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なぜ、物価が上がらないのか?

お正月なので、出血大サービスの記事です。

<なぜ、物価が上がらないのか?>


2017年11月01日16:19
池田信夫
社会保険料が消費を浸食する

きのう総務省が発表した家計調査速報によると、9月の実質消費支出は前年比0.3%の減少で、2014年から減り続けている。これが日銀がいくらお金をばらまいても、物価の上がらない原因だ。これを安倍首相は消費増税のせいだと信じているようだが、それは誤りである(2016年家計調査年報)。



池田信夫によると、物価が上がらないのは、消費が増えないからだそうです。相変わらず、何を言っているのかさっぱり分かりません。

実質GDPは増えています。

2015 三面等価

2016 三面等価

生産GDPを買ったのは、家計+企業+政府+純輸出(外国)です。企業にとっては、生産したモノ・サービスを家計が買おうが、企業が買おうが、政府が買おうが、かまいません。

家計消費はGDEの60%を占めますが、その家計消費が減り続けているから物価が上がらない・・・など、支離滅裂です。

さて、本題です。

 基本的に物価はプラスであれば構いません。2%目標は「目標」です。日本・英ではTargetとされています。ECBはdefinition、米ではGoalです。しかし、目標ではありますが、2%目標を掲げた金融政策そのものは「手段」です。

マクロ政策の最大の目的は「供給>需要」時の「経済の回復」です。アベノミクスは十分に合格点です。

目的 経済回復

手段 金融政策

金融政策の目標として 2%物価上昇率

総需要管理政策

 ここで、基礎基本を押さえましょう。マクロ政策にできるのは、「需要」を伸ばすことであり、「供給GDP」を増やすことはできません。もしも「GDPを増やす政策」がこの世に存在するなら、発展途上国などあっという間にこの世からなくなります。「需要と供給」は別物です。そこが、一般の人には理解できないところのようです。

「供給=需要」という均衡式(グラフは式を図式化したものです)であって、需要→供給、あるいは供給→需要という「因果関係」など、ありません。

需要曲線 増える

「需要をコントロールできれば、経済はうまくいく」は、1960年代前半に死滅したケインジアン政策です。もう、50年以上前に終わった話です。

参照 拙著 図解使えるマクロ経済学
        中高の教科書でわかる経済学 マクロ篇



P・クルーグマン『経済政策を売り歩く人々』ちくま学芸文庫 2009
 経済学者は、どうすればハイパーインフレーションを避けられるかといった助言は確実にできるし、不況の回避方法も、たいていの場合教えることはできる。しかし、貧しい国をいかに豊かな国にするかということや、経済成長を再現させるにはどうしたらよいかといった問題に関する解決策はいまだにない




齋藤誠他「マクロ経済学」有斐閣2010 p646
マクロ経済学の最大公約数的な考え方。実際のGDPが潜在GDP(筆者注:日本の持つ労働者や工場などの生産資源を過不足なく使った供給力)を下回る不況、その場合、財政政策や金融政策のマクロ政策によって、実際のGDPを潜在GDPにまで引き上げることは、理論的にも実証的にも正当化できる。しかしマクロ経済政策には、潜在GDPを増大させる効果がまったくない




井堀利宏 「大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる」 KADOKAWA 2015p204
拡張的な財政金融政策によっては、長期的にはGDPを増加させることは不可能になります。総需要を刺激する財政金融政策は短期的な効果はあっても長期的な効果はないのです。




松尾匡
2014.05.29 Thu
ケインズ復権とインフレ目標政策――「転換X」にのっとる政策その2

ケインズ政策が高度成長を前提しているなどという誤解のもとには、働く人手や機械や工場などの生産能力の成長と、モノやサービス全体が売れる量(総需要)の成長とを混同しているところがあると思います。ケインズ嫌いの新自由主義政策が目指したのは、生産能力の成長の方(「サプライ・サイド」)です。それに対してケインズ政策が目指すのは、失業が出て生産能力が余っている状態から、失業者が雇いつくされた状態までもっていくことです。そのために、完全雇用の天井にぶつかるまでは総需要を成長させますが、成長自体が自己目的ではありません



世界中の経済学の教科書を調べても、「GDPを増やす方法」という項目はありません。「財政政策と金融政策で総需要Yを拡大させる(原因)と、総供給Yが増える(結果)」のなら、日本の場合、毎年毎年、政府支出を50兆円ずつ増やしていけば、毎年毎年10%の経済成長が、自動的に達成できてしまいます。

そんなことは、この世にありません。

GDP(生産量)を増やすには、①ヒトの投入量を増やすか、②設備の投入量を増やす(機械化など)か、③生産性を上昇させるかしかありません。公共投資(政府予算拡大)をすれば③生産性上昇する!など、バカか?という話なのです。

さて、本題に戻ります。

デフレは100%悪=投資Iに影響です。ですから、少しでもインフレになっていることが大事です。インフレでありさえすればいいのです。

※ 不況は、投資Iの増減によります。消費Cは好不況で変動しません。不況だから家賃や電気ガス水道の光熱費を減らしたり、病院・薬サービスを減らしたりなどできないからです。

http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/kakuhou/files/h28/h28_kaku_top.html
内閣府 国民経済計算 
フロー編
Ⅴ.付表
(12) 家計の目的別最終消費支出の構成


10 消費 投資

 不況はケインズが見つけたように投資Iの増減で起こるのです。ですから、不況の場合、減った投資Iに代わって、政府投資「財政政策」+民間投資回復のための「金融緩和」なのです。

インフレ・ターゲットの2%目標は、1%台~3%台のインフレを示します。世界共通です。

ですが、米もEU圏も日本も、インフレ率が上がりません。米FRB議長イエレンは、「コナンドラム(謎)」と言っています。

物価上昇率 先進国


フリードマンがマネタリズムを提言したのは、固定相場制末期、そして人類初体験の「変動相場制」に移行した時期でした。未経験の変動相場制が、どのような体制になるのか、誰も予測できない状況でした。

固定相場制の時代であれば、インフレの原因は簡単にわかりました。

市場モデル1 

マクロの市場は

①財・サービス市場
②労働市場
③貨幣/債券市場


の3つです。③の貨幣/債券市場について、③貨幣市場④債券市場と分ける場合もあります。

この3つは、「均衡(バランス)」しています。「一般均衡」です。

※ このバランスが崩れたのが、大恐慌でした。ケインズはその原因は③市場にあると分析しましたね。

参照 拙著 図解使えるマクロ経済学
        中高の教科書でわかる経済学 マクロ篇


均衡(バランス)は、「固定相場制」=閉じた世界での話です。

市場モデル 閉じた世界

 フリードマンがケインジアンを責めたのは、「裁量による金融政策」です。少しでも経済成長が滞ると、為政者は「財政拡大」と「金融緩和」を求めます。実際に民主党政権下、財政と金融緩和は拡大し続けました。

※もっとも当時は、経済(GDP)はコントロールできるものと考えられていました。

その結果、

①財・サービス市場
②労働市場
③貨幣/債券市場


の③市場だけが拡大したのですから、バランス(均衡)が崩れます。その崩れがインフレという形になって顕在化しました。

市場モデル インフレ

 ですからフリードマンは、金融の拡大についてはk%ルールを唱えました。GDPのk%拡大と貨幣市場のk%拡大を一緒にしろ!という政策です。「預金準備率100%」も唱えました。

