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 熊本県内を中心に戸建て住宅の施工・販売などを手掛けるLib Work(リブワーク)。同社では、「土」を材料に用い、建設3Dプリンターを駆使した「未来の家」づくりが進行中だ。2024年1月末に、プロトタイプとして土壁の木造住宅「Lib Earth House “modelA”」を発表。今後も開発を進め、25年に一般販売を開始する計画だ。事業の狙いと戦略を瀬口力社長に聞いた。(聞き手は星野 拓美=日経クロステック/日経アーキテクチュア)

Lib Workの瀬口力社長。1999年にLib Workの前身である瀬口工務店を父親から引き継ぎ、2000年から社長を務める。住宅展示場に頼らないネット集客や、ライフスタイルブランドとのコラボ住宅の販売などを通じて事業を拡大してきた。19年に東証マザーズ市場(現東証グロース市場)に上場。24年6月期決算(連結)は売上高170億円、営業利益5億9000万円の見通しだ(写真:日経クロステック)
Lib Workの瀬口力社長。1999年にLib Workの前身である瀬口工務店を父親から引き継ぎ、2000年から社長を務める。住宅展示場に頼らないネット集客や、ライフスタイルブランドとのコラボ住宅の販売などを通じて事業を拡大してきた。19年に東証マザーズ市場(現東証グロース市場)に上場。24年6月期決算(連結)は売上高170億円、営業利益5億9000万円の見通しだ(写真:日経クロステック)
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3Dプリンター住宅の開発に取り組む理由を教えてください。

 理由は2つ。1つは住宅業界に革新を起こしたいからです。私がこの業界に入ってから約25年たちますが、住宅の見た目に大きな変化はありません。もちろん省エネ性能や耐震性能などは向上してきました。しかし「ガラケーからスマホ」「ガソリン車から電気自動車(EV)」のような大転換は見られない。

 何十年も同じような住宅をつくっていては、いずれ買ってもらえなくなると思います。米テスラが「未来のクルマ」を世界に示したように、我々は「未来の家」を提案したい。住宅の在り方を再定義し、今までとは違う全く新しい商品を生み出したいのです。

2024年1月末に発表した「Lib Earth House “modelA”」。建設3Dプリンターを使って施工した土壁の木造平屋住宅だ。造形の自由度が高い3Dプリンターの特長を生かし、外壁に斜めの格子模様を付けた(写真:日経クロステック)
2024年1月末に発表した「Lib Earth House “modelA”」。建設3Dプリンターを使って施工した土壁の木造平屋住宅だ。造形の自由度が高い3Dプリンターの特長を生かし、外壁に斜めの格子模様を付けた(写真:日経クロステック)
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 もう1つは住宅業界の人手不足を解消するため。既に大工の数が圧倒的に足りませんし、今後ますます減っていくでしょう。このままでは我々の事業が立ちゆかなくなります。従来とは方法を変えて住宅を施工できるようにしなければなりません。省人化を実現できる建設3Dプリンターを活用しない手はないと考えました。

「Lib Earth House “modelA”」の土壁を印刷するのに用いた3Dプリンターは1台。印刷に要した時間は延べ72時間(写真:Lib Work)
「Lib Earth House “modelA”」の土壁を印刷するのに用いた3Dプリンターは1台。印刷に要した時間は延べ72時間(写真:Lib Work)
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