太田義洋著 「百式英単語 最速インプット→2023」
太田義洋著「百式英単語 最速インプット→2023」のご紹介。「1日20分→25時間で2023語が覚えられる!」という副題が付いています。
アマゾンの内容紹介には、こんな風に書かれています。
単語の意味が反射的に答えられるようになる英単語集。「2×2=(ににんが)」と言われたら一瞬で「4(し)!」と答えられますよね。「百式」はこの九九を応用した新しい記憶法です。九九方式の音読法を実践することで――例えば、「affirm」と言われたら、反射的に「断言する!」と答えられるようになります。
CDも付属していますが、こっちも単語の発音などは一切入っておらず、勉強の進め方であるとか、ここ一週間でこの百式勉強法を始めた二人の高校生が、どれだけ単語を覚えられたかのデモンストレーションなどが収められています。
百式の単語暗記法は、いたってシンプルで、特に新しくもありません。私自身も、高校生の頃は同じような暗記方法をやっていたと思います。
一週間で覚えようと思う100個の単語を、英語の発音と日本語の意味を、続けて2回づつ、声に出して20分間“音読”していくだけです。
たとえば、「citizen・市民・citizen・市民・offer・申し出る・offer・申し出る・・・・・」といった具合です。
これを毎日20分間、繰り返せるだけ繰り返して音読し、7日間続けるのです。ポイントは、“音読”にあります。
言語活動には、音を使った「聞く」「話す」と、文字を使った「読む」「書く」という4つの形があります。「聞く」「読む」は、「インプット行為」であり、「話す」「書く」は「アウトプット行為」ということになります。
そして、「単語を覚える」とは、まさしく「インプット活動」であるので、単語を最も効率的に覚えるには、「聞く」と「読む」という二つのインプット行為を組み合わることにあるというのが著者の主張です。
すなわち「音読」をすることで、「聞く」と「読む」の二系統のインプットを同時に行うことが可能なので、効率的であるということです。
たとえば「聞いて覚える」。
著者は、ある曲が本当に好きで、iPodに入れて400回以上聞いたことがあるそうです。ある時、カラオケでその曲を歌おうとしたら、あんなに繰り返し聞いた歌なのに、歌詞はなんとなくしか覚えていなかったことに驚きました。
逆に、最初からカラオケで歌おうと思って、主体的に聞き、かつ口ずさんでいた歌は、それほど多く繰り返さなかったにもかかわらず、歌詞も覚えていたし、細かいリズムも体得していて、キチンと歌うことができました。
この二つの違いは、受動的か主体的かという違いです。
「声を出さない語学の勉強」は、「声を出さないで歌の練習をする」ようなもので、非効率的なんですよってのが著者の主張です。
これも、いまでもいろんなところで目にするやり方ですし、私自身も効果があると信じています。
でも著者曰く、「時間がかかり過ぎる」という点で論外とのことです。効果があるかどうかで言えば、効果はあるだろう、と。でも記憶には残っていくかもしれないけど、とてつもなく非効率的だということです。
「単語カードで覚える」。
これも、やったことがあります。でも、「単語カード」を作るのに大いなる労力を使って、それだけで勉強をした気分になっていましたが、単語はいっこうに覚えられませんでしたね。
単語カードを使って覚えようとする人は、英単語の書いてある面を見て、「う~ん、なんて意味だったかなあ・・・」と悩み、分からないとぺラッとめくって意味を確認する、という手順を繰り返します。
でも、この「う~ん、なんて意味だったかな・・・」と悩んでいるのが時間の無駄だと著者は言います。
「ないものは出せない」のに、かすかな記憶を頼りに、唸って無理やりひねりだそうとするから、暗記が辛くなって、結局は挫折してしまうんだよと。
その「イヤでも覚えてしまう」秘密は、長期記憶化プログラムにあります。
「毎日10個づつ覚えよう。10日で100個、100日で1000個!」。これは多くの人がやっている必ず挫折する方法だそうです。
