2024-01-01から1年間の記事一覧

そんなにニッポン、ニッポンと騒がなくてもいいのではないか

ニッポン・バンザイ論とでも言うべきものがあって、ことさらにニッポンは素晴らしいと言いつのる。日本料理は素晴らしい、歌舞伎は素晴らしい、俳句は素晴らしい、歴史にはこんな偉人がいた、そんな国に生まれて誇らしい、おお見よ、我らニッポン人と鼻高々…

実は◯◯であった

文楽や歌舞伎の狂言には、登場人物が実は歴史上有名な誰それであった、という趣向がとても多い。 たとえば、義経千本桜の渡海屋・大物浦の段のあらすじから一部抜書きするとこうだ。 ・・・義経一行の出発が迫る時刻、おりうが銀平を呼びます。すると「桓武…

日本の憧れ・コンプレックス

ある企画書を読んでみたら、やたらと英単語が書いてあった。企画書を書いた人はあんまり英語ができないので、なんでだろうなー、と3秒考えて、答えが出た。おそらく、英語が「カッコいい」「レベルが高そうに見える」という感覚なのだろう。 たいがいの日本…

気遣いのないやつ

どうも道徳・説教じみて申し訳ないのだが、世の中には気遣いのないやつというのがいて、まわりに迷惑をかけて平然としている。 その一にクチャクチャ噛む音を立てて物を食うやつというのがいる。飯屋でたまたま隣にこういうやつがいると災難で、クッチャクッ…

天皇と伝統と

ある政治家の主張を読んでいたら、皇統の話が出てきた。天皇家は男系で続くのが伝統であり、女性天皇は認めるが、女系に変わるのはよろしくない、とのことだ。 まあ、ひとつの考え方ではある。しかし一方で、世界的に女王が多くなっている理由も考えてみては…

百年の孤独、同時代ゲーム、千年の愉楽

ふと思い立って、ガルシア=マルケスの「百年の孤独」と、その影響のもとで書かれたと思われる大江健三郎の「同時代ゲーム」、中上健次の「千年の愉楽」を続けて読んでみた。いずれも僻地(貶める意図はない)の神話・物語の豊かさを綴った小説である。 ガル…

進化の不思議その2

先週、進化の不思議について書いた。たとえば、痛みという体がどうかなっているぞという信号や血液の凝固、免疫なんかの仕組みが放っておいたらできてしまったというのはなんとも不思議だ、という話だ。 年をとるといろいろと体に不具合が出てくる。筋力は落…

進化の不思議

おれはあまり体が強いほうではなく、痛みや痒み、だるさを感じることが多い。 あらためて考えると、こうした不愉快な感覚というのは多くの場合、体からの信号である。痛いというのはその場所で何かの異変が起きているという信号で、痛みという不快感は「早く…

政治家選ぶのに関係あるのか

今日は衆議院の投票日で、選挙公報を見ながらこれを書いている。 各候補者が政策を書くのは当然なのだが、その他になんだかよくわからないことが書いてあったりする。 たとえば、 シングルファザー 妻を亡くし2児の父 それ、政治家としてのあなたに関係あり…

まずは国会改革をすべきではないか

選挙が近づいて、街を選挙宣伝カーが走り回っている。 政治には金がかかり、それが問題を引き起こしているなら、まずあの選挙宣伝カーをなくしたらどうかと思う。あれはただ候補者の名前を撒き散らすだけで、政策論議にも本人の実行力にも関係ない。仕事の関…

2リットルの水を飲む

先日、医者に一日2リットルの水を飲むことを勧められたが、まあ、なかなかできることではない。 飲もうと思えば飲めないこともないのだが、一気には難しいし、ちびちび飲んでいると四六時中、水を口に運ぶことになる。平日だとすぐにトイレに行きたくなって…

Always Look on the Bright Side of Life

おれの好きな曲のひとつに、エリック・アイドルの“Always Look on the Bright Side of Life”がある。 エリック・アイドルはモンティ・パイソンで名を挙げ、その後、コメディアン、歌手、俳優として名をなした人だ。とぼけた味わいはモンティ・パイソンの中で…

小泉進次郎へのネットいじめ

自民党の総裁が石破茂に決まった。第一回投票では高市早苗がリードしていたから、決選投票で石破茂と小泉進次郎の二位、三位同名で逆転したということなのだろう。 自民党総裁選を前に、ネットでは小泉進次郎をいじる/叩くものがだいぶ出たようだ。YouTube…

志ん生の普遍性

昔の落語をよく聞く。志ん生、文楽、圓生が古いほうだ。談志や志ん朝もよく聞くが、おれからすると現代の落語に近い。 文楽、圓生だと古典といえば古典だが、笑いのセンスが少し古い感じがする。その点、志ん生は今でも普通に通用する笑いがある。 夫婦のや…

自然のジワジワ力

自転車に乗るのが好きで、休みの日はそこらへんを走り回っている。 川べりを走ることも多い。水のそばは気分がいいし、坂が少ないので楽でもある。 細い川の横が遊歩道・自転車道になっていて、舗装されており、木が植えられていたりする。そういうところに…