固定相場ですから、インフレは各国に普及します。日本の場合、360円、308円の上下1%以内にしなければいけなかったので、アメリカのドルが安くなれば(米の金融量拡大)、日本も当然金融緩和をしなければなりません。結果、アメリカのインフレは固定相場制の下、世界中に波及しました。

市場モデル 固定相場 2か国関係

これが「固定相場制」です。

東学 資料政・経p397

その後、固定相場制が放棄され、フリードマンが主張した「変動相場制」が取り入れられることになりました。

そうすると、フリードマンでさえ予測できない「世界」になったのです。フリードマンは、マネタリーベースとマネーストックM1の関係を分析し、k%ルールを提言したのですが、変動相場制になると、マネタリーベースとマネーストックM1に一定の相関関係が見られなくなってしまいました。これは当然です。

<変動相場制下の合理的行動>

変動相場制で、企業はどのような合理的行動をとるでしょうか?

1ドル=100円だとします。今、1万ドルの車をアメリカで販売します。100万円です。

固定相場制であれば問題ありません。ところが、変動相場制で「円高」になると、大変なことになります。

半年後、1ドル=50円になると、本当は100万円売り上げがあるところ、50万円しか入ってきません。

輸出入企業は、自社の経営計画を、こんな不安定な相場に任せておくことはできません。

そこで登場するのが、「先物取引」です。あらかじめ6か月後に100万円手に入るように、為替予約(オプション)しておきます。

相手もいます。「1ドル=200円」のドル安になったら困る企業です。

さらに、今の相場「直物取引」と「先物取引」をセットにするスワップという金融商品が登場します。この商品は状況によって使ったり使わなかったりします。1ドル=100円が、1ドル=200円の円安になれば、1ドル=100円のスワップ権利は使わない方がトクです。


東洋経済オンライン 2017.11.8               
トヨタは…2018年3月期の営業利益…1500億円増額の2兆円となる業績予想を発表。…為替を円安方向に見直したことが効き、利益を押し上げた。…為替だけで…1750億円の増益…。さらにスワップ評価損益も含めると利益押し上げ効果は1900億円に上る。…為替が1ドルに対して1円動くだけで利益は約400億円も変動する。 



 このように、変動相場制になると、為替取引は実物取引(輸出入)の倍になります。最低限でも2倍です。これで輸出入企業は、為替変動のリスクを抑えることができます。

 韓国と取引している企業は、ウォン円取引、円ウォン取引に加え、ドルウォン取引、ウォンドル取引、円ドル取引ドル円取引を加えます。こうすると、円・ウォン相場がどのようになっても、為替のリスクを完全に封じ込めることができます。倍々・・・になります。

 このようにして、「為替取引額>実物取引額」になります。このように、リスク・ヘッジするための取引が商品化し、デリバティブ市場を作り出しました。

※ このオプション取引・スワップ取引があるので、円を借りてドルで投資するキャリートレードが可能になります。金利の低い国で借りて、金利の高い新興国に投資できるのです。金融緩和した円→新興国投資に回るのです。

今日の、日本のデリバティブ市場取引は、1日あたり559億ドル(16年4月:BIS統計)であり、取り引き残高は58兆ドル(17年6月末:日銀)、世界残高は493兆ドル(15年:BIS)となっています。

デリバティブ

金融市場の動きは、フリードマンの予測を超えるものになりました。経験や実証研究が積み重ねられ、マクロ経済の変動を、すべてマネーで説明することには、無理があることが分かりました。フリードマンは、M1だけを指標に「インフレ率を予想しては外す」ということを繰りかえしてしまいました。

第一学習社 高等学校政治・経済 p135 マネーストック

1980年代は、新たな金融商品が登場し、貨幣の波及経路が増え、マネーストックM1とかM2だけに焦点を当てるのは、難しくなったのです。貨幣と、貨幣に近い資産(債券や、デリバティブ商品)との移転が簡単になり、貨幣そのものの希薄化が進み、貨幣は金融政策の現場や理論において、注目されなくなったのです。

フリードマンのとなえた、「マネーサプライを安定化させれば、マクロ経済は安定する」というマネタリー・ターゲットは、資本の自由化の下では、結局、実現できませんでしたね。

 しかも、為替取引には、実物取引以外、今や「金利差」や「国際間の株・債券取引」も加わります。日本の場合、株と国債だけの取引に限っても、貿易輸出額(70兆円)の18倍、1248兆円です

2016 金融取引

この株や国債を買うにも、「為替取引」が必要です。その結果、日本市場の為替取引は、実物取引の235倍!、世界市場でも91倍の取引量となっています。

2016 金融取引 世界

日本
為替取引額 日本

世界
為替取引額

市場モデル 世界為替市場

この凄まじい為替取引の結果、世界の「金融資産」は、固定相場制時代には

実物資産1:1金融資産

で対応していましたが、現在の日本では、

実物資産1:2.5金融資産

になっています。

GDP 金融資産 残高 比 日本

世界では、金融資産残高は、GDPの3.21倍です。

GDP 金融資産 残高 比

 このような資本取引の時代に、1国の中銀だけで、金融市場をコントロールなどできません。1985年のプラザ合意(主要中銀の為替介入)の再現など、絶対にできません。

<為替市場で起こるインフレ>

市場という超巨大な為替取引で、インフレ(自国通貨安)など、簡単に起こってしまいます。

アルゼンチン インフレ
ウクライナ  インフレ

この実質と名目の乖離はインフレです。(これだけのインフレになると、逆に金融引き締め政策を取らざるを得ません)。世界の市場から「見捨てられた」のです。アルゼンチンは、巨大な財政赤字を補うため、物価連動債まで発行しています。

2015年12月為替を自由化→2016年初頭に30%ほどペソが切り下がり。輸入品の価格が上昇。

公共料金と賃金のアップ。

公共料金の補助金を削減し、それまでの約40%アップ、17年末にその約40~50%アップ。
労働組合が強いアルゼンチンでは賃金の上昇率も高。

国債発行は加速。公共料金の補助金削減で国民に負担をかけているため、急激な供給量減少にならず。

.Domingo 03 de Diciembre de 2017
EL CRONISTA
アルゼンチン 新聞

小国だけではありません。英国もEU離脱以後、ポンド安・インフレに見舞われています。


サイモン・レン=ルイス「イギリスで利上げすべきでない理由: 手短に」
2017年10月31日 by optical_frog Leave a Comment

木曜に金融政策委員会が利上げするだろうと誰もが予想している.そんなことをすれば,失敗になるだろう.金利変動をめぐる報道の議論は,通例,経済状況に関する大量のデータやグラフが盛り込まれる.ここでは,その反対のことをやりたい:つまり,イギリスでいますぐ利上げするのが過ちだということを理解するのに必要最小限のことだけを提示したい.