この覚え方は、詰め込んでは忘れての繰り返しなので、覚えるのが辛くなり、更に言えば100日で1000個では時間のかかり過ぎです。そもそも、100日たった頃には、最初のページの単語は忘れてしまっていませんか。
短期記憶と長期記憶という言葉というか概念のことは聞いたことがあることと思います。
脳の中には、入ってくる様々な情報の中から、長期記憶にするか否かを審査する「海馬」という器官があるのですが、その海馬が「長期記憶」に“する”or“しない”を判定する際の基準にしているは、簡単に言うと「数日間に渡って何回も来た情報か否か」なんです。
つまり長期記憶にするには、「長期間に渡って」、「同じ情報」を脳に送りこめばいいのです。
逆にいえば、単語は数日間繰り返さない限り長期記憶にはならないんですね。だから、「毎日10個づつ覚えて10日で100個」なんてことは、机上の空論であり、原理的に無理があるということになるのです。
百式は、「身につける方法」なのです。だから記憶力も必要とせず、暗記の苦しみもなく、誰にでも覚えられる方法だということです。
たとえば「apple」という単語、あなたはいちいち意味を思い出そうと苦労しなくても一瞬で「りんご」と理解することができるでしょう。
これが「身に付いている」ということです。
これに対して「頭」で覚えただけで「身」についていない単語は、「えーと、なんだっけかな」と頭の中を検索して思い出す作業が必要になります。
これでは、スムーズな読解や会話は不可能でしょう。「思い出している」間にリスニングの話は先に進み、文章の読解は停滞してしまいます。
「apple」を見た瞬間に「りんご」と反応できるような「瞬発力」が語学のカギなのです。
シンプルだけど、いやシンプルなだけに、もしかしたらそこに“真理”が有るのかもしれません。少なくとも挑戦してみようかなっていう気にはさせてくれる本です。
アマゾンの内容紹介には、こんな風に書かれています。
単語の意味が反射的に答えられるようになる英単語集。「2×2=(ににんが)」と言われたら一瞬で「4(し)!」と答えられますよね。「百式」はこの九九を応用した新しい記憶法です。九九方式の音読法を実践することで――例えば、「affirm」と言われたら、反射的に「断言する!」と答えられるようになります。
百式英単語の極意は“音読”を繰り返すことにあります
ということで英単語本なんですが、全部で約170ページの内の約1/3、60ページが単語の“覚え方”の解説になっているのが、結構特徴的かもしれません。CDも付属していますが、こっちも単語の発音などは一切入っておらず、勉強の進め方であるとか、ここ一週間でこの百式勉強法を始めた二人の高校生が、どれだけ単語を覚えられたかのデモンストレーションなどが収められています。
百式の単語暗記法は、いたってシンプルで、特に新しくもありません。私自身も、高校生の頃は同じような暗記方法をやっていたと思います。
一週間で覚えようと思う100個の単語を、英語の発音と日本語の意味を、続けて2回づつ、声に出して20分間“音読”していくだけです。
たとえば、「citizen・市民・citizen・市民・offer・申し出る・offer・申し出る・・・・・」といった具合です。
これを毎日20分間、繰り返せるだけ繰り返して音読し、7日間続けるのです。ポイントは、“音読”にあります。
言語活動には、音を使った「聞く」「話す」と、文字を使った「読む」「書く」という4つの形があります。「聞く」「読む」は、「インプット行為」であり、「話す」「書く」は「アウトプット行為」ということになります。
そして、「単語を覚える」とは、まさしく「インプット活動」であるので、単語を最も効率的に覚えるには、「聞く」と「読む」という二つのインプット行為を組み合わることにあるというのが著者の主張です。
すなわち「音読」をすることで、「聞く」と「読む」の二系統のインプットを同時に行うことが可能なので、効率的であるということです。
「聞いて覚える」ってやり方はどうなの?
