金哲彦著 「ランニング・メソッド」
7月、ランニング中に足の付け根当りを痛めてしまい、完全に痛みが取れたのが8月末。それでも少し長い距離を走ろうとすると痛みがぶり返してくるので、短い距離を、週2回くらいから始め、徐々に体をランニングに慣らさせてきました。
なんとか2日連続で走れる事もできるようになり、徐々に回数と距離を伸ばしていけそうなところまで来ましたが、それでも、ちょっと無理をすると何となく違和感を感じるようになるので、まだまだ体と相談しながらという状態です。
でも、走れるのが本当に嬉しいです。走れなくなって初めて、走れることの楽しさ、ありがたさを感じています。ま、そんなもんなんですけどね。
以前紹介した通り、「幸せ」は、目の前に山ほどあり、私たちは「幸せ」という海に浸かっているにも関わらず、それに気がつかずに何処か他の場所に幸せがある筈って探しているんですよね。
失ってありがたさが分かるものって、いくらでも思いつきますが、失う前にそのありがたさに感謝しなっきゃダメですよね。
そんなこんなで、ランニングも少しずつだけど本格的に再開していけそうな感触もあり、出来れば体に負担の少ない走り方をしたいなと思い、それ系の本を本棚から引っ張り出してきました。
ということで、金哲彦著 「ランニング・メソッド」のご紹介。
歩くこと、走ることは人間の基本的な動作だということは分かりますよね。なので、人間の骨格や筋肉は走るため、歩くために作れられているとも言えるのです。
副題には、「羽が生えたように動きがかるくなる!」とありますが、それは「正しい走り方を覚える」というよりも、「子どものころの走り方に戻す」ことのようです。
子どもが誰に教わったのでもないのに、自然にきれいなフォームで走ることが出来るのは、彼らには筋力がなく、骨格にも変なクセがついていないので、余計な部分に力が入ったり、体のクセによってフォームが乱れたりすることが少なく、動き易い方向に自然に動いているからです。
言い方を変えると、体が本来持っている性能を活かした走り方が理想で、そのためには体に染み付いてしまった体のクセを元に戻すことが必要だってことです。
体幹とは、胴体の中心を通る一本の柱をイメージしたものを意味しています。この柱を中心に、胴体を左右に回しているイメージで走ると、前後左右に体がブレることなく、きれいにラクに前へ前へと進めるのです。
この体幹に絡まってくるのは、丹田・肩甲骨・骨盤という3つの部位です。
最初にまとめて言ってしまうと、
そう言えば、スイミングの時も重心は丹田の近くにあるって書きましたが、これも実感的にはいま一つでした。
ポイントは、走るためのエネルギーは脚から生まれるのではなく、肩甲骨から生み出されているということ。言ってしまえば、脚で走るのではなく、肩甲骨で走るってことですね。
ただ、動かすのは“肩”ではなくて“肩甲骨”だってことなんですが、肩甲骨も丹田と同様に、ふだん意識して使うような部位ではないので、これもまたちょっと難しいかも。
それも肩甲骨を“引く”という表現になっています。本書には、「背中の筋肉を使って自然に背骨の方に寄せる」って説明してあります。
自分なりの理解としては、「体幹の周りにある背中の筋肉で体を回転させる」みたいな感じかな?