目下イギリスのインフレ率がだいたい 3% になっているのは EU離脱によるポンド安が理由だという点は,誰もが知っておくべきだ




服を買わなくなったイギリス人 —— イギリス経済に何が起こっているのか?
Jim Edwards
Apr. 10, 2017, 06:15 PM

最近変化したのは、インフレ率だ。インフレが存在しない経済では、低賃金でも成り立つ。ここ数年、イギリスでは特段のインフレは発生していなかったが、ブレグジットによってポンド安が加速。突如インフレ率が2%を超えた。イギリスのインフレはさらに進行すると予測されている



イギリス インフレ

 このポンド安・インフレは、英中銀が「金融緩和」して生じたわけではありません。

 イギリスは、利上げに動きました。


英中銀:政策金利0.5%に上げ、7対2で決定-約10年ぶり利上げ

Lucy Meakin

2017年11月2日 21:24 JST 更新日時 2017年11月2日 21:58 JST



日本が突如インフレになる・・・・ゴジラが現れ、東京・名古屋・大阪を壊滅させたときでしょうか・・・。


2017年11月01日16:19
池田信夫
社会保険料が消費を浸食する
きのう総務省が発表した家計調査速報によると、9月の実質消費支出は前年比0.3%の減少で、2014年から減り続けている。これが日銀がいくらお金をばらまいても、物価の上がらない原因だ。



的外れなのがお分かりでしょう。

おまけ

 日本では、物価は「消費者物価指数」以上に、確実に上がっています。値段は変えずに「量」を減らすというものです。
 食品でもそうですね。ハムやチーズやお菓子まで・・・。価格は上げずに量が減る・・・これも値上げです。


https://forbesjapan.com/articles/detail/17108
David Schrieberg

英国ではこの商品のほか、練り歯磨き、トイレットペーパー、チョコレートクッキーなど、何千もの商品(正確には2525品目)が、過去5年の間に価格は据え置かれる一方で「縮小」している。

英国民は、「シュリンクフレーション(shrinkflation)」に直面している(「shrink」は縮む、の意味で「flation」はインフレーションの語の一部)。つまり、消費者は少ない量の商品に、これまでと同じ金額を支払っている。そして、この現象は5年ほど前から続いている。

同局によると、2012年1月~2017年6月までの間、英国の消費者物価指数はほとんど変化していない。だが、調査対象の商品カテゴリーのうち、「砂糖、ジャム、シロップ、チョコレート、菓子」だけは大幅に変動していた。

また、ブレグジットの決定以降、英国の通貨ポンドが下落したこともあり、食品会社は輸入コストの増加分を何らかの方法で相殺する努力をしている。商品を小型化することは、その方法の一つだ。




http://blog.esuteru.com/archives/20020450.html
Twitterのハッシュタグ「#くいもんみんな小さくなってませんか日本」が話題に
値上げされたり内容量が少なくなった食品の実例が挙げられる



※ ただし、インフレ・デフレは通貨価値の上昇・下落をいうので、個々の物価の話ではないことに注意。


<アベノミクスの成果 課題は目の前>


アベノミクス 成果

ストックはフローには回らない


http://www.excite.co.jp/News/economy_clm/20170920/Jcast_kaisha_309004.html

家計金融資産、過去最高の1832兆円 6月末時点
2017年6月末時点での現金・預金や債券、株式を合わせた家計の金融資産の残高は1832兆円となり、過去最高を記録した。日本銀行が4~6月期の資金循環統計(速報)を9月20日に発表した。

家計の金融資産は前年比4.4%増、3月末と比べて1.3%増えた。



金融資産 家計


 このような報道があれば、必ず出てくるのが、この「家計金融資産(1700兆円~1800兆円)を取り崩して使え!」「1%でも使われれば、17兆円もの消費増だ!」というアホ論です。


大前研一の日本のからくり
アベノミクスで“景気が浮揚しない”本当の理由

史上最大の予算を組み続ける政府の愚行

毎年のように30兆~40兆円の赤字国債を垂れ流して、日本の公的債務は1300兆円に膨れ上がっている。それでもなお政府は史上最大の予算を組み続けているのだ。

世界最大の日本の国家債務を担保しているのが、日本国民が保有している1700兆円の個人金融資産である。いざとなれば、政府はこれに着目してパクろうとするだろう。

「老後の備え」の重複分だけでも人生を楽しむために使えば、人生も変わるし、世の中も変わる。たとえば個人金融資産1700兆円の1%が市場に出てくるとすれば17兆円。消費税に直せば6%アップぐらいのインパクトがあるのだ。

つまり安倍首相は個人金融資産の1%が市場に出てくる政策をひたすらやったほうがいい。
充実した老後の素晴らしさを提案し国のサポートを国民に約束して、それでもなお、1700兆円の個人金融資産がマーケットに出てこないようなら、強制的に資産課税を導入すべきだろう。資産税では資産を持っているほど課税されるから、要らないお金は使おうというインセンティブが働く。



<ストックはフローには回らない>

ストックは、フローに回りません。これは、原理原則で例外は1つもありません。

ストックは、「結果」です。ストックとは、金融資産の場合、「貸した金(投資)の総額=借りた金(借金)の総額」のことです。つまり、すでに「融資された額」のことです。

日本金融資産 負債 8150兆円 2
 
 家計の金融資産→企業や他の家計や、対外資産として、貸し出されています。

つまり、すでに「融資したカネ」なので、そのカネをもう一度貸すことは、「原理的にできません」

ですから、


たとえば個人金融資産1700兆円の1%が市場に出てくるとすれば17兆円。消費税に直せば6%アップぐらいのインパクトがあるのだ。



ということは、逆立ちしてもできません

 ストックは「過去」を記録したものです。今日融資をすれば、それが即「ストック=貸借対照表=BS」に記録されます。

 今日、フローで行われた「貸借」が、今日「ストック」に記録されるのです。

ストック=貯蓄ではありません。ここを誤解してはいけません。ストックは、会計の世界では日常用語ですが、一般には流布していません。だからストックを貯蓄と同一視してしまいます。

 しかし、ストックは「資産=融資総額」ですから、当然「株」もストックです。東京証券取引所は、「Tokyo Stock Exchange」と言います。自社株式を購入する制度を、「ストック オプション」と言います。

資産=負債→Stock
貯蓄→Saving


ストック=金融の世界では、金融資産:負債の記録のことです。
ストック=実物の世界では、実物資産:国富のことです。

2015 三面等価


貯蓄→Saving

は、フローの世界の話で、ストックではありません

この所得 C+Sが、次のように配分されます。

S貯蓄→I(民間+政府)投資

社会保障 ストック②

このI投資が、実物資産の国富です。

社会保障 国富


これらは、「使われた総額」であり、すでに世の中にある「土地・建物・道路・空港・港湾設備・・・」のことです。これらを使って「フロー生産」します。

しかし、過去の「ストック」を、フローに回すとか、過去のストック(家計予算の1700兆円)の1%でも使えば、GDPフローが17兆円増える・・・そんなことは、100%、いえ、50000%ありません。

<補足>

金融機関には、「信用創造」というシステムがあり、いくらでも貸し出しを増やせるのだ!だから、金融機関には「家計・企業・その他主体の預金」など無くても、貸出ができるんだ!

