Always Look on the Bright Side of Life

 おれの好きな曲のひとつに、エリック・アイドルの“Always Look on the Bright Side of Life”がある。

 エリック・アイドルはモンティ・パイソンで名を挙げ、その後、コメディアン、歌手、俳優として名をなした人だ。とぼけた味わいはモンティ・パイソンの中でも独特で(もっとも、モンティ・パイソンのメンバーはみな独特だが)、おれはとても好きだ。

“Always Look on the Bright Side of Life”は直訳すると、人生の明るいほうをいつも見ていよう、という意味だ。人生にはうまくいかないことも多いけど、明るいほうを見ていよう、というような歌詞。作詞作曲ともエリック・アイドルである。

 初出はモンティ・パイソンの映画「ライフ・オブ・ブライアン」。

youtu.be イエスと間違われて磔になったブライアンに、まわりの磔の罪人たちと一緒に「人生の明るいほうをいつも見ていよう」という、なんとも皮肉というか、ブラックというか、大変なシーンである。よくまあ、こんな映画を作ったものである。今ではとても無理だろう。というか、当時も真面目なキリスト教徒から相当顰蹙を買ったようだが。

 “Always Look on the Bright Side of Life”は2012年のロンドン・オリンピックの閉会式にもエリック・アイドルとともに登場した。エリック・アイドルは年をとってとぼけた味わいがさらに増していた。残念ながら、著作権の関係でこのブログに埋め込みはできないようだが、興味のある人はYouTubeでご覧いただきたい。

  昔、ナイキもCMで使っていた。スポーツのうまくいかないシーンをいろいろ取り上げて、それでも「人生の明るいほうをいつも見ていよう」と呼びかける。スポーツの素晴らしさは失敗があるからこそ、というメッセージが伝わって、いい映像である。

www.youtube.com 本当に「人生の明るいほうをいつも見ていよう」と思う人は、暗い部分を知っている人、暗い部分に悩んでいる人だろう。影にいるから光のほうへ行きたいと思う。ずっと光の側にいる人は特段、光を気にしないだろうし、明るいほうを見ていようなどと呼びかけたり、自分に言い聞かせたりはしないだろう。そういう意味では、とても深い歌である。

 最後に北朝鮮の“Always Look on the Bright Side of Life”。

www.youtube.com もちろん、合成である。こういう茶化し、皮肉が効く、独特な歌である。