因みに、この動きは肩周辺の筋肉のストレッチにもなり、肩周辺のコリや疲れを感じた時にも効果があるそうで、肩コリのある私には都合のいい動きなのですが、うまく理解できていないだけに、なんとも。
肩甲骨を後ろに引くことで骨盤が逆方向に回転する流れになるわけですが、スムースに回転させるためには骨盤を前傾させることがポイントです。
骨盤を「前傾」させるためには、丹田に力を入れたまま、お尻の筋肉でクッと「お尻の穴を締めてヒップアップさせる」とのことですが、これまた分かるような分からないような表現です。
こういう“感覚”を言葉で説明するのは難しいですよね。説明を頼りに、自分で色々と試しながら探し当てていくしかないのでしょう。
歩きの延長上に走りがあるわけですから、これは納得です。ランニングは空中から片足で着地する動作の連続ですが、ウォーキングはこの「両足が中に浮く瞬間」がありません。ランニングとウォーキングの違いはこの差だけです。
少し前にKIMIKO著 「歩く姿勢が美しくなる本」を紹介しましたが、その中で「美しいウォーキングは、先ずは正しい姿勢から」とありました。本書も同じことを言っています。
羽が生えたように軽く走れる正しいフォームを完成させていくプロセスは次の3つです。
立っている時は、体重と同じだけの反作用が体に働いています。それが走っている時の着地の衝撃は、体重の3倍になると言われています。体重60kgの人は、片足で180kgの衝撃を受けることになるのです。
それだけに、「正しい姿勢」が大事になるんです。着地が変な形だと、脚のどこかに体重の3倍の衝撃が偏ってかかってしまいます。着地の時は、まっすぐ足を下ろして、しっかり足全体で全体重を支えることを意識しましょう。
一方で、この地面から返ってくる力を“貰える”という見方もできます。地面が体を押してくれるのですから。ただ、骨盤が下がっていると、体よりも脚が先に出てしまい、体を(極端に言えば)後ろ方向に押すことになり、脚への負担が増大します。
やはり姿勢です。正しい姿勢ができていれば、背中(肩甲骨)、腹(丹田)、腰(骨盤)、脚と、全身の筋肉を使って走れるため、脚以外の様々な部位に負担が分散され、結果的に効率的で美しい走りになるのだと思います。
この記事を書いてから8kmほど走ってきました。記事の内容を思い出しながら、丹田・肩甲骨・骨盤を(分からないながらも)意識して走っていましたが、少なくとも何も考えずに走るよりはフォームが良くなっているような気はしました。
走りながら、自分の体に合った走りを探していく感じなのかな。
なんとか2日連続で走れる事もできるようになり、徐々に回数と距離を伸ばしていけそうなところまで来ましたが、それでも、ちょっと無理をすると何となく違和感を感じるようになるので、まだまだ体と相談しながらという状態です。
でも、走れるのが本当に嬉しいです。走れなくなって初めて、走れることの楽しさ、ありがたさを感じています。ま、そんなもんなんですけどね。
以前紹介した通り、「幸せ」は、目の前に山ほどあり、私たちは「幸せ」という海に浸かっているにも関わらず、それに気がつかずに何処か他の場所に幸せがある筈って探しているんですよね。
失ってありがたさが分かるものって、いくらでも思いつきますが、失う前にそのありがたさに感謝しなっきゃダメですよね。
そんなこんなで、ランニングも少しずつだけど本格的に再開していけそうな感触もあり、出来れば体に負担の少ない走り方をしたいなと思い、それ系の本を本棚から引っ張り出してきました。
ということで、金哲彦著 「ランニング・メソッド」のご紹介。
羽が生えたように軽く走る

副題には、「羽が生えたように動きがかるくなる!」とありますが、それは「正しい走り方を覚える」というよりも、「子どものころの走り方に戻す」ことのようです。
子どもが誰に教わったのでもないのに、自然にきれいなフォームで走ることが出来るのは、彼らには筋力がなく、骨格にも変なクセがついていないので、余計な部分に力が入ったり、体のクセによってフォームが乱れたりすることが少なく、動き易い方向に自然に動いているからです。
言い方を変えると、体が本来持っている性能を活かした走り方が理想で、そのためには体に染み付いてしまった体のクセを元に戻すことが必要だってことです。
意識すべきは、丹田・肩甲骨・骨盤という3つの部位
目指すのは一流選手たちに近いフォームで走ること。その走りのポイントとは、“体幹”を上手に使うことにあるようです。体幹とは、胴体の中心を通る一本の柱をイメージしたものを意味しています。この柱を中心に、胴体を左右に回しているイメージで走ると、前後左右に体がブレることなく、きれいにラクに前へ前へと進めるのです。
この体幹に絡まってくるのは、丹田・肩甲骨・骨盤という3つの部位です。
最初にまとめて言ってしまうと、
- 丹田に重心を置きながら
- 体幹を回転の中心軸として肩甲骨を後ろに引くと
- その反動によって骨盤が逆方向に回り
- その回転につられて足が勝手に前に出る
丹田とか肩甲骨なんて、ふだん意識して使うような部位じゃないからなー
丹田に重心を置く。うーん、自分自身理解できていないので、敢えて言葉で言えば「体幹の中心軸上、おへそから5cmくらい下」に重心を置くってことですが、なんとなく「この辺り」を、意識しながら走るって感じでしょうか。そう言えば、スイミングの時も重心は丹田の近くにあるって書きましたが、これも実感的にはいま一つでした。
ポイントは、走るためのエネルギーは脚から生まれるのではなく、肩甲骨から生み出されているということ。言ってしまえば、脚で走るのではなく、肩甲骨で走るってことですね。
ただ、動かすのは“肩”ではなくて“肩甲骨”だってことなんですが、肩甲骨も丹田と同様に、ふだん意識して使うような部位ではないので、これもまたちょっと難しいかも。
それも肩甲骨を“引く”という表現になっています。本書には、「背中の筋肉を使って自然に背骨の方に寄せる」って説明してあります。
自分なりの理解としては、「体幹の周りにある背中の筋肉で体を回転させる」みたいな感じかな?