という人もいます。基本的に、信用創造ですから、無から有を作り出すことが金融機関にはできるので、間違ってはいません。


通貨供給量、3カ月連続最高=日銀
12/11(月) 11:00配信

時事通信
日銀が11日発表した11月のマネーストック(通貨供給量)速報によると、現金、預金などの合計を示す代表的な指標M3の平均残高は、前年同月比3.4%増の1314兆8000億円だった。残高は3カ月連続で過去最高を更新した。



 この、マネーストックは、まさに「帳簿上のカネ」のことです。1314兆円もの現金など、この世のどこにもありません。

 しかし、この貸出額は、金融機関が受け入れたカネ(原理的にこれを貸し出すことができる)を上回る額ではありません。預貸率といいます。預かったカネのうち、どれだけを貸し出しに回しているかを示すものです。これがずっと60%台です。

預貸率


 個々の金融機関によっては預貸率100%以上のところもあります(信用創造で可能です)。しかし、日本全体では、預かったカネをすべて貸し出してはいないのです。貸し出しに回らないカネは国債や株や外国債などの債券に回っています。

C+S
C+I
ゆえにS=I

S→I+(G-T)+(NX-IM)
貯蓄→企業投資+政府投資+海外投資


これを理解できないと、経済は理解できません。

社会保障 ストック

経済統制(規制)にろくなものなどない。交換は自由だから行われる。機会費用を学べ!

<経済統制(規制)にろくなものなどない>

読売 2017.8.22

ベネズエラ 餓える民衆

>1999年に反米左派のチャベス大統領が就任すると、原油マネーをばらまいて貧困対策に力を入れた。企業の国有化や物価統制を強行し、石油以外の国内産業の衰退を招いた。

2013年副大統領だったマドゥロ氏が後任となった。チャベス氏の路線を継承。ベネズエラでは医薬品や食料の不足が深刻化している。

国内最大の国立小児科病院。医薬品が輸入できなくなった。抗がん剤や抗生物質、ワクチン我慢鋭的に不足。勤務医は相次いで国外に脱出。10人いた外科医は3人に。麻酔医も減って手術もままならず。16年に死亡した乳児は前年比30%増。妊婦の死亡も66%増。

食糧事情も悪化。栄養失調に陥る人が相次いでいる。国営スーパーに肉類や魚類は見当たらない。16年には国民の1/3にあたる960万人が1日2回以下しか食事ができない。

通貨も暴落。13年4月1ドル=約24ボリバルだったが、今月中盤には約1万3000ボリバルに、物価が急上昇し、今年のインフレ率は、720%と世界最悪の水準。




<自由が何よりも大切>

 経済は、「いかに少ない費用・労力・カネで、いかに最大の効率を生むか」という話です。そうすると、時給自足ではなく、「交換」が一番効率が良いことが分かります。そして、「交換」こそが、経済活動の始まりです。

 交換=トレードとも貿易とも言いますが、これは「自由」意志の下で行われます。自由だから、トクになるから交換が成立します。機会費用の原理です。交換は、自由意志の下でしか成立しません。
このメカニズムは、

拙著「中高の教科書でわかる経済学 ミクロ編 P94-111」を参照してください。読まなくてもかまいませんが、読まない人は、一生「なぜ交換=トレードするか」が分かりません(笑い)。

では、自由な交換=完全競争市場=パレート最適を、国家が「消費者保護」のためにゆがめ、「価格統制」をしたら、どうなるのでしょう?



 自由な交換が行われている場合、消費余剰(トク)も、生産者余剰(トク)も最大化しています。生産者は、トクだから生産しています。

総余剰 消費者余剰 生産者余剰

ここで、ベネズエラのように統制価格を導入すると、流通量が激減します。160→80

消費者余剰 生産者余剰 死荷重

 生産者は、この価格だと余剰減=利益が激減する、もしくは、赤字になるので、売ろうとしません。ベネズエラでは60円(統制価格)、隣のブラジルなら100円(完全市場価格)なら、生産者は必ずブラジルで売ろう!とします。ベネズエラには、小麦も肉も魚も入ろうとしませんし、国内で肉や魚を作っている業者も、ベネズエラ国内で販売しようとはしなくなります。外で売った方がトクだからです。

そうすると、「ヤミ市場」ができます。「公定価格」は60円だけど、「ヤミで120円」なら売るよ・・・国営スーパーにモノが入ってくるわけがありません。

ベネズエラの通貨は信用を無くして暴落します。

 このように、取り引き=交換は、「自由」だから成立します。自由の反対は、「規制・統制」です。「規制・統制」にろくなものはありません。


23区私大、定員増認めず=来年度から、告示改正へ―文科省
時事通信 8/13(日) 16:55配信

 文部科学省が2018年度から、東京23区内の私立大の定員増を原則的に認めない方針を固めたことが13日、分かった。23区内での大学の定員をめぐっては、政府の有識者会議が5月、「定員増を認めない」とした中間報告をまとめた。これを受け、6月に閣議決定された地方創生の基本方針にも「定員増は認めないことを原則とする」との方針が盛り込まれた。



 こんなことで、地方の大学を助ける・・地方創生などできるわけがないでしょう。

進む有力大学の“東京ローカル化”、早慶は70%台に

8/26(土) 11:29配信  日刊工業新聞

 東京23区の大学の学生定員や学部の新増設を規制する方針を政府が打ち出した。東京一極集中の是正と地方の活性化が狙いだというが、効果は疑わしい。

実は地方から東京への進学は減少している。文部科学省の統計では、都内の大学に入学した東京圏(埼玉、千葉、神奈川含む)以外の学生は、2002年が4万5527人で36・4%を占めた。しかし16年は4万2998人で29・7%に減った。

そもそも23区の学生はそれほど増えていない。16年は46万7000人で全国の17・4%を占めた。だが1976年は約60万人で同29%、60年は約31万人で同44%を占めていた。学生は昔の方が東京に集中していた。



 文科省、配下の天下り団体の数は、省庁No1です!せっせせっせと、天下り団体=公益法人(独立行政法人と名前変え・・・)を作ってきたのが文科省です。

www.soumu.go.jp/main_content/000408998.pdf

閑話休題

世界貿易も同じです。第2次大戦後、世界の国は、GATT/WTOで、一貫して「関税の引き下げ」をしてきました。その結果、「トレード=交換=貿易」は拡大の一途となりました。

東学 資料政・経 2017
世界貿易量 拡大

日本輸出入 第一学習社 最新 政治経済資料集 新版 2015 p330

 自由貿易をして貧しくなった国など1つもありません。規制を主張する人は、すべて「現実無視=妄想」をこねくり回しています。

マクロ経済学のミクロ的基礎付け フェルマー 解析力学 ラグランジュアン

1.実はどんぶり勘定の、ミクロ経済学=新古典派理論

東京書籍 「倫理」2016 p123
…従来の学問であるであるスコラ哲学に変わる新たな学問の誕生である。この学問は、実験と理性を通じて自然そのものに内在する法則(自然法則)を見出すこと…。…科学革命ともよばれる。…このような自然探究も、キリスト教とまったく無縁の地盤から生じたわけではない。むしろ、それは、キリスト教信仰を支えとして…始まった。…地動説をとなえたコペルニクス、振り子の等時性、慣性の法則など力学上重要な諸法則を発見した。 




