新大阪駅から北へ700mほどにあるJR東海道線東淀川駅で改良工事が始まる。橋上駅舎に建て替え、両端にあるJR西日本エリアワーストの「開かずの踏切」を解消する。2年後には、線路を挟んだ東西の人と自動車の流れも変わる。
西日本旅客鉄道(JR西日本)と大阪市は2016年5月、東淀川駅の橋上化・自由通路新設、駅付近の「開かずの踏切」廃止を発表した。18年末の完成を目指して工事に入る。
駅の橋上化はJR西日本の事業、踏切廃止・自由通路新設は大阪市とJR西日本の共同事業として進める。両者は事業予算などについて検討に入った。
1940年に開業した東淀川駅は、東淀川区側の東口と、淀川区側の西口があり、それぞれに駅舎を構えている。2面4線の島式ホームを持ち、内側の2線に普通電車が発着する。外側の2線は、新快速などが通過する急行線で、ホームには柵がある。
課題だった「開かずの踏切」は、ホームの北にある「北宮原踏切」(第1・第2)と、その南にある「南宮原踏切」。旅客線と貨物線で合計8線ある南宮原踏切は横断長が46.8mもある。1時間のうち合計で最大57分間も遮断機が降りたままの状態があり、1日の遮断時間は合計16時間以上にも上る。
南宮原踏切の遮断時間はJR西日本エリア最長で、次いで北原第1踏切が56分で同社内2位だ(2014年調査)。
また、東海道線の東西を結ぶ道路や通路は、これらの踏切以外に駅構内の地下道や、歩道橋「日之出こ線橋」があるが、バリアフリーに対応していない。
こうした背景から、スロープやエレベーター、上りエスカレーターなどを組み合わせた東西自由通路を新設し、自由通路に接続する橋上駅舎を整備する。新駅舎などは、既存の駅構内こ線橋を活用する。これに合わせ、現在の東口・西口の駅舎は解体・撤去する。