一年半ぶりの本番
3月に再開の声が掛かり、4月にはトップや弦メンバーだけの練習を再開していたが、合奏練習が再開できたのはようやく5月のことだった。再開しても、練習ホールによっては20時までしか使えなかったり、人数制限があったりして、色々と制約が多かった。 そんな中でもなんとか開催にこぎつけた団員・スタッフの皆さんには頭が下がる。 今回はトップを頼まれて、力及ばないながらできるだけのことはしようと思い、全ての練習に参加した。
本番は川崎市のホール。観客は人数を制限し、出演者の家族など関係者のみ。 事前にネットで予約、当日はQRコードで確認、検温の上、間隔を取って座ってもらう…という当節プロの公演でも見かける形式。
見ているのは関係者だけの本番でも、緊張するのは同じで、むしろ色々あった上で久しぶりの公演本番だと思うとよけいに緊張した。
弦楽器は譜面台1人1台。マスクは、演奏の時は外していいことになったが、このところ練習でずっとマスクをしていたので、練習と同じようにしたほうがいのではないかと思って、スーツと同じ黒のマスクのままで演奏した。
曲はモーツァルトの「魔笛」序曲、シューベルトの交響曲第3番、シューマンの交響曲第3番「ライン」。 練習期間が短かったこともあって、本番直前まで奏者間の感覚のずれがあると指揮の先生に厳しく指導されたが、 本番では大きな事故もなく、いい演奏ができたのではないかと思う。
シューマン「ライン」3楽章にはチェロトップのソロがある。 これは何度も練習を重ねて、本番が終わった今になっても尚、あれは何だったんだろう?あれでよかったのだろうか?…と謎が残った。 ビオラとファゴットが美しい旋律を奏でる中、チェロの一人だけがうねうねとした16分音符を目立たない音域で弾く。 ちょっと「田園」2楽章の動きに似ていて、「ひとり田園」とでも言おうか…。 ここを指揮の先生は、ビオラとファゴットに十分歌うよう指示し、あまりチェロのソロを目立たせるようにはしなかった。それはなぜですか?と先生に問い質すのは、ちょっとこわくてできなかった。
曲が終わってから拍手が起こるまでに妙に長い間があいたのは、少人数の観客が間隔をあけて座っていたせいだったろうか。 それでも長くあたたかい拍手をいただいたので、アンコールに急遽「ライン」3楽章の美しい冒頭部分(チェロのソロが始まる直前まで)をもう一度。
色々あった中で、とにかく本番を終えることができたことには充実感がある。 折りしも翌日のきょうからは4回目の緊急事態宣言。今後のオーケストラ活動はどうなることだろうか。
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