 古典派経済学・新古典派経済学に影響を与えたのは、物理学ではニュートン力学、数学では微積分です。ニュートン物理学と微積分は、「天体の運行」を、「将来にわたって解き明かす」ことを成し遂げました。「今」だけ、「○○月の時点だけ」の占星術(過去の経験)と違い、「未来時点で、どの位置に星があるか」を、「動学的理論(このように動く)」で、理論的に解き明かしたのです。

 経済学の「需要と均衡」理論は、価格の影響を受けながら、いつの間にか「均衡点」に向って動くというメカニズムです。均衡点からずれる=「供給>需要」であっても、自ずと均衡点に戻そうという力が働くとされています。これは、天体の動きの論理と同じです。太陽に近いほど、惑星の遠心力とスピードは強くなり、遠くなるほど弱まり、また太陽の方に引きよせられます(楕円軌道になります)。「一定の軌道を描くメカニズム→価格の均衡理論」です。

 さらに、太陽系には複数の惑星があり、それらの惑星がこのメカニズムにより、安定した秩序を作ります。これは、①財市場、②貨幣市場、③労働市場・・・社会全体がいつの間にか均衡するという、一般均衡論に応用されます。
 この世のすべてを細かく分け、空気の分子なども1個の天体(ミクロ)と考えれば、大気全体(マクロ)も説明できるという考え方は、「需給曲線が安定化し(ミクロ)、社会全体が安定する(マクロ)」という一般均衡論に取り入れられます。これら「1つの理論」で、すべてを説明するという技法は、「演繹法」と呼ばれています。

東京書籍 「倫理」2016 
P125~
ベーコンが知識獲得のために積極的方法として説いたのが帰納法であった。すなわち、観察や実験によって得られた様々な事実を土台として、それらに共通する一般的法則を見いだしていく方法である。
 …感覚や経験…デカルトは、そうしたものはしばしばわれわれを誤らせるから信頼できない、確実な知識は理性によってのみ与えられる…。…だれにとっても疑うことのできない真理から出発し、理性的な推理をかさね…つぎつぎと新しい知識を見いだしていくという演繹法によるべきだとした。



東京書籍 「倫理」2016 
 P160~
 …デカルトの考え…。…自然界の一切の変化は機械の運動と同じく、物質の因果法則にしたがった必然的運動…とみることである。…自然の変化を機械の運動と同じにみなす自然観を機械論的自然観という。この機械論的自然観は、ニュートンが万有引力の法則によって、地上から天空までの一切の自然現象を実際に機械論的に説明するにおよび、ゆるぎないものとなった。そしてこれが、それ以降さまざまな形で発達する自然諸科学のものの見方を根本から決定することになった。…ニュートンの機械論のパラダイムは、今日なお科学全般の中核的なモデルであるといえるのである。




このニュートン物理学の枠組みを、新古典派のワルラス、ジェボンズらは、自分たちの経済理論を説明するロジック(論理)として使いました。例えばワルラスは、貿易取引の決済を、次のように表現します。ジェボンズは物理学と経済学の関係を明快に位置づけます。

ワルラス『純粋経済学要論』岩波書店 1983年
P390
 …為替手形の世界市場は広大な手形交換所のようなものであって、そこでは全世界の取引が差額の支払いだけで決済される。そして、この結果は自由に放任せられた自由競争のメカニズムの効果だけによって得られるのである。そこには商品のすべての交換を秩序づける供給と需要の法則があり、それは天体の運動すべてを支配する万有引力の法則があるのと同様である。ここに経済社会の体系がその宏大さと複雑さの究極の状態において現れており、それは天体の世界の体系と同様に美しく、いい換えれば同様に宏大であり単純である。

 

ジェヴォンズ『経済学の理論』 日本経済評論社 昭和56年
Xii
 本書において、私は経済学を快楽及び苦痛の微積分学として取り扱わんと試み…。…いかに明らかに数学的分析と表現を許すかを発見してしばしば驚いた。…この…経済学の理論は静態力学と酷似し、そして交換理論は仮想速度の原理によって決定される「てこ」の均衡法則と類似することが判明した。富および価値の性質は、あたかも静態力学がエネルギーの無限小量の均衡の上に成り立つと同様、快楽および苦痛の無限小量の考察によって説明されるのである。



古典力学の意味する内容は、新古典派理論(経済学)では次のように表現されます。

古典力学

 ところが、ニュートン物理学には致命的な欠陥があります。これは、「①太陽と②地球」「①地球と②月」のような2個の天体だけを扱うだけの「統一理論=未来永劫に成り立つ理論」に過ぎないのです。「①太陽と②地球と③月」というように、天体の数が3個以上になると、解けなくなるのです。「太陽系」のように複数の惑星があるとお手上げです。物理学ではこれを「3体問題(多体問題)」といいます。

 ただし、太陽系においては、「太陽の引力」だけがけた外れに大きく、とりあえず、「2個の惑星間」に分けて回答した後に、それらを寄せ集めて「太陽系の運行」としても差し支えありません。誤差はほとんど気にならないのです。これがニュートン物理学です。ところが、「探査衛星の軌道」などに使う、複雑な引力を計算するには、誤差が大きすぎて「使えない」のです。
この誤差を軽く見積もったのが、ワルラスの「一般均衡論」です。太陽系の場合と同じように、いったんすべての問題をミクロでバラバラにし、その均衡を求め、最後にそれらをつなぎ合わせても、誤差はさほどでもなく、「太陽系の運行」のように、マクロの全体社会を描写できるとしました。本当は、①財市場、②貨幣市場、③労働市場・・・社会全体がいつの間にか均衡するという一般均衡論は、「3体問題(多体問題)」なので、厳密にはニュートン物理学の応用の範囲を超えていました。このように「一般均衡論」は、実はどんぶり勘定なのです。

という、古典力学から始まって、下記に続きます。ただし、下記説明は、図やグラフは、カットしています。

3 解析力学

 では、解析力学についてそのイメージを共有し、どのように、経済学理論として導入されていったかについて検証していきましょう。

(1)フェルマーの原理

「フェルマーの原理」は、解析力学の先代理論で、「光はその最少時間となる経路を進む」という定理です。お風呂で、お湯の中に入れた手や、水を入れたコップのストローが「曲がって見える:屈折」というのは、この「実証」になります。
この「フェルマーの原理」から、光の「入射角」と「反射角」は同じという結論が導かれます。

これは、ミクロ経済学の「エネルギーを最小にして最大効率を得るという法則に収れんする→最適な点は1つ→需給均衡点」につながります。「企業(P○○ 供給曲線追導出)や家計(p○○-予算線)の投資・消費行動は、無数にあるが、現実に実現化するのは、費用の最小化・利益の最大化という行動(光の通過方法)である」といえます。

つまり、「フェルマーの原理」という「たった1つの統一理論」で、ミクロ経済学の「最適化」論理を構成できるのです。原理を1つだけ要請すれば、そこから先は、光やものごとがたどる曲線が絵筆で描いたかのように簡単に導き出され、反射や屈折の法則は、ミクロ的原理から導けるということになるのです。

