建設機械の遠隔操作の活用が広がってきました。もともと災害復旧や砂防工事の現場で作業員の安全を確保するために開発された技術でしたが、近年は人手不足への対応や施工の効率化などを目的に採用する動きが相次いでいます。

 例えば、鹿島は秋田県内の成瀬ダムの現場に、タワークレーンの遠隔操作システム「TawaRemo(タワリモ)」を導入しました。竹中工務店やアクティオ(東京・中央)、カナモトと共同で開発したシステムです。オペレーターが高所の運転席まではしごで登り、そこで1日中拘束される必要がなくなるので、作業環境が大幅に改善。オペレーターの移動時間を1日当たり65分短縮できました。

 大林組は慶応義塾大学と共同で、山岳トンネル工事の火薬装填作業を遠隔・自動化するシステムを開発しました。遠隔地にいる作業員が、トンネル内の切り羽で作業するロボットから送信される映像を確認しながら、込め棒やパイプの抵抗力などを再現したリモコンを操作します。作業員は安全な場所にいながら、現場で手を動かす感触で作業できます。

 対象工事分野も拡大しています。不動テトラは、ソイルテクニカやカナモトと共同で、国内初となる地盤改良現場での遠隔操作による無人化施工の実証実験を実施。戸田建設は、超高層の自社ビル「TODA BUILDING」(東京・中央)の現場に、新しく開発した「タワークレーン遠隔操作システム」を投入しました。日経クロステックで掲載している最近の主な類似記事をまとめました。