物が突然落ちる不思議

棚などから突然物が落っこちることがある。ドサッ、という音で驚くのだが、あれはいったいなんなのだろうか。 普通に考えれば、棚などにわずかな傾斜があって、物が少しずつ移動し、これ以上はもうここにいられません、となったところで落っこちる。とまあ、…

自由競争社会の医療

先日、大腸の内視鏡検査を受けてきた。 これまでも何度も受けていて、最初は確か二十代のときだったと思う。 検査の前に大腸をからっぽにするために2リットルほどの下剤を飲む。我慢できないくらいの便意で、水のような便がピューッと出る。それがまあ、3、4…

さよなら、オリンピック

パリ・オリンピックは何も見なかった。いつ始まって、いつ終わったのかもよく知らなかった。 いつの頃からか、オリンピックに興味がなくなった。いや、興味がないというよりも、何か嫌なイベントというイメージを持つようになった。 競技自体はおそらく見れ…

クロップのいないリヴァプール

サッカー、プレミアリーグのリヴァプールが好きで、試合をよく見る。 今年、監督がユルゲン・クロップからアルネ・スロットに代わり、昨日は初の公式戦イプスウィッチ戦だった。 見たところ、戦術はクロップ時代から大きく変わらないように見えた。前線から…

進化の不思議

人間の身体というのは実によくできていると常々思う。 たとえば、苦痛があると、「ああ、なんでこんな苦しい目に会わんといかんのだ」などと思う。しかし、一歩引いて眺めて見ると、苦痛というのは「このままだとやばいっすよ」という信号であって、もし苦痛…

神様が現代に現れたら

ジョン・トラボルタ主演の映画「マイケル」を見た。 マイケル/ジョン・トラボルタ (字幕版) ジョン・トラボルタ Amazon 大天使ミカエル(マイケル)が現代のアメリカの田舎に現れる。「天使」の神々しいイメージとは違って、陽気で下品で、タバコを吸い、ダン…

乗り物疲れ

昨日は大阪に出張だった。 新横浜から新大阪までおおよそ二時間くらいなのだが、それでもなんだか疲れる。新幹線のなかで仕事しようとしたのだが、パソコンに文字を打っているうちになんだか酔ってきて、よしにしてしまった。 たった二時間でどうしてこう疲…

剣道の集団戦を見たい

誰かがネットに書いていたのだが、剣道を団体でやったらどうなるだろうか。 剣道にも団体戦というのがあって、多くの場合、5人対5人で戦う。もっとも、それぞれの試合は一対一だから、まあ、個人戦を5回やるというかたちである。あくまで試合は個人戦なのだ…

セリフまわしの価値観

何度か書いたことがあるが、おれは日本のアニメが嫌いである。理由はいくつかあるが、極端な抑揚をつけるセリフまわしが不自然で嫌だということがひとつだ。少し前に「スラムダンク」の映画版を見てみたが、やはりセリフまわしの変な癖が耳について、途中で…

オリンピックにサッカーはいらない

サッカーのユーロ2024をちょぼちょぼ見ている。 ヨーロッパのトップを争う大会で、近隣国同士の戦いだから、ワールドカップとはまた違った雰囲気があり、楽しい。 若手選手がどんどん出てきていて、新鮮である。ワールドカップに向けて若返りを図る国も多い…

いい子の火遊び

いつも使っている地下鉄の駅にサントリーの「ほろよい 白いサワー」の広告看板が出ている。こんな広告だ。 コピーを書き写すと、 いい子なわたしはもうおしまい。 あしたでいいなら、あしたやる。 楽しめるとき、楽しまな。 メールも、見ません。よろしくで…

ジャマイカには何があるのか

おれの世代だと、ジャマイカというとレゲエをまず思い浮かべる。ボブ・マーリーに代表されるクラシカルなレゲエから、レゲエとヒップホップが異種混合したダンスホールスタイルへと進化する過程を、若い頃に見て(聞いて)いた。音楽で世界中に影響を与えた…

風、式、調

この間買ったレトルト食品に「チャーハン風」と書かれた商品があった。チャーハン風とはなんだろうか、と食べてみると、ご飯にチャーハンのような味付けがしてあって、しかし炒めてはなく、確かにチャーハン風であった。 風という言葉がつくものには本物に似…

TOTOという不思議なバンド

最近、仕事のからの帰りにTOTOを聞くことが多い。 おれが初めてTOTOを聞いたのは高校生の頃くらいだろうか。「Rosanna」や「Africa」が流行っていた。いかにもアメリカのロサンゼルスというサウンドで、メンバーの演奏技量は高く、曲もポップで、実に「美味…

むしる喜び

これを読んでくれる人にとってかなりどうでもいい話だろうが、おれは体から何かをむしるのが好きだ。 たとえば、乾いたカサブタ。もうイケるかな、まだ早いかな、というくらいのカサブタが最高だ。はじの方の少しめくれているところをつまんで、メリメリメリ…