そこから、さらに解析力学は進化します。通過「時間T」に相当する部分が、のちの「解析力学」における「ラグランジアン=L=量 」になります。たとえばロケットの燃料消費「量」を最小にしたいとき…というように「量」を「最小化すべき量」として設定し、最適な「量」を数値化・グラフ化できます。つまり、ラグランジアンを応用することで、「神から与えられた法則=T」ではなく、人間が「量=L」を自由に決められることになります。企業がコストを最小限にしたいときは、それを人間が自由に設定することができます。このように、

「フェルマーの原理」が、解析力学へと発展したのです。

この「動学的予算線」を、フェルマーの原理で示すと、次のようになります。

入射角と反射角がイメージできます。このように、ランダムな線を引いても、結局は、ミクロ経済学の「エネルギーを最小にして最大効率を得るという法則に収れんする→最適な点は1つ→需給均衡点」、最適な点が導き出されます。これを応用し、さらに、「ラグランジュアン=L=量」で示します。

このグラフでは、人間は自由に量を決められます。たとえば、①図・③図では、①期(現在)ではわざと損することを承知の上で、②期=将来のトクを「予想(期待)」した方がいいと考えを示します。例えば、投資で、短期投資(株など)を捨てて、長期投資(不動産など)を選ぶ場合です。現実の数字を見た上で、不動産市況を「予想」し、長期投資します。「予想(期待)」が重要になります。この場合、異なる経路=現在と将来を比較してその均衡をとっています。「異なる時点での最適化行動」です。

ラグランジアンを、現代経済学が使用する理由がここにあります。「最少エネルギーで最大の効率を生む」という原理から出発し、運動方程式で経済の動向を表そうというのが、現代経済学の根本的な思想なのです。これが、「マクロ経済学のミクロ的基礎付け」「動学均衡論」の基本骨格です。「動学的一般均衡論」は、この枠組みに沿って構成されています。


こんな感じでしたが・・・難しいですね(笑い)。

世の中の経済入門書やネットの経済解説がすべてデタラメのわけ

<世の中の経済入門書やネットの経済解説がすべてデタラメのわけ>

 前回、高橋洋一や、田中秀臣、浜矩子、池田信夫などの自称「経済学者」や、池田彰や上念司ほか「自称経済解説者」など、まったく「経済学」としては使えない、はっきり言えば、「でたらめ」であることを説明しました。

 日本のマスコミレベルの「経済論」など、使い物になりません。ましてや、ネットにはびこるシロウト経済論など、論外です。教科書を学んでいないからです。現代経済学は、その「教科書」以外には載っていないからです。

 とにかく、マスコミ上・ネット上にはびこるシロウト論は徹底しています。「教科書読まない」「読んだことがない」「読むつもりがない」です。

 自動車の運転免許を取るにも、教習所に行って「教則本」を学びます。ユーキャンの資格取得にしても、「テキスト」で学びます。ところが、シロウト経済論は、そのテキストを「読まない・読めない」のです。

 それで、「自分の運転は大丈夫だ、うまいだろう」と言っているのですから、お話になりません。危なくてそんな車には近づけないのに、乗っている本人だけが気づかない・・そういうことです。


 デタラメというのは、彼らには「現代経済学」が全く理解できないというところにあります。現代経済学=DSGE=動学的一般均衡です。動学=時間軸を考慮した一般均衡(ミクロの需給均衡の概念)ですから、いわゆるミクロの「一般均衡」とは別物です。

 この40年間で、経済学は、一変しました。コペルニクス的転換=180度違ったものになったといってもよいでしょう。それが、彼らには全く理解できていません。

 その本質は「未来が現在を決める」ということです。これが現代経済学のエッセンスです。

未来が確定すると、現在の行動が変わるのです。

①インフレ・ターゲット
②●年●月に「オリンピック」
③●年●月に、都市圏「新線」「新駅」「新道」完成

 これらのようなことがあると、今の我々の行動が変わります。

 学生が試験勉強をするのは、「未来時点」のテストでいい点数がとりたいからです。「未来時点でこうなりたい=定期考査でいい点数を取る、いい大学に入る、競争倍率の高い企業に入社する」・・・

 未来が現在の「試験勉強をする・・」につながります。

 プロ野球選手・サッカー選手は「今シーズンに良い成績を収める、チームとしても優勝を狙う」という「未来」を実現するために今「練習」をします。

 会社の「投資」は、「未来予測」に基づいて行われます。学生募集(5年後10年後の戦力を育てる)も、工場建設も店舗拡張も、すべて「未来予測」です。将来の「見通し=売上見込み」のために、「今」投資をするのです。「今」投資をすれば、「未来が変わる」から・・・という考えに基づくものではありません。

 勉強・練習をするのは、「今勉強・練習すれば、将来はこうなるだろう(不確定)」ではなく、「将来にこうなりたい(資格試験・大学偏差値:目標クリア)ので、今勉強・練習する」のです。客観的な数値(未来段階でクリアする目標)に基づいて、今「勉強・練習」するのです。

 納期に合わせて今日生産する、プレゼンに合わせて今日資料を作る、1年後の出荷に合わせて、今日しいたけの菌をつける、コンテストに合わせて今日練習する、運動会に合わせて今日練習する・・・。

「未来」の目的を実現するために「今」の生活をする・「今」の生活を変えるのです。これが現代経済学の本質です。

 オールド・ケインジアンや、市場原理主義?なるものに、この「未来」は考慮されていません。静学均衡なのです。

 ところが、この現代経済学(動学)は、解析力学・ラグランジュ論や、微分積分を使用するため、「経済学の教科書」で解説するしか、その全容を伝えきれません。一般的な「新書」や、「経済入門本」で解説するのは、「無理」なのです。

DSGE モデル.jpg

1)ワルラス一般均衡論(新古典派=ミクロ) = ニュートン物理学(どんぶり勘定)

ワルラス均衡理論は、財市場・貨幣市場・労働市場・・・と複数均衡を扱います。ところが、ニュートン物理学では、「2つの引力」を分析できるのみで、「3つ以上の引力=均衡」は、理論的に扱えないのです。しかし、太陽系の場合、太陽の引力があまりにも巨大で、太陽と金星、太陽と水星、太陽と地球・・・とそれぞれ「2個の引力=ニュートン物理学」を使って解析し、それを寄せ集めて、「太陽系」を説明したのです。

ですから、ワルラス均衡も、それぞれの市場を分析し、それを無理やり「すべての市場均衡=複数均衡」として扱っただけで、もともと、原理的(2個の均衡しか扱えないニュートン物理学に依存)に、「無理」があるのです。

「ミクロ的基礎付け=ある理論からすべてを説明する演繹法」を装ってはいますが、最初から「誤謬」が生じるような理論なのです。


2)ケインズマクロ=帰納法(理論ではなく、実証から作った帰納法)

 一方、ケインズの理論=マクロ経済学は、帰納法です。つまり、実証から導き出した、「ミクロ的基礎付け=ある理論からすべてを説明する演繹法」ではありません。「投資の増減が不況につながる」のを発見し、では、投資を回復させるには・・・という帰納法です。理論などありません。世界大恐慌=不況を克服できれば、それでよいという、ざっくり論です。