因みに、この動きは肩周辺の筋肉のストレッチにもなり、肩周辺のコリや疲れを感じた時にも効果があるそうで、肩コリのある私には都合のいい動きなのですが、うまく理解できていないだけに、なんとも。
腰の位置が高い姿勢とは、骨盤が前傾している状態
そして骨盤。以前、ランニング雑誌で、「ジョギングしている人の8~9割くらいの人が、腰が落ちている走り方をしている」という記事を読んだ記憶があります。この“腰が落ちている”というのは、腰が「後傾」している状態のことのようです。肩甲骨を後ろに引くことで骨盤が逆方向に回転する流れになるわけですが、スムースに回転させるためには骨盤を前傾させることがポイントです。
骨盤を「前傾」させるためには、丹田に力を入れたまま、お尻の筋肉でクッと「お尻の穴を締めてヒップアップさせる」とのことですが、これまた分かるような分からないような表現です。
こういう“感覚”を言葉で説明するのは難しいですよね。説明を頼りに、自分で色々と試しながら探し当てていくしかないのでしょう。
“正しく”立つことも、歩くことも、走ることも、すべて一線上に
「体幹を回転の中心軸として肩甲骨を後ろに引き、その反動で骨盤が逆方向に回り出し、この骨盤の回転につられて足が勝手に前に出る」ような、力みのないきれいな「走り」は、きれいな「歩き」にも通じます。歩きの延長上に走りがあるわけですから、これは納得です。ランニングは空中から片足で着地する動作の連続ですが、ウォーキングはこの「両足が中に浮く瞬間」がありません。ランニングとウォーキングの違いはこの差だけです。
少し前にKIMIKO著 「歩く姿勢が美しくなる本」を紹介しましたが、その中で「美しいウォーキングは、先ずは正しい姿勢から」とありました。本書も同じことを言っています。
羽が生えたように軽く走れる正しいフォームを完成させていくプロセスは次の3つです。
- まっすぐバランスよく立つ
- きれいに歩く
- きれいに歩いた感覚を活かして走る
体重の3倍の衝撃を、体全体で分散して受け止める
「作用・反作用」という物理法則がありますが、立っていても、歩いていても、走っていても、この法則が体に作用しています。違うのは、その力の大きさ。立っている時は、体重と同じだけの反作用が体に働いています。それが走っている時の着地の衝撃は、体重の3倍になると言われています。体重60kgの人は、片足で180kgの衝撃を受けることになるのです。
それだけに、「正しい姿勢」が大事になるんです。着地が変な形だと、脚のどこかに体重の3倍の衝撃が偏ってかかってしまいます。着地の時は、まっすぐ足を下ろして、しっかり足全体で全体重を支えることを意識しましょう。
一方で、この地面から返ってくる力を“貰える”という見方もできます。地面が体を押してくれるのですから。ただ、骨盤が下がっていると、体よりも脚が先に出てしまい、体を(極端に言えば)後ろ方向に押すことになり、脚への負担が増大します。
やはり姿勢です。正しい姿勢ができていれば、背中(肩甲骨)、腹(丹田)、腰(骨盤)、脚と、全身の筋肉を使って走れるため、脚以外の様々な部位に負担が分散され、結果的に効率的で美しい走りになるのだと思います。
この記事を書いてから8kmほど走ってきました。記事の内容を思い出しながら、丹田・肩甲骨・骨盤を(分からないながらも)意識して走っていましたが、少なくとも何も考えずに走るよりはフォームが良くなっているような気はしました。
走りながら、自分の体に合った走りを探していく感じなのかな。
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