家族や仲間同士の連絡にTwitterやFacebook、LINEなどのインスタントメッセンジャーを愛用されている技術者の方は多いと思う。これらのインスタントメッセンジャーでは、容量の小さいメッセージが頻繁に送受信される。すると、携帯電話機の内部記憶への読み書きが高頻度で発生し、携帯電話機中のフラッシュメモリーのアクセス回数が増加する。

 携帯電話機のフラッシュメモリーの書き込み速度は比較的遅いため、インスタントメッセンジャーを頻繁に使うと携帯電話機の速度低下を招く恐れがある。その速度低下を解消する手法を、韓国Pohang University of Science and Technology(POSTECH)と韓国Samsung Electronics社の研究グループが、「DATE(Design, Automation, and Test in Europe) 2015」(フランス・グルノーブル、2015年3月9日~13日)で発表した。

 講演タイトルは「Small Non-Volatile Write Buffer to Reduce Storage Writes in Smartphones」(講演番号6.5.2)である。携帯電話機のフラッシュメモリーとプロセッサーの間にインタントメッセンジャーに特化したバッファーを置く。このバッファーは高速なメモリーで実装されており、書き込み速度が比較的遅いフラッシュメモリーの書き込み回数を半分以下にすることができたという。

実際のサービスを分析

写真1●ボトルネックを探る 講演者のスライド。
写真1●ボトルネックを探る
講演者のスライド。
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 インスタントメッセンジャーの送受信における携帯電話機中の処理は、メッセージデータそのものの処理と、送信者などを管理するSQLライクなジャーナル処理の2つに分かれる。講演者らは、TwietterやFaceBook、Google+、Kakao Talk(LINEようなメッセンジャー)などの代表的なメッセンジャーアプリにおけるフラッシュメモリーのアクセスの状況を解析した。

 その結果、インスタントメッセンジャーのような小さいデータが頻繁にアクセスされる場合、フラッシュメモリーへのアクセス頻度が高くボトルネックとなっているのは、メッセージの内容よりもジャーナル処理の中のジャーナルのヘッダーページであることが分かったという(写真1)。