 ケインジアンは、とりあえず、ミクロ=ワルラス均衡と、ケインズマクロを結び付け「古典派総合」として活用しますが、これらは原理的に「水と油」でした。

 だから、ルーカスらが、「マクロ経済学のミクロ的基礎付け=ある原理理論の演繹法によってマクロ理論にする」ことを、要請したのです。そこから、現代経済学が始まります。


3)動学的一般均衡
 
これが、現代の「マクロ経済学のミクロ的基礎付け」、ルーカス以後の現代経済学理論です。「動学=今と未来」を考慮したモデルです。

動学的予算線


この、理論には、

 ①フェルマーの定理
 ↓
 ②解析力学
 ↓
 ③ラグランジュアン


という、「ミクロ的基礎付け=演繹」が導入されています。


フェルマー

「フェルマーの原理=光は最少の時間で通過する=光の入射角と反射角は必ず同じになる=均衡は1つになる」という「たった1つの統一理論」で、ミクロ経済学の「最適化」論理を構成できるのです。原理を1つだけ要請すれば、そこから先は、光やものごとがたどる曲線が絵筆で描いたかのように簡単に導き出され、反射や屈折の法則は、ミクロ的原理から導けるということになるのです。

そこから、さらに解析力学は進化します。通過「時間T」に相当する部分が、のちの「解析力学」における「ラグランジュアン=L=量」になります。たとえばロケットの燃料消費「量」を最小にしたいとき…というように「量」を「最小化すべき量」として設定し、最適な「量」を数値化・グラフ化できます。つまり、ラグランジュアンを応用することで、「神から与えられた法則=T」ではなく、人間が「量=L」を自由に決められることになります。企業がコストを最小限にしたいときは、それを人間が自由に設定することができます。このように、「フェルマーの原理」が、解析力学へと発展したのです。

動学 

 それが、現在のラグランシュを使用した「マクロ経済学のミクロ的基礎付け」になるのです。

 新しい古典派の時代に登場する、動学的確率的一般均衡論(DSGE)は、新しい古典派も、ニュー・ケインジアンも同様に使います。「動学=時系列的な動きがある=現在と将来を見据えて考える理論」は、オールド・ケインジアンが使った「今現在」しか考えていない理論とは別物です。

 ところが、DSGE理論は、「数学=微積分」をふんだんに使う理論ですから、新書や一般的な経済解説本で扱うのは不可能です。「本質だけを紹介するという簡易化」が不可能ですから、世の中にある「簡単解説」経済本は、すべて「ケインズ→フリードマン(マネタリズム・市場経済重視)」までの枠組みで止まっています。はっきり言えば、「70年代」の「常識」で止まったままです。

 ですから、経済学を勉強したことのない一般人の枠組みは、それら本・雑誌に掲載される「古い経済学的常識」に基づいています。そのため、雑誌やネット上にはびこる論調は、市場原理をやみくもに批判したり、ケインズが「不況期」にしか使えない理論であることを無視して、とにかく「公共投資が重要だ」など、「経済学」を踏み外した議論が大手を振って論じられています。「古い話で使えない」のですが、「古い枠組み」しか理解できていないので、自分達の話がとんちんかんであることに気づいていないのです。

「市場原理主義」についてです。ここで述べられている「市場」は、実証的・現実的には「無い」、あくまでも理論上の話でした。

帝国書院『アクセス現代社会2015』
完全競争市場が成立するための条件

①市場に多数の売り手と買い手がおり、すべての売り手がプライス・テイカーである。
②財・サービス(商品)が同質である。
③売り手も買い手もすべての商品の品質や価格に関する情報をすべてもっている(完全情報)
④取引費用(情報収集など、商品の購入にかかったお金以外の費用)がほぼゼロである。
⑤市場への新規参入や撤退が自由である。



清水書院『政治経済資料集2015』p227 

 …こうした完全競争市場は、理論的モデルであって現実には存在しない。…にもかかわらず、完全競争市場を理解しなければならないのは、それが市場構造を評価するベンチマークだからである。現実の企業が直面するほとんどの市場は、完全競争市場の条件のいずれかを欠いている不完全競争市場なのである。


 
 現実にある市場は、ほとんどが「不完全競争市場(独占的競争市場や、寡占市場)」です。つまり、「不完全競争市場」こそが、経済学が研究の対象としている「市場」なのです。市場原理主義?なる「市場」など、実際には、どこにもないのです。ないものを相手に「市場原理主義批判?」なのですから、現代のドン・キホーテのような話です。

 世間では、「失われた20年」について、「市場原理主義、小さな政府を志向し続ける経済学、経済学者が悪い」「経済学など使い物にならない」「経済学など宗教のようなものだ」と批判されますが、実際には、「最新経済学を使えなかったので、日本だけが停滞してしまった」というのが、本当の所です。

<現代経済学>

では、「現代経済学=DSGE」とは何か、解説していきましょう。

クリック

DSGEモデル入門セミナー 平成27年12月18日 内閣府経済社会総合研究所

のページにある、講師:藤原一平(慶應義塾大学・オーストラリア国立大学教授)のPDFファイルを開いてください。

その4「ニューケインジアンモデル」を見ましょう。P50~です。そのP63に、現代の各国中央銀行が使用している理論の3本柱が載っています。

1)動学IS曲線=ニューIS-LMモデル(IS-MPのこと)

2)ニューケインジアン フィリップス曲線 NKPC

3)テイラールール


です。

 この理論については、拙著「図解使えるマクロ経済学KADOKAWA」のp218~223を参照してください。

2) ニューケインジアン フィリップス曲線 NKPC

フィリップス曲線 新

 フィリップス・カーブも、今は「昔」のモノではありません。「インフレだとよい」ではなく、大切なのは、「インフレ率=変化率」なのです。

実質=名目-期待(予想)変化率

インフレでありさえすればよい(実証にすぎないフィリップス・カーブ)では、70年代の「インフレなのに不況=高失業率」を、説明できませんでした。

1%=3%(名目価格)-2%(変化率)

大切なのは、「乖離=ギャップ」なのです。だから「インフレという事実」が大切なのではなく、「インフレ率という変化=動学」が大切なのです。

「実質」が大切なのは、労働市場でも同じです。①実質賃金が高止まり=失業率高(デフレ)→②実質賃金低下→失業率低下(回復期)→③実質賃金上昇=完全雇用(限界費用増)になります。

参照
クリック

池田信夫を銃殺せよ(クルーグマン風に言うと)その3

それで、マンキューが単なる「実証」だったフィリップス曲線を「限界費用増=変化率増=失業率低」という「理論」で、再構築したものが、ニューケインジアン・フィリップス曲線=NKFCです。大切なのは、「インフレ」ではなく「変化率」なのです。

その変化率は、「現在」と「未来」の間で「生じる」のです。

経済は、「未来に依存する」というのが、現代の経済学の必須事項なのです。だから、最新の「動学的確率的一般均衡=DSGE」では、2つの変数の1つ(XとY)は必ず「変化率」なのです。

この「本質=未来が現在を決める」について、解説します。

1)動学IS曲線=ニューIS-LMモデル(IS-MPのこと)

