チェロアンサンブルコンサート

27日、今年の締めくくりに、辻本玲さん、伊藤悠貴さん、小林幸太郎さん、伊東裕さん、岡本侑也さん、上野通明さんという若手の名手ぞろいのチェロアンサンブルコンサートを聴きに行く。

この6人が毎年末チェロアンサンブルで共演するようになって、もう5年目なのだそうで、その間にも毎年のように誰かが大きな国際コンクールで賞を取ったり、辻本玲さんはN響の首席チェロ奏者に就任(2020年)したりとそれぞれに活躍し続けているわけで、この忙しい6人が毎年揃って公演を続けていることを「奇跡のチェロ・アンサンブル」と謳うのは、決して大げさではなかろうと思う。 今年は、上野通明さんがジュネーブ国際音楽コンクールで優勝(10月)したのが、まだ記憶に新しいところ。伊東裕さんが今年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」のエンディングのコーナーでチェロ独奏していたのも話題だった。

東京文化会館小ホールは満席の聴衆。上野駅公園口はリニューアルされて(2020年3月)広々としてから初めて降りた。

曲目は、ダヴィドフ「賛歌」、ポッパー「ハンガリー狂詩曲」、ドビュッシー「月の光」、リムスキー=コルサコフ「シェヘラザード」とわりあい静かな出だしに続いて、サン=サーンス「序奏とロンド・カプリチオーソ」。 休憩をはさんで後半がピアソラ「ブエノスアイレスの四季」。

中でも前半最後の「ロンカプ」──後半にあったMCで6人はこう略していた──は原曲が独奏バイオリンとオーケストラの技巧的な曲であるのにもかかわらず、この6人のチェリストにかかると見事な迫力で、しかもこの曲で1番チェロに座った岡本侑也さんはもちろんのこと、全員に難しいパッセージがかわるがわる振り分けられていて、 まるで6人のソリストのチェロ協奏曲がフィナーレに向かって盛り上がっていくようだった。もちろん会場は歓声まじりの拍手喝采。 こんな演奏ができるのはこの6人だからこそで、こんな編曲をしてしまう(しかも自身でも弾く)小林幸太郎さんの手並みには感心するしかない。きっとパート割りを想定しながら「当て書き」の部分もあったのではないか。 小林さんがチェロ以外の楽器の名曲・難曲を編曲した曲はこれまで多いが、この「ロンカプ」はその中でも一番のインパクトだったのではないかと思う。

この6人によるコンサートは、来年2022年も12月29日東京、30日大阪で開催することが決まっているのだそう。アンコールはピアソラ「現実との3分間」。

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2 Comments

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No title

年末恒例の奇跡チェロアン、今年は遂にタイトルから若獅子が取れましたね〜笑
個々人が自分の持ち場で頑張った1年の終わりに集まって、お互いを刺激し高め合うような素晴らしい演奏!息つく暇もないようなゴージャスな時間でした。
昨年は欠席、クールな印象の岡本くんの弓の毛が熱演でハタキみたいになった時とか、仲の良い雰囲気が見られたのも良かったです。やはり、生は良いですね!
(クラシック倶楽部で放送予定だそうで、それも嬉しい!)

今年もチェロ情報、楽しみにしております!
♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪

2022/01/02 (Sun) 11:12 | EDIT | REPLY |   

yoshi  

コメントありがとうございます。コンサートにいらしてたんですね。そうそう、ピアソラのときでしたか、岡本さんの弓のハプニングには驚きました(ハタキ...笑)。
当日、何台もの大きなカメラで収録していたのはわかりましたが、NHKだったんですね。情報ありがとうございます。放映楽しみです。

2022/01/02 (Sun) 17:25 | EDIT | REPLY |   

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