巷には、さまざまな英単語の記憶方法があります。もちろん、私もいろんな方法を試してきました。たとえば「聞いて覚える」。
著者は、ある曲が本当に好きで、iPodに入れて400回以上聞いたことがあるそうです。ある時、カラオケでその曲を歌おうとしたら、あんなに繰り返し聞いた歌なのに、歌詞はなんとなくしか覚えていなかったことに驚きました。
逆に、最初からカラオケで歌おうと思って、主体的に聞き、かつ口ずさんでいた歌は、それほど多く繰り返さなかったにもかかわらず、歌詞も覚えていたし、細かいリズムも体得していて、キチンと歌うことができました。
この二つの違いは、受動的か主体的かという違いです。
「声を出さない語学の勉強」は、「声を出さないで歌の練習をする」ようなもので、非効率的なんですよってのが著者の主張です。
「書いて覚える」とか「単語カード」なんて暗記法もありますよね
「単語は書いて覚える」。これも、いまでもいろんなところで目にするやり方ですし、私自身も効果があると信じています。
でも著者曰く、「時間がかかり過ぎる」という点で論外とのことです。効果があるかどうかで言えば、効果はあるだろう、と。でも記憶には残っていくかもしれないけど、とてつもなく非効率的だということです。
「単語カードで覚える」。
これも、やったことがあります。でも、「単語カード」を作るのに大いなる労力を使って、それだけで勉強をした気分になっていましたが、単語はいっこうに覚えられませんでしたね。
単語カードを使って覚えようとする人は、英単語の書いてある面を見て、「う~ん、なんて意味だったかなあ・・・」と悩み、分からないとぺラッとめくって意味を確認する、という手順を繰り返します。
でも、この「う~ん、なんて意味だったかな・・・」と悩んでいるのが時間の無駄だと著者は言います。
「ないものは出せない」のに、かすかな記憶を頼りに、唸って無理やりひねりだそうとするから、暗記が辛くなって、結局は挫折してしまうんだよと。
覚えたことを“長期記憶”にするためには
ふつう“暗記”には苦痛がつきものですが、この百式は「まったく辛くない」そうです。なぜなら百式は、「暗記しよう」「覚えよう」と力む必要がないから。百式は、「覚えたくない」と思っても「覚えてしまう」暗記法なんだそうです。その「イヤでも覚えてしまう」秘密は、長期記憶化プログラムにあります。
「毎日10個づつ覚えよう。10日で100個、100日で1000個!」。これは多くの人がやっている必ず挫折する方法だそうです。
この覚え方は、詰め込んでは忘れての繰り返しなので、覚えるのが辛くなり、更に言えば100日で1000個では時間のかかり過ぎです。そもそも、100日たった頃には、最初のページの単語は忘れてしまっていませんか。
短期記憶と長期記憶という言葉というか概念のことは聞いたことがあることと思います。
脳の中には、入ってくる様々な情報の中から、長期記憶にするか否かを審査する「海馬」という器官があるのですが、その海馬が「長期記憶」に“する”or“しない”を判定する際の基準にしているは、簡単に言うと「数日間に渡って何回も来た情報か否か」なんです。
つまり長期記憶にするには、「長期間に渡って」、「同じ情報」を脳に送りこめばいいのです。
逆にいえば、単語は数日間繰り返さない限り長期記憶にはならないんですね。だから、「毎日10個づつ覚えて10日で100個」なんてことは、机上の空論であり、原理的に無理があるということになるのです。
確かに英語における“瞬発力”は重要ですよね
百式の目指すのは、「頭で覚える」のではなく、「体で覚える」ということです。「暗記する」のではなく「身につける」のです。百式は、「身につける方法」なのです。だから記憶力も必要とせず、暗記の苦しみもなく、誰にでも覚えられる方法だということです。
たとえば「apple」という単語、あなたはいちいち意味を思い出そうと苦労しなくても一瞬で「りんご」と理解することができるでしょう。
これが「身に付いている」ということです。
これに対して「頭」で覚えただけで「身」についていない単語は、「えーと、なんだっけかな」と頭の中を検索して思い出す作業が必要になります。
これでは、スムーズな読解や会話は不可能でしょう。「思い出している」間にリスニングの話は先に進み、文章の読解は停滞してしまいます。
「apple」を見た瞬間に「りんご」と反応できるような「瞬発力」が語学のカギなのです。
シンプルだけど、いやシンプルなだけに、もしかしたらそこに“真理”が有るのかもしれません。少なくとも挑戦してみようかなっていう気にはさせてくれる本です。
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