2)ニューケインジアン フィリップス曲線 NKPC

3)テイラールール


ニューケインジアン IS-LM

 この古いIS-LMモデルの式は、次の通りです。

1) Yt+1 = a1Yt - a2(it - E[πt+1]) + ϵt+1
2) πt+1 = b1πt + b2Yt + νt+1
3)  it = q1Yt + q2πt + ηt
4) ηt +1 = ϕt + εt+1

 しかし、この古いIS-LM拡張モデルでは、ルーカス批判(動学を無視している)に耐えられません。

 そこで、動学を取り入れた、ニューIS-LMモデルになります。この式は次の通りです。

5) Yt = E[Yt+1] -σ(it - E[πt+1]) + ϵt
6) πt = E[πt+1] + αYt + νt
7) it = q1Yt + q2πt + ηt
8) ηt +1 = ϕηt + εt+1

 このうち、最も大事なのは、6)です。不完全競争市場における「価格の粘着性」に「ミクロ的基礎」を与えました。この新しい「貨幣実体説」は、先進国中銀の金融政策「インフレ・ターゲット」「量的緩和」策の理論的根拠となっています。

 この「オールドIS-LM」と「ニューIS-LM」の決定的な違いは、因果関係の逆転にあります。IS-LM モデルでは現在tが未来t + 1 を決定しますが,ニュー IS-LM モデルでは未来t + 1 が現在t を決定しています。
 
これが、「40年も前の古い経済学」と「現代経済学」を分ける、決定的な違いです。残念ながら、この部分が、「新書」や「経済学入門本」や、「マスコミ論談」や「ネット上の経済井戸端会議」には、決定的に「欠けている」のです。

新 現代経済学

株価、先物取引、投資をどうするか、貯蓄すべきか、それとも消費するか・・・このように、経済活動はすべて「現在と未来予想」で動きます。そして、「未来予想(この予想を経済学では期待=expectationと表現します)」が、現在の私たちの行動を決定します。

「年金制度が不安だから、消費せずに貯蓄しておこう」、「消費増税があるので、今のうちに買いだめしておこう」「2020年の東京オリンピックに向けて、日本の投資は活発になるだろうから、わが社の今季投資計画・採用計画を決定しよう」・・・。このように、「未来が私たちの現在の行動を確実に変化させている」のです。この「未来」を「一般均衡=最適化行動」に組み入れたのが、現在の「動学的一般均衡=未来と現在を見据えた最適化行動」モデルなのです。

この理論を具体化(実践化)したものが、1990年代初頭に各国中央銀行が採用した「インフレ・ターゲット」です。現在は、アメリカの中央銀行FRB、EUの中央銀行ECBもとっくに採用し、日本も遅ればせながらようやく2013年に採用しました(タイムラグが20年あります。これが「失われた20年」です)。

インフレ・ターゲット

 このインフレ・ターゲットの本質は「不確定な未来を確定させる」ことにあります。未来の確定によって、現在の私たちの行動が変わるのです。このインフレ・ターゲット理論が「なぜ」採用されたのか、ちまたにある新自由主義・市場原理主義」批判者、ケインジアン主義者の解説では、一切登場しません。これらの古い経済学では、「動学的一般均衡」が、理論的に説明できないのです。

 このように、世の中にある「一般的経済学解説書」「新書」「経済学入門」は、すべて古い経済学の段階で止まっています。経済学者の書くぶあつい「教科書」や「解説書」以外では、現代経済学は扱われていないのです。これらは、一般の読者が読む代物ではありません。

 経済は、「②未来(予想)」が「①現実(今現在)」に作用して動くのです。ですから、「②未来(予想)」を絶対にはずせなくなっているのが、現在経済学の本質なのです。「フォワード・ルッキング」「フォワード・ガイダンス」と呼ばれています。

 この「動学的一般均衡=未来を加味した理論」=現代経済学では必須事項なのに、なぜ、世間一般では、「現代経済学」が、理解されていないのでしょうか。それは、今の、「動学的一般均衡」は、微分積分を多用するので、「一般的経済学解説書」「新書」「経済学入門」レベルでは、扱いきれないからです。

 では、この新しい(といってももう30年以上もたっていますが)現代経済学=ニューIS-LMで、インフレターゲット・量的緩和という政策論が、どのように導き出されるのか、下記を見ましょう。

クリック

インフレ予想とデフレ脱却〜レジーム・チェンジの経済学〜 矢野浩一(駒澤大学経済学部) 国民経済計算研究会 2015年3月14日


P29~になります。

ネットなど、こんなアホ論ばかりです。

http://blogos.com/article/208465/

近藤駿介

トランプ大統領の標的となった日銀緩和 ~ 止めるは恥だが役に立つ




高橋洋一や、田中秀臣、浜矩子、野口悠紀雄・・・などの自称「経済学者」や、池田信夫、池田彰、上念司、大前研一、久保田博之・・・「自称経済解説者」など、「でたらめ」であることが、理解できましたか?

<直接民主制など、大馬鹿>

イギリスのEU離脱の国民投票

イタリアの首相が憲法改正案を提示し、否決されれば辞任を明言。

はっきり言います。直接民主制は、やってはだめです。

理由は、「情報の非対称性」です。

私たちは、普段、ほかの仕事についているので、政治課題について、じっくり検討する時間がありません。

だから、私たちは、「代表民主制」「民主主義」というシステムを採用しているのです。

選ばれた人たちに「信託(ロック)」し、私たちの「自然権」を守るのです。

選ばれた人たち(選民)は、私たちよりはるかに「政治課題」について、勉強する時間があります。情報の集約が、われわれ一般人とは、雲泥の差があります(あの、まともな政治家なら・・・の話です。中にはひどい人もいるでしょうが、それでも一般人よりははるかに時間があります)。

 そもそも、その「国会議員」であっても、1国会期間中に出される200本近い法律案をすべて理解するのは、無理です。だから 法務委員会・厚生労働委員会・・・などの委員会でそれぞれの法案を「勉強した」議員が、専門的に審議します。それが本会議に出て、「よく知らない議員」が、「専門議員」にゆだねた法律案を決済します。

 議員でさえ、「情報の非対称性」に埋もれているのですから、マスコミの「評論家」など、法律案をすべて知っているものなど、皆無です。いい加減な知識で、意見を述べているだけです。

 国会議員でも、「勉強」をしている議員であれば、忙しくて「ツイッター」で相手を非難する時間ももったいないですし、ましてや「会議中」にツイッターなど、できるわけがありません。

それでも、法律案を勉強する時間は、私たち一般人より、はるかに恵まれています。その人たちに「議論」してもらうのが、「民主主義」「代表民主制」です。

民主主義など、「よくわからない者の、よく分かっていない者による、よくわかっていない者のための政治」にしか過ぎないのです。完全情報など、「神」しか持っていません。

要するに、政治のプロ(課題を解決するための方策を考えるプロ)に、ゆだねるしかないのです。

病気は、医者にゆだねる、法律は法曹にゆだねる、自動車修理はプロにゆだねる・・・

私たちは、専門業に特化している(1日8時間、その仕事に時間を費やす)ので、「政治課題」について、すべての人々が「選民」よりも情報を持つのは、物理的に「無理」なのです。

住民投票、国民投票にゆだねるなど、民主主義(間接民主制)の原則を無視した、自殺行為です。
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