている設定であってほしいと願っています。
亡くなった武人が白髪という特徴を持っていると記述されていますが、戦闘で負傷することも、白髪になることも、禁軍のほかの将にも起こりえることではないか、と思いますので。
発売の速報が出たあと、シリーズを読み返していたのですが
またもう一周できそうですので、あと1ヶ月、伏線を検討したいです。
ホワイトハートのデビュー初期、80年代からですので、無事続編を読むことができ、感無量です…台風で発売日に入手できませんでしたが、連休で読み終えました。
前半は細かな描写が続き、読者もただただ追い込まれるのはお約束のようなものですね。
私も乍驍宗は生きている設定であってほしいと願っています。
亡くなった武人が白髪という特徴を持っていると記述されていますが、戦闘で負傷することも、白髪になることも、禁軍のほかの将にも起こりえることではないか、と思いますので。
発売の速報が出たあと、シリーズを読み返していたのですが
またもう一周できそうですので、あと1ヶ月、伏線を検討したいです。
No title
18年待ちました。
それでも読めて嬉しいです。
1,2巻は読んだら読んだで「この先どうなるの~?」というフラストレーションがたまったことは事実ですが、3,4巻も出ることが決まっているので耐えています。
私も亡くなった武人は驍宗ではないような気がしています。
これだけ待って、歌だけ歌ってお亡くなりになられてはあまりだということもありますが、せめて最後にもう一働きしてもらわないと天に選ばれた甲斐がないでしょう。
ただ、昔から私は李斎が最終的に戴の王になるのではないかという気がしています。
傲濫が最初に現れた時、泰麒は怪我をした李斎を汕子に連れて行かせているのですよね。
今回の苦難は恭国の珠晶の昇山のような『王となるに必要な経験』を積む意味もあるのではないでしょうか。
王は片腕がなくてもつとまる職では?(李斎は有能で軍ではなく、政治向きのことでも何でもできそうですが。)
それでも読めて嬉しいです。
1,2巻は読んだら読んだで「この先どうなるの~?」というフラストレーションがたまったことは事実ですが、3,4巻も出ることが決まっているので耐えています。
私も亡くなった武人は驍宗ではないような気がしています。
これだけ待って、歌だけ歌ってお亡くなりになられてはあまりだということもありますが、せめて最後にもう一働きしてもらわないと天に選ばれた甲斐がないでしょう。
ただ、昔から私は李斎が最終的に戴の王になるのではないかという気がしています。
傲濫が最初に現れた時、泰麒は怪我をした李斎を汕子に連れて行かせているのですよね。
今回の苦難は恭国の珠晶の昇山のような『王となるに必要な経験』を積む意味もあるのではないでしょうか。
王は片腕がなくてもつとまる職では?(李斎は有能で軍ではなく、政治向きのことでも何でもできそうですが。)
No title
初めまして。私も首が伸びきってしまうほど待っていたファンです。
本屋で手にした時は感激のあまり涙してしまいました。
1~2巻では色んなところに謎が散りばめられていましたね。
全て回収できるんだろうかと思ってしまったほど。
中でも私が気になるのは鳩の存在。
宮城の場面では所々に鳩の鳴き声が出てきます。
何気なく書かれているので本当になんでもないのかもしれませんが、
それにしてはちょっと多い気が。
あの幽鬼のようになった兵士や官吏と何か関係が??と
思ってしまいました。
結局1~2巻でさほど進まないばかりか、ひたすら李斎達が探し回る長い旅路と泰麒が州候としての務めを果たせない日々を書いてあるだけでしたが、私は楽しんで読みました。
まるで現場を見てきたかのような細かい描写、
登場人物たちの肉付け。里で暮らす人々さえも里人として一括りにせず、どんな姿か想像できてしまうような書き方に
私も共に旅をしているような気にさせられました。
やっぱり凄い作家さんです。
驍宗は生きてる。そして易い終わり方ではない気がします。
本当に楽しみです。
本屋で手にした時は感激のあまり涙してしまいました。
1~2巻では色んなところに謎が散りばめられていましたね。
全て回収できるんだろうかと思ってしまったほど。
中でも私が気になるのは鳩の存在。
宮城の場面では所々に鳩の鳴き声が出てきます。
何気なく書かれているので本当になんでもないのかもしれませんが、
それにしてはちょっと多い気が。
あの幽鬼のようになった兵士や官吏と何か関係が??と
思ってしまいました。
結局1~2巻でさほど進まないばかりか、ひたすら李斎達が探し回る長い旅路と泰麒が州候としての務めを果たせない日々を書いてあるだけでしたが、私は楽しんで読みました。
まるで現場を見てきたかのような細かい描写、
登場人物たちの肉付け。里で暮らす人々さえも里人として一括りにせず、どんな姿か想像できてしまうような書き方に
私も共に旅をしているような気にさせられました。
やっぱり凄い作家さんです。
驍宗は生きてる。そして易い終わり方ではない気がします。
本当に楽しみです。
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