建築、土木の分野では、3次元CADによる設計、施工を行うことがあるため、3次元データに対するニーズが高まっています。地形データが3次元で入手できると便利ですね。

国土地理院の「基盤地図情報サイト」から、日本全域の地形を3次元データ化した「基盤地図情報(数値標高モデル)」を無料でダウンロードできるのをご存じでしょうか。そのデータの精度は、

ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、

 

10mメッシュ

 

という細かさなのです。

11月19日、ESRIジャパンが開催した「第5回 GISコミュニティフォーラム in つくば」では、このデータをGIS(地理情報システム)用ソフト「ERDAS IMAGINE」に読み込み、いろいろな解析を体験するセミナーがありましたので参加してきました。

10mメッシュの標高データは、「XML形式」で提供されています。まずは「img形式」に変換し、ERDAS IMAGINEに読み込みました。続いて、地形を彫刻のように見る「レリーフ表示」や、斜面の方向を色分け表示する「斜面方位表示」を行いました。

仕上げは、「アナグリフ画像」の作成です。パソコンの画面に表示した地形はぼやけた感じでしたが、青と赤のフィルムが付いた立体視用のメガネをかけてみると、目の前に見事な3D映像が浮かび上がりました。

このほか、「ArcView」と「モデルビルダー」というソフトを使って、「道路から200m以内で、市街地、畑地、牧草地、自然保護区以外の地域」といった条件に合う土地を探し出す体験セミナーも行われました。

「基盤地図情報(数値標高モデル)」がダウンロードできる国土地理院のサイト

GISソフト「ERDAS IMAGINE」を使って数値標高モデルを解析する体験セミナー(上段左)。標高を濃淡で表した画面(上段右)。立体視用メガネをかけた筆者(下段左)。桜島のアナグリフ画像(下段右)(写真:日経BP社)

GISソフトに読み込んだ地図データから条件に合った場所を絞り込む作業。元の地図(左)から条件に合った場所を検索し、オレンジ色で表示したところ(右)(写真:日経BP社)

同時に開催された講演会には多くの参加者が集まった(左)。会場のつくば国際会議場(右)(写真:日経BP社)

このイベントの会場は、つくば国際会議場という施設でした。建物の外に出てみると、映画のエンディングを思わせる感動的なものに出